人気シリーズもいよいよ第5弾。サントス・ツアー・ダウンアンダーを走ったUCIワールドチームのバイク紹介シリーズ、今回はグルパマFDJのラピエール、モビスターのキャニオン、ドゥクーニンク・クイックステップのスペシャライズドを紹介します。


グルパマFDJ / ラピエール Aircode SL

グルパマFDJ / ラピエール Aircode SLグルパマFDJ / ラピエール Aircode SL photo:Kei Tsuji
フランスのグルパマFDJがフランスのラピエールに乗り始めてかれこれ17年目。思いつく限りUCIワールドチームの中で最長となるバイクサプライヤーであるラピエールはエアーコードSLとゼリウスSLをチームに供給する。モデルもバイク自体も2018年からの継続で、カラーリングもそのままだ。


サドルクランプ部にゼッケンプレートの台座がつくサドルクランプ部にゼッケンプレートの台座がつく photo:Kei TsujiPROの1mm刻みのステムが供給されるPROの1mm刻みのステムが供給される photo:Kei Tsuji


シマノ色の強いセットアップで、メインコンポーネントはもちろんシマノ・デュラエースR9150Di2。ホイールやペダル、パワーメーターも同デュラエースで、ハンドルやステムはPRO製品で固められている。

プロロゴのサドルとコンチネンタルのタイヤ、エリートのボトルケージを除いてシマノ/PRO製品で、PROのステムの長さは1mm刻みで調整している(写真のヴァンサンのステムは116mm)。一時期はQファクターの狭さを売りにするメーカーが多かったものの、近年は選手の好みに合わせてQファクターを調整するのがトレンド。サガンが先駆けとなり、シャフトを+4mm延長したペダルを選択する選手が増えている印象だ。


デュラエースのホイールにコンチネンタルのタイヤデュラエースのホイールにコンチネンタルのタイヤ photo:Kei Tsuji機材入れ替え中のためシマノのパワーメーターは付いていない機材入れ替え中のためシマノのパワーメーターは付いていない photo:Kei Tsuji
シマノ・デュラエースのフルコンポーネントを使用シマノ・デュラエースのフルコンポーネントを使用 photo:Kei Tsuji4mm延長したロングシャフトを愛用する選手が増えている印象4mm延長したロングシャフトを愛用する選手が増えている印象 photo:Kei Tsuji



モビスター / キャニオン Ultimate CF SLX

モビスター / キャニオン Ultimate CF SLXモビスター / キャニオン Ultimate CF SLX photo:Kei Tsuji
世界王者バルベルデ率いるモビスターのバイクは2019年もキャニオン。同じくキャニオンに乗りながらディスクブレーキ化したカチューシャ・アルペシンとは対照的にリムブレーキを使い続ける。選手たちはオフシーズンにディスクブレーキをテストしたが、レースで使用するかどうかは未定とのこと。


12速化したカンパニョーロのスーパーレコードEPSを投入12速化したカンパニョーロのスーパーレコードEPSを投入 photo:Kei Tsuji12速化したカンパニョーロのスーパーレコードEPSを投入12速化したカンパニョーロのスーパーレコードEPSを投入 photo:Kei Tsuji


ロット・スーダルとUAEチームエミレーツと同様に、12速化を果たしたカンパニョーロのスーパーレコードEPSを今シーズンから新たに投入。バイク全体のカラーコーディネートに力が入っており、フレームは紺色から水色に移り変わるグラデーションカラーが特徴的で、フィジークのサドルなど差し色として白色が入る。パワーメーターは青いアルマイトが目立つパワー2マックスで、カンパニョーロのボーラウルトラ50もチームカラーバージョン。

山岳を得意とする選手の多さと比例して、エアロードCF SLXよりもアルティメットCF SLXをセレクトする選手が多い。ギアはフロントが53-39、リアが11-32という組み合わせ。このワイドなギア比でほぼ全てのレースをカバーする。

ディスクブレーキの投入は見送られ、リムブレーキ仕様で走るディスクブレーキの投入は見送られ、リムブレーキ仕様で走る photo:Kei Tsuji昨年から変更がないため、多くの選手がステム一体型ハンドルを使用した昨年から変更がないため、多くの選手がステム一体型ハンドルを使用した photo:Kei Tsuji
パワーメーターはチームカラーのパワー2マックスパワーメーターはチームカラーのパワー2マックス photo:Kei Tsujiコンポーネントからホイールまでカンパニョーロで統一コンポーネントからホイールまでカンパニョーロで統一 photo:Kei Tsuji




ドゥクーニンク・クイックステップ / スペシャライズド S-Works Venge

ドゥクーニンク・クイックステップ / スペシャライズド S-Works Vengeドゥクーニンク・クイックステップ / スペシャライズド S-Works Venge photo:Kei Tsuji
イタリアチャンピオンのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)が乗るのはスペシャライズドのS-Worksヴェンジ。選手の脚質というより、ステージの性質に合わせてS-Worksターマックと乗り分けた。ドゥクーニンク・クイックステップは2019年シーズンをディスクブレーキオンリーで戦うことを公言しているチームの一つだ。

スペシャライズドの各種サドルを使い分けるスペシャライズドの各種サドルを使い分ける photo:Kei TsujiBBにはセラミックスピードを採用BBにはセラミックスピードを採用 photo:Kei Tsuji

リアにかけて黒から青に切り替わるチームカラーのヴェンジに組み合わされるのはシマノ・デュラエースR9170Di2で、パワーメーターもシマノを採用している。ディスクローター径はフロント160mm/リア140mm。ホイールはロヴァールのCLX50をメインに使用した。タイヤとサドルはスペシャライズド製。ヴェンジにはデフォルトの専用ステム&ハンドルを使用したが、ターマックにはPROのステムを使用する。

ディスクブレーキ化によって懸念されるのがホイール交換だが、チームはバイク交換を推進しながらも電動ドライバーを使ってのスルーアクスル着脱をテスト中。メカニックによると、フロントホイールであれば所要時間10秒以下の交換を実現している(リアホイールは不明についてはノーコメント)。

ケーブル類が外に出ないすっきりとしたデザインケーブル類が外に出ないすっきりとしたデザイン photo:Kei Tsujiロヴァールのホイールにスペシャライズドのタイヤロヴァールのホイールにスペシャライズドのタイヤ photo:Kei Tsuji
シマノのパワーメーターを新たに採用したシマノのパワーメーターを新たに採用した photo:Kei TsujiヴィヴィアーニはDi2のスプリンタースイッチを愛用するヴィヴィアーニはDi2のスプリンタースイッチを愛用する photo:Kei Tsuji

text&photo:Kei Tsuji

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