長年所属したチームを離れ、今年加入したヴィスマ・リースアバイクで悲願のジロ・デ・イタリア総合優勝を飾ったサイモン・イェーツ（イギリス）。記者会見で「グランツールの勝ち方を知るチームで走りたかった」と移籍理由を語った。
マリアローザ サイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク）
レース直後インタビュー
総合優勝を決めたサイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク） photo:RCS Sport
いまだこの大きな結果を噛み締めている最中だ。3週間に渡るチームの走りを誇りに思うし、もちろんオラフ（コーイ）による勝利は素晴らしかった。とても信じられない3週間になったよ。
昨日（のレース後）はここまで飛行機で移動しなければならなかったこともあり、あまりレースを振り返ることができなかった。そして気持ちを切り替え、今日のレースに集中した。オラフによる勝利のチャンスが高いレースだったからね。
これまでの選手キャリアで様々な成功があったが、この総合優勝に勝るものはないだろう。この勝利がこれからの選手キャリアにどう繋がっていくか、自分でも楽しみにしている。
記者会見でのコメント
第7ステージ時点では総合9位だったサイモン・イェーツ photo:RCS Sport
プロ選手になってからグランツールという頂点のレースで勝ちたいという目標を持っていた。そして2018年大会でジロが大好きなレースになった。ここでは良い時も、また悪い時もあった。何度も総合優勝の候補に挙げられながら、ようやくマリアローザを勝ち取ることができた。夢が叶ったことがいまだに信じられないよ。
自分ならやれるという自信を持ち続けていた。だがリチャル（カラパス）とイサーク（デルトロ）に対し、徐々にタイム差をつけられていった。そうやって総合優勝が遠のいていき、逆転することは簡単ではないと思っていた。だけどチームの皆が励まし、勇気づけてくれた。それに自分自身を信じることができ、それが昨日のような走りに繋がった。
フィネストレ峠でアタックしたサイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク） photo:CorVos
レオ14世と握手するサイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク） photo:CorVos
正直、脚を止めてローマ教皇と挨拶することは知らなかったんだ。ただその前を通り過ぎるだけだと思っていた。でも本当に忘れられない体験になったよ。
（今年ヴィスマ・リースアバイクに）移籍したのは変化が必要だと思ったから。それにグランツールの勝ち方を知っているチームで走りたかった。それも1人（のエース）ではなく、異なる選手でも成功しているチームに。だからといってジェイコ・アルウラーに長く在籍していたことに一切の後悔はない。生涯の友や素晴らしい思い出を作ることができたし、このジロを除き全ての成功をもたらしてくれたチームだからね。
もちろん選手キャリアの中で自分を疑ったことはある。それにジロだけでなく、様々なレースで上手くいかず、何度も挫折を経験した。その時は選手を辞め、違うことをしようと思ったこともあった。だけど思い留まり、こうやって今年を「キャリアハイのシーズン」にすることができた。今年は過去に体験したような不運もなかった。
7年越しにマリアローザを獲得したサイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク） photo:RCS Sport
昨日、あれほど涙を流したのは（プライベートを含め）初めてのこと。あまり感情的にならないのだが、昨日は感情が溢れ出た。なぜなら長年努力を重ね、犠牲を払った末に掴んだものだから。本当に信じられなかったからだよ。
（第20ステージの）フィネストレ峠で仕掛けたのは、（デルトロとカラパスを引き離して）単独になりたかったから。自分のリズムで登りたかったから。勝てる脚があり、自分の走りに集中したかった。総合タイムを失ってしまう爆発的な加速力が必要な（短く緩斜面の）登りではなく、高出力で踏み続ける長い登りならば、自分の強みを活かせると思った。
未舗装路区間に入っても、ハイペースで踏み続けるサイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク） photo:CorVos
アダム・イェーツ（イギリス、UAEチームエミレーツXRG）と肩を組むサイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク） photo:RCS Sport
アダムとは仲がいいが、競技のことについてはほとんど話さないんだ。今日のレース中はバチカン市国のことについて話していたよ。（アダムのチームメイトである）イサーク（デルトロ）はとても若く、明るい未来が待っているはず。彼は既にワールドクラスの選手だ。僕自身が21歳の時は、プロ選手ですらなかったはず。今後、彼は多くの成功を掴むことだろう。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
マリアローザ サイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク）
レース直後インタビュー
いまだこの大きな結果を噛み締めている最中だ。3週間に渡るチームの走りを誇りに思うし、もちろんオラフ（コーイ）による勝利は素晴らしかった。とても信じられない3週間になったよ。
昨日（のレース後）はここまで飛行機で移動しなければならなかったこともあり、あまりレースを振り返ることができなかった。そして気持ちを切り替え、今日のレースに集中した。オラフによる勝利のチャンスが高いレースだったからね。
これまでの選手キャリアで様々な成功があったが、この総合優勝に勝るものはないだろう。この勝利がこれからの選手キャリアにどう繋がっていくか、自分でも楽しみにしている。
記者会見でのコメント
プロ選手になってからグランツールという頂点のレースで勝ちたいという目標を持っていた。そして2018年大会でジロが大好きなレースになった。ここでは良い時も、また悪い時もあった。何度も総合優勝の候補に挙げられながら、ようやくマリアローザを勝ち取ることができた。夢が叶ったことがいまだに信じられないよ。
自分ならやれるという自信を持ち続けていた。だがリチャル（カラパス）とイサーク（デルトロ）に対し、徐々にタイム差をつけられていった。そうやって総合優勝が遠のいていき、逆転することは簡単ではないと思っていた。だけどチームの皆が励まし、勇気づけてくれた。それに自分自身を信じることができ、それが昨日のような走りに繋がった。
正直、脚を止めてローマ教皇と挨拶することは知らなかったんだ。ただその前を通り過ぎるだけだと思っていた。でも本当に忘れられない体験になったよ。
（今年ヴィスマ・リースアバイクに）移籍したのは変化が必要だと思ったから。それにグランツールの勝ち方を知っているチームで走りたかった。それも1人（のエース）ではなく、異なる選手でも成功しているチームに。だからといってジェイコ・アルウラーに長く在籍していたことに一切の後悔はない。生涯の友や素晴らしい思い出を作ることができたし、このジロを除き全ての成功をもたらしてくれたチームだからね。
もちろん選手キャリアの中で自分を疑ったことはある。それにジロだけでなく、様々なレースで上手くいかず、何度も挫折を経験した。その時は選手を辞め、違うことをしようと思ったこともあった。だけど思い留まり、こうやって今年を「キャリアハイのシーズン」にすることができた。今年は過去に体験したような不運もなかった。
昨日、あれほど涙を流したのは（プライベートを含め）初めてのこと。あまり感情的にならないのだが、昨日は感情が溢れ出た。なぜなら長年努力を重ね、犠牲を払った末に掴んだものだから。本当に信じられなかったからだよ。
（第20ステージの）フィネストレ峠で仕掛けたのは、（デルトロとカラパスを引き離して）単独になりたかったから。自分のリズムで登りたかったから。勝てる脚があり、自分の走りに集中したかった。総合タイムを失ってしまう爆発的な加速力が必要な（短く緩斜面の）登りではなく、高出力で踏み続ける長い登りならば、自分の強みを活かせると思った。
アダムとは仲がいいが、競技のことについてはほとんど話さないんだ。今日のレース中はバチカン市国のことについて話していたよ。（アダムのチームメイトである）イサーク（デルトロ）はとても若く、明るい未来が待っているはず。彼は既にワールドクラスの選手だ。僕自身が21歳の時は、プロ選手ですらなかったはず。今後、彼は多くの成功を掴むことだろう。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
Amazon.co.jp
