逃げ切り勝利を掴んだストーム・インゲブリクトセン(ノルウェー、チームコープ・レプソル) photo:Tour of Norway 今大会も例年同様、4日間を通して本格山岳は登場せず、平坦や丘陵ステージが主となる。初日は序盤と中盤にそれぞれ難易度の低いカテゴリー山岳(2級、3級)が設定された平坦ステージ。気温10度前後の寒さと雨が路面を濡らすなか、昨年の総合優勝者でイネオス・グレナディアーズに移籍したアクセル・ローランス(フランス)が落車によりリタイアした。
登りスプリントを制したマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:Tour of Norway プロトンが逃げ切りを許した翌日は、コース後半に1級山岳が登場した丘陵ステージ。終盤の3級山岳によりアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)らスプリンターが遅れ、フィニッシュ直前の丘でヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)がアタック。しかしこれをヴィクトル・ランゲロッティ(モナコ、イネオス・グレナディアーズ)が引き戻し、ランゲロッティの背後から迫ったマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)がフィニッシュ直前で追い抜いた。
第3ステージ(5月31日)
前日2位のリベンジを果たしたマキシム・ファンヒルス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:Tour of Norway 大会3日目の舞台はフィヨルド(細長い湾や入り江)を巡る141.6km。6つの短いカテゴリー山岳を越えるテクニカルなレイアウトは、パンチャーによるアタックの応酬となる。クリステンをアシストするアレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツXRG)が登りで加速すると、先頭集団は6名に絞られた。
ハンドル投げの接戦を制したマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:Tour of Norway 大会の最終日は残り3km地点で逃げを捉え、集団スプリントで決着した。ウノエックスとUAEが集団前方でトレインを組み、最終ストレートでクリストフが先頭で入る。しかし勝ったのは、背後から一気に番手を上げ、圧巻のトップスピードを披露したブレナンだった。
自身初となる総合優勝を決めたマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:Tour of Norway 今年下部チームから昇格し、プロデビューを果たしたブレナンは19歳。ここまでボルタ・ア・カタルーニャやツール・ド・ロマンディなどワールドツアーでもステージ優勝を飾っており、これで今季7勝目と快進撃を続けている。