2018/12/30(日) - 17:36
4回に分けてお送りしている海外ロードレースのシーズン振り返りシリーズ第3弾。フランスやスイスでマイヨジョーヌ候補が火花を散らした前哨戦や真夏のツール・ド・フランスまで、まさにシーズンの最盛期を振り返ります。
6月
5月のジロ・デ・イタリアが終わると7月のツール・ド・フランスに向けてカウントダウンがスタート。前哨戦として知られるフランスのクリテリウム・デュ・ドーフィネはミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)によるプロローグ制覇でスタート。一旦ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)に明け渡したリーダージャージを、大会4日目のチームタイムトライアルで勝利したチームスカイが奪取します。山岳ステージでジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)やダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)、ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)がステージ優勝を飾る中、リーダージャージはクウィアトコウスキーからジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)へと引き継がれます。最終山岳ステージを制したアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が総合2位に浮上し、首位を守り抜いたトーマスとともにイギリス勢総合ワンツーを飾りました。
もう一つの前哨戦ツール・ド・スイスはBMCレーシングによる初日チームタイムトライアル勝利で幕開けました。ツールでの活躍が期待される世界王者ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が平坦ステージで力を見せ、中盤の山岳ステージでリーダージャージはシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)からリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)の手に。ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が超級山岳フィニッシュを制したものの、ポートの首位は揺るぎませんでした。最終個人タイムトライアルでキュングが勝利するとともに、ポートがチームお膝元であると言ってもいいスイスで大きな勝利を収めています。
近年多くのトップ選手を輩出しているスロベニアを舞台にしたツアー・オブ・スロベニアでは、今やスロベニアの星となったプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)が総合優勝。山岳ステージでも個人タイムトライアルでも他を圧倒した元スキージャンパーが勢いをつけてツール・ド・フランスに挑むことになりました。
7月
一時は主催者ASOが ディフェンディングチャンピオンに対して出場拒否の姿勢を表明する事態となったものの、UCIによる無罪の言い渡しを経て、7月7日、ツール・ド・フランスが開幕。フランス北西部のヴァンデ県から同国を時計回りに一周する旅が始まると、まずはフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が開幕スプリント勝利を果たします。コロンビアに15年ぶりのマイヨジョーヌをもたらしたガビリアはステージ2勝をマーク。他にもディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)がステージ2勝、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)がステージ1勝、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)がステージ1勝を飾りましたが、ステージ3勝&様々なステージでポイントを稼いだペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がマイヨヴェールに輝きました。
マイヨジョーヌ争いの点で好スタートを切ったのは、第3ステージのチームタイムトライアルを制したBMCレーシングでした。ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)が勝利したミュール・ド・ブルターニュを終えて、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)がマイヨジョーヌを堅守。BMCレーシングは好位置をキープしたまま前半戦のクライマックスであるパリ〜ルーベさながらの石畳ステージに挑みましたが、エースのポートがまさかの落車リタイアに見舞われます。突然エースを託されたマイヨジョーヌのヴァンアーヴェルマートはステージ優勝争いに絡みながらも2位。交通事故から長らくスランプに陥っていたジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)が完全復活を印象づける勝利を飾りました。
アルプス山脈に突入すると、新山岳王ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が躍進。アルプス初日の山岳ステージで勝利を飾ったアラフィリップは、マイヨアポワを着てピレネー初日の山岳ステージで再び勝利。3週間を通して山岳ポイントを量産したアラフィリップが開催国フランスに赤玉ジャージをもたらしました。
マイヨジョーヌ争いが本格化したのはアルプス2日目の1級山岳ラ・ロジエール山頂フィニッシュ。ステージ優勝したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がマイヨジョーヌに袖を通すと、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が落車負傷したラルプデュエズ山頂フィニッシュで再びアタック。怒涛のステージ2連勝で総合リードを広げました。
チームスカイのエースは4連続グランツール制覇がかかったフルームなのか、それともマイヨジョーヌを着るトーマスなのか。その答えは65kmという極端に短いコースに難関山岳が詰め込まれた第17ステージで明らかになります。キンタナがステージ優勝を飾ったその後ろではフルームが脱落し、トーマスが首位を固める結果に。ピレネー最終日の第19ステージでフルームはアシストに回ってトーマスを支え、下りフィニッシュで先行したログリッチェにステージ優勝&総合3位浮上を許しながらもマイヨジョーヌを守りました。
31km個人タイムトライアルではフルームを1秒差で下したデュムランがステージ優勝。ステージ3位に入ったトーマスがウェールズ人として初のツール制覇を決め、マイヨジョーヌを着てパリ・シャンゼリゼに凱旋しました。
ジロローザでは、個人タイムトライアルとモンテゾンコラン、そして最終山岳ステージで勝利したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が圧倒的な走りで総合優勝。絶好調ファンフルーテンはツール第10ステージに先立って行われたラ・コルスbyツール・ド・フランスでアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)に先行を許しながらも、フィニッシュ50m手前でライバルを抜き去って劇的な勝利を収めています。
2017年にイギリス初のUCIワールドツアーレースとなったプルデンシャル・ライドロンドン・サリー・クラシックにはトップスプリンターが集結。ジロ・デ・イタリアでマリアチクラミーノを獲得したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)やアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)らが集団スプリントに加わりましたが、ドイツチャンピオンのパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利しました。
6月
5月のジロ・デ・イタリアが終わると7月のツール・ド・フランスに向けてカウントダウンがスタート。前哨戦として知られるフランスのクリテリウム・デュ・ドーフィネはミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)によるプロローグ制覇でスタート。一旦ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)に明け渡したリーダージャージを、大会4日目のチームタイムトライアルで勝利したチームスカイが奪取します。山岳ステージでジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)やダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)、ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)がステージ優勝を飾る中、リーダージャージはクウィアトコウスキーからジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)へと引き継がれます。最終山岳ステージを制したアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が総合2位に浮上し、首位を守り抜いたトーマスとともにイギリス勢総合ワンツーを飾りました。
もう一つの前哨戦ツール・ド・スイスはBMCレーシングによる初日チームタイムトライアル勝利で幕開けました。ツールでの活躍が期待される世界王者ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が平坦ステージで力を見せ、中盤の山岳ステージでリーダージャージはシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)からリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)の手に。ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が超級山岳フィニッシュを制したものの、ポートの首位は揺るぎませんでした。最終個人タイムトライアルでキュングが勝利するとともに、ポートがチームお膝元であると言ってもいいスイスで大きな勝利を収めています。
近年多くのトップ選手を輩出しているスロベニアを舞台にしたツアー・オブ・スロベニアでは、今やスロベニアの星となったプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)が総合優勝。山岳ステージでも個人タイムトライアルでも他を圧倒した元スキージャンパーが勢いをつけてツール・ド・フランスに挑むことになりました。
7月
一時は主催者ASOが ディフェンディングチャンピオンに対して出場拒否の姿勢を表明する事態となったものの、UCIによる無罪の言い渡しを経て、7月7日、ツール・ド・フランスが開幕。フランス北西部のヴァンデ県から同国を時計回りに一周する旅が始まると、まずはフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が開幕スプリント勝利を果たします。コロンビアに15年ぶりのマイヨジョーヌをもたらしたガビリアはステージ2勝をマーク。他にもディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)がステージ2勝、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)がステージ1勝、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)がステージ1勝を飾りましたが、ステージ3勝&様々なステージでポイントを稼いだペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がマイヨヴェールに輝きました。
マイヨジョーヌ争いの点で好スタートを切ったのは、第3ステージのチームタイムトライアルを制したBMCレーシングでした。ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)が勝利したミュール・ド・ブルターニュを終えて、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)がマイヨジョーヌを堅守。BMCレーシングは好位置をキープしたまま前半戦のクライマックスであるパリ〜ルーベさながらの石畳ステージに挑みましたが、エースのポートがまさかの落車リタイアに見舞われます。突然エースを託されたマイヨジョーヌのヴァンアーヴェルマートはステージ優勝争いに絡みながらも2位。交通事故から長らくスランプに陥っていたジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)が完全復活を印象づける勝利を飾りました。
アルプス山脈に突入すると、新山岳王ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が躍進。アルプス初日の山岳ステージで勝利を飾ったアラフィリップは、マイヨアポワを着てピレネー初日の山岳ステージで再び勝利。3週間を通して山岳ポイントを量産したアラフィリップが開催国フランスに赤玉ジャージをもたらしました。
マイヨジョーヌ争いが本格化したのはアルプス2日目の1級山岳ラ・ロジエール山頂フィニッシュ。ステージ優勝したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がマイヨジョーヌに袖を通すと、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が落車負傷したラルプデュエズ山頂フィニッシュで再びアタック。怒涛のステージ2連勝で総合リードを広げました。
チームスカイのエースは4連続グランツール制覇がかかったフルームなのか、それともマイヨジョーヌを着るトーマスなのか。その答えは65kmという極端に短いコースに難関山岳が詰め込まれた第17ステージで明らかになります。キンタナがステージ優勝を飾ったその後ろではフルームが脱落し、トーマスが首位を固める結果に。ピレネー最終日の第19ステージでフルームはアシストに回ってトーマスを支え、下りフィニッシュで先行したログリッチェにステージ優勝&総合3位浮上を許しながらもマイヨジョーヌを守りました。
31km個人タイムトライアルではフルームを1秒差で下したデュムランがステージ優勝。ステージ3位に入ったトーマスがウェールズ人として初のツール制覇を決め、マイヨジョーヌを着てパリ・シャンゼリゼに凱旋しました。
ジロローザでは、個人タイムトライアルとモンテゾンコラン、そして最終山岳ステージで勝利したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が圧倒的な走りで総合優勝。絶好調ファンフルーテンはツール第10ステージに先立って行われたラ・コルスbyツール・ド・フランスでアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)に先行を許しながらも、フィニッシュ50m手前でライバルを抜き去って劇的な勝利を収めています。
2017年にイギリス初のUCIワールドツアーレースとなったプルデンシャル・ライドロンドン・サリー・クラシックにはトップスプリンターが集結。ジロ・デ・イタリアでマリアチクラミーノを獲得したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)やアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)らが集団スプリントに加わりましたが、ドイツチャンピオンのパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利しました。
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