2018/12/27(木) - 14:19
2016年の世界選開催地、ベルギーはゾルダーで行われたUCIシクロクロスワールドカップ第7戦。日本勢3名が出場したこのレースで、再びマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が独走を飾った。
年末年始の過密スケジュールをフルスロットルで進行中の欧州シクロクロスシーズン。第6戦からわずか2日のインターバルで開催されたシクロクロスワールドカップ第7戦の舞台は、2016年の世界選手権開催地であり、これまで幾多の名勝負を彩ってきたゾルダーサーキットだ。
ベルギー・フランダース東部のリンブルフ州に位置するサーキットの舗装路とランオフエリア、そして森林区間を繋いだレイアウトはハイスピードかつ急勾配のアップダウンが連続。所々に水分を残した「テラーメンサーキット」に向け、欧州遠征後半戦をスタートさせている竹之内悠(東洋フレーム)や、久々にシクロクロスに帰ってきた3度の世界王者、ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)を含む、男子エリート選手68名が一斉に駆け出した。
ホールショットは世界王者ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム)が獲り、クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア)と共に先頭を飛ばしたが、すぐにパンクに見舞われ後退。この日も15番手付近からの追い上げを強いられることとなる。
ヴァンアールトの位置を確認しながら走ったマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)は、この日は比較的落ち着いたペースで動き出す。負け無しの欧州王者はレース後に「今日はワウトや、W杯ランキング首位を守る(トーン)アールツがハイペースを刻んていたので、自ら動く必要が無かった。暫く様子を見ることにしたんだ」。
宇都宮シクロクロス2日目に勝利したフェリペ・オルツ(スペイン、DELIKIA - GINESTAR)が体調不良でDNFを選び、竹之内が集団後方で激しいレースを繰り広げる一方、3周目に入る頃、先頭グループはアールツのペースアップによって3名(アールツ、マイケル・ヴァントーレンハウト、ヴァンデルポール)に絞り込まれる。
するとフィニッシュまで40分を残してヴァンデルポールが動いた。爆発的な勢いで加速する欧州王者の後ろでは、食らいつきたいアールツが激坂登りでミスを出し失速。直後のヴァントーレンハウトも停車を余儀なくされ、これによってヴァンデルポールが独走態勢を築き上げた。
一方、決定的なアタックまでに先頭復帰できなかったヴァンアールトは、ヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブデヴェロップメント)とヘルマンスを引き連れて単独3位となっていたアールツを吸収。一人ヴァンデルポールを追走していたヴァントーレンハウトはコーナーで右側に落車、さらに修復不可能なチェーンの噛み込みに見舞われトップ10から姿を消してしまった。
2位グループ内では4名が代わる代わる先頭に立ち、「数週間前は2位争いがやっとだったけれど、今は確実に2位が獲れるまでに調子が上がってきた。あとはマチューをターゲットにするだけ。実際に彼との距離は縮まってきている」と言うヴァンアールトとニューウィンハイスが抜け出す形に。視界に捉える範囲でアールツも粘ったが、その距離は終始縮まることはなかった。
こうして表彰台メンバーが選び出され、安定した走りをキープしたファンデルポールが圧勝。フィニッシュ後に出迎えた祖父レイモン・プリドールと抱き合った欧州王者は「今日はリラックスしてフィニッシュまで走りきれた。ナミュールでも明らかなように、ヴァンアールトの調子が徐々に上向きになっている。もしパンクが無ければエキサイティングなレースになっていたと思う」と、ライバルへの警戒を強めている。
昨年のU23世界王者ニューウィンハイスは3位で初のエリートW杯表彰台を射止め、「久々のシクロクロスを楽しめた」と言うスティバルは21位フィニッシュ。竹之内は前戦から順位を上げ57位でレースを終えている。以下は本人からのコメント。
「ナミュールに引き続き、ワールドカップの連戦。ナミュールとは打って変わって、天気も良くハイスピードなレースとなったゾルダー大会だった。全日本含むシーズン前半に比べ、スタートのかかりが良くなってきた反動でペースダウンが大きく、それが結果を落とすことになっている。次のレースはスーパープレステージDiegem。全体的に悪くはないので体調を整え、引き続き万全の状態でレースに臨みたい」。
またこの日、男子U23レースには欧州遠征をスタートさせている織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と梶鉄輝が出場。織田は保有ポイントでの2列目スタートを活かしフルラップ完走。優勝したU23世界王者エリ・イゼルビッド(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)から3分遅れの32位でレースを終えている。
「ファーストコーナーの混雑に巻き込まれましたが、あまりロスなく抜けることができました。後ろから追い抜いていく選手にできるだけついていくことを考えて走り、ラスト3周でフランス人とスペイン人とパックになり残り半周で後ろが千切れて単独ゴール。完走できたのでこれからは(先頭との差を)どれだけ埋めれるかだと思います」と織田は語っている。
年末年始の過密スケジュールをフルスロットルで進行中の欧州シクロクロスシーズン。第6戦からわずか2日のインターバルで開催されたシクロクロスワールドカップ第7戦の舞台は、2016年の世界選手権開催地であり、これまで幾多の名勝負を彩ってきたゾルダーサーキットだ。
ベルギー・フランダース東部のリンブルフ州に位置するサーキットの舗装路とランオフエリア、そして森林区間を繋いだレイアウトはハイスピードかつ急勾配のアップダウンが連続。所々に水分を残した「テラーメンサーキット」に向け、欧州遠征後半戦をスタートさせている竹之内悠(東洋フレーム)や、久々にシクロクロスに帰ってきた3度の世界王者、ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)を含む、男子エリート選手68名が一斉に駆け出した。
ホールショットは世界王者ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム)が獲り、クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア)と共に先頭を飛ばしたが、すぐにパンクに見舞われ後退。この日も15番手付近からの追い上げを強いられることとなる。
ヴァンアールトの位置を確認しながら走ったマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)は、この日は比較的落ち着いたペースで動き出す。負け無しの欧州王者はレース後に「今日はワウトや、W杯ランキング首位を守る(トーン)アールツがハイペースを刻んていたので、自ら動く必要が無かった。暫く様子を見ることにしたんだ」。
宇都宮シクロクロス2日目に勝利したフェリペ・オルツ(スペイン、DELIKIA - GINESTAR)が体調不良でDNFを選び、竹之内が集団後方で激しいレースを繰り広げる一方、3周目に入る頃、先頭グループはアールツのペースアップによって3名(アールツ、マイケル・ヴァントーレンハウト、ヴァンデルポール)に絞り込まれる。
するとフィニッシュまで40分を残してヴァンデルポールが動いた。爆発的な勢いで加速する欧州王者の後ろでは、食らいつきたいアールツが激坂登りでミスを出し失速。直後のヴァントーレンハウトも停車を余儀なくされ、これによってヴァンデルポールが独走態勢を築き上げた。
一方、決定的なアタックまでに先頭復帰できなかったヴァンアールトは、ヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブデヴェロップメント)とヘルマンスを引き連れて単独3位となっていたアールツを吸収。一人ヴァンデルポールを追走していたヴァントーレンハウトはコーナーで右側に落車、さらに修復不可能なチェーンの噛み込みに見舞われトップ10から姿を消してしまった。
2位グループ内では4名が代わる代わる先頭に立ち、「数週間前は2位争いがやっとだったけれど、今は確実に2位が獲れるまでに調子が上がってきた。あとはマチューをターゲットにするだけ。実際に彼との距離は縮まってきている」と言うヴァンアールトとニューウィンハイスが抜け出す形に。視界に捉える範囲でアールツも粘ったが、その距離は終始縮まることはなかった。
こうして表彰台メンバーが選び出され、安定した走りをキープしたファンデルポールが圧勝。フィニッシュ後に出迎えた祖父レイモン・プリドールと抱き合った欧州王者は「今日はリラックスしてフィニッシュまで走りきれた。ナミュールでも明らかなように、ヴァンアールトの調子が徐々に上向きになっている。もしパンクが無ければエキサイティングなレースになっていたと思う」と、ライバルへの警戒を強めている。
昨年のU23世界王者ニューウィンハイスは3位で初のエリートW杯表彰台を射止め、「久々のシクロクロスを楽しめた」と言うスティバルは21位フィニッシュ。竹之内は前戦から順位を上げ57位でレースを終えている。以下は本人からのコメント。
「ナミュールに引き続き、ワールドカップの連戦。ナミュールとは打って変わって、天気も良くハイスピードなレースとなったゾルダー大会だった。全日本含むシーズン前半に比べ、スタートのかかりが良くなってきた反動でペースダウンが大きく、それが結果を落とすことになっている。次のレースはスーパープレステージDiegem。全体的に悪くはないので体調を整え、引き続き万全の状態でレースに臨みたい」。
またこの日、男子U23レースには欧州遠征をスタートさせている織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と梶鉄輝が出場。織田は保有ポイントでの2列目スタートを活かしフルラップ完走。優勝したU23世界王者エリ・イゼルビッド(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)から3分遅れの32位でレースを終えている。
「ファーストコーナーの混雑に巻き込まれましたが、あまりロスなく抜けることができました。後ろから追い抜いていく選手にできるだけついていくことを考えて走り、ラスト3周でフランス人とスペイン人とパックになり残り半周で後ろが千切れて単独ゴール。完走できたのでこれからは(先頭との差を)どれだけ埋めれるかだと思います」と織田は語っている。
UCIシクロクロスワールドカップ2018-2019第7戦結果
1位 | マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | 1:02:49 |
2位 | ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム) | 1:03:05 |
3位 | ヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブデヴェロップメント) | 1:03:18 |
4位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) | 1:03:24 |
5位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) | 1:03:24 |
6位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア) | 1:03:44 |
7位 | デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | 1:03:52 |
8位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) | 1:03:56 |
9位 | コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) | 1:03:59 |
10位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) | 1:04:06 |
57位 | 竹之内悠(東洋フレーム) | Lap |
男子U23結果
1位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) | 0:49:55 |
2位 | マイク・ファンデルヘイデン(オランダ) | 0:50:25 |
3位 | ティモ・キーリッヒ(ベルギー、ステイラーツ777) | 0:51:05 |
32位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 0:52:58 |
55位 | 梶鉄輝 | Lap |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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