2018/11/26(月) - 17:14
砂のコクサイデを舞台に開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第5戦で、マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が圧勝。女子はデニセ・ベッツェマ(オランダ、マーラックス・ビンゴール)が勝利した。
シリーズ9戦中、折り返しの5戦目を迎えたUCIシクロクロスワールドカップ。その舞台は砂の代名詞でもある名コース、ベルギーはコクサイデ。長い砂地はアップダウンの連続で、トップ選手でも押し・担ぎを強いられる難所が多く連続する。
日本で関西シクロクロスマキノが開催されたこの日、コクサイデのエリート男子レースに出走したのは48名。この日もまた、連勝街道驀進中のマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が圧巻のパフォーマンスを見せつけることとなる。
スタートダッシュでこそラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)が先頭に立ったものの、「大好きなコースの一つだからとてもモチベーションが高かった」と言うファンデルポールは最初の砂区間で前に出ると、圧倒的なパワーと砂さばきで後続を突き放しに掛かる。
序盤の砂区間で乗れず、さらに下りで前転するなどした世界王者ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム)は埋もれ、唯一追従したファンデルハールも1周回完了時には16秒のビハインドを許してしまう。こうして欧州王者が「普段通りの展開」で独走体制に持ち込んだ。
ファンデルポールの後ろを固めたのはテレネット・フィデア勢。ファンデルポールやW杯ランキング首位につけるトーンとタイスのアールツ兄弟(ベルギー)、コルヌ・ヴァンケッセル(オランダ)らが列車を組んだが、既に30秒リードを築いていたファンデルポールとの差は縮まらない。徐々にペースを取り戻したヴァンアールトが合流し、フィデア勢を切り崩しながら9周回中5周目には2番手に浮上する。ランキング首位を守りたいアールツが単独3番手となり、表彰台メンバーが選び出された。
砂を得意とするローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)らが2分半近く遅れる中、ファンデルポールは細かなミスを出しながらも独走勝利。これから温暖なスペインでの合宿に向かう欧州王者がシーズン後半戦に弾みをつける圧勝で会場を後にした。
2位を走行していたヴァンアールトは、最終的に25秒差まで詰めてフィニッシュ。「スタートでペダルキャッチをミスした悪いリズムが暫く響いてしまった。もちろんマチューがレースをコントロールしていたこともあるけれど、走り自体は彼とそこまで差があるとは思わないよ」とレース後に語っている。
エリート女子:ダークホース、ベッツェマが独走勝利
またこの日、エリート女子レースでは出入りの激しい勝負が繰り広げられた。好スタートを切った元世界王者マリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス)は徐々に遅れ、世界王者サンヌ・カント(ベルギー、コレンドン・サーカス)やベテランのニッキー・ブラマイヤー(イギリス、MUDIIITA)、欧州王者アンマリー・ヴォルスト(オランダ、ステイラーツ777)らが競り合う展開でレースは進む。
アタックと吸収を繰り返すうちに、後方からは全米王者のケイティ・コンプトン(アメリカ、トレック)らが次々と合流。5周回中3周目には世界王者が独走に持ち込んだものの、1周回を逃げ切れずに吸収される。ここで脚を使ったカントは遅れがちとなる苦しい展開に陥った。
カントのアタックが飲み込まれると、最後に先頭グループに追いついたデニセ・ベッツェマ(オランダ、マーラックス・ビンゴール)がペースアップ。今シーズン途中からマーラックス・ビンゴール入りし、まだチームバイクも届いていない状態の25歳がペースを刻むと、まず世界王者が、続いてブラマイヤーや欧州王者が脱落。砂区間を軽やかなランニングでこなしたベッツェマがワールドカップ初勝利を飾った。
今年の欧州選手権で3位に食い込み、前日土曜日に開催されたレースでも優勝したベッツェマ。この日は3列目スタートという不利を打ち破っての勝利だった。レース後のインタビューでは「言葉にならないほど嬉しい。もちろん走るからには優勝を狙っていたけれど、本当に勝てるとは思わなかった」と驚きを語っている。
シリーズ9戦中、折り返しの5戦目を迎えたUCIシクロクロスワールドカップ。その舞台は砂の代名詞でもある名コース、ベルギーはコクサイデ。長い砂地はアップダウンの連続で、トップ選手でも押し・担ぎを強いられる難所が多く連続する。
日本で関西シクロクロスマキノが開催されたこの日、コクサイデのエリート男子レースに出走したのは48名。この日もまた、連勝街道驀進中のマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が圧巻のパフォーマンスを見せつけることとなる。
スタートダッシュでこそラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)が先頭に立ったものの、「大好きなコースの一つだからとてもモチベーションが高かった」と言うファンデルポールは最初の砂区間で前に出ると、圧倒的なパワーと砂さばきで後続を突き放しに掛かる。
序盤の砂区間で乗れず、さらに下りで前転するなどした世界王者ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム)は埋もれ、唯一追従したファンデルハールも1周回完了時には16秒のビハインドを許してしまう。こうして欧州王者が「普段通りの展開」で独走体制に持ち込んだ。
ファンデルポールの後ろを固めたのはテレネット・フィデア勢。ファンデルポールやW杯ランキング首位につけるトーンとタイスのアールツ兄弟(ベルギー)、コルヌ・ヴァンケッセル(オランダ)らが列車を組んだが、既に30秒リードを築いていたファンデルポールとの差は縮まらない。徐々にペースを取り戻したヴァンアールトが合流し、フィデア勢を切り崩しながら9周回中5周目には2番手に浮上する。ランキング首位を守りたいアールツが単独3番手となり、表彰台メンバーが選び出された。
砂を得意とするローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)らが2分半近く遅れる中、ファンデルポールは細かなミスを出しながらも独走勝利。これから温暖なスペインでの合宿に向かう欧州王者がシーズン後半戦に弾みをつける圧勝で会場を後にした。
2位を走行していたヴァンアールトは、最終的に25秒差まで詰めてフィニッシュ。「スタートでペダルキャッチをミスした悪いリズムが暫く響いてしまった。もちろんマチューがレースをコントロールしていたこともあるけれど、走り自体は彼とそこまで差があるとは思わないよ」とレース後に語っている。
エリート女子:ダークホース、ベッツェマが独走勝利
またこの日、エリート女子レースでは出入りの激しい勝負が繰り広げられた。好スタートを切った元世界王者マリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス)は徐々に遅れ、世界王者サンヌ・カント(ベルギー、コレンドン・サーカス)やベテランのニッキー・ブラマイヤー(イギリス、MUDIIITA)、欧州王者アンマリー・ヴォルスト(オランダ、ステイラーツ777)らが競り合う展開でレースは進む。
アタックと吸収を繰り返すうちに、後方からは全米王者のケイティ・コンプトン(アメリカ、トレック)らが次々と合流。5周回中3周目には世界王者が独走に持ち込んだものの、1周回を逃げ切れずに吸収される。ここで脚を使ったカントは遅れがちとなる苦しい展開に陥った。
カントのアタックが飲み込まれると、最後に先頭グループに追いついたデニセ・ベッツェマ(オランダ、マーラックス・ビンゴール)がペースアップ。今シーズン途中からマーラックス・ビンゴール入りし、まだチームバイクも届いていない状態の25歳がペースを刻むと、まず世界王者が、続いてブラマイヤーや欧州王者が脱落。砂区間を軽やかなランニングでこなしたベッツェマがワールドカップ初勝利を飾った。
今年の欧州選手権で3位に食い込み、前日土曜日に開催されたレースでも優勝したベッツェマ。この日は3列目スタートという不利を打ち破っての勝利だった。レース後のインタビューでは「言葉にならないほど嬉しい。もちろん走るからには優勝を狙っていたけれど、本当に勝てるとは思わなかった」と驚きを語っている。
エリート男子結果
1位 | マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | 1h04'13" |
2位 | ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム) | +25" |
3位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) | +48" |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) | +1'45" |
5位 | コルヌ・ヴァンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) | +2'18" |
6位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) | +2'22" |
7位 | ダーン・ソエテ(ベルギ、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) | +2'26" |
8位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) | +2'37" |
9位 | ヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブデヴェロップメント) | +2'40" |
10位 | ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) |
エリート女子結果
1位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、マーラックス・ビンゴール) | 45'53" |
2位 | ニッキー・ブラマイヤー(イギリス、MUDIIITA) | +08" |
3位 | アンマリー・ヴォルスト(オランダ、ステイラーツ777) | +11" |
4位 | セイリン・デル・カルメン・アルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | +12" |
5位 | アリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア、ステイラーツ777) | +27" |
6位 | ラウラ・ヴェルドンショット(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) | +29" |
7位 | サンヌ・カント(ベルギー、コレンドン・サーカス) | +30" |
8位 | エレン・ヴァンロイ(ベルギー、テレネット・フィデア) | +44" |
9位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング) | |
10位 | フルール・ナーヘンガスト(オランダ、テレネット・フィデア) | +1'03" |
text:So.Isobe
photo:CorVos,UCI
photo:CorVos,UCI
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