2010/03/24(水) - 12:05
3月23日、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ第2ステージが182.6kmの平坦コースで行なわれ、歯の治療の関係でシーズン序盤から出遅れていたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)が勝利。昨シーズン23勝を飾った最速男が、念願の2010年シーズン1勝目を飾った。
カタルーニャ一周の第2ステージはサルトからバニョレスまでの182.6km。序盤の58km地点で登坂距離10.5km・平均勾配3%の1級山岳アンヘルス峠を越えると、後はゴール地点まで平坦。最後はバニョレスの平坦な周回コースが設定されている。
この日はアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)がスタートしなかった。アンディはティレーノ〜アドリアティコを完走したものの、昨シーズンに痛めた膝がまだ完治しておらず、大事を取ってレースを離脱。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ連覇に暗雲が立ちこめる。
12km地点でアタックを成功させ、最大で9分15秒のリードを得て逃げたのは、ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)とヨナタン・カストロビエホ(スペイン、エウスカルテル)の2人。アメリカの次世代オールラウンダーとして活躍が期待される22歳のステティーナは、1級山岳アンヘルス峠を先頭で通過し、山岳賞ジャージを獲得した。
メイン集団はカヴェンディッシュ擁するチームHTC・コロンビアがコントロールし、逃げ2名とのタイム差をラスト50kmの時点で5分20秒に。結局ステティーナとカストロビエホは周回コース突入後、ラスト13km地点で吸収された。
チームHTC・コロンビアやランプレがハイスピードで集団を牽き続けてラスト1km。HTCコロンビアトレインは他チームの追随を許さない走りを見せ、エーススプリンターのカヴェンディッシュを最終ストレートで発射。フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)らが対抗したが届かず、カヴェンディッシュが勢い良く両手を挙げてゴールに飛び込んだ。
昨シーズン23勝の最多勝記録を打ち立てたカヴェンディッシュだが、今シーズンは歯の治療の関係で調整が遅れ、連覇が懸かったミラノ〜サンレモでも精彩を欠くなど低迷。しかしコンディションは着実に上向き。昨シーズン世界最速スプリンターの称号を得た強いカヴが復調しつつある。
「昨シーズンは今の段階で6勝していたんだ。今シーズンは出だしからつまずき、勝利から遠ざかっていた。フラストレーションが貯まっていたけど、コンディションが日に日に上がっていることを感じていたし、チームメイトたちは変わらず僕を信頼し続けてくれていた」。
シーズン初勝利を支えたのはHTCコロンビアトレインに違いない。カヴは「終盤はいろんなチームがポジション争いを繰り広げたので危険な状態だった。今回のチームHTC・コロンビアの布陣は若手揃いで荒削りだけど、100%の力を発揮して集団先頭を固めてくれた。彼らのサポート無しではポジションを失っていたと思う」とチームメイトの走りを讃えた。カヴェンディッシュはプロキャリア通算52勝目。チームHTC・コロンビアは今シーズン12勝目だ。
今大会はボーナスタイムが設定されていないため、ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム)がリーダージャージをキープ。チームミルラムはレース後半まで集団をコントロールし続け、リーダーチームとしての責務を果たした。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはチームHTC・コロンビア公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2010第2ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア) 4h15'57"
2位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
3位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)
4位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、コフィディス)
5位 ミシェル・クレダー(オランダ、ガーミン・トランジションズ)
6位 マヌエル・カルドソ(ポルトガル、フットオン・セルヴェット)
7位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス)
8位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)
9位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)
10位 ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット)
個人総合時間
1位 ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム) 4h20'43"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +01"
3位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +02"
4位 ドミニク・ネルツ(ドイツ、チームミルラム) +04"
5位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)
7位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)
8位 クレイグ・ルイス(アメリカ、チームHTC・コロンビア) +05"
9位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +06"
10位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス)
山岳賞
ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:www.voltacatalunya.cat, Cor Vos
カタルーニャ一周の第2ステージはサルトからバニョレスまでの182.6km。序盤の58km地点で登坂距離10.5km・平均勾配3%の1級山岳アンヘルス峠を越えると、後はゴール地点まで平坦。最後はバニョレスの平坦な周回コースが設定されている。
この日はアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)がスタートしなかった。アンディはティレーノ〜アドリアティコを完走したものの、昨シーズンに痛めた膝がまだ完治しておらず、大事を取ってレースを離脱。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ連覇に暗雲が立ちこめる。
12km地点でアタックを成功させ、最大で9分15秒のリードを得て逃げたのは、ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)とヨナタン・カストロビエホ(スペイン、エウスカルテル)の2人。アメリカの次世代オールラウンダーとして活躍が期待される22歳のステティーナは、1級山岳アンヘルス峠を先頭で通過し、山岳賞ジャージを獲得した。
メイン集団はカヴェンディッシュ擁するチームHTC・コロンビアがコントロールし、逃げ2名とのタイム差をラスト50kmの時点で5分20秒に。結局ステティーナとカストロビエホは周回コース突入後、ラスト13km地点で吸収された。
チームHTC・コロンビアやランプレがハイスピードで集団を牽き続けてラスト1km。HTCコロンビアトレインは他チームの追随を許さない走りを見せ、エーススプリンターのカヴェンディッシュを最終ストレートで発射。フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)らが対抗したが届かず、カヴェンディッシュが勢い良く両手を挙げてゴールに飛び込んだ。
昨シーズン23勝の最多勝記録を打ち立てたカヴェンディッシュだが、今シーズンは歯の治療の関係で調整が遅れ、連覇が懸かったミラノ〜サンレモでも精彩を欠くなど低迷。しかしコンディションは着実に上向き。昨シーズン世界最速スプリンターの称号を得た強いカヴが復調しつつある。
「昨シーズンは今の段階で6勝していたんだ。今シーズンは出だしからつまずき、勝利から遠ざかっていた。フラストレーションが貯まっていたけど、コンディションが日に日に上がっていることを感じていたし、チームメイトたちは変わらず僕を信頼し続けてくれていた」。
シーズン初勝利を支えたのはHTCコロンビアトレインに違いない。カヴは「終盤はいろんなチームがポジション争いを繰り広げたので危険な状態だった。今回のチームHTC・コロンビアの布陣は若手揃いで荒削りだけど、100%の力を発揮して集団先頭を固めてくれた。彼らのサポート無しではポジションを失っていたと思う」とチームメイトの走りを讃えた。カヴェンディッシュはプロキャリア通算52勝目。チームHTC・コロンビアは今シーズン12勝目だ。
今大会はボーナスタイムが設定されていないため、ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム)がリーダージャージをキープ。チームミルラムはレース後半まで集団をコントロールし続け、リーダーチームとしての責務を果たした。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはチームHTC・コロンビア公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2010第2ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア) 4h15'57"
2位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
3位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)
4位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、コフィディス)
5位 ミシェル・クレダー(オランダ、ガーミン・トランジションズ)
6位 マヌエル・カルドソ(ポルトガル、フットオン・セルヴェット)
7位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス)
8位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)
9位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)
10位 ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット)
個人総合時間
1位 ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム) 4h20'43"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +01"
3位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +02"
4位 ドミニク・ネルツ(ドイツ、チームミルラム) +04"
5位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)
7位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)
8位 クレイグ・ルイス(アメリカ、チームHTC・コロンビア) +05"
9位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +06"
10位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス)
山岳賞
ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:www.voltacatalunya.cat, Cor Vos