2010/03/20(土) - 11:39
チームスカイに所属する22歳エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)は、ミラノ〜サンレモでモニュメント初制覇を目論む。ティレーノ〜アドリアティコ最終ステージで優勝を飾ったボアッソンに、グレゴー・ブラウンが訊いた。
「ミラノ〜サンレモは昨年初めて走ったんだ。今年はストラーデビアンケの翌日にコースを試走した。ライバルたちと比べると経験は圧倒的に足りないけど、チームスカイのチームメイトたちが上りで僕のポジションをキープしてくれると思う」。
ティレーノ〜アドリアティコの最終ステージでアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)らを下し、スプリントにおける大きな自信を得た“エディ”ボアッソン。しかし彼の持ち味はスプリントだけではない。チプレッサやポッジオでアタックし、逃げ切りを狙うことも可能だ。
「逃げグループに入ることが出来れば最高だ。ティレーノではスプリント勝利を飾ったけど、ミラノ〜サンレモはもっともっと距離が長い。300km近い距離なので、またレースの厳しさが違ってくる。実は大集団でピュアスプリンターを相手に勝負するのは僕の得意分野じゃないんだ。でもティレーノでチームスカイのリードアウトは完璧に機能した」。
「逃げグループの方が心地いい。どちらの展開も有りだけど、こればかりはレース当日にならないと分からない。コンディションは良いけど、最高とは言えない。数日休んだらコンディションはまた上がると思う」。
昨年マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)はティレーノ最終ステージで勝利し、4日後のミラノ〜サンレモで初出場ながら優勝を飾った。2008年から2年間チームコロンビアで走ったボアッソンは、少なからずカヴェンディッシュの勝利に貢献したはず。
そして、同時に、そこでボアッソンは勝利の秘訣を学んだはずだ。
「マーク(カヴェンディッシュ)は素晴らしいスプリンターだ。チームコロンビアでは多くのことを学んだ。マークは僕に『上りの前では集団の前に位置しなければならない』と教えてくれた。でも上りの前では全ての選手が同じ行動を取る。タフなミッションだ」。
「僕が思うに、トム・ボーネンとファビアン・カンチェラーラが優勝候補。特にトムかな。彼は上りを軽々とこなしていたし、とても調子が良さそうだった」。
チームスカイのスコット・サンダーランド監督は8名の精鋭部隊をミラノ〜サンレモに送り込む。“エディ”をサポートするのはマイケル・バリー(カナダ)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン)、マシュー・ヘイマン(オーストラリア)、トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン)、イアン・スタナード(イギリス)、クリストファー・サットン(オーストラリア)、グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)の7名。
サンダーランド監督はボアッソンをじっくりと成長させたい考え。「エドヴァルド才能に溢れた選手だ。だがスター選手として彼をもてはやしたくない。しっかりプロ選手として着実に成長してもらいたい。彼は今とてもバイクレースを楽しんでいる。勝つ喜びを味わっているんだ」。
「レースでチームスカイが集団をリードしている時、ライバルチームは我々の戦略について様々な仮説を立てるだろう。その時点で我々のアドバンテージが生まれている。それに、チームスカイにはフアンアントニオ・フレチャやグレゴリー・ヘンダーソンもいるんだ」。
昨年ヘント〜ウェベルヘムで勝利を収めたボアッソン。ロードレース界において「モニュメント」と称されるミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、ジロ・ディ・ロンバルディアの5レースで、ボアッソンは勝利を目指す。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos, Kei Tsuji, A.S.O.
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
「ミラノ〜サンレモは昨年初めて走ったんだ。今年はストラーデビアンケの翌日にコースを試走した。ライバルたちと比べると経験は圧倒的に足りないけど、チームスカイのチームメイトたちが上りで僕のポジションをキープしてくれると思う」。
ティレーノ〜アドリアティコの最終ステージでアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)らを下し、スプリントにおける大きな自信を得た“エディ”ボアッソン。しかし彼の持ち味はスプリントだけではない。チプレッサやポッジオでアタックし、逃げ切りを狙うことも可能だ。
「逃げグループに入ることが出来れば最高だ。ティレーノではスプリント勝利を飾ったけど、ミラノ〜サンレモはもっともっと距離が長い。300km近い距離なので、またレースの厳しさが違ってくる。実は大集団でピュアスプリンターを相手に勝負するのは僕の得意分野じゃないんだ。でもティレーノでチームスカイのリードアウトは完璧に機能した」。
「逃げグループの方が心地いい。どちらの展開も有りだけど、こればかりはレース当日にならないと分からない。コンディションは良いけど、最高とは言えない。数日休んだらコンディションはまた上がると思う」。
昨年マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)はティレーノ最終ステージで勝利し、4日後のミラノ〜サンレモで初出場ながら優勝を飾った。2008年から2年間チームコロンビアで走ったボアッソンは、少なからずカヴェンディッシュの勝利に貢献したはず。
そして、同時に、そこでボアッソンは勝利の秘訣を学んだはずだ。
「マーク(カヴェンディッシュ)は素晴らしいスプリンターだ。チームコロンビアでは多くのことを学んだ。マークは僕に『上りの前では集団の前に位置しなければならない』と教えてくれた。でも上りの前では全ての選手が同じ行動を取る。タフなミッションだ」。
「僕が思うに、トム・ボーネンとファビアン・カンチェラーラが優勝候補。特にトムかな。彼は上りを軽々とこなしていたし、とても調子が良さそうだった」。
チームスカイのスコット・サンダーランド監督は8名の精鋭部隊をミラノ〜サンレモに送り込む。“エディ”をサポートするのはマイケル・バリー(カナダ)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン)、マシュー・ヘイマン(オーストラリア)、トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン)、イアン・スタナード(イギリス)、クリストファー・サットン(オーストラリア)、グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)の7名。
サンダーランド監督はボアッソンをじっくりと成長させたい考え。「エドヴァルド才能に溢れた選手だ。だがスター選手として彼をもてはやしたくない。しっかりプロ選手として着実に成長してもらいたい。彼は今とてもバイクレースを楽しんでいる。勝つ喜びを味わっているんだ」。
「レースでチームスカイが集団をリードしている時、ライバルチームは我々の戦略について様々な仮説を立てるだろう。その時点で我々のアドバンテージが生まれている。それに、チームスカイにはフアンアントニオ・フレチャやグレゴリー・ヘンダーソンもいるんだ」。
昨年ヘント〜ウェベルヘムで勝利を収めたボアッソン。ロードレース界において「モニュメント」と称されるミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、ジロ・ディ・ロンバルディアの5レースで、ボアッソンは勝利を目指す。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos, Kei Tsuji, A.S.O.
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。