2010/03/19(金) - 09:10
過去に2度ミラノ〜サンレモ制覇を成し遂げたオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)は現在34歳。プロ選手としては高齢に分類されるが、2004年に大会初制覇を果たした当時と比較しても、そのスピードは落ちていない。カヴェンディッシュ(イギリス)を始めとする“若者”に勝負を挑む準備は出来ている。
「フレイレにはゴール勝負まで生き残る能力が充分に備わっている。勝負の行方は、その時に誰が集団内に残っているのかに懸かっている。勝負はいつも宝くじみたいなものだ。フレイレのコンディションは良い。過去に2勝している実績もあるし、彼は優勝候補の一人だ」。そう語るのはラボバンクのエリック・ブロイキンク監督。
「強力なライバルを挙げるならば、トム・ボーネン、ダニエーレ・ベンナーティ、フィリッポ・ポッツァートあたりだろう。カヴェンディッシュについてはよく分からないが、明らかに調子が悪いようだ。これはフレイレにとっては朗報だろう。好調なカヴェンディッシュには誰も歯が立たないから」。
フレイレが初めてミラノ〜サンレモで勝ったのは2004年。当時28歳だったフレイレは、勝利を確信して両手を挙げたエリック・ツァベルの横でバイクを投げ込み、僅かに先着した。3年後の2007年に、フレイレは再び298kmのワンディクラシックの頂点に立つ。
「勝てる素質は充分にある。イタリアに到着した時は体調を崩していたけど、今は充分に回復している。ミラノ〜サンレモに向けて準備は整った」。フレイレはミラノ〜サンレモの勝利数をロード世界選手権のタイトル数に並べるべく、調整を続けている。
フレイレは今シーズンすでに3勝。しかし2月28日に開催されたクールネ〜ブリュッセル〜クールネで体調を崩し、3日間を回復に充てた。その後、3月10日〜16日まで開始されたティレーノ〜アドリアティコに出場。
「(チャレンジ・マヨルカやブエルタ・ア・アンダルシアでの)勝利はモチヴェーションアップに繋がる。でも勝てていたからサンレモで勝てるわけじゃない。1勝もしないままサンレモに挑んで、大金星を飾ることだってある。ティレーノ〜アドリアティコでステージ0勝だったにもかかわらず、サンレモで優勝したこともあるんだ。最も重要なのは、自信を持ってレースに挑むこと。シーズン序盤の結果はあまり関係ないと思う」。
「何が勝負の鍵を握るかって?それはパワーだ。そして自信を持ち、フレッシュな状態で最終局面を迎えること」。
ミラノ〜サンレモは終盤にかけてリグーリア海に面したレ・マニエ、イ・トレ・カーピ、チプレッサ、ポッジオの上りが登場する。ポッジオの上り頂上は、サンレモのフィニッシュラインから僅か6.2kmしか離れていない。
「レ・マニエの上りは2年前に経験している。かなりのハイスピードで上りを進むので、集団の人数は一気に減る。でもまだゴールまでは遠すぎるし、ペースが緩んで集団が一つに戻るんだ。雨が降ったり何か他のファクターが絡めば、レ・マニエも重要な勝負どころに成り得る」。
「ラボバンクにはアタックして逃げに持ち込めるような選手がいない。だからスプリント一辺倒になるはずだ」。
ラボバンクの布陣は、ラース・ボーム(オランダ)、リック・フレンス(オランダ)、セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ)、トム・スタムスニデル(オランダ)、マーティン・チャリンギ(オランダ)、そしてもちろんオスカル・フレイレ(スペイン)の予定だ。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
「フレイレにはゴール勝負まで生き残る能力が充分に備わっている。勝負の行方は、その時に誰が集団内に残っているのかに懸かっている。勝負はいつも宝くじみたいなものだ。フレイレのコンディションは良い。過去に2勝している実績もあるし、彼は優勝候補の一人だ」。そう語るのはラボバンクのエリック・ブロイキンク監督。
「強力なライバルを挙げるならば、トム・ボーネン、ダニエーレ・ベンナーティ、フィリッポ・ポッツァートあたりだろう。カヴェンディッシュについてはよく分からないが、明らかに調子が悪いようだ。これはフレイレにとっては朗報だろう。好調なカヴェンディッシュには誰も歯が立たないから」。
フレイレが初めてミラノ〜サンレモで勝ったのは2004年。当時28歳だったフレイレは、勝利を確信して両手を挙げたエリック・ツァベルの横でバイクを投げ込み、僅かに先着した。3年後の2007年に、フレイレは再び298kmのワンディクラシックの頂点に立つ。
「勝てる素質は充分にある。イタリアに到着した時は体調を崩していたけど、今は充分に回復している。ミラノ〜サンレモに向けて準備は整った」。フレイレはミラノ〜サンレモの勝利数をロード世界選手権のタイトル数に並べるべく、調整を続けている。
フレイレは今シーズンすでに3勝。しかし2月28日に開催されたクールネ〜ブリュッセル〜クールネで体調を崩し、3日間を回復に充てた。その後、3月10日〜16日まで開始されたティレーノ〜アドリアティコに出場。
「(チャレンジ・マヨルカやブエルタ・ア・アンダルシアでの)勝利はモチヴェーションアップに繋がる。でも勝てていたからサンレモで勝てるわけじゃない。1勝もしないままサンレモに挑んで、大金星を飾ることだってある。ティレーノ〜アドリアティコでステージ0勝だったにもかかわらず、サンレモで優勝したこともあるんだ。最も重要なのは、自信を持ってレースに挑むこと。シーズン序盤の結果はあまり関係ないと思う」。
「何が勝負の鍵を握るかって?それはパワーだ。そして自信を持ち、フレッシュな状態で最終局面を迎えること」。
ミラノ〜サンレモは終盤にかけてリグーリア海に面したレ・マニエ、イ・トレ・カーピ、チプレッサ、ポッジオの上りが登場する。ポッジオの上り頂上は、サンレモのフィニッシュラインから僅か6.2kmしか離れていない。
「レ・マニエの上りは2年前に経験している。かなりのハイスピードで上りを進むので、集団の人数は一気に減る。でもまだゴールまでは遠すぎるし、ペースが緩んで集団が一つに戻るんだ。雨が降ったり何か他のファクターが絡めば、レ・マニエも重要な勝負どころに成り得る」。
「ラボバンクにはアタックして逃げに持ち込めるような選手がいない。だからスプリント一辺倒になるはずだ」。
ラボバンクの布陣は、ラース・ボーム(オランダ)、リック・フレンス(オランダ)、セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ)、トム・スタムスニデル(オランダ)、マーティン・チャリンギ(オランダ)、そしてもちろんオスカル・フレイレ(スペイン)の予定だ。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。