2018/11/02(金) - 18:12
ジャパンカッププロバイク後編は、個性豊かな海外プロコンチ/コンチネンタルチームの数々。フィリッポ・ポッツァート(イタリア)の煌びやかなウィリエールなども紹介します。
ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア/ウィリエール Cento 10 Pro、Cento 10 Air
フィリッポ・ポッツァート(イタリア)の再来日で話題を呼んだウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリアでは、ポッツァートのみ最新のエアロモデルCento 10 Proを使用した。以前からチームバイクのデザインに携わる彼のスペシャルバイクは、ニックネームの「マエストロ」を冠し、オレンジとシルバーのメタリックで塗り分けられた特別バージョン。リムブレーキ/ディスクブレーキがそれぞれ一台ずつ持ち込まれ、ディスクブレーキ仕様をメインに選んでいた。
ポッツァートのCento 10 Proはフレームだけでなくハンドルやセッレイタリアのサドル、ウルサスのホイール、エリートのボトルケージに至るまで特別仕様で、おそらく今回のジャパンカップで最も存在感を放っていた一台。通常チームは機械式のR9100系デュラエースを使うが、ポッツァートのみR9150/R9170系デュラエースDi2(ディスクローターのみアルテグラ)と差別化されている。タイヤはヴィットリアのCORSA。別体式のステム/ハンドルをセットしたバイクも多かった。
NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ/デローザ PROTOS
日伊混成チームのNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニが使うバイクはデローザのPROTOS。基本的にチームバイクはオレンジだが、エースを担うマルコ・カノラ(イタリア)は唯一ブラックのPROTOSを使用。シーズン序盤から使用していたダークブルーのスペシャルカラーはスペアバイクとしてチームカーのルーフ上に搭載されていた。
コンポーネントはカンパニョーロのスーパーレコードEPS。BORA ULTRAに組み合わせるタイヤはIRCで、チューブラー率が高めながら「RACING TEAM」ロゴのテスト品と思われるチューブレス/クリンチャータイヤの姿も確認できた。
ノボ ノルディスク/コルナゴ CONCEPT
1型糖尿病を患う選手のみで構成され、病に苦しむ子供たちに夢と希望を与える使命を持ちつつ走るノボ ノルディスクのバイクはコルナゴ。昨年まではC60などを使用していたが、今年はメインバイクをエアロロードのCONCEPTに切り替えたようだ。今回ジャパンカップに参加したプロコンチームは、ウィリエール、デローザ、コルナゴと全てイタリアンブランドのバイクを使用していたことになる。
コンポーネントはデュラエースの機械式で、現行のR9100系と旧型の9000系を交えた構成。SRMのカーボンクランクを組み合わせ、ペダルは台湾ブランドのXPEDOというブランド。ハンドル周りとホイールはFSA/ヴィジョンで統一されており、マキシスの28cオンリーというエンデュランスチューブラータイヤ「VELOCITA」の使用率が高かった。ボトルケージはアランデルで、サドルはセッレイタリア。
オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライドサンシャインコースト/リドレー NOAH、HELIUM
マイケル・ポッター(オーストラリア)がツール・ド・とちぎで総合優勝するなど日本でも認知度の高いオーストラリアンサイクリングアカデミー・ライドサンシャインコーストが駆るのは、リドレーの軽量オールラウンダーHELIUMとエアロロードのNOAH。新型のNOAH FASTは使用されていなかった。全車ライトグレーに淡い水色を加えたカラーリングが印象的だ。
トラック競技上がりのスピードマンを揃えるだけあってNOAHの使用率が高いが、エーススプリンターのポッターはHELIUMをチョイス。更にヘッドセットのトップキャップを抜き、下向きのステムを装備することで低いポジションにセッティングしていた。コンポーネントはシマノDi2で、現行型のデュラエースとアルテグラが6台中それぞれ3台ずつ。ステージズのパワーメーターを使い、DTスイスのハブで組んだフォルツァのホイールにピレリのP ZERO VELOタイヤを組み合わせていた。
リュブリャナ・グスト・ザウラム/グスト RCR TEAM
ツール・ド・ラヴニール総合覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア)の参戦で話題を呼んだリュブリャナ・グスト・ザウラムは、例年同様台湾の自転車輸入代理店、アタッキ社がプロデュースするオリジナルブランド「グスト(GUSTO)」のRCR TEAMを使用した。
コンポーネントは昨年から変わらずスラムのREDやFORCE(eTapは供給されていない)だが、ホイールはジップから「アタッキ」に変更。60mmハイトリムの使用率が高く、ハブは細身のもの。タイヤはコンチネンタルで統一しているが、CONPETITIONをはじめエンデュランス用のGATORSKINなどモデルはまちまち。サドルとナンバープレートホルダーはスロベニアの超軽量製品ブランド「ベルク」の製品とメカニックは話していた。
トレンガヌ・サイクリングチーム/ラピエール XELIUS、AIRCODE
マレーシアの人気チーム、トレンガヌ・サイクリングチームの使用ブランドは今年もラピエールで、オールラウンダーのXELIUSとエアロロードのAIRCODEを選手の好みで使い分けている。市販品のFDJレプリカカラーが供給されているため、自チームに関係ないロゴは黒いビニールテープで目張り済みだ。
シマノがスポンサードしているため、パワーメーター装備のR9150系デュラエースで全バイクを統一するほか、ハンドルやボトルケージなども全てPRO。タイヤはコンチネンタルで、エンデュランスモデルのGATORSKINも使われていた。
タイランド・コンチネンタルサイクリングチーム/スペシャライズド S-WORKS TARMAC
創設2年目のタイランド・コンチネンタルサイクリングチームが使うのはスペシャライズドのS-WORKS TARMAC(2016年モデル)。RED(eTap/機械式)やFORCEなどスラムの各コンポーネントを使い、ホイールは基本的にジップながら旧型デュラエースやノーロゴの製品も混用。プーチョン・サイウドンシン(タイ)はコラム径が太い(1-1/4)ジャイアントのOverDrive2規格に対応したCONTACT SLRハンドルを、TARMACの1-1/8コラムにシムを噛ませることで(半ば無理やり)使用していた。
セブンイレブン・クリック・ロードバイクフィリピン/タオカス STRIKER R、ARROW
ジャパンカップ初参戦を果たしたセブンイレブン・クリック・ロードバイクフィリピンは「アジアンパワーテクノロジー」を謳うタオカスを使用する。オールラウンダーのSTRIKER RとエアロロードのARROWを乗り分けていた。コンポーネントはシマノの機械式各種で、ホイールはSUPERTEAMというブランドの製品。フィジークALIANTEの表皮を張り替えたと思われるサドルも確認できた。
text&photo:So.Isobe
ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア/ウィリエール Cento 10 Pro、Cento 10 Air
フィリッポ・ポッツァート(イタリア)の再来日で話題を呼んだウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリアでは、ポッツァートのみ最新のエアロモデルCento 10 Proを使用した。以前からチームバイクのデザインに携わる彼のスペシャルバイクは、ニックネームの「マエストロ」を冠し、オレンジとシルバーのメタリックで塗り分けられた特別バージョン。リムブレーキ/ディスクブレーキがそれぞれ一台ずつ持ち込まれ、ディスクブレーキ仕様をメインに選んでいた。
ポッツァートのCento 10 Proはフレームだけでなくハンドルやセッレイタリアのサドル、ウルサスのホイール、エリートのボトルケージに至るまで特別仕様で、おそらく今回のジャパンカップで最も存在感を放っていた一台。通常チームは機械式のR9100系デュラエースを使うが、ポッツァートのみR9150/R9170系デュラエースDi2(ディスクローターのみアルテグラ)と差別化されている。タイヤはヴィットリアのCORSA。別体式のステム/ハンドルをセットしたバイクも多かった。
NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ/デローザ PROTOS
日伊混成チームのNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニが使うバイクはデローザのPROTOS。基本的にチームバイクはオレンジだが、エースを担うマルコ・カノラ(イタリア)は唯一ブラックのPROTOSを使用。シーズン序盤から使用していたダークブルーのスペシャルカラーはスペアバイクとしてチームカーのルーフ上に搭載されていた。
コンポーネントはカンパニョーロのスーパーレコードEPS。BORA ULTRAに組み合わせるタイヤはIRCで、チューブラー率が高めながら「RACING TEAM」ロゴのテスト品と思われるチューブレス/クリンチャータイヤの姿も確認できた。
ノボ ノルディスク/コルナゴ CONCEPT
1型糖尿病を患う選手のみで構成され、病に苦しむ子供たちに夢と希望を与える使命を持ちつつ走るノボ ノルディスクのバイクはコルナゴ。昨年まではC60などを使用していたが、今年はメインバイクをエアロロードのCONCEPTに切り替えたようだ。今回ジャパンカップに参加したプロコンチームは、ウィリエール、デローザ、コルナゴと全てイタリアンブランドのバイクを使用していたことになる。
コンポーネントはデュラエースの機械式で、現行のR9100系と旧型の9000系を交えた構成。SRMのカーボンクランクを組み合わせ、ペダルは台湾ブランドのXPEDOというブランド。ハンドル周りとホイールはFSA/ヴィジョンで統一されており、マキシスの28cオンリーというエンデュランスチューブラータイヤ「VELOCITA」の使用率が高かった。ボトルケージはアランデルで、サドルはセッレイタリア。
オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライドサンシャインコースト/リドレー NOAH、HELIUM
マイケル・ポッター(オーストラリア)がツール・ド・とちぎで総合優勝するなど日本でも認知度の高いオーストラリアンサイクリングアカデミー・ライドサンシャインコーストが駆るのは、リドレーの軽量オールラウンダーHELIUMとエアロロードのNOAH。新型のNOAH FASTは使用されていなかった。全車ライトグレーに淡い水色を加えたカラーリングが印象的だ。
トラック競技上がりのスピードマンを揃えるだけあってNOAHの使用率が高いが、エーススプリンターのポッターはHELIUMをチョイス。更にヘッドセットのトップキャップを抜き、下向きのステムを装備することで低いポジションにセッティングしていた。コンポーネントはシマノDi2で、現行型のデュラエースとアルテグラが6台中それぞれ3台ずつ。ステージズのパワーメーターを使い、DTスイスのハブで組んだフォルツァのホイールにピレリのP ZERO VELOタイヤを組み合わせていた。
リュブリャナ・グスト・ザウラム/グスト RCR TEAM
ツール・ド・ラヴニール総合覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア)の参戦で話題を呼んだリュブリャナ・グスト・ザウラムは、例年同様台湾の自転車輸入代理店、アタッキ社がプロデュースするオリジナルブランド「グスト(GUSTO)」のRCR TEAMを使用した。
コンポーネントは昨年から変わらずスラムのREDやFORCE(eTapは供給されていない)だが、ホイールはジップから「アタッキ」に変更。60mmハイトリムの使用率が高く、ハブは細身のもの。タイヤはコンチネンタルで統一しているが、CONPETITIONをはじめエンデュランス用のGATORSKINなどモデルはまちまち。サドルとナンバープレートホルダーはスロベニアの超軽量製品ブランド「ベルク」の製品とメカニックは話していた。
トレンガヌ・サイクリングチーム/ラピエール XELIUS、AIRCODE
マレーシアの人気チーム、トレンガヌ・サイクリングチームの使用ブランドは今年もラピエールで、オールラウンダーのXELIUSとエアロロードのAIRCODEを選手の好みで使い分けている。市販品のFDJレプリカカラーが供給されているため、自チームに関係ないロゴは黒いビニールテープで目張り済みだ。
シマノがスポンサードしているため、パワーメーター装備のR9150系デュラエースで全バイクを統一するほか、ハンドルやボトルケージなども全てPRO。タイヤはコンチネンタルで、エンデュランスモデルのGATORSKINも使われていた。
タイランド・コンチネンタルサイクリングチーム/スペシャライズド S-WORKS TARMAC
創設2年目のタイランド・コンチネンタルサイクリングチームが使うのはスペシャライズドのS-WORKS TARMAC(2016年モデル)。RED(eTap/機械式)やFORCEなどスラムの各コンポーネントを使い、ホイールは基本的にジップながら旧型デュラエースやノーロゴの製品も混用。プーチョン・サイウドンシン(タイ)はコラム径が太い(1-1/4)ジャイアントのOverDrive2規格に対応したCONTACT SLRハンドルを、TARMACの1-1/8コラムにシムを噛ませることで(半ば無理やり)使用していた。
セブンイレブン・クリック・ロードバイクフィリピン/タオカス STRIKER R、ARROW
ジャパンカップ初参戦を果たしたセブンイレブン・クリック・ロードバイクフィリピンは「アジアンパワーテクノロジー」を謳うタオカスを使用する。オールラウンダーのSTRIKER RとエアロロードのARROWを乗り分けていた。コンポーネントはシマノの機械式各種で、ホイールはSUPERTEAMというブランドの製品。フィジークALIANTEの表皮を張り替えたと思われるサドルも確認できた。
text&photo:So.Isobe
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