2018/09/27(木) - 19:33
地元オーストリアを沸かす18歳のローカルライダーの勝利。ロード世界選手権女子ジュニアのロードレースで、MTBクロスカントリーのジュニアで2連覇を達成しているラウラ・スティガー(オーストリア)が優勝した。終盤まで集団に残った川口うらら(龍野高校)は23位、中冨尚子(京都産業大学)は87位。
人数をそろえるイタリアを先頭に最終周回に入る photo:Kei Tsuji
女子ジュニアロードレース photo: Innsbruck-Tirol 2018
ロード世界選手権のロードレース1戦目となる女子ジュニアは、前日の男子エリートタイムトライアルと同様にラッテンベルクをスタート。そこから「グナーデンヴァルト(距離2.6km/平均勾配10.5%/最大勾配14%)」を越えてインスブルックを目指す。48.5km地点で一旦フィニッシュラインを通過後「イグルス(距離7.9km/平均勾配5.7%/最大勾配10%)」の登りを含む23.9km山岳周回コースを1周する。合計71.7km、獲得標高差975mのコースに37カ国、102名の選手たちが挑んだ。
前日までの冷え込みはいくぶん収まったものの、それでもスタートの時点で気温は7度ほど。序盤からイタリアやオランダ、イギリス、ドイツが集団の先頭に立ってペースを上げ、アタックを封じ込めながらレースは進んで行く。
「グナーデンヴァルト」の登りでアイグル・ガレーヴァ(ロシア)がアタックすると先頭は7名に。中冨尚子(京都産業大学)が登りで大きく遅れた一方で、頂上通過後に川口うらら(龍野高校)を含む後続集団が追いつき、25名が先頭集団を形成した状態でインスブルックの周回コースに入った。
インスブルックの周回に入る川口うらら(龍野高校)を含む先頭集団 photo:Kei Tsuji
集団内でインスブルックの周回に入った川口うらら(龍野高校) photo:Kei Tsuji
「イグルス」の登りでロシアがアタックを繰り返したが、人数をそろえるイタリアのガードを完全に崩すことはできない。ペースが上がった集団からは川口を含めて多くの選手が遅れていく。すると、頂上まで2kmを残して地元出身ライダーが動く。チームタイムトライアルで序盤に通過したハイミングの町(インスブルックから45km)出身のラウラ・スティガー(オーストリア)が強力なアタックを繰り出した。
スティガーのアタックに反応できたのはバルバラ・マルコッティ(イタリア)とシモーネ・ボワラール(カナダ)の2名。先行したまま下り区間に突入した3名に残り5km地点でマリー・ルネ(フランス)が追いついて先頭は4名に。ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア)やジャドゥ・ヴィエル(フランス)、カミッラ・アレッシオ(イタリア)らの追走を振り切って、インスブルックの旧市街を駆け抜けた。
残り4km地点の道幅の狭い登りでスティガーが再びアタックを仕掛けたが決まらず、勝負は先頭4名によるスプリントへ。残り1.5km地点からのルネのロングスパートは決まらず、タイミングよく加速したスティガーが地元オーストリアの歓声に包まれたフィニッシュに先頭で飛び込んだ。
スプリントで先頭に立つラウラ・スティガー(オーストリア) photo:Kei Tsuji
スプリントでマリー・ルネ(フランス)の追い上げをかわすラウラ・スティガー(オーストリア) photo:Kei Tsuji
4名によるスプリントで勝利したラウラ・スティガー(オーストリア) photo:Kei Tsuji
優勝したスティガーは2000年9月25日生まれの18歳。MTBクロスカントリーのジュニアカテゴリーで2年連続世界チャンピオンに輝いており、これが自身2回目のロードレース出場だった。
MTBに続いてロードレースでもタイトルを獲得したスティガーは「今日はただレースを楽しみたいと思っていたので、この勝利は予想していなかった。信じられない気持ち。沿道からの声援のおかげで限界まで追い込むことができた」とコメント。ロードレースに転向する意思はなく、スティガーは2020年の東京五輪MTBクロスカントリーに照準を合わせている。
最後の「イグルス」の登りで遅れた川口は4分07秒遅れの23位、中冨は15分46秒遅れの87位でレースを終えている。以下は川口のコメント。
「世界の舞台でロードレースを走ったことがなかったので、どのくらい走れるかわからなかったけど、全力を尽くすことを目標にして走り、力を出し切ることができた。マウンテンバイクの世界選手権がシーズン最大の目標だったが、そこで100%の力を出せなかった悔しさがあった。もう一度、ロードレースで世界の舞台で戦わせてもらえる機会を得たので、リベンジするような気持ちで挑み、自分が納得できる走りができたので良かった。今回のチャンピオンはマウンテンバイクの世界チャンピオンでもあるので、マウンテンバイクとロードレース、両方やることで相乗効果があると思っている。しっかり両方の種目と向き合い、どちらも強くなりたい。」
4分07秒遅れの23位でフィニッシュする川口うらら(龍野高校) photo:Kei Tsuji
15分46秒遅れの87位でフィニッシュする中冨尚子(京都産業大学) photo:Kei Tsuji
金メダルを獲得したラウラ・スティガー(オーストリア) photo:Kei Tsuji
2位マリー・ルネ(フランス)、1位ラウラ・スティガー(オーストリア)、3位シモーネ・ボワラール(カナダ) photo:Kei Tsuji
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ロード世界選手権のロードレース1戦目となる女子ジュニアは、前日の男子エリートタイムトライアルと同様にラッテンベルクをスタート。そこから「グナーデンヴァルト(距離2.6km/平均勾配10.5%/最大勾配14%)」を越えてインスブルックを目指す。48.5km地点で一旦フィニッシュラインを通過後「イグルス(距離7.9km/平均勾配5.7%/最大勾配10%)」の登りを含む23.9km山岳周回コースを1周する。合計71.7km、獲得標高差975mのコースに37カ国、102名の選手たちが挑んだ。
前日までの冷え込みはいくぶん収まったものの、それでもスタートの時点で気温は7度ほど。序盤からイタリアやオランダ、イギリス、ドイツが集団の先頭に立ってペースを上げ、アタックを封じ込めながらレースは進んで行く。
「グナーデンヴァルト」の登りでアイグル・ガレーヴァ(ロシア)がアタックすると先頭は7名に。中冨尚子(京都産業大学)が登りで大きく遅れた一方で、頂上通過後に川口うらら(龍野高校)を含む後続集団が追いつき、25名が先頭集団を形成した状態でインスブルックの周回コースに入った。
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「イグルス」の登りでロシアがアタックを繰り返したが、人数をそろえるイタリアのガードを完全に崩すことはできない。ペースが上がった集団からは川口を含めて多くの選手が遅れていく。すると、頂上まで2kmを残して地元出身ライダーが動く。チームタイムトライアルで序盤に通過したハイミングの町(インスブルックから45km)出身のラウラ・スティガー(オーストリア)が強力なアタックを繰り出した。
スティガーのアタックに反応できたのはバルバラ・マルコッティ(イタリア)とシモーネ・ボワラール(カナダ)の2名。先行したまま下り区間に突入した3名に残り5km地点でマリー・ルネ(フランス)が追いついて先頭は4名に。ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア)やジャドゥ・ヴィエル(フランス)、カミッラ・アレッシオ(イタリア)らの追走を振り切って、インスブルックの旧市街を駆け抜けた。
残り4km地点の道幅の狭い登りでスティガーが再びアタックを仕掛けたが決まらず、勝負は先頭4名によるスプリントへ。残り1.5km地点からのルネのロングスパートは決まらず、タイミングよく加速したスティガーが地元オーストリアの歓声に包まれたフィニッシュに先頭で飛び込んだ。
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優勝したスティガーは2000年9月25日生まれの18歳。MTBクロスカントリーのジュニアカテゴリーで2年連続世界チャンピオンに輝いており、これが自身2回目のロードレース出場だった。
MTBに続いてロードレースでもタイトルを獲得したスティガーは「今日はただレースを楽しみたいと思っていたので、この勝利は予想していなかった。信じられない気持ち。沿道からの声援のおかげで限界まで追い込むことができた」とコメント。ロードレースに転向する意思はなく、スティガーは2020年の東京五輪MTBクロスカントリーに照準を合わせている。
最後の「イグルス」の登りで遅れた川口は4分07秒遅れの23位、中冨は15分46秒遅れの87位でレースを終えている。以下は川口のコメント。
「世界の舞台でロードレースを走ったことがなかったので、どのくらい走れるかわからなかったけど、全力を尽くすことを目標にして走り、力を出し切ることができた。マウンテンバイクの世界選手権がシーズン最大の目標だったが、そこで100%の力を出せなかった悔しさがあった。もう一度、ロードレースで世界の舞台で戦わせてもらえる機会を得たので、リベンジするような気持ちで挑み、自分が納得できる走りができたので良かった。今回のチャンピオンはマウンテンバイクの世界チャンピオンでもあるので、マウンテンバイクとロードレース、両方やることで相乗効果があると思っている。しっかり両方の種目と向き合い、どちらも強くなりたい。」
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ロード世界選手権2018女子ジュニアロードレース結果
1位 | ラウラ・スティガー(オーストリア) | 01:56:26 |
2位 | マリー・ルネ(フランス) | |
3位 | シモーネ・ボワラール(カナダ) | |
4位 | バルバラ・マルコッティ(イタリア) | |
5位 | ジャドゥ・ヴィエル(フランス) | 0:00:14 |
6位 | ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア) | |
7位 | カミッラ・アレッシオ(イタリア) | 0:00:29 |
8位 | アイグル・グレーヴァ(ロシア) | 0:00:56 |
9位 | ミエ・ソービエ(デンマーク) | 0:01:52 |
10位 | マイナ・ギャラン(フランス) | |
23位 | 川口うらら(龍野高校) | 0:04:07 |
87位 | 中冨尚子(京都産業大学) | 0:15:46 |
text:Kei Tsuji in Innsbruck, Austria
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