2018/09/26(水) - 01:27
元サッカーのベルギー代表で、自転車競技を始めて1年半の18歳が圧勝。クイックステップフロアーズ入りが決まっているレムコ・イヴェネプール(ベルギー)が下位に大差をつけて勝利した。日野泰静(松山城南高校)と馬越裕之(榛生昇陽高校)はそれぞれ58位と61位。
33分15秒のトップタイムで優勝した1位 レムコ・イヴェネプール(ベルギー) photo:Kei Tsuji
ジュニア世代、つまり2000年と2001年生まれの次世代ライダー最速を決める男子ジュニアタイムトライアル。コースは前日のU23と共通のヴァッテンスからインスブルックまでの27.7kmで、後半にかけて獲得標高差262mほどのアップダウンをこなす。
明け方にかけて3度まで下がった気温が6度ほどまで上がった午前10時10分に第1走者のスタートが切られた。気温の上昇とともに変わったのが風のコンディション。前半スタートの選手たちはほぼ無風状態の中でのレースとなったが、時間の経過とともに吹き始めた東風が後半スタートの選手たちの背中を押した。
2018年のベルギー選手権とヨーロッパ選手権のロードレースとタイムトライアルでそれぞれ二冠を達成し、今シーズン出場した5つのステージレースですべて総合優勝&ステージ優勝&ポイント賞獲得という圧倒的な強さを見せていたベルギーの新星イヴェネプールが前半から快走。その強さから「プティ・カンニバル(小さな人食い)」と呼ばれる18歳が第1計測(18.1km地点)の時点でライバルのタイムを50秒も更新。後半に入ってもそのペースはまったく落ちず、最終的に2位のルーカス・プラップ(オーストラリア)に1分23秒ものタイム差をつけて勝利した。
2位/1分23秒差 ルーカス・プラップ(オーストラリア) photo:Kei Tsuji
3位/1分37秒差 アンドレア・ピッコロ(イタリア) photo:Kei Tsuji
4位/1分47秒差 ミヘル・ヘスマン(ドイツ) photo:Kei Tsuji
5位/1分50秒差 ソレン・ワーレンショールド(ノルウェー) photo:Kei Tsuji
6位/2分10秒差 マヌエル・ミッシェルセン(オランダ) photo:Kei Tsuji
7位/2分21秒差 イラン・ヴァンウィルダー(ベルギー) photo:Kei Tsuji
イヴェネプールが出したタイムは33分15秒で、平均スピードは49.979km/h。もちろん風が味方したことも考えられるが、ギア比制限のあるジュニアレースにもかかわらずイヴェネプールは同じコースで行われたU23の4位に相当するタイムを出したことになる。
まさに圧勝と言える走りを見せたイヴェネプールは異例の経歴の持ち主として知られる。幼少期からクラブチームでサッカーに打ち込んだイヴェネプールはU15時代からベルギー代表として活動。サッカーに区切りをつけて自転車競技に転向したのは2017年で、自転車競技を始めてわずか1年半でジュニアの頂点に立ったことになる。
「この世界選手権を大きな目標に掲げて準備を重ねてきた。もちろん(ロードレースとの)二冠を狙っているので、まずはタイムトライアルで1勝目を飾ることができてホッとしている。今日は登りを全開で走り、後半はただ速く走ることだけを考えて追い込んだ。結果には満足しているし、本当に夢がかなった気分だ」とイヴェネプール。早くもクイックステップフロアーズが若き才能との契約に至っており、イヴェネプールはジュニアカテゴリーから「飛び級」でUCIワールドチームの一員になることが決まっている。
2位ルーカス・プラップ(オーストラリア)、1位レムコ・イヴェネプール(ベルギー)、3位アンドレア・ピッコロ(イタリア) photo:Kei Tsuji
スタート前にアップする馬越裕之(榛生昇陽高校)と日野泰静(松山城南高校) photo:Kei Tsuji
日本から出場した日野泰静(松山城南高校)と馬越裕之(榛生昇陽高校)はそれぞれ58位と61位。トップのイヴェネプールと6分以上の差、平均スピードにして7km/h以上の差がついている。タイムトライアルを走った2名に福田圭晃(横浜高校)と香山飛龍(横浜高校)、小野寺慶(ブラウブリッツェン)を加えた5名で2日後のロードレースに出場する。
58位/6分05秒差 日野泰静(松山城南高校) photo:Kei Tsuji
61位/6分29秒差 馬越裕之(榛生昇陽高校) photo:Kei Tsuji
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ジュニア世代、つまり2000年と2001年生まれの次世代ライダー最速を決める男子ジュニアタイムトライアル。コースは前日のU23と共通のヴァッテンスからインスブルックまでの27.7kmで、後半にかけて獲得標高差262mほどのアップダウンをこなす。
明け方にかけて3度まで下がった気温が6度ほどまで上がった午前10時10分に第1走者のスタートが切られた。気温の上昇とともに変わったのが風のコンディション。前半スタートの選手たちはほぼ無風状態の中でのレースとなったが、時間の経過とともに吹き始めた東風が後半スタートの選手たちの背中を押した。
2018年のベルギー選手権とヨーロッパ選手権のロードレースとタイムトライアルでそれぞれ二冠を達成し、今シーズン出場した5つのステージレースですべて総合優勝&ステージ優勝&ポイント賞獲得という圧倒的な強さを見せていたベルギーの新星イヴェネプールが前半から快走。その強さから「プティ・カンニバル(小さな人食い)」と呼ばれる18歳が第1計測(18.1km地点)の時点でライバルのタイムを50秒も更新。後半に入ってもそのペースはまったく落ちず、最終的に2位のルーカス・プラップ(オーストラリア)に1分23秒ものタイム差をつけて勝利した。
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イヴェネプールが出したタイムは33分15秒で、平均スピードは49.979km/h。もちろん風が味方したことも考えられるが、ギア比制限のあるジュニアレースにもかかわらずイヴェネプールは同じコースで行われたU23の4位に相当するタイムを出したことになる。
まさに圧勝と言える走りを見せたイヴェネプールは異例の経歴の持ち主として知られる。幼少期からクラブチームでサッカーに打ち込んだイヴェネプールはU15時代からベルギー代表として活動。サッカーに区切りをつけて自転車競技に転向したのは2017年で、自転車競技を始めてわずか1年半でジュニアの頂点に立ったことになる。
「この世界選手権を大きな目標に掲げて準備を重ねてきた。もちろん(ロードレースとの)二冠を狙っているので、まずはタイムトライアルで1勝目を飾ることができてホッとしている。今日は登りを全開で走り、後半はただ速く走ることだけを考えて追い込んだ。結果には満足しているし、本当に夢がかなった気分だ」とイヴェネプール。早くもクイックステップフロアーズが若き才能との契約に至っており、イヴェネプールはジュニアカテゴリーから「飛び級」でUCIワールドチームの一員になることが決まっている。
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日本から出場した日野泰静(松山城南高校)と馬越裕之(榛生昇陽高校)はそれぞれ58位と61位。トップのイヴェネプールと6分以上の差、平均スピードにして7km/h以上の差がついている。タイムトライアルを走った2名に福田圭晃(横浜高校)と香山飛龍(横浜高校)、小野寺慶(ブラウブリッツェン)を加えた5名で2日後のロードレースに出場する。
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ロード世界選手権2018男子ジュニアタイムトライアル結果
順位 | 選手名 | タイム | 平均スピード |
---|---|---|---|
1位 | レムコ・イヴェネプール(ベルギー) | 33:15 | 49.979km/h |
2位 | ルーカス・プラップ(オーストラリア) | 01:23 | 47.968km/h |
3位 | アンドレア・ピッコロ(イタリア) | 01:37 | 47.648km/h |
4位 | ミヘル・ヘスマン(ドイツ) | 01:47 | 47.420km/h |
5位 | ソレン・ワーレンショールド(ノルウェー) | 01:50 | 47.361km/h |
6位 | マヌエル・ミッシェルセン(オランダ) | 02:10 | 46.902km/h |
7位 | イラン・ヴァンウィルダー(ベルギー) | 02:21 | 46.673km/h |
8位 | ジョゼフ・レイヴリック(イギリス) | 02:21 | 46.662km/h |
9位 | ヤコブ・ヒンズゴールマッドセン(デンマーク) | 02:26 | 46.560km/h |
10位 | マイケル・ガリソン(アメリカ) | 02:32 | 46.420km/h |
58位 | 日野泰静(松山城南高校) | 06:05 | 42.247km/h |
61位 | 馬越裕之(榛生昇陽高校) | 06:29 | 41.810km/h |
text&photo:Kei Tsuji in Innsbruck, Austria