2018/09/24(月) - 20:17
アメリカはウィスコンシン州ウォータールーにて開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第1戦で、世界王者のワウト・ヴァンアールト(ベルギー)を引き離したトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)が勝利。女子はマリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス)が勝利した。
シクロクロスシーズン到来を告げるUCIシクロクロスワールドカップ開幕戦が、本場ヨーロッパから大西洋を渡った北米で開幕した。開催地はウィスコンシン州ウォータールーにあるトレック本社裏手の小高い丘。前々日のUCI2クラスのトレックCXCカップを皮切りに仮装レースやシングルスピード選手権などが開催され、CX界のレジェンド、スヴェン・ネイス(ベルギー)なども駆けつけるなど3日間を通して行われる一大イベントだ。
マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)はMTBシーズン明けの休養中だが、世界王者のワウト・ヴァンアールト(ベルギー)や、ラース・ファンデルハール(オランダ)を筆頭とするテレネット・フィデア勢、チーム移籍したローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)、U23世界王者のエリ・イゼルビッド(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)ら屈強な欧州勢が集結。アメリカ勢を交え、気温17℃の中60分間のレースが幕開けた。
ホールショットはヴァンアールトが奪ったが、ドライコンディションの高速レースゆえに後続はなかなかバラけない。スウィークやイゼルビッド、前欧州王者トーン・アールツ、クィンティン・ヘルマンス(共にベルギー、テレネット・フィデア)、マイケル・ヴァントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)らが続く形で前半戦を消化していった。
アメリカ王者のスティーヴン・ハイド(キャノンデールp/bシクロクロスワールド.com)らが苦戦を強いられる一方、先頭グループに変化が起きたのは全9周回中の4周目。テレネット勢が組織的なペースアップを行う中でシケイン越えに失敗したスウィークが遅れ、次いでイゼルビッドが脱落。更にハイスピードコーナーで落車したダーン・ソエテ(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)にクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア)が突っ込んだことで、自動的にヴァンアールトとアールツが抜け出す形となった。
先頭2名は後続との差を保ったまま周回を重ねていたが、7周目突入と同時に猛然とペースアップを開始する。コーナーを抜けるたびにスプリントするアールツに対してヴァンアールトも食い下がったが、その差はじわじわと拡大。ヴァンアールトはファステストラップを叩き出して逃げるアールツに手が届かなかった。
安定した走りを維持したアールツはそのまま逃げ切り、フィニッシュ前のフライオーバーで特大ジャンプを決めつつ自身初のワールドカップ勝利を達成。バイクのロゴを誇らしげに指差し、レース主催者でありチーム機材スポンサーであるトレックをアピールした。
「シーズン最初のレースに勝てたからワールドカップランキングの首位ジャージが付いてきた。来週のアイオワではキャリアで初めてリーダージャージを着ることになるので誇らしいよ。最終周回はノーミスを心がけて走ったんだ。僕のチームメイト達はフライオーバーを飛び切るなんて不可能だと言ってたけれど、僕は試走の時に全周回で飛べていたから最終周回にトライした。すごくいい気分だったよ」とインタビューで答えたアールツ。トップ10のうちベルギー勢が1位〜5位、6〜9位を占めシクロクロス大国の威信を示す結果となった。なお非ベルギー・オランダ勢最上位は10位のミカエル・ボロシュ(チェコ、クレアフィン・テュフズート)。来日経験のあるフランス王者スティーブ・シェネル(チームシャザル・キャニオン)が追い上げる走りで11位に食い込んでいる。
男子レースの後に開催されたエリート女子レースは、序盤からエレン・ノーブル(アメリカ、トレックファクトリーレーシング)と,マリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス)の一騎打ちが繰り広げられた。スタート直後に首位を走ったマウド・カプテンス(オランダ、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)や世界王者のサンヌ・カント(ベルギー、コレンドン・サーカス)は思うようにペースを上げられず、トップ争いから離れた位置でのレースを強いられる。
先頭ではノーブルがバニーホップで転倒や、登坂区間での攻撃を繰り出すも、食い下がるフォスとのランデブーは最終周回まで途切れない。一進一退の攻防が一層熱を帯びる中、テクニックとパワーを要する登坂でフォスが一気に先行。これまで7回世界選手権を制した勝負勘を活かした元女王が再びワールドカップ総合リーダージャージに袖を通すこととなった。
「3列目からのスタートだったので早めにポジションを上げる必要があった。今日のエレンはとても強くて何度か本当に苦しめられたけど、最後まで食らいついていけばきっとチャンスがやってくると思っていた」とフォスは喜びを語っている。
またこの日、ベテランのカテリーナ・ナッシュ(チェコ、クリフプロチーム)が3位表彰台を射止め、U23世界王者のイヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング)が4位。不調に苦しめられたカントは10位に終わった。
シクロクロスシーズン到来を告げるUCIシクロクロスワールドカップ開幕戦が、本場ヨーロッパから大西洋を渡った北米で開幕した。開催地はウィスコンシン州ウォータールーにあるトレック本社裏手の小高い丘。前々日のUCI2クラスのトレックCXCカップを皮切りに仮装レースやシングルスピード選手権などが開催され、CX界のレジェンド、スヴェン・ネイス(ベルギー)なども駆けつけるなど3日間を通して行われる一大イベントだ。
マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)はMTBシーズン明けの休養中だが、世界王者のワウト・ヴァンアールト(ベルギー)や、ラース・ファンデルハール(オランダ)を筆頭とするテレネット・フィデア勢、チーム移籍したローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)、U23世界王者のエリ・イゼルビッド(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)ら屈強な欧州勢が集結。アメリカ勢を交え、気温17℃の中60分間のレースが幕開けた。
ホールショットはヴァンアールトが奪ったが、ドライコンディションの高速レースゆえに後続はなかなかバラけない。スウィークやイゼルビッド、前欧州王者トーン・アールツ、クィンティン・ヘルマンス(共にベルギー、テレネット・フィデア)、マイケル・ヴァントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)らが続く形で前半戦を消化していった。
アメリカ王者のスティーヴン・ハイド(キャノンデールp/bシクロクロスワールド.com)らが苦戦を強いられる一方、先頭グループに変化が起きたのは全9周回中の4周目。テレネット勢が組織的なペースアップを行う中でシケイン越えに失敗したスウィークが遅れ、次いでイゼルビッドが脱落。更にハイスピードコーナーで落車したダーン・ソエテ(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)にクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア)が突っ込んだことで、自動的にヴァンアールトとアールツが抜け出す形となった。
先頭2名は後続との差を保ったまま周回を重ねていたが、7周目突入と同時に猛然とペースアップを開始する。コーナーを抜けるたびにスプリントするアールツに対してヴァンアールトも食い下がったが、その差はじわじわと拡大。ヴァンアールトはファステストラップを叩き出して逃げるアールツに手が届かなかった。
安定した走りを維持したアールツはそのまま逃げ切り、フィニッシュ前のフライオーバーで特大ジャンプを決めつつ自身初のワールドカップ勝利を達成。バイクのロゴを誇らしげに指差し、レース主催者でありチーム機材スポンサーであるトレックをアピールした。
「シーズン最初のレースに勝てたからワールドカップランキングの首位ジャージが付いてきた。来週のアイオワではキャリアで初めてリーダージャージを着ることになるので誇らしいよ。最終周回はノーミスを心がけて走ったんだ。僕のチームメイト達はフライオーバーを飛び切るなんて不可能だと言ってたけれど、僕は試走の時に全周回で飛べていたから最終周回にトライした。すごくいい気分だったよ」とインタビューで答えたアールツ。トップ10のうちベルギー勢が1位〜5位、6〜9位を占めシクロクロス大国の威信を示す結果となった。なお非ベルギー・オランダ勢最上位は10位のミカエル・ボロシュ(チェコ、クレアフィン・テュフズート)。来日経験のあるフランス王者スティーブ・シェネル(チームシャザル・キャニオン)が追い上げる走りで11位に食い込んでいる。
男子レースの後に開催されたエリート女子レースは、序盤からエレン・ノーブル(アメリカ、トレックファクトリーレーシング)と,マリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス)の一騎打ちが繰り広げられた。スタート直後に首位を走ったマウド・カプテンス(オランダ、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)や世界王者のサンヌ・カント(ベルギー、コレンドン・サーカス)は思うようにペースを上げられず、トップ争いから離れた位置でのレースを強いられる。
先頭ではノーブルがバニーホップで転倒や、登坂区間での攻撃を繰り出すも、食い下がるフォスとのランデブーは最終周回まで途切れない。一進一退の攻防が一層熱を帯びる中、テクニックとパワーを要する登坂でフォスが一気に先行。これまで7回世界選手権を制した勝負勘を活かした元女王が再びワールドカップ総合リーダージャージに袖を通すこととなった。
「3列目からのスタートだったので早めにポジションを上げる必要があった。今日のエレンはとても強くて何度か本当に苦しめられたけど、最後まで食らいついていけばきっとチャンスがやってくると思っていた」とフォスは喜びを語っている。
またこの日、ベテランのカテリーナ・ナッシュ(チェコ、クリフプロチーム)が3位表彰台を射止め、U23世界王者のイヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング)が4位。不調に苦しめられたカントは10位に終わった。
男子エリートレース結果
1位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) | 1h02’49” |
2位 | ワウト・ヴァンアールト(ベルギー) | +34” |
3位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) | +51” |
4位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア) | +54” |
5位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) | +55” |
6位 | コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) | +1’08” |
7位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) | +1’14” |
8位 | ジム・アールノーツ(ベルギー、テレネット・フィデア) | +1’27” |
9位 | ティム・メルリエ(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | +1’36” |
10位 | ミカエル・ボロシュ(チェコ、クレアフィン・テュフズート) | +1’44” |
女子エリートレース結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス) | 48’42” |
2位 | エレン・ノーブル(アメリカ、トレックファクトリーレーシング) | +04” |
3位 | カテリーナ・ナッシュ(チェコ、クリフプロチーム) | +27” |
4位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング) | +39” |
5位 | ロース・セルス(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | +1’16” |
6位 | エレン・ヴァンロイ(ベルギー、テレネット・フィデア) | +1’38” |
7位 | マウド・カプテンス(オランダ、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | +1’49” |
8位 | ソフィアゴメス・ヴィラファーヌ(アメリカ、ピボット/マキシスp/bスタンズ/DNAサイクリング) | +1’53” |
9位 | イング・ヴァンデルヘイデン(オランダ) | +1’57” |
10位 | サンヌ・カント(ベルギー、コレンドン・サーカス) | +1’58” |
text:So.Isobe
photo:CorVos.UCI
photo:CorVos.UCI
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