2018/09/24(月) - 02:33
ベルギーのクイックステップフロアーズが4度目の栄冠。ロード世界選手権の男子チームタイムトライアルで、登りを含む62.4kmコースを平均55.522km/hで駆け抜けたクイックステップフロアーズがサンウェブとBMCレーシングを下した。
ケマーテンの登り(距離4.6km/平均5.7%/最大13%)をこなす photo:Kei Tsuji
男子チームタイムトライアル photo: Innsbruck-Tirol 2018
午前中に行われた女子チームタイムトライアルと同様に、世界最速チームを決める男子チームタイムトライアルはエッツタールの町をスタート。イン川に沿った下り基調の幹線道路をインスブルックに向かう行程は共通だが、男子レースにはケマーテンの登り(距離4.6km/平均5.7%/最大13%)とそれに続くハイスピードダウンヒルが付け加えられている。
晴れ時々曇り、時折小さい雨粒も落ちる不安定な空の下、2013年と2014年に2位を経験しているミッチェルトン・スコットが快調なスタートを切る。第1計測(22.8km)通過の時点でミッチェルトン・スコットはBMCレーシングから8秒、クイックステップフロアーズから13秒のリード。チームスカイはスタート後すぐにイアン・スタナード(イギリス)が落車したものの、挽回して第1計測を4位のタイムで駆け抜けている。
ケマーテンの登りの頂上に設置された第2計測(44.8km)で先頭に立ったのは、世界TT王者トム・デュムラン(オランダ)が積極的にリードしたディフェンディングチャンピオンのサンウェブ。クイックステップフロアーズが0.71秒差、BMCレーシングが3秒差という僅差で続き、3チームが接戦のまま終盤に差し掛かった。
1時間07分25秒のトップタイムで優勝したクイックステップフロアーズ photo:Kei Tsuji
2位/19秒差 サンウェブ photo:Kei Tsuji
3位/20秒差 BMCレーシング photo:Kei Tsuji
4位/45秒差 チームスカイ photo:Kei Tsuji
5位/57秒差 ミッチェルトン・スコット photo:Kei Tsuji
勝負が決まったのはインスブルックに向かう下り区間だった。「下りからフィニッシュにかけてを重点的に試走した。実際に何度も走ったし、ブラインドコーナーの一つ一つを頭に叩き込むためにスマートフォンで映像を100回ぐらい見たと思う」と語るのはクイックステップフロアーズのニキ・テルプストラ(オランダ)。第2計測からフィニッシュラインまでの17.6km区間をサンウェブより19秒、BMCレーシングより20秒早い17分25秒(平均60.6km/h)の最速ペースで駆け抜けたクイックステップフロアーズが、1時間07分25秒という揺るぎないトップタイムを打ち立てた。
最終的にサンウェブに18秒、BMCレーシングに19秒差をつけたクイックステップフロアーズ。ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)、イヴ・ランパールト(ベルギー)、ニキ・テルプストラ(オランダ)、カスパー・アスグリーン(デンマーク)、ローレンス・デプルス(ベルギー)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ)の6名で62.4kmコースを平均55.522km/hで駆け抜けている。
平均年齢26.2歳という比較的若いメンバーを揃えたクイックステップフロアーズが2012年と2013年、2016年に続く4度目の世界タイトル獲得。「今回は若手が多めのメンバーで出場。第1計測のタイムを聞いても、まだ登りが残っているし、焦ることはなかった。登りでペースを上げ始めて、下りとフィニッシュまでの平坦区間でアクセルを全開にした」と、チームキャプテンを務めたランパールトは語る。
「今シーズンは勝ちまくっているけど、チームとして獲得した世界タイトルは特別。大きな満足感に包まれているし、メンバー全員で世界チャンピオンになった喜びを噛み締めている」とランパールト。同日フランスで開催されたGPイスベルグではフィリップ・ジルベール(ベルギー)が復活の勝利を挙げており、チームとしてこれがシーズン69勝目。シーズン勝利数では2017年の56勝、2016年の54勝、2015年の54勝、2014年の61勝、2013年の54勝をすでに上回っており、しかも69勝のうち33勝がUCIワールドツアーレースでの結果。ワンデークラシックからグランツールまで幅広く成績を残すベルギーチームが改めてチーム力を見せつけた。
3分ごとにやってくる選手たちに声援を送る photo:Kei Tsuji
ケマーテンの登りをこなすクイックステップフロアーズ photo:Kei Tsuji
4度目のタイトルを手にしたクイックステップフロアーズ photo:Kei Tsuji
2位サンウェブ、1位クイックステップフロアーズ、3位BMCレーシング photo:Kei Tsuji
18秒差でタイトル防衛を逃したサンウェブのソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク)は「とても長くてハードなチームTTだった。チームのパフォーマンスには喜びと失望を感じている。もちろん勝てればよかったけど、2位という結果は決して悪くないし、チームの走りを誇りに思う」と語る。
BMCレーシングを3位に導いたデニスは「今日はチームスカイとサンウェブがライバルになると思っていた。前半の平坦区間はずっと60km/h程度出ていたし、悪い走りではなかった。ただ今日は自分たちよりも速いチームに負けたんだ」とコメントしている。チームスカイは終盤にかけてペースを上げたものの44秒差の4位に。56秒差の5位にはミッチェルトン・スコットが入っている。
6位/1分32秒差 モビスター photo:Kei Tsuji
7位/2分04秒差 トレック・セガフレード photo:Kei Tsuji
8位/2分08秒差 ボーラ・ハンスグローエ photo:Kei Tsuji
11位/2分56秒差 カチューシャ・アルペシン photo:Kei Tsuji
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午前中に行われた女子チームタイムトライアルと同様に、世界最速チームを決める男子チームタイムトライアルはエッツタールの町をスタート。イン川に沿った下り基調の幹線道路をインスブルックに向かう行程は共通だが、男子レースにはケマーテンの登り(距離4.6km/平均5.7%/最大13%)とそれに続くハイスピードダウンヒルが付け加えられている。
晴れ時々曇り、時折小さい雨粒も落ちる不安定な空の下、2013年と2014年に2位を経験しているミッチェルトン・スコットが快調なスタートを切る。第1計測(22.8km)通過の時点でミッチェルトン・スコットはBMCレーシングから8秒、クイックステップフロアーズから13秒のリード。チームスカイはスタート後すぐにイアン・スタナード(イギリス)が落車したものの、挽回して第1計測を4位のタイムで駆け抜けている。
ケマーテンの登りの頂上に設置された第2計測(44.8km)で先頭に立ったのは、世界TT王者トム・デュムラン(オランダ)が積極的にリードしたディフェンディングチャンピオンのサンウェブ。クイックステップフロアーズが0.71秒差、BMCレーシングが3秒差という僅差で続き、3チームが接戦のまま終盤に差し掛かった。
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勝負が決まったのはインスブルックに向かう下り区間だった。「下りからフィニッシュにかけてを重点的に試走した。実際に何度も走ったし、ブラインドコーナーの一つ一つを頭に叩き込むためにスマートフォンで映像を100回ぐらい見たと思う」と語るのはクイックステップフロアーズのニキ・テルプストラ(オランダ)。第2計測からフィニッシュラインまでの17.6km区間をサンウェブより19秒、BMCレーシングより20秒早い17分25秒(平均60.6km/h)の最速ペースで駆け抜けたクイックステップフロアーズが、1時間07分25秒という揺るぎないトップタイムを打ち立てた。
最終的にサンウェブに18秒、BMCレーシングに19秒差をつけたクイックステップフロアーズ。ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)、イヴ・ランパールト(ベルギー)、ニキ・テルプストラ(オランダ)、カスパー・アスグリーン(デンマーク)、ローレンス・デプルス(ベルギー)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ)の6名で62.4kmコースを平均55.522km/hで駆け抜けている。
平均年齢26.2歳という比較的若いメンバーを揃えたクイックステップフロアーズが2012年と2013年、2016年に続く4度目の世界タイトル獲得。「今回は若手が多めのメンバーで出場。第1計測のタイムを聞いても、まだ登りが残っているし、焦ることはなかった。登りでペースを上げ始めて、下りとフィニッシュまでの平坦区間でアクセルを全開にした」と、チームキャプテンを務めたランパールトは語る。
「今シーズンは勝ちまくっているけど、チームとして獲得した世界タイトルは特別。大きな満足感に包まれているし、メンバー全員で世界チャンピオンになった喜びを噛み締めている」とランパールト。同日フランスで開催されたGPイスベルグではフィリップ・ジルベール(ベルギー)が復活の勝利を挙げており、チームとしてこれがシーズン69勝目。シーズン勝利数では2017年の56勝、2016年の54勝、2015年の54勝、2014年の61勝、2013年の54勝をすでに上回っており、しかも69勝のうち33勝がUCIワールドツアーレースでの結果。ワンデークラシックからグランツールまで幅広く成績を残すベルギーチームが改めてチーム力を見せつけた。
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BMCレーシングを3位に導いたデニスは「今日はチームスカイとサンウェブがライバルになると思っていた。前半の平坦区間はずっと60km/h程度出ていたし、悪い走りではなかった。ただ今日は自分たちよりも速いチームに負けたんだ」とコメントしている。チームスカイは終盤にかけてペースを上げたものの44秒差の4位に。56秒差の5位にはミッチェルトン・スコットが入っている。
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ロード世界選手権2018男子チームタイムトライアル結果
順位 | チーム名 | タイム | 平均スピード |
---|---|---|---|
1位 | クイックステップフロアーズ | 1:07:25 | 55.522 |
2位 | サンウェブ | 0:00:18 | 55.270 |
3位 | BMCレーシング | 0:00:19 | 55.255 |
4位 | チームスカイ | 0:00:44 | 54.912 |
5位 | ミッチェルトン・スコット | 0:00:56 | 54.755 |
6位 | モビスター | 0:01:31 | 54.292 |
7位 | トレック・セガフレード | 0:02:03 | 53.872 |
8位 | ボーラ・ハンスグローエ | 0:02:07 | 53.829 |
9位 | CCCスプランディ・ポルコウィチェ | 0:02:37 | 53.443 |
10位 | アスタナ | 0:02:53 | 53.236 |
text&photo:Kei Tsuji in Innsbruck, Austria