2018/09/18(火) - 15:31
シマノ単独で行うディーラー向け展示会としては国内最大となるシマノフェスティバルが開催。国内展開されるSTEPS搭載E-BIKEが全車種展示された他、フルモデルチェンジを果たし話題を呼んでいた新型XTRや105、レイザーの新型ヘルメットなどが大きな注目を集めた。
日本が世界に誇る一大コンポーネントメーカー、シマノ。ロードコンポーネントの世界シェア1位という絶対的地位は揺るぐことなく、その勢いをマウンテンバイク、さらには近年ヨーロッパで爆発的に広がりを見せるE-BIKEにも波及させ、ますます存在感を拡大させている。そんなシマノが開く国内最大のディーラー展示会「シマノフェスティバル」が品川インターシティホールにて開催された。
会場に入ってまず目につくのが、大々的に展示スペースを設けたE-BIKEのエリアだろう。昨年も同じく会場中央にステージが設けられていたが、今年はさらに展示車両を増やしその規模を拡大させていた。と言うのも、今回は国内展開されるSTEPS搭載E-BIKE全車種が勢揃い。各ブランドが展開するクロスバイク、マウンテンバイク、小径車それぞれのタイプのE-BIKEが並んだ。
現在国内で販売されているSTEPS搭載E-BIKEは全部で5車種。ミヤタサイクルのCRUISEとRIDGE-RUNNER、ベスビーのTRS1、ミズタニ自転車のSeraph E-01S、フカヤのDAVOS E-600というラインアップだ。更に今後発売予定のメリダeBIG.SEVEN 600、ルイガノASCENT e-sports、ジープJE-279E、オルベアWILD FSという4モデルを加えた計9車種が一堂に会した。
いずれのバイクも国内規定に適合させたシマノのE-BIKE用ドライブユニットE8080を採用し、ダウンチューブ上部にバッテリーを積むスタイル。一般的なスポーツバイクと比べると重量はかさむものの、時速24kmまでアシストが効くパワーユニットによって、老若男女があらゆるシーンで軽快なライドを楽しめるのがE-BIKEの大きな特徴である。
街乗りや通勤の移動手段をより速くスポーティに。体力を温存しつつ長距離ライドを楽しめるのもE-BIKEの醍醐味だろう。バイクパッキングで重くなった車体でも気軽にツーリングを楽しめる他、マウンテンバイク型ならトレイルの登りはアシストを効かせて、そのまま下りのセクションを満喫するなんていう遊び方も可能だ。まだまだ一般に浸透していない分野だけに今後の広がりに注目していきたい。
新製品として最大のトピックは今年フルモデルチェンジを果たし型番を更新したMTBコンポーネントのトップモデル、M9100系XTRの登場だろう。会場にも実際に組み付けたデモバイクが3台持ち込まれ、来場者の目を引いていた。フロントシングルでも多様なコースに対応できるようシマノ初のリア12速を投入。実際にスプロケットの歯数を指で数える人の姿も見られた。
チェーンを滑らかに移動させるようドライブトレインに工夫を施した、HYPERGRIDE+テクノロジーにより変速性能の向上も実現。フロントチェーンリングはこちらもシマノ初となるダイレクトマウント方式を採用している。シフターやブレーキレバーもポジション調整幅を広げたI-SPEC EVテクノロジーが用いられ、あらゆるライダーに高い操作性をもたらしてくれる。
また新設計のSCYLENCEフリーハブもついに製品化を果たした。面で接触する独自のラチェット機構とすることで優れた駆動効率とねじれ剛性を実現。その上でペダリングを止めた空転時にはラチェット同士が離れることで抵抗をなくし、抜群の回転性能を発揮するとともに、完全無音となるフリー構造を実現している。
対してロードコンポーネントの目玉は、R7000系へと進化した新型105だ。上位グレードを踏襲したデザインを採用し、ミドルグレードながら安定の性能と高い耐久性を備え、かつ抑えられたプライスタグとしたバランスの良さは健在。各ブランドの多くの完成車にもアセンブルされる普及帯モデルだけに、今後たくさんのサイクリストに愛用されていくことだろう。
シリーズ初となるディスクブレーキモデルも登場し、現在猛烈にそのラインアップを増やしているディスクロードの浸透に一役買うことは間違いなし。新型105の登場でディスクロード完成車にもようやくエントリーモデルが加わり、価格的にも手が出しやすい展開となったはず。これから新たにスポーツサイクルを始める初心者や、セカンドバイクとして新たにディスクロードを組もうという上級者まで幅広く受け入れられていくに違いない。
その他シューズやウェア、アクセサリー類にも新作が多数。まず取り上げるべきは多くのプロライダーが愛用するS-PHYREシューズのマイナーチェンジだろう。ロードシューズの「RC9」、MTBシューズの「XC9」ともにフィット感や通気性を向上させるべくアッパーの通気孔デザインを変更。ヒールカップもアッパーと同色とすることで統一感のあるルックスを獲得している。
レーシングシューズのセカンドグレード「RC7」も上位モデルに準じたデザインへモデルチェンジ。パフォーマンスモデルのRPシリーズもミドルグレードの「RP4」と「RP3」が装い新たに登場し、エントリーモデル帯の製品ながらスタイリッシュなルックスを獲得している。
昨年冬物も追加したS-PHYREのアパレルには、これからの秋時期に活用頻度の高いベストとアームウォーマー、レッグウォーマーが追加された。プロ選手が使用するハイパフォーマンスな性能を重視したコンセプトは変わらず、心地よくかつ体にピタリとフィットするエアロな着心地で肌寒さから身を守ってくれる。
シマノが展開するパーツブランドPROからは、VIBEシリーズのカーボンハンドルにアップデートが加わり従来より15%の軽量化を果たした「SL(スーパーライト)」モデルが登場。バーエンドジャンクションに対応したスペックは変わらず、シマノDi2ケーブルのスマートな内装化を実現する。ノーマルなラウンドタイプとエアロタイプの2種類で展開される。
PROブランド初となるバイクバッグ「DISCOVER」シリーズもお披露目。グラベルロードやアドベンチャーバイクともマッチするグレーのカラーで統一され、使用される生地はいかにも耐久性が高そうな印象を受ける。シートバッグ、フレームバッグ、トップチューブバッグ、ハンドルバーバッグの4種類が揃い、キャンプツーリングや泊りがけのライドなどで大いに活用できそうだ。
シマノ傘下となったヘルメットブランド、レイザーからはロットNLユンボも使用するエアロモデルの「BULLET」がアジアンフィットモデル「BULLET 2.0 AF」として待望の登場。帽体中央に開閉可能な「AIR SLIDE」システムを採用し、エアロとベンチレーションの2つのモードで切り替えできる画期的なモデルに仕上がる。高品質レンズで有名なツァイス製のエアロシールドも標準装備だ。
同じくシェル中央に通気性とエアロ性を調整できる独自のツイストキャップを備えた新作の「Century AF」も追加されている。トップモデルのZ1にも似たベンチレーションデザインに加え、USB充電式のLEDテールライトを標準で内蔵。安全性を備えつつデザインとコストパフォーマンスを両立したモデルに仕上がる。こちらもアジアンフィットでの展開だ。
これらの新作製品は今後シクロワイアードのプロダクツ記事でも紹介予定。各ショップへも秋冬にかけて入荷されていくため、気になる製品は店舗スタッフへ問い合わせて欲しい。製品一覧はシマノのデジタルカタログをチェック!
text&photo:Yuto.Murata
日本が世界に誇る一大コンポーネントメーカー、シマノ。ロードコンポーネントの世界シェア1位という絶対的地位は揺るぐことなく、その勢いをマウンテンバイク、さらには近年ヨーロッパで爆発的に広がりを見せるE-BIKEにも波及させ、ますます存在感を拡大させている。そんなシマノが開く国内最大のディーラー展示会「シマノフェスティバル」が品川インターシティホールにて開催された。
会場に入ってまず目につくのが、大々的に展示スペースを設けたE-BIKEのエリアだろう。昨年も同じく会場中央にステージが設けられていたが、今年はさらに展示車両を増やしその規模を拡大させていた。と言うのも、今回は国内展開されるSTEPS搭載E-BIKE全車種が勢揃い。各ブランドが展開するクロスバイク、マウンテンバイク、小径車それぞれのタイプのE-BIKEが並んだ。
現在国内で販売されているSTEPS搭載E-BIKEは全部で5車種。ミヤタサイクルのCRUISEとRIDGE-RUNNER、ベスビーのTRS1、ミズタニ自転車のSeraph E-01S、フカヤのDAVOS E-600というラインアップだ。更に今後発売予定のメリダeBIG.SEVEN 600、ルイガノASCENT e-sports、ジープJE-279E、オルベアWILD FSという4モデルを加えた計9車種が一堂に会した。
いずれのバイクも国内規定に適合させたシマノのE-BIKE用ドライブユニットE8080を採用し、ダウンチューブ上部にバッテリーを積むスタイル。一般的なスポーツバイクと比べると重量はかさむものの、時速24kmまでアシストが効くパワーユニットによって、老若男女があらゆるシーンで軽快なライドを楽しめるのがE-BIKEの大きな特徴である。
街乗りや通勤の移動手段をより速くスポーティに。体力を温存しつつ長距離ライドを楽しめるのもE-BIKEの醍醐味だろう。バイクパッキングで重くなった車体でも気軽にツーリングを楽しめる他、マウンテンバイク型ならトレイルの登りはアシストを効かせて、そのまま下りのセクションを満喫するなんていう遊び方も可能だ。まだまだ一般に浸透していない分野だけに今後の広がりに注目していきたい。
新製品として最大のトピックは今年フルモデルチェンジを果たし型番を更新したMTBコンポーネントのトップモデル、M9100系XTRの登場だろう。会場にも実際に組み付けたデモバイクが3台持ち込まれ、来場者の目を引いていた。フロントシングルでも多様なコースに対応できるようシマノ初のリア12速を投入。実際にスプロケットの歯数を指で数える人の姿も見られた。
チェーンを滑らかに移動させるようドライブトレインに工夫を施した、HYPERGRIDE+テクノロジーにより変速性能の向上も実現。フロントチェーンリングはこちらもシマノ初となるダイレクトマウント方式を採用している。シフターやブレーキレバーもポジション調整幅を広げたI-SPEC EVテクノロジーが用いられ、あらゆるライダーに高い操作性をもたらしてくれる。
また新設計のSCYLENCEフリーハブもついに製品化を果たした。面で接触する独自のラチェット機構とすることで優れた駆動効率とねじれ剛性を実現。その上でペダリングを止めた空転時にはラチェット同士が離れることで抵抗をなくし、抜群の回転性能を発揮するとともに、完全無音となるフリー構造を実現している。
対してロードコンポーネントの目玉は、R7000系へと進化した新型105だ。上位グレードを踏襲したデザインを採用し、ミドルグレードながら安定の性能と高い耐久性を備え、かつ抑えられたプライスタグとしたバランスの良さは健在。各ブランドの多くの完成車にもアセンブルされる普及帯モデルだけに、今後たくさんのサイクリストに愛用されていくことだろう。
シリーズ初となるディスクブレーキモデルも登場し、現在猛烈にそのラインアップを増やしているディスクロードの浸透に一役買うことは間違いなし。新型105の登場でディスクロード完成車にもようやくエントリーモデルが加わり、価格的にも手が出しやすい展開となったはず。これから新たにスポーツサイクルを始める初心者や、セカンドバイクとして新たにディスクロードを組もうという上級者まで幅広く受け入れられていくに違いない。
その他シューズやウェア、アクセサリー類にも新作が多数。まず取り上げるべきは多くのプロライダーが愛用するS-PHYREシューズのマイナーチェンジだろう。ロードシューズの「RC9」、MTBシューズの「XC9」ともにフィット感や通気性を向上させるべくアッパーの通気孔デザインを変更。ヒールカップもアッパーと同色とすることで統一感のあるルックスを獲得している。
レーシングシューズのセカンドグレード「RC7」も上位モデルに準じたデザインへモデルチェンジ。パフォーマンスモデルのRPシリーズもミドルグレードの「RP4」と「RP3」が装い新たに登場し、エントリーモデル帯の製品ながらスタイリッシュなルックスを獲得している。
昨年冬物も追加したS-PHYREのアパレルには、これからの秋時期に活用頻度の高いベストとアームウォーマー、レッグウォーマーが追加された。プロ選手が使用するハイパフォーマンスな性能を重視したコンセプトは変わらず、心地よくかつ体にピタリとフィットするエアロな着心地で肌寒さから身を守ってくれる。
シマノが展開するパーツブランドPROからは、VIBEシリーズのカーボンハンドルにアップデートが加わり従来より15%の軽量化を果たした「SL(スーパーライト)」モデルが登場。バーエンドジャンクションに対応したスペックは変わらず、シマノDi2ケーブルのスマートな内装化を実現する。ノーマルなラウンドタイプとエアロタイプの2種類で展開される。
PROブランド初となるバイクバッグ「DISCOVER」シリーズもお披露目。グラベルロードやアドベンチャーバイクともマッチするグレーのカラーで統一され、使用される生地はいかにも耐久性が高そうな印象を受ける。シートバッグ、フレームバッグ、トップチューブバッグ、ハンドルバーバッグの4種類が揃い、キャンプツーリングや泊りがけのライドなどで大いに活用できそうだ。
シマノ傘下となったヘルメットブランド、レイザーからはロットNLユンボも使用するエアロモデルの「BULLET」がアジアンフィットモデル「BULLET 2.0 AF」として待望の登場。帽体中央に開閉可能な「AIR SLIDE」システムを採用し、エアロとベンチレーションの2つのモードで切り替えできる画期的なモデルに仕上がる。高品質レンズで有名なツァイス製のエアロシールドも標準装備だ。
同じくシェル中央に通気性とエアロ性を調整できる独自のツイストキャップを備えた新作の「Century AF」も追加されている。トップモデルのZ1にも似たベンチレーションデザインに加え、USB充電式のLEDテールライトを標準で内蔵。安全性を備えつつデザインとコストパフォーマンスを両立したモデルに仕上がる。こちらもアジアンフィットでの展開だ。
これらの新作製品は今後シクロワイアードのプロダクツ記事でも紹介予定。各ショップへも秋冬にかけて入荷されていくため、気になる製品は店舗スタッフへ問い合わせて欲しい。製品一覧はシマノのデジタルカタログをチェック!
text&photo:Yuto.Murata
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