2018/09/14(金) - 02:01
逃げる2人がスプリンターチームの野望を砕いた。186.1kmの平坦コースで行われたブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージで、追いすがるスプリンターたちを0秒差で振り切った2人が逃げ切り勝利。ロット・スーダルのイエール・ワライスがステージ優勝をつかんだ。
ブエルタ第18ステージは今大会有数の真っ平らなステージ。カテゴリー山岳は一つも設定されず、ブエルタにしては珍しく獲得標高差は1,000mほどしかない(グランツールとしては標準的)。バスクとアンドラという勝負どころの山岳を結ぶ『トランジションステージ』はスプリンターチームの支配下に置かれると思われた。
アラゴン州からカタルーニャ州へ、つまり西から東に向かう選手たちの背中を西風が押した。1年を通して風が吹く地域として知られる一帯を、イエール・ワライス(ベルギー、ロット・スーダル)、スヴェンエリック・ビストラム(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、イェツセ・ボル(オランダ、ブルゴスBH)の3名が逃げる展開。逃げグループ形成後すぐにクイックステップフロアーズとトレック・セガフレードの2チームがメイン集団の先頭に立ったため、タイム差の拡大は3分でストップした。
風車が立ち並ぶ平野を逃げたワライス、ビストラム、ボルの3名(風力発電はスペイン国内発電量の20%以上をカバーする)。タイム差は常に2分を推移し、ボーラ・ハンスグローエもメイン集団の牽引に加わったことでさらに逃げ切りには厳しい状態が続く。しかし先頭3名は巧みなペースコントロールによって集団を突き放す作戦に出た。
「残り45kmまでペースを刻んで走り、そこから加速してメイン集団に抵抗する作戦だった。追い風基調のステージだったので54Tのフロントチェーンリングを用意。おかげで残り25km地点からの下り区間を60km/hオーバーで踏めた」とワライスは振り返る。フィニッシュまで80kmを残して2分あったタイム差は、残り25km地点で変わらず2分。スプリンターチームが束になってメイン集団を牽引したため確実にタイム差は縮まったものの、先頭3名は52秒のリードをもったまま残り10kmアーチを駆け抜けた。
ボルが脱落したため先頭はワライスとビストラムの2名に。タイム差は残り5km地点で37秒、残り3km地点で30秒。牽制状態に陥ることなくローテーションした先頭2名は15秒のリードで残り1kmアーチを通過する。
ビストラムを先頭に緩斜面を駆け上がり、勾配が緩んだ残り200mでワライスが発進。ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)にリードアウトされた世界チャンピオンのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が後方から勢いよく迫ったものの、フィニッシュラインに向かってワライスとビストラムが逃げ続ける。タイム差0秒まで迫られながらも2名が逃げ切り、ワライスが先頭で両手を広げた。
メイン集団は残り50kmを平均スピード52.5km/h、残り10kmを平均スピード59.1km/hで駆け抜けたが、逃げを捕まえることはできなかった。ステージ全体の平均スピードは47.1km/hに達している。
2016年からロット・スーダルで走り、3年連続出場となるブエルタでグランツール初勝利を飾ったワライスは「調子が良ければスプリンターたちを驚かす結果を残せると思っていた。大集団スプリントが予想されるステージで、逃げた状態で残り1kmアーチを通過。その時点で満足感を得ていたし、負けても悔いはなかった。スプリント力のあるビストラムが相手だったので、タイミングを待ち続けて残り200mでスプリントを開始。狙っていたステージ優勝をこうして飾ることができてとても満足している」と語る。ワライスはトップスポートフラーンデレン時代の2014年にパリ〜トゥールで逃げ切り勝利。当時はトマ・ヴォクレール(フランス)とのスプリント一騎打ちだった。
「世界チャンピオンジャージを着てあと1勝したい」と語っていたサガンは惜しくもステージ3位。「開幕の時点よりもずっと調子は上がっていて、ステージ優勝の準備はできていた。それだけに逃げ切りでチャンスを逃してしまったことが残念だ」と語るサガンはポイント賞2位に浮上している。翌日からアンドラ山岳2連戦が始まるため、スプリンターに残された活躍のチャンスは最終日のマドリードのみとなった。
ブエルタ第18ステージは今大会有数の真っ平らなステージ。カテゴリー山岳は一つも設定されず、ブエルタにしては珍しく獲得標高差は1,000mほどしかない(グランツールとしては標準的)。バスクとアンドラという勝負どころの山岳を結ぶ『トランジションステージ』はスプリンターチームの支配下に置かれると思われた。
アラゴン州からカタルーニャ州へ、つまり西から東に向かう選手たちの背中を西風が押した。1年を通して風が吹く地域として知られる一帯を、イエール・ワライス(ベルギー、ロット・スーダル)、スヴェンエリック・ビストラム(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、イェツセ・ボル(オランダ、ブルゴスBH)の3名が逃げる展開。逃げグループ形成後すぐにクイックステップフロアーズとトレック・セガフレードの2チームがメイン集団の先頭に立ったため、タイム差の拡大は3分でストップした。
風車が立ち並ぶ平野を逃げたワライス、ビストラム、ボルの3名(風力発電はスペイン国内発電量の20%以上をカバーする)。タイム差は常に2分を推移し、ボーラ・ハンスグローエもメイン集団の牽引に加わったことでさらに逃げ切りには厳しい状態が続く。しかし先頭3名は巧みなペースコントロールによって集団を突き放す作戦に出た。
「残り45kmまでペースを刻んで走り、そこから加速してメイン集団に抵抗する作戦だった。追い風基調のステージだったので54Tのフロントチェーンリングを用意。おかげで残り25km地点からの下り区間を60km/hオーバーで踏めた」とワライスは振り返る。フィニッシュまで80kmを残して2分あったタイム差は、残り25km地点で変わらず2分。スプリンターチームが束になってメイン集団を牽引したため確実にタイム差は縮まったものの、先頭3名は52秒のリードをもったまま残り10kmアーチを駆け抜けた。
ボルが脱落したため先頭はワライスとビストラムの2名に。タイム差は残り5km地点で37秒、残り3km地点で30秒。牽制状態に陥ることなくローテーションした先頭2名は15秒のリードで残り1kmアーチを通過する。
ビストラムを先頭に緩斜面を駆け上がり、勾配が緩んだ残り200mでワライスが発進。ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)にリードアウトされた世界チャンピオンのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が後方から勢いよく迫ったものの、フィニッシュラインに向かってワライスとビストラムが逃げ続ける。タイム差0秒まで迫られながらも2名が逃げ切り、ワライスが先頭で両手を広げた。
メイン集団は残り50kmを平均スピード52.5km/h、残り10kmを平均スピード59.1km/hで駆け抜けたが、逃げを捕まえることはできなかった。ステージ全体の平均スピードは47.1km/hに達している。
2016年からロット・スーダルで走り、3年連続出場となるブエルタでグランツール初勝利を飾ったワライスは「調子が良ければスプリンターたちを驚かす結果を残せると思っていた。大集団スプリントが予想されるステージで、逃げた状態で残り1kmアーチを通過。その時点で満足感を得ていたし、負けても悔いはなかった。スプリント力のあるビストラムが相手だったので、タイミングを待ち続けて残り200mでスプリントを開始。狙っていたステージ優勝をこうして飾ることができてとても満足している」と語る。ワライスはトップスポートフラーンデレン時代の2014年にパリ〜トゥールで逃げ切り勝利。当時はトマ・ヴォクレール(フランス)とのスプリント一騎打ちだった。
「世界チャンピオンジャージを着てあと1勝したい」と語っていたサガンは惜しくもステージ3位。「開幕の時点よりもずっと調子は上がっていて、ステージ優勝の準備はできていた。それだけに逃げ切りでチャンスを逃してしまったことが残念だ」と語るサガンはポイント賞2位に浮上している。翌日からアンドラ山岳2連戦が始まるため、スプリンターに残された活躍のチャンスは最終日のマドリードのみとなった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第18ステージ結果
1位 | イエール・ワライス(ベルギー、ロット・スーダル) | 3:57:03 |
2位 | スヴェンエリック・ビストラム(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | |
5位 | イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
6位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ) | |
7位 | ジョン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカディ・ムリアス) | |
8位 | トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
9位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
10位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
敢闘賞 | イェツセ・ボル(オランダ、ブルゴスBH) |
個人総合成績
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 73:02:37 |
2位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:00:25 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:01:22 |
4位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:01:36 |
5位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:01:48 |
6位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:02:11 |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:04:09 |
8位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 0:04:36 |
9位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:05:31 |
10位 | トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:06:05 |
ポイント賞
1位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 117pts |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 99pts |
3位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | 93pts |
山岳賞
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 74pts |
2位 | ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス) | 64pts |
3位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 60pts |
複合賞
1位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 14pts |
2位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 15pts |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 16pts |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 219:22:47 |
2位 | バーレーン・メリダ | 0:02:35 |
3位 | ボーラ・ハンスグローエ | 0:28:04 |
text:Kei Tsuji in Lleida, Spain
photo:Kei Tsuji, Luca Bettini
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