2018/08/18(土) - 09:48
ビンクバンク・ツアー第5ステージでまたしても逃げ切りが発生。序盤からのエスケープが絶妙なペースアップでゴールまで到達し、マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)が勝利を飾った。
ビンクバンク・ツアーは5日目。ブラバント州のルウ=サン=ピエールから要塞で有名なナミュールの街をかすめ、マーストリヒトに近いランアーケンにフィニッシュする204.4km。最後は市街地に敷かれた10.3kmコースを3周回するが、基本的には一つの山岳ポイントもないスプリンター向けコースだ。
前日にジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)の抜け出しを、2日前にも逃げ切りを許しているスプリンターたちは、開幕日以来の集団ゴールに向けてスタートしていく。
この日逃げたのはマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)とアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼル)、ヨナス・リカールト(ベルギー、スポーツフラーンデレン・バロワーズ)、そして7月1日付でSEGレーシングチームからEFエデュケーションファースト・ドラパックに移籍した21歳のジュリウス・ヴァンデンデルフ(オランダ)という4名。
総合首位マテイ・モホリッチ(スロベニア)擁するバーレーン・メリダと、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)の勝利を目論むロットNLユンボの合同チームがタイム差を2分台前半で押さえ込みつつ距離を消化していった。
レースが残り40kmに差し掛かったところで、集団内では大きな落車が発生した。50km/hものスピードで路面に投げ出されたオウェイン・ドゥール(イギリス、チームスカイ)は一度再スタートを切ったものの、そのままリタイア。幸い病院での検査では骨折などは見当たらず、一晩を過ごしてから帰宅する予定だという。
強調して逃げる先頭4名は、周回サーキットに入る頃にはトップギアに入れ替え最大スピードで集団を引き離しにかかった。しかしメイン集団を牽くメンバーは代わり映えせず、徐々にタイム差は2分台後半まで拡大していく。集団内でユアンのアシストをこなしたルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)は以下のように振り返っている。
「今日も逃げグループは賢く力強い走りだった。タイム差の詰まりが極めて遅く、僕らが予想していたよりも1分の余裕を持って走っていたんだ。これはマズいと僕らのスヴェン・タフトに先頭に立って相当なペースで走ったけれど、その時点で2分半差。もうパニックだった。一列になってしまう市街地コースでは追走を組むのも難しかったことも原因だった」。
メイン集団の計算を狂わせたまま、逃げ切りに青信号を灯して市街地コースを突き進んだ4名。しかし残り5kmというタイミングでリカールトはパンクに見舞われ、更に急停止したチームカーに対応できず前転という憂き目に。勝負は残り1.5kmから牽制を始めたヴァンデンデルフ、グジャール、そしてコルトニールセンに絞られた。
トラックレースのような牽制状態から、まず仕掛けたのはヴァンデンデルフだった。しかし流し先行していたコルトニールセンが反応し、そのまま追い上げを許さずフィニッシュ。今年のツール・ド・フランスでも逃げ切りを達成していたレース巧者がプロ通算13勝目を飾ることとなった。
「逃げ切りを成功させられたなんて信じられないよ。特に今回のビンクバンクでは逃げ切りが決まりやすい分、スプリンターチームが警戒している中での勝利だったから。僕ら4名は100%協調できていたし、走りはとてもスムーズだった。序盤はマイペースでこなして最後逃げ切るための脚を貯め、最後はみんなで全開だった。こんな勝利は初めてだしすごく特別な気分だよ」とコルトニールセン。フィニッシュ後はパンクで29秒遅れたリカールトも含め、逃げメンバー全員と健闘を称えあった。
3日連続で逃げ切りを許したメイン集団は、ポイント賞首位のカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)を先頭にフィニッシュ。来年ロット・スーダル入りを発表しているユアンはポイント賞2位のストゥイヴェンに対してその差を20pts以上にまで広げている。
また、モホリッチら総合上位陣は揃って集団ゴールしているため、トップ10に順位変動は無かった。
ビンクバンク・ツアーは5日目。ブラバント州のルウ=サン=ピエールから要塞で有名なナミュールの街をかすめ、マーストリヒトに近いランアーケンにフィニッシュする204.4km。最後は市街地に敷かれた10.3kmコースを3周回するが、基本的には一つの山岳ポイントもないスプリンター向けコースだ。
前日にジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)の抜け出しを、2日前にも逃げ切りを許しているスプリンターたちは、開幕日以来の集団ゴールに向けてスタートしていく。
この日逃げたのはマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)とアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼル)、ヨナス・リカールト(ベルギー、スポーツフラーンデレン・バロワーズ)、そして7月1日付でSEGレーシングチームからEFエデュケーションファースト・ドラパックに移籍した21歳のジュリウス・ヴァンデンデルフ(オランダ)という4名。
総合首位マテイ・モホリッチ(スロベニア)擁するバーレーン・メリダと、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)の勝利を目論むロットNLユンボの合同チームがタイム差を2分台前半で押さえ込みつつ距離を消化していった。
レースが残り40kmに差し掛かったところで、集団内では大きな落車が発生した。50km/hものスピードで路面に投げ出されたオウェイン・ドゥール(イギリス、チームスカイ)は一度再スタートを切ったものの、そのままリタイア。幸い病院での検査では骨折などは見当たらず、一晩を過ごしてから帰宅する予定だという。
強調して逃げる先頭4名は、周回サーキットに入る頃にはトップギアに入れ替え最大スピードで集団を引き離しにかかった。しかしメイン集団を牽くメンバーは代わり映えせず、徐々にタイム差は2分台後半まで拡大していく。集団内でユアンのアシストをこなしたルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)は以下のように振り返っている。
「今日も逃げグループは賢く力強い走りだった。タイム差の詰まりが極めて遅く、僕らが予想していたよりも1分の余裕を持って走っていたんだ。これはマズいと僕らのスヴェン・タフトに先頭に立って相当なペースで走ったけれど、その時点で2分半差。もうパニックだった。一列になってしまう市街地コースでは追走を組むのも難しかったことも原因だった」。
メイン集団の計算を狂わせたまま、逃げ切りに青信号を灯して市街地コースを突き進んだ4名。しかし残り5kmというタイミングでリカールトはパンクに見舞われ、更に急停止したチームカーに対応できず前転という憂き目に。勝負は残り1.5kmから牽制を始めたヴァンデンデルフ、グジャール、そしてコルトニールセンに絞られた。
トラックレースのような牽制状態から、まず仕掛けたのはヴァンデンデルフだった。しかし流し先行していたコルトニールセンが反応し、そのまま追い上げを許さずフィニッシュ。今年のツール・ド・フランスでも逃げ切りを達成していたレース巧者がプロ通算13勝目を飾ることとなった。
「逃げ切りを成功させられたなんて信じられないよ。特に今回のビンクバンクでは逃げ切りが決まりやすい分、スプリンターチームが警戒している中での勝利だったから。僕ら4名は100%協調できていたし、走りはとてもスムーズだった。序盤はマイペースでこなして最後逃げ切るための脚を貯め、最後はみんなで全開だった。こんな勝利は初めてだしすごく特別な気分だよ」とコルトニールセン。フィニッシュ後はパンクで29秒遅れたリカールトも含め、逃げメンバー全員と健闘を称えあった。
3日連続で逃げ切りを許したメイン集団は、ポイント賞首位のカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)を先頭にフィニッシュ。来年ロット・スーダル入りを発表しているユアンはポイント賞2位のストゥイヴェンに対してその差を20pts以上にまで広げている。
また、モホリッチら総合上位陣は揃って集団ゴールしているため、トップ10に順位変動は無かった。
ビンクバンク・ツアー2018第5ステージ結果
1位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 4h39'50" |
2位 | ジュリウス・ヴァンデンデルフ(オランダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
3位 | アレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼル) | |
4位 | ヨナス・リカールト(ベルギー、スポーツフラーンデレン・バロワーズ) | +29" |
5位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +33" |
6位 | マッテーオ・ペルッキ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップフロアーズ) | |
8位 | トム・デフレンド(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) | |
9位 | イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
10位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 16h28'51" |
2位 | ショーン・デビー(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス) | +03" |
3位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | +22" |
4位 | マキシム・ヴァントム(ベルギー、WBアクアプロテクト) | +28" |
5位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | +30" |
6位 | タコ・ファンデルホールン(オランダ、ルームポット) | +32" |
7位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) | +36" |
8位 | ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ) | +37" |
9位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | +41" |
10位 | アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) |
ポイント賞
1位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 64pts |
2位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | 41pts |
3位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 40pts |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 49h28'37" |
2位 | EFエデュケーションファースト・ドラパック | +05" |
3位 | サンウェブ | +12" |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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