145kmの平坦コースで行なわれたツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)第3ステージ。逃げ吸収後の集団スプリントで、マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ)が2勝目をマークした。

幾つもの河を越え、マレー半島東岸を南下する幾つもの河を越え、マレー半島東岸を南下する photo:www.ltdl.com.myレース3日目も、ひたすらマレー半島東部、南シナ海沿いを南下する。この日もスタート直後からアタックの応酬が始まった。

集団先頭では逃げグループが形成されては吸収されるの繰り返し。38km地点のスプリントポイントは、ポイント賞ジャージのアヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)が先頭通過を果たした。

単独逃げを試みたゴン・ヒョソク(韓国、ソウルサイクリング)単独逃げを試みたゴン・ヒョソク(韓国、ソウルサイクリング) photo:Yufta Omata56km地点まで勢いを殺さず突っ走った集団は、一人の選手の飛び出しでようやくペースが落ち着いた。平坦コースで逃げを試みたのは、ソウルサイクリング所属のゴン・ヒョソク(韓国)ただ一人。

ゴンはソウルサイクリングのメンバーとして2年連続TOJ(ツアー・オブ・ジャパン)に出場しており、2008年大会の富士山個人TTで2位、総合7位。昨年再び富士山個人TTで2位に入り、総合でアジア人最高位の2位に入ったクライマーだ。

リーダージャージを着るトビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)も集団牽引に参加リーダージャージを着るトビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)も集団牽引に参加 photo:www.ltdl.com.myゴンは77km地点で最大3分35秒のリード。しかし前日とは違って、平地での単独での逃げは圧倒的に不利だ。ゴールまで30kmを切ると、集団からディミトリ・グルージェフ(カザフスタンチーム)がカウンターアタックを仕掛け、先頭のゴンに合流。グルージェフはゴンを振り切り、独走態勢に入った。

グルージェフが単独で1分のリードを得たものの、ゴールまで9kmを残して吸収。結局この日もゴールスプリント勝負に持ち込まれ、チームジェイコ・スキンズのマシューズが優勝を飾った。

スプリントで負け無しの3勝目を飾ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ)スプリントで負け無しの3勝目を飾ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ) photo:www.ltdl.com.myマシューズは初日の第1ステージに続くステージ2勝目。3名の逃げが決まった前日の第2ステージでも集団先頭を穫っており、今年のランカウイにおいて圧倒的なスプリントを誇っている。

地元の期待を背負うマナンはステージ4位に終わったが、スプリントポイントでのポイント獲得が効いてポイント賞ジャージをキープ。同時にマナンはアジアンライダー賞もトップを維持している。

日本勢は盛一大(愛三工業レーシングチーム)がスプリント勝負に絡み、ステージ10位でフィニッシュ。全日本チャンピオンジャージの西谷泰治は集団中程の43位に終わった。

マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ)
「今日のスプリントは初日とは違った。調子はあまり良くなく、しかもアヌアルが果敢に挑んで来たので、スプリントで絶対に勝つという自信は無かった。でもチームメイトのリードのおかげでラスト数キロは有利にレースを進めることが出来たんだ」。

トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)
「予定通りのステージだったけど、もう少し楽だと思っていた。リーダージャージを守ることは簡単なことじゃない。特に、逃げが決まるまでの前半70kmは大変だった。逃げが形成されてはチェックに入り、吸収されては次のアタックがかかるという繰り返し。前半の70kmは(逃げ切った)昨日のステージよりタフだったよ」。

レース展開や選手コメントはレース公式サイトより。


ツール・ド・ランカウイ2010第3ステージ結果
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ)   3h16'27"
2位 アレックス・キャンデラリオ(アメリカ、ケリーベネフィット)
3位 ドミトロ・グラボフスキー(ウクライナ、ISD・ネーリ)
4位 アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
5位 レネ・ハーゼルバッハー(オーストリア、フォアアールベルク・コラテック)
6位 ビダル・セリス(スペイン、フットオン・セルヴェット)
7位 ホセイン・ナテギ(イラン、アサド大学チーム)
8位 キム・ヨンウク(韓国、クムサン・ジンセン・アジア)
9位 トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)
10位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
43位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
70位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)
76位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)
90位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)
93位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
100位 五十嵐丈士(日本、クムサン・ジンセン・アジア)

個人総合成績
1位 トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)      11h46'02"
2位 ジェイ・トムソン(南アフリカ、南アフリカチーム)            +07"
3位 デーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)       +35"
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ)    +2'48"
5位 アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)       +3'03"
6位 ビダル・セリス(スペイン、フットオン・セルヴェット)          +3'09"
7位 アレックス・キャンデラリオ(アメリカ、ケリーベネフィット)
8位 ルスラン・トルバエフ(カザフスタン、カザフスタンチーム)       +3'10"
9位 ドミトロ・グラボフスキー(ウクライナ、ISD・ネーリ)          +3'11"
10位 ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)    +3'12"
25位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)             +3'15"
31位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
50位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)
71位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)             +3'23"
76位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)
92位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
93位 五十嵐丈士(日本、クムサン・ジンセン・アジア)

アジアンライダー賞
アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)

ポイント賞
アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)

山岳賞
ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)

チーム総合成績
南アフリカチーム

アジアチーム総合成績
クムサン・ジンセン・アジア

text:Kei Tsuji
photo:www.ltdl.com.my, Yufta Omata

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