2018/08/18(土) - 16:13
CAAD12 COLORSのカラフルなフレームが目を引くキャノンデールの2019モデル展示会をレポート。ブランド初のエアロロード「SYSTEMSIX」やモデルチェンジしたMTB「F-Si」に注目が集まった他、新作のグラベルロード「TOPSTONE」もお披露目された。
アメリカ3大ブランドの一つとして、日本でも高い人気を誇るキャノンデール。山梨県の河口湖にも程近い富士急ハイランドリゾートにてディーラー向けの展示会が開かれ、2019モデルのバイクが勢揃いした。当日は会場外にテストバイクを大量に並べた試乗エリアも設けられ、目玉の新車種から定番モデルまで試すこともできた。多くのキャノンデールディーラーがその走りを実際に体験することで、販売時にユーザーへ還元できるというものだ。
展示会ではまず午前中を丸々使いブランドと製品のプレゼンテーションが行われた。冒頭ではキャノンデール・ジャパンGMのジェフ・ワイス氏が「日本は世界でもトップ10に入る重要なマーケットであり、ここ富士山の麓で発表会ができることを嬉しく思う。E-BIKEやディスクブレーキを始め、変わりつつある自転車業界の流れにキャノンデールも対応していかなければならない。まだまだ驚くような新製品開発を続けていくので今後共期待していて欲しい」と挨拶した。
さて今回の展示会で注目と言えば、一番はブランド初となるエアロロードの「SYSTEMSIX」だろう。会場中心にランウェイのように引かれたステージが設けられ、国内販売の全グレードが一際目立つよう展示された。完全内装を可能にするケーブル配線のギミックや、KNØTハンドル・ステムの構造、素早いホイール着脱に寄与するスピードリリースシステムなどは、マシンを整備する販売店メカニックの関心も高く興味深く話を聞いていたようだ。
世界最速を目指し開発されたSYSTEMSIXは、フレームだけでなくトータルパッケージで空力性能を追求したエアロマシンとして、あらゆるシーンでハイスピードを実現したモデルだ。平坦の高速巡航はもちろん、スプリントやダウンヒルにおいて軽量バイクの代表格であるSUPERSIX EVOよりも速く、そして省エネルギーで走れる性能を持つ。またエアロロードながら、登りにおいてもエアロの恩恵が活きる6%の勾配までなら軽量バイクに対しアドバンテージを持った走りを見せてくれるのだ(詳しくは特集ページへ)。
同じく新作バイクとして注目を浴びたのが、会場入口に飾られたクロスカントリーレーサーの「F-Si」だ(製品記事はこちら)。キャノンデールのMTBにおけるアイコンともなっている片持ちサスペンションフォーク「Lefty」を完全新設計した8代目「Lefty Ocho」へと進化させ、より速く軽く滑らかなライドフィールを獲得している。
剛性過多になっていた従来のダブルクラウン方式を止め、シングルクラウンとすることで軽量化を果たすとともに、走行中若干のしなりを生み出すことで悪路でも思い通りのラインをトレースできるコントロール性を実現した。
またニードルベアリングを採用することでインナー/アウターレッグの摺動性を高めており、フォークに対し横方向やねじれの向きの力が加わった際も、スムーズなサスペンションの動きを維持する。その他使い勝手を高めるアップデートも多数加わっており、見た目のインパクトだけではない確かな性能を持ったレーシングバイクに仕上がっている。
アメリカでのグラベルライドブームに合わせて、より幅広いライダーにグラベルロードを届けようと開発された「TOPSTONE(トップストーン)」もお披露目。オフロード向きの安定感を重視したジオメトリーを用いるとともに、ローコストでハードなライドにも対応するアルミフレームを採用したモデルだ。
ロードバイクながらドロッパーポストを標準装備し、ハの字型に広がったハンドルや最大42mm幅まで対応するタイヤクリアランス、バイクパッキング等で拡張性を高めるダボ穴など、グラベルライドに最適なアセンブルがされた完成車にて販売される。日本でもあぜ道や野山を駆ける冒険ライドを楽しむバイクとして、自転車の新たな楽しみを広げてくれる1台となるはず。
その他既存モデルには、カラー変更やパーツアセンブルのアップデートが加わり、さらに魅力的なラインアップで展開される。
オールラウンドモデルのフラッグシップ「SUPERSIX EVO Hi-MOD」には、キャノンデールがサポートを行うEFエデュケーションファースト・ドラパックのチームレプリカカラーが通常モデルとして登場。カスタムラボでのみ選択できるワイルドグラフィックを纏いながらも、カスタムラボバイクよりも7万円弱も安く手に入るコストパフォーマンスの高い価格設定がポイントだ。こちらは受注生産となるため、やや長めの納期には注意してほしい。
カラーオーダーシステムの「カスタムラボ」には新カラーを10色(艶あり/なし含む)追加し、全44カラーが選択できるようになった。デカールも青系の新色2カラーに加え、フレームと同系色で透過させたTransparentカラーも登場。従来通り4つのグラフィックパターンから選べるラインアップで、無数の組み合わせからオリジナルの1台を作成してほしい。
同じく豊富なカラーを揃えたCAAD12 COLORSのフレームは、人気のカラーはそのままに新色を6色追加。既存色でもロゴとの色の組み合わせを変えるなどアップデートも加わり、刷新された全22カラーでラインアップされる。また今まではブラックカラーだったフォークが、2019モデルではフレームと同色になり、よりまとまりのあるルックスに仕上がるのもポイントだ。
ラインアップを眺めると、SYSTEMSIXで組み込まれたPower2Max製のパワーメータークランクがSUPERSIX EVOそしてSYNAPSEの一部モデルにアセンブルされていることに気がつく。パワーメーターが広く浸透した現代において、買い足す必要なく使用できる(課金が必要)のは嬉しい点だろう。SUPERSIX EVOにおいてはHi-MODグレードではない35万円のアルテグラ完成車に、パワーメーターとカーボンホイールがついてくるため、お買い得感満載の1台に仕上がっている。
CAAD OptimoやCAAD-X、QUICK-4などアルミフレームを採用する下位グレードモデルは、価格据え置きでフルカーボンフォークに変更される点がトピック。従来はブレード部分のみカーボンであったが、今回はコラムやエンドまで一体成型されたカーボンフォークにアップデートされ、軽量化や乗り心地の向上、ハンドリングの改善などに貢献している。
アクセサリーも各種揃えるキャノンデールだが、今回新作のエアロヘルメット「INTAKE MIPS」のサンプル品が展示された。11,000円という手に取りやすい価格ながら、安全性を高めるMIPSも装備され、エアロなルックスとともに高い機能性を備える。またデュラエースグレードの完成車にのみアセンブルされていた、「C1」グレードのハンドル・ステムが単体でも発売されることに。
キャノンデールと同グループのアクセサリーブランド、ファブリックからはガーミンのサイクルコンピューターとマウントパーツとの間に挟み込んで装着するライト「LUMARAY(ルーマレイ)」が登場。省スペースなマウント方法で、スタイリッシュな見た目に仕上がるのが特徴だ。またエントリーグレードのサドル「SCOOP SPORT」には新たに3タイプの形状が追加され、ラインアップ拡充を図っている。
さらにブランド初となるサドルバッグも新発売。シンプルなオールブラックのカラーでどんなバイクにもマッチする他、側面と背面にはリフレクティブ加工もされ安全性にも配慮される。また撥水加工を施した素材を使用し雨への対応力も確保。S、M、Lの3サイズが用意され、Lサイズに限っては下側のジッパーを開閉することで容量の調整も可能だ。ファブリックサドルを使うライダーは、ぜひサドルバッグも同じブランドで合わせてみてはどうだろう。
text&photo:Yuto.Murata
アメリカ3大ブランドの一つとして、日本でも高い人気を誇るキャノンデール。山梨県の河口湖にも程近い富士急ハイランドリゾートにてディーラー向けの展示会が開かれ、2019モデルのバイクが勢揃いした。当日は会場外にテストバイクを大量に並べた試乗エリアも設けられ、目玉の新車種から定番モデルまで試すこともできた。多くのキャノンデールディーラーがその走りを実際に体験することで、販売時にユーザーへ還元できるというものだ。
展示会ではまず午前中を丸々使いブランドと製品のプレゼンテーションが行われた。冒頭ではキャノンデール・ジャパンGMのジェフ・ワイス氏が「日本は世界でもトップ10に入る重要なマーケットであり、ここ富士山の麓で発表会ができることを嬉しく思う。E-BIKEやディスクブレーキを始め、変わりつつある自転車業界の流れにキャノンデールも対応していかなければならない。まだまだ驚くような新製品開発を続けていくので今後共期待していて欲しい」と挨拶した。
さて今回の展示会で注目と言えば、一番はブランド初となるエアロロードの「SYSTEMSIX」だろう。会場中心にランウェイのように引かれたステージが設けられ、国内販売の全グレードが一際目立つよう展示された。完全内装を可能にするケーブル配線のギミックや、KNØTハンドル・ステムの構造、素早いホイール着脱に寄与するスピードリリースシステムなどは、マシンを整備する販売店メカニックの関心も高く興味深く話を聞いていたようだ。
世界最速を目指し開発されたSYSTEMSIXは、フレームだけでなくトータルパッケージで空力性能を追求したエアロマシンとして、あらゆるシーンでハイスピードを実現したモデルだ。平坦の高速巡航はもちろん、スプリントやダウンヒルにおいて軽量バイクの代表格であるSUPERSIX EVOよりも速く、そして省エネルギーで走れる性能を持つ。またエアロロードながら、登りにおいてもエアロの恩恵が活きる6%の勾配までなら軽量バイクに対しアドバンテージを持った走りを見せてくれるのだ(詳しくは特集ページへ)。
同じく新作バイクとして注目を浴びたのが、会場入口に飾られたクロスカントリーレーサーの「F-Si」だ(製品記事はこちら)。キャノンデールのMTBにおけるアイコンともなっている片持ちサスペンションフォーク「Lefty」を完全新設計した8代目「Lefty Ocho」へと進化させ、より速く軽く滑らかなライドフィールを獲得している。
剛性過多になっていた従来のダブルクラウン方式を止め、シングルクラウンとすることで軽量化を果たすとともに、走行中若干のしなりを生み出すことで悪路でも思い通りのラインをトレースできるコントロール性を実現した。
またニードルベアリングを採用することでインナー/アウターレッグの摺動性を高めており、フォークに対し横方向やねじれの向きの力が加わった際も、スムーズなサスペンションの動きを維持する。その他使い勝手を高めるアップデートも多数加わっており、見た目のインパクトだけではない確かな性能を持ったレーシングバイクに仕上がっている。
アメリカでのグラベルライドブームに合わせて、より幅広いライダーにグラベルロードを届けようと開発された「TOPSTONE(トップストーン)」もお披露目。オフロード向きの安定感を重視したジオメトリーを用いるとともに、ローコストでハードなライドにも対応するアルミフレームを採用したモデルだ。
ロードバイクながらドロッパーポストを標準装備し、ハの字型に広がったハンドルや最大42mm幅まで対応するタイヤクリアランス、バイクパッキング等で拡張性を高めるダボ穴など、グラベルライドに最適なアセンブルがされた完成車にて販売される。日本でもあぜ道や野山を駆ける冒険ライドを楽しむバイクとして、自転車の新たな楽しみを広げてくれる1台となるはず。
その他既存モデルには、カラー変更やパーツアセンブルのアップデートが加わり、さらに魅力的なラインアップで展開される。
オールラウンドモデルのフラッグシップ「SUPERSIX EVO Hi-MOD」には、キャノンデールがサポートを行うEFエデュケーションファースト・ドラパックのチームレプリカカラーが通常モデルとして登場。カスタムラボでのみ選択できるワイルドグラフィックを纏いながらも、カスタムラボバイクよりも7万円弱も安く手に入るコストパフォーマンスの高い価格設定がポイントだ。こちらは受注生産となるため、やや長めの納期には注意してほしい。
カラーオーダーシステムの「カスタムラボ」には新カラーを10色(艶あり/なし含む)追加し、全44カラーが選択できるようになった。デカールも青系の新色2カラーに加え、フレームと同系色で透過させたTransparentカラーも登場。従来通り4つのグラフィックパターンから選べるラインアップで、無数の組み合わせからオリジナルの1台を作成してほしい。
同じく豊富なカラーを揃えたCAAD12 COLORSのフレームは、人気のカラーはそのままに新色を6色追加。既存色でもロゴとの色の組み合わせを変えるなどアップデートも加わり、刷新された全22カラーでラインアップされる。また今まではブラックカラーだったフォークが、2019モデルではフレームと同色になり、よりまとまりのあるルックスに仕上がるのもポイントだ。
ラインアップを眺めると、SYSTEMSIXで組み込まれたPower2Max製のパワーメータークランクがSUPERSIX EVOそしてSYNAPSEの一部モデルにアセンブルされていることに気がつく。パワーメーターが広く浸透した現代において、買い足す必要なく使用できる(課金が必要)のは嬉しい点だろう。SUPERSIX EVOにおいてはHi-MODグレードではない35万円のアルテグラ完成車に、パワーメーターとカーボンホイールがついてくるため、お買い得感満載の1台に仕上がっている。
CAAD OptimoやCAAD-X、QUICK-4などアルミフレームを採用する下位グレードモデルは、価格据え置きでフルカーボンフォークに変更される点がトピック。従来はブレード部分のみカーボンであったが、今回はコラムやエンドまで一体成型されたカーボンフォークにアップデートされ、軽量化や乗り心地の向上、ハンドリングの改善などに貢献している。
アクセサリーも各種揃えるキャノンデールだが、今回新作のエアロヘルメット「INTAKE MIPS」のサンプル品が展示された。11,000円という手に取りやすい価格ながら、安全性を高めるMIPSも装備され、エアロなルックスとともに高い機能性を備える。またデュラエースグレードの完成車にのみアセンブルされていた、「C1」グレードのハンドル・ステムが単体でも発売されることに。
キャノンデールと同グループのアクセサリーブランド、ファブリックからはガーミンのサイクルコンピューターとマウントパーツとの間に挟み込んで装着するライト「LUMARAY(ルーマレイ)」が登場。省スペースなマウント方法で、スタイリッシュな見た目に仕上がるのが特徴だ。またエントリーグレードのサドル「SCOOP SPORT」には新たに3タイプの形状が追加され、ラインアップ拡充を図っている。
さらにブランド初となるサドルバッグも新発売。シンプルなオールブラックのカラーでどんなバイクにもマッチする他、側面と背面にはリフレクティブ加工もされ安全性にも配慮される。また撥水加工を施した素材を使用し雨への対応力も確保。S、M、Lの3サイズが用意され、Lサイズに限っては下側のジッパーを開閉することで容量の調整も可能だ。ファブリックサドルを使うライダーは、ぜひサドルバッグも同じブランドで合わせてみてはどうだろう。
text&photo:Yuto.Murata
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