2010/03/02(火) - 22:12
南シナ海沿いを南下する182kmで行なわれたツール・ド・ランカウイ第2ステージは、レース前半に形成された3名がメイン集団を3分引き離して逃げ切る結果に。ステージ優勝はジェイ・トムソン(南アフリカ、南アフリカチーム)。日本勢は西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が12位。
第2ステージの舞台はマレー半島東部のクアラ・トレンガヌーからチュカイまでの182.3km。今大会最長のコースには山岳が2つ設定されているが、いずれもカテゴリー4級で難易度は低い。この日も熱帯ならではの暑さが選手たちを苦しめた。
レースは序盤からアタックが掛かり続け、最初の1時間の平均スピードが47.6km/hをマークするほどのハイスピードな展開。鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)や五十嵐丈士(クムサン・ジンセン・アジア)もアタック合戦に加わったが、決定的な逃げは生まれない。
1つ目の4級山岳は、山岳賞ジャージを着るピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)が先頭で通過し、山岳リードを広げることに成功した。
ようやく逃げが決まったのは59km地点。ジェイ・トムソン(南アフリカ、南アフリカチーム)、デーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)、トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)の3名が飛び出すと集団は沈静化。ゴールまで80kmを残して、タイム差は最大で8分を超えた。
やがてメイン集団はリーダージャージ擁するチームジェイコ・スキンズやフットオン・セルヴェット、ISD・ネーリがコントロールを開始。しかしタイム差は思うように縮まらない。
ラスト40km地点で7分25秒、ラスト30km地点で5分50秒、ラスト15km地点で4分50秒。結局先頭の3名は3分03秒のリードを保ったまま逃げ切った。
3名によるスプリント勝負を制したのは、普段オーストラリアのコンチネンタル登録チーム・フライVオーストラリアに所属するトムソン。アフリカ選手権のタイムトライアルで連覇を達成している23歳が、持ち味のスピードを活かしてステージ優勝を果たした。
リーダージャージを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ)は4位争いのスプリント勝負を制したものの、総合首位の座はステージ2位のエルラーにスイッチ。エルラーは過去にジャイアント・アジア・レーシングチームに所属し、2006年のツール・ド・コリアで総合優勝を飾っている選手。今年からイランのタブリス・ペトロケミカルで走っている。
この日のタイム差は“3分”は最終的な総合争いにどのような影響を及ぼすだろうか?昨年の超級山岳ゲンティン・ハイランドが設定された第5ステージのタイムを振り返ると、優勝者ホセ・セルパ(コロンビア)から3分以内でゴールしたのは僅かに8人。今年もゲンティンで総合成績が簡単にひっくり返る可能性は高い。
つまり、エルラーにとって“3分”は総合争いにおいて充分なリードとは言えない。しかしエルラーが所属するタブリス・ペトロケミカルからは、ベテランのホセイン・アスカリ(イラン)や、2007年大会総合6位のガーデル・ミズバニ(イラン)、2005年TOJ(ツアー・オブ・ジャパン)富士山タイムトライアル覇者のアンドレイ・ミズロフ(カザフスタン)が出場している。タブリス・ペトロケミカルは翌日から集団コントロールを担うことになる。
日本勢は純白の全日本チャンピオンジャージを着る西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が12位でフィニッシュ。日本人選手の動向は後ほどアップする現地レポートをご覧下さい。
レース展開はレース公式サイトより。
ツール・ド・ランカウイ2010第2ステージ結果
1位 ジェイ・トムソン(南アフリカ、南アフリカチーム) 4h06'54"
2位 トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)
3位 デーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ) +3'03"
5位 アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
6位 レネ・ウェイジンガー(ドイツ、フォアアールベルク・コラテック)
7位 ビダル・セリス(スペイン、フットオン・セルヴェット)
8位 ルスラン・トルバエフ(カザフスタン、カザフスタンチーム)
9位 アディク・オスマン(マレーシア、ドラパック・ポルシェ)
10位 クリストフ・ヴァンヘールデン(南アフリカ、南アフリカチーム)
12位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
46位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)
72位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)
75位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)
79位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
98位 五十嵐丈士(日本、クムサン・ジンセン・アジア)
101位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル) 8h29'35"
2位 デーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ) +05"
3位 ジェイ・トムソン(南アフリカ、南アフリカチーム) +07"
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ) +3'02"
5位 アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
6位 ビダル・セリス(スペイン、フットオン・セルヴェット) +3'09"
7位 ルスラン・トルバエフ(カザフスタン、カザフスタンチーム) +3'10"
8位 ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ) +3'12"
9位 ザイナル・リズワン(マレーシア、マレーシアチーム) +3'13"
10位 ブアロイ・オガート(タイ、タイチーム) +3'14"
17位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム) +3'15"
43位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
49位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)
69位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム) +3'23"
78位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)
98位 五十嵐丈士(日本、クムサン・ジンセン・アジア)
100位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
アジアンライダー賞
アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
ポイント賞
アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
山岳賞
ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)
チーム総合成績
南アフリカチーム
アジアチーム総合成績
マレーシアチーム
text:Kei Tsuji
photo:Yufta Omata, www.ltdl.com.my
第2ステージの舞台はマレー半島東部のクアラ・トレンガヌーからチュカイまでの182.3km。今大会最長のコースには山岳が2つ設定されているが、いずれもカテゴリー4級で難易度は低い。この日も熱帯ならではの暑さが選手たちを苦しめた。
レースは序盤からアタックが掛かり続け、最初の1時間の平均スピードが47.6km/hをマークするほどのハイスピードな展開。鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)や五十嵐丈士(クムサン・ジンセン・アジア)もアタック合戦に加わったが、決定的な逃げは生まれない。
1つ目の4級山岳は、山岳賞ジャージを着るピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)が先頭で通過し、山岳リードを広げることに成功した。
ようやく逃げが決まったのは59km地点。ジェイ・トムソン(南アフリカ、南アフリカチーム)、デーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)、トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)の3名が飛び出すと集団は沈静化。ゴールまで80kmを残して、タイム差は最大で8分を超えた。
やがてメイン集団はリーダージャージ擁するチームジェイコ・スキンズやフットオン・セルヴェット、ISD・ネーリがコントロールを開始。しかしタイム差は思うように縮まらない。
ラスト40km地点で7分25秒、ラスト30km地点で5分50秒、ラスト15km地点で4分50秒。結局先頭の3名は3分03秒のリードを保ったまま逃げ切った。
3名によるスプリント勝負を制したのは、普段オーストラリアのコンチネンタル登録チーム・フライVオーストラリアに所属するトムソン。アフリカ選手権のタイムトライアルで連覇を達成している23歳が、持ち味のスピードを活かしてステージ優勝を果たした。
リーダージャージを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ)は4位争いのスプリント勝負を制したものの、総合首位の座はステージ2位のエルラーにスイッチ。エルラーは過去にジャイアント・アジア・レーシングチームに所属し、2006年のツール・ド・コリアで総合優勝を飾っている選手。今年からイランのタブリス・ペトロケミカルで走っている。
この日のタイム差は“3分”は最終的な総合争いにどのような影響を及ぼすだろうか?昨年の超級山岳ゲンティン・ハイランドが設定された第5ステージのタイムを振り返ると、優勝者ホセ・セルパ(コロンビア)から3分以内でゴールしたのは僅かに8人。今年もゲンティンで総合成績が簡単にひっくり返る可能性は高い。
つまり、エルラーにとって“3分”は総合争いにおいて充分なリードとは言えない。しかしエルラーが所属するタブリス・ペトロケミカルからは、ベテランのホセイン・アスカリ(イラン)や、2007年大会総合6位のガーデル・ミズバニ(イラン)、2005年TOJ(ツアー・オブ・ジャパン)富士山タイムトライアル覇者のアンドレイ・ミズロフ(カザフスタン)が出場している。タブリス・ペトロケミカルは翌日から集団コントロールを担うことになる。
日本勢は純白の全日本チャンピオンジャージを着る西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が12位でフィニッシュ。日本人選手の動向は後ほどアップする現地レポートをご覧下さい。
レース展開はレース公式サイトより。
ツール・ド・ランカウイ2010第2ステージ結果
1位 ジェイ・トムソン(南アフリカ、南アフリカチーム) 4h06'54"
2位 トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)
3位 デーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ) +3'03"
5位 アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
6位 レネ・ウェイジンガー(ドイツ、フォアアールベルク・コラテック)
7位 ビダル・セリス(スペイン、フットオン・セルヴェット)
8位 ルスラン・トルバエフ(カザフスタン、カザフスタンチーム)
9位 アディク・オスマン(マレーシア、ドラパック・ポルシェ)
10位 クリストフ・ヴァンヘールデン(南アフリカ、南アフリカチーム)
12位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
46位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)
72位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)
75位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)
79位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
98位 五十嵐丈士(日本、クムサン・ジンセン・アジア)
101位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル) 8h29'35"
2位 デーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ) +05"
3位 ジェイ・トムソン(南アフリカ、南アフリカチーム) +07"
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ) +3'02"
5位 アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
6位 ビダル・セリス(スペイン、フットオン・セルヴェット) +3'09"
7位 ルスラン・トルバエフ(カザフスタン、カザフスタンチーム) +3'10"
8位 ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ) +3'12"
9位 ザイナル・リズワン(マレーシア、マレーシアチーム) +3'13"
10位 ブアロイ・オガート(タイ、タイチーム) +3'14"
17位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム) +3'15"
43位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
49位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)
69位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム) +3'23"
78位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)
98位 五十嵐丈士(日本、クムサン・ジンセン・アジア)
100位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
アジアンライダー賞
アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
ポイント賞
アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
山岳賞
ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)
チーム総合成績
南アフリカチーム
アジアチーム総合成績
マレーシアチーム
text:Kei Tsuji
photo:Yufta Omata, www.ltdl.com.my
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