2018/07/27(金) - 01:52
ピレネー山岳ステージに挟まれた平坦ステージで再びスポットライトを浴びたスプリンターたち。山岳を乗り切った精鋭たちによるスピード勝負でアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が2年連続ステージ優勝を達成した。
マイヨジョーヌ候補たちは最後のピレネー山岳決戦を前に一息つく。ピレネー山岳ステージに前後を挟まれた第18ステージは再びピュアスプリンター向き。前日の過酷な65km山岳コースを乗り切ったスプリンターたちが、ツール70回目の登場となるポーの街で勝利を狙った。
温度計が32度を指す今大会一番と言ってもいい暑さの中、レース序盤に飛び出したのはニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)、マシュー・ヘイマン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、ギヨーム・ヴァンケイルスブルク(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)、トマ・ボダ(フランス、ディレクトエネルジー)という2014年と2016年のパリ〜ルーベ覇者を含む5名。ツール出場選手全体の平均身長/体重が181cm/69.2kgなのに対し、逃げを試みた5名の平均身長/体重は186.4cm/76.6kg。つまり大柄なルーラーが集まったため、スプリンターチームがしばらく警戒しながら追走を続けた。
スタートから25km走ってようやくメイン集団がペースを弱めたため先頭5名のリードは拡大を開始する。向かい風基調の平坦路を48.8km/hで駆け抜けた5名。しかしUAEチームエミレーツとグルパマFDJ、ボーラ・ハンスグローエのアシストたちが逃げグループとのタイム差を常に1分台に抑え込んだ。
メイン集団から追走アタックを仕掛ける選手も出るほどの小さなタイム差のままレースは進行する。メイン集団の中では前日のステージ優勝者ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が落車しているが、問題なくレースに復帰している。キンタナは落車で破れたジャージを着替えてレースを続行した。
ヴァンケイルスブルクを先頭にスプリントポイント(73.5km地点)を通過し、スタッフが待ち構える補給ポイント(83.5km地点)に到着した時点でタイム差はこの日最大の2分20秒をマーク。スプリンターチームは逃げグループに必要以上のタイム差を与えないよう徹底し、最後の4級山岳でペースが上がったメイン集団は残り16km地点で早くも逃げを飲み込んだ。ステージ敢闘賞はダーブリッジの手に渡っている。
4級山岳で動いたサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)やダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)らはチームスカイの追撃によってすぐさま引き戻され、逃げ吸収後はボーラ・ハンスグローエが集団先頭に立ってペースアップ。アタックを許さないハイペースで146名の大集団がポーの街に向かって猛進した。
ディメンションデータやコフィディスもリードアウト争いに加わってフラムルージュ(残り1km地点)。残り500mからタイミングよく先頭に上がったのはジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ)で、その後ろからフィニッシュラインまで250mを残してデマールが加速した。
フェンス際を突き進み、その後ストレートの真ん中に向かって加速を続けたデマール。唯一クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)が並びかけるも、デマールは先頭を譲らなかった。先に手を挙げたリードアウト役のグアルニエーリに見守られながら、デマールが両手を挙げ、右手を突き上げた。
デマールのトップスピードは67.5km/h。残り150mから加速したラポルトはデマールを上回る70.4km/hをマークしたが、デマールから先頭を奪うには至らなかった。ツールの集団スプリントでフランス人選手が1位と2位に入るのは実に40年ぶりのこと。
第2ステージ3位、第4ステージ11位、第7ステージ4位、第8ステージ5位、第13ステージ3位と、ここまで上位入賞を繰り返していたデマールが掴んだ2年連続となるステージ優勝。常にタイムアウトの危機にさらされていた山岳ステージを乗り切り、多くの脱落スプリンターを除く精鋭たちのスプリントでようやく結果を残した。
「このステージ優勝のために、苦しみながら山岳ステージを乗り越えてきた。厳しい時も、ステージ優勝の可能性を信じて乗り切ってきたんだ。昨日の過酷なステージを終えた後にもかかわらず今日は脚がよく回った。ツールに向けて取り組んできた登坂力の改善が生きたのだと思う。絶対に諦めたくなかった」。今大会フランスにステージ3勝目(アラフィリップが2勝)をもたらしたデマールはそう喜ぶ。
前日の落車の影響が心配されながらもスタートし、すでにポイント賞首位が奪われる心配がないペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)はスプリントに加わって8位。獲得ポイントを合計467ポイントまで伸ばしている。
総合上位陣が全員同タイム集団でフィニッシュしたため総合順位に変動は無し。ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)から1分59秒、クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)から2分31秒のリードで翌日のピレネー最終山岳ステージに挑む。
マイヨジョーヌ候補たちは最後のピレネー山岳決戦を前に一息つく。ピレネー山岳ステージに前後を挟まれた第18ステージは再びピュアスプリンター向き。前日の過酷な65km山岳コースを乗り切ったスプリンターたちが、ツール70回目の登場となるポーの街で勝利を狙った。
温度計が32度を指す今大会一番と言ってもいい暑さの中、レース序盤に飛び出したのはニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)、マシュー・ヘイマン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、ギヨーム・ヴァンケイルスブルク(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)、トマ・ボダ(フランス、ディレクトエネルジー)という2014年と2016年のパリ〜ルーベ覇者を含む5名。ツール出場選手全体の平均身長/体重が181cm/69.2kgなのに対し、逃げを試みた5名の平均身長/体重は186.4cm/76.6kg。つまり大柄なルーラーが集まったため、スプリンターチームがしばらく警戒しながら追走を続けた。
スタートから25km走ってようやくメイン集団がペースを弱めたため先頭5名のリードは拡大を開始する。向かい風基調の平坦路を48.8km/hで駆け抜けた5名。しかしUAEチームエミレーツとグルパマFDJ、ボーラ・ハンスグローエのアシストたちが逃げグループとのタイム差を常に1分台に抑え込んだ。
メイン集団から追走アタックを仕掛ける選手も出るほどの小さなタイム差のままレースは進行する。メイン集団の中では前日のステージ優勝者ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が落車しているが、問題なくレースに復帰している。キンタナは落車で破れたジャージを着替えてレースを続行した。
ヴァンケイルスブルクを先頭にスプリントポイント(73.5km地点)を通過し、スタッフが待ち構える補給ポイント(83.5km地点)に到着した時点でタイム差はこの日最大の2分20秒をマーク。スプリンターチームは逃げグループに必要以上のタイム差を与えないよう徹底し、最後の4級山岳でペースが上がったメイン集団は残り16km地点で早くも逃げを飲み込んだ。ステージ敢闘賞はダーブリッジの手に渡っている。
4級山岳で動いたサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)やダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)らはチームスカイの追撃によってすぐさま引き戻され、逃げ吸収後はボーラ・ハンスグローエが集団先頭に立ってペースアップ。アタックを許さないハイペースで146名の大集団がポーの街に向かって猛進した。
ディメンションデータやコフィディスもリードアウト争いに加わってフラムルージュ(残り1km地点)。残り500mからタイミングよく先頭に上がったのはジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ)で、その後ろからフィニッシュラインまで250mを残してデマールが加速した。
フェンス際を突き進み、その後ストレートの真ん中に向かって加速を続けたデマール。唯一クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)が並びかけるも、デマールは先頭を譲らなかった。先に手を挙げたリードアウト役のグアルニエーリに見守られながら、デマールが両手を挙げ、右手を突き上げた。
デマールのトップスピードは67.5km/h。残り150mから加速したラポルトはデマールを上回る70.4km/hをマークしたが、デマールから先頭を奪うには至らなかった。ツールの集団スプリントでフランス人選手が1位と2位に入るのは実に40年ぶりのこと。
第2ステージ3位、第4ステージ11位、第7ステージ4位、第8ステージ5位、第13ステージ3位と、ここまで上位入賞を繰り返していたデマールが掴んだ2年連続となるステージ優勝。常にタイムアウトの危機にさらされていた山岳ステージを乗り切り、多くの脱落スプリンターを除く精鋭たちのスプリントでようやく結果を残した。
「このステージ優勝のために、苦しみながら山岳ステージを乗り越えてきた。厳しい時も、ステージ優勝の可能性を信じて乗り切ってきたんだ。昨日の過酷なステージを終えた後にもかかわらず今日は脚がよく回った。ツールに向けて取り組んできた登坂力の改善が生きたのだと思う。絶対に諦めたくなかった」。今大会フランスにステージ3勝目(アラフィリップが2勝)をもたらしたデマールはそう喜ぶ。
前日の落車の影響が心配されながらもスタートし、すでにポイント賞首位が奪われる心配がないペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)はスプリントに加わって8位。獲得ポイントを合計467ポイントまで伸ばしている。
総合上位陣が全員同タイム集団でフィニッシュしたため総合順位に変動は無し。ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)から1分59秒、クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)から2分31秒のリードで翌日のピレネー最終山岳ステージに挑む。
ツール・ド・フランス2018第18ステージ結果
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 3:46:50 |
2位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
3位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
5位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
6位 | マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ) | |
7位 | ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード) | |
8位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | テイラー・フィニー(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
10位 | ティモシー・デュポン(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 74:21:01 |
2位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 0:01:59 |
3位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:02:31 |
4位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 0:02:47 |
5位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:03:30 |
6位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:04:19 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:04:34 |
8位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:05:13 |
9位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:06:33 |
10位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:09:31 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 467pts |
2位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 196pts |
3位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 183pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 140pts |
2位 | ワレン・バルギル(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) | 73pts |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 54pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 74:37:04 |
2位 | ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) | 0:06:27 |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:08:31 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 223:09:09 |
2位 | バーレーン・メリダ | 0:24:20 |
3位 | チームスカイ | 0:56:13 |
text&photo:Kei Tsuji in Pau, France