2010/02/28(日) - 20:22
いよいよ3月1日より始まるツール・ド・ランカウイ2010。唯一の日本チームとして参戦する愛三工業レーシングチームの田中光輝監督にレースにかける思いを語ってもらった。狙うはステージ優勝だ。
-ツール・ド・ランカウイで愛三はシーズンインということになりますね。選手たちは10日前から現地入りして調整を続けているわけですが、ランカウイを目前とした心持ちを教えてください。
これまで海外のレースに出場する時は2日前、早くて3日前に現地入りする、という態勢でした。今回、ずうっと待ち望んでいた念願のランカウイに、チームも認められて出場できることとなりました。この先もずっとチームの年間スケジュールとして出場し続けたいので、ただ出るだけじゃなくて結果を残さなくちゃならない。そういうことがあって、約10日前に現地入りして暑さに慣れるようにしました。
そして明日、本番を迎えるわけですがここまでは順調に準備はできていると思います。7ステージあるので、当然狙えるステージは狙って行きますが、まずは1ステージごとに結果を確実に残していけたらと考えています。
-「アジアで戦う」ことを掲げる愛三にとって、シーズンのデビュー戦にいきなり最高峰のステージレース、ツール・ド・ランカウイがくるという難しさがあると思いますが。
できれば事前に2レースくらい走ってからランカウイに挑めればベストなんですけれど。2010年の初戦がこの大きなレースというのも、スケジュール上仕方がないですね。ここまでチームでできるだけの準備をしてきたので、走るのみです。
-「結果を残す」をもう少し具体的に言うと、どういうことになるでしょうか。
まずは、ステージ優勝です。
-どの選手にもステージ優勝は狙えると思いますが、「この選手で狙うぞ」という展望があれば。
今回のランカウイのステージはほとんど、7ステージ中6ステージがフラットなステージです。ウチには西谷(泰治)というスプリンターがいますので、どれだけしっかり西谷で勝負ができるかがポイントになります。
-このレベルのレースで最終スプリントを狙うとなると、かなり組織化されたチームワークが必要になると思います。
それはそうですね。できる限りのことをチームでできたらいいと思います。
-今回出場する6人の選手一人一人に期待する走り、あるいは役割を教えてください。
西谷は、最後に決めて欲しいですね。綾部(勇成)はキャプテンとしてレース中もみんなをまとめることと、最後の西谷の牽引でも重要になります。盛(一大)もトラックでワールドカップを走る力のある選手ですから、最後のスプリントでの西谷の牽引には欠かせない存在です。
鈴木(謙一)、品川(真寛)、別府(匠)は最後のスプリントに持ち込むまでの態勢づくりということで西谷をサポートしてほしい。別府に関しては山岳の強さがあるので、超級のゲンティンハイランドで自分の登坂力を活かして世界のトップ選手と競って欲しいですね。
-田中監督自身、ツール・ド・ランカウイには出場経験がありますね。
2001年と2002年に出ました。あの時はもうついていくのがやっと、といったところで、とても勝負するなんて考える余裕もなかったですね。でも今のウチの選手はそうじゃなくて、成績を出せるレベルまで来ていると思います。僕の時代とは違いますね。
-チームは日本に留まらず、アジアを舞台に選んだわけですが、そのモチベーションはどんなところにあるのでしょうか。
愛三はアジアのコンチネンタルチームということである以上、アジアのチームランキングで上位になりたいというチームの目標があります。その意味でアジアツアーのレースに出てポイントを稼ぐことは重要になりますが、その稼いだポイントによって国別ランキングで日本が上位になることも重要です。
それが世界選手権やオリンピックでの日本人選手の枠の増大につながってくると思います。そういう流れを意識してアジアツアーを中心にして戦っているんです。もちろん、自転車はヨーロッパが本場の競技ですから、アジアで頂点に立った暁には、ヨーロッパへとチームが進んでいくことが、将来的な目標にもなりますね。
-アジアで戦うにあたっての物理的な意味での大変さもあると思いますが。
日本はやはり自国ですから食べ物や移動にはなんら問題はありませんよね。我々はマレーシア、インドネシア、台湾、インドといった国へ行きますが、時にはかなりアウェーだと感じることもありますね。シャワーの水が出なかったり、ご飯のおかずはアボカド2つだけだったり(笑)
そういう逆境を乗り越えてなお結果を出さなきゃいけないというところは、なかなか大変なところと言えますね。
-そういった環境を転戦する選手とスタッフのみなさんですが、どこかそれを楽しんでいるような印象も受けます。
そうですね、そういうこと(逆境)に対する態度は成績につながるので。日本では味わえない貴重な経験を楽しんで結果を出せたらと。でもウチはそういう逆境というか、カルチャーショックを味わうことを結構楽しんでいる選手ばかりですね。この中でヘコたれずに成績を出せる状態にあると思います。
-西谷選手と盛選手の2人の全日本チャンピオンを擁し、今大会では唯一、日本からの参戦チームということで、少なからず日本を代表するチームという色合いもあると思います。そういうことも踏まえて、ツール・ド・ランカウイに臨む気概をお聞かせください。
今回は日本のチームは愛三レーシングだけということもあり、ファンの方をはじめ自転車関係者にも注目されていると思います。そこでまずはしっかりステージ優勝という結果を残せるように頑張りたいと思います。選手、スタッフが一丸となって戦い抜きます。
interview&photo:Yufta Omata
-ツール・ド・ランカウイで愛三はシーズンインということになりますね。選手たちは10日前から現地入りして調整を続けているわけですが、ランカウイを目前とした心持ちを教えてください。
これまで海外のレースに出場する時は2日前、早くて3日前に現地入りする、という態勢でした。今回、ずうっと待ち望んでいた念願のランカウイに、チームも認められて出場できることとなりました。この先もずっとチームの年間スケジュールとして出場し続けたいので、ただ出るだけじゃなくて結果を残さなくちゃならない。そういうことがあって、約10日前に現地入りして暑さに慣れるようにしました。
そして明日、本番を迎えるわけですがここまでは順調に準備はできていると思います。7ステージあるので、当然狙えるステージは狙って行きますが、まずは1ステージごとに結果を確実に残していけたらと考えています。
-「アジアで戦う」ことを掲げる愛三にとって、シーズンのデビュー戦にいきなり最高峰のステージレース、ツール・ド・ランカウイがくるという難しさがあると思いますが。
できれば事前に2レースくらい走ってからランカウイに挑めればベストなんですけれど。2010年の初戦がこの大きなレースというのも、スケジュール上仕方がないですね。ここまでチームでできるだけの準備をしてきたので、走るのみです。
-「結果を残す」をもう少し具体的に言うと、どういうことになるでしょうか。
まずは、ステージ優勝です。
-どの選手にもステージ優勝は狙えると思いますが、「この選手で狙うぞ」という展望があれば。
今回のランカウイのステージはほとんど、7ステージ中6ステージがフラットなステージです。ウチには西谷(泰治)というスプリンターがいますので、どれだけしっかり西谷で勝負ができるかがポイントになります。
-このレベルのレースで最終スプリントを狙うとなると、かなり組織化されたチームワークが必要になると思います。
それはそうですね。できる限りのことをチームでできたらいいと思います。
-今回出場する6人の選手一人一人に期待する走り、あるいは役割を教えてください。
西谷は、最後に決めて欲しいですね。綾部(勇成)はキャプテンとしてレース中もみんなをまとめることと、最後の西谷の牽引でも重要になります。盛(一大)もトラックでワールドカップを走る力のある選手ですから、最後のスプリントでの西谷の牽引には欠かせない存在です。
鈴木(謙一)、品川(真寛)、別府(匠)は最後のスプリントに持ち込むまでの態勢づくりということで西谷をサポートしてほしい。別府に関しては山岳の強さがあるので、超級のゲンティンハイランドで自分の登坂力を活かして世界のトップ選手と競って欲しいですね。
-田中監督自身、ツール・ド・ランカウイには出場経験がありますね。
2001年と2002年に出ました。あの時はもうついていくのがやっと、といったところで、とても勝負するなんて考える余裕もなかったですね。でも今のウチの選手はそうじゃなくて、成績を出せるレベルまで来ていると思います。僕の時代とは違いますね。
-チームは日本に留まらず、アジアを舞台に選んだわけですが、そのモチベーションはどんなところにあるのでしょうか。
愛三はアジアのコンチネンタルチームということである以上、アジアのチームランキングで上位になりたいというチームの目標があります。その意味でアジアツアーのレースに出てポイントを稼ぐことは重要になりますが、その稼いだポイントによって国別ランキングで日本が上位になることも重要です。
それが世界選手権やオリンピックでの日本人選手の枠の増大につながってくると思います。そういう流れを意識してアジアツアーを中心にして戦っているんです。もちろん、自転車はヨーロッパが本場の競技ですから、アジアで頂点に立った暁には、ヨーロッパへとチームが進んでいくことが、将来的な目標にもなりますね。
-アジアで戦うにあたっての物理的な意味での大変さもあると思いますが。
日本はやはり自国ですから食べ物や移動にはなんら問題はありませんよね。我々はマレーシア、インドネシア、台湾、インドといった国へ行きますが、時にはかなりアウェーだと感じることもありますね。シャワーの水が出なかったり、ご飯のおかずはアボカド2つだけだったり(笑)
そういう逆境を乗り越えてなお結果を出さなきゃいけないというところは、なかなか大変なところと言えますね。
-そういった環境を転戦する選手とスタッフのみなさんですが、どこかそれを楽しんでいるような印象も受けます。
そうですね、そういうこと(逆境)に対する態度は成績につながるので。日本では味わえない貴重な経験を楽しんで結果を出せたらと。でもウチはそういう逆境というか、カルチャーショックを味わうことを結構楽しんでいる選手ばかりですね。この中でヘコたれずに成績を出せる状態にあると思います。
-西谷選手と盛選手の2人の全日本チャンピオンを擁し、今大会では唯一、日本からの参戦チームということで、少なからず日本を代表するチームという色合いもあると思います。そういうことも踏まえて、ツール・ド・ランカウイに臨む気概をお聞かせください。
今回は日本のチームは愛三レーシングだけということもあり、ファンの方をはじめ自転車関係者にも注目されていると思います。そこでまずはしっかりステージ優勝という結果を残せるように頑張りたいと思います。選手、スタッフが一丸となって戦い抜きます。
interview&photo:Yufta Omata