2018/07/09(月) - 01:54
落車が多発したラスト1時間を切り抜けて、登り基調のスプリントで勝利したのはペテル・サガン。マイヨジョーヌは残り2kmで落車したフェルナンド・ガビリアの手を離れ、ステージ通算9勝目を飾った世界チャンピオンの手に渡った。
第105回ツールに設定されたスプリンター向きの平坦ステージは合計8ステージ。初日の第1ステージに続いて、チームプレゼンテーションの舞台となったラ・ロッシュ=シュル=ヨンにフィニッシュする第2ステージも再びピュアスプリンター向きのコースが設定された。
最高気温が33度に達する真夏の暑さの中、ムイユロン=サンジェルマンの町をスタートしてすぐシルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)、ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール)の3人が逃げグループを形成する。
地元ヴァンデ県のディレクトエネルジーを代表して逃げに乗ったシャヴァネルに対し、ゴグルとスミスは完全に4級山岳プゾージュ(28km地点)狙い。この日唯一のカテゴリー山岳を先頭で通過したスミスは、ニュージーランド人選手として初となるマイヨアポワ着用を決めている。目標を達成したスミスとゴグルはメイン集団に戻ることを選択した。
こうして先頭ではシャヴァネルが一人が取り残される形に。出場選手中最多となる18回目のツールに挑戦中のシャヴァネル。2008年と2010年に総合敢闘賞を獲得し、これが通算出場350ステージ目となるベテランが単独で逃げた。なお、シャヴァネルがパリにたどり着けば、ヨープ・ズートメルク(オランダ)がもつ通算出場365ステージの史上最多記録を塗り替えることになる。
大声援を受けながら、43km/h前後の平均スピードを刻んだシャヴァネルのリードは4分台で推移。マイヨジョーヌを守る立場であるのと同時に、ステージ2連勝を狙うクイックステップフロアーズがメイン集団の先頭に立った比率は全体の約2/3にあたる66.7%。ここにディメンションデータやボーラ・ハンスグローエも加わり、さらに総合エースを守りたいBMCレーシングとチームスカイが危険回避のために集団先頭に姿を見せた。
ステージ中盤の補給ポイントで腹痛によりバイクを降りたスガブ・グルマイ(エチオピア、トレック・セガフレード)が今大会最初のリタイア者に。続いて激しくクラッシュしたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)がレースを継続できずに2人目のリタイア者となる。この日はここからフィニッシュまで断続的に落車が発生するナーバスな状態が続いた。
シャヴァネルから3分30秒遅れでスプリントポイント(残り50km地点)に到着したメイン集団の中で、最も多くのポイントを稼いだのはペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)。トップスピード70km/hをマークしたサガンがフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)やアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)を下して17ポイントを獲得する。
コンスタントに吹く風によって緊張感が増した集団内ではアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が2日連続の落車。チームメイトにエスコートされたイェーツは残り25km地点で集団に復帰している。残り23km地点でパンクしたアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)はチームメイトからホイールを受け取ってことなきを得た。
実に170kmに渡って逃げ続けた先頭シャヴァネルはボーナスポイント(残り14km地点)通過後に吸収。2番手通過のフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)は2秒、3番手通過のゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)は1秒のボーナスタイムを獲得している。
残り8km地点でパンクに見舞われたマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がスプリントのチャンスを失い、翌日のチームTTで重要な役割を担うルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が残り5km地点で落車するなど、スプリントに向けてスピードを上げるメイン集団ではトラブルが続出する。スプリンターチームが先頭に陣取ったまま残り2kmを切るとすぐ、直角右コーナーで大落車が発生した。
集団前方で発生した落車にはマイヨジョーヌのガビリアやクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)、ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が巻き込まれ、難を逃れた小集団がそのままスプリントに突入する。
フラムルージュ(残り1kmアーチ)通過後の最終コーナーを抜け、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)、マークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)、デマール、サガン、ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)の並びで勾配2〜3%ほどの最終ストレートへ。
オスやアラフィリップ、ブルグハートが下がると、残り200mでデマールが最初にスプリントを開始。すぐにアルカンシェルのサガンがスリップストリームに飛びつくとともに、一息置いてから加速する。デマールを追い抜いたサガンと、さらにその後ろから追い上げるコルブレッリ。最終的にサガンとコルブレッリの接戦となり、コルブレッリの追撃を振り切ったサガンが先着した。
スプリント中のサガンのトップスピードは56.6km/h。先にハンドルを投げたサガンに対し、追い上げたコルブレッリはトップスピード57.8km/hをマークしている。
サガンはステージ通算9勝目。世界チャンピオンとしてステージ優勝するのは5回目。落車でチャンスを失ったガビリアがスプリントに絡めなかったため、ボーナスタイムを獲得したサガンが総合首位に立った。サガンはマイヨジョーヌとマイヨヴェールを獲得。サガンは2016年大会の第2ステージで勝利し、3日間マイヨジョーヌを着た経験がある。
「残り30kmからずっと集団先頭で走り続けてくれたチームメイトたちに感謝している。もっとイージーなレイアウトを予想していたけど、終盤は細かいアップダウンが続いてタフだった。スプリント開始を出来るだけ遅らせるのが吉だと判断して、先に仕掛けたデマールとデゲンコルプに飛びついたんだ。コルブレッリに追いつかれなくて本当に良かった」と、今大会ステージ1勝目をサガンは振り返る。
第2ステージを終えてサガンはガビリアから6秒、コルブレッリから10秒、シャヴァネルから13秒の総合リードを得ている。「マイヨジョーヌ着用は特別な経験。1日着るだけでもスペシャルだ。明日のチームTTでも総合リードを守りたい。不可能なことなんて無いのだから」と表彰台でアルカンシェルの上にマイヨジョーヌを重ね着したサガンは語っている。
第105回ツールに設定されたスプリンター向きの平坦ステージは合計8ステージ。初日の第1ステージに続いて、チームプレゼンテーションの舞台となったラ・ロッシュ=シュル=ヨンにフィニッシュする第2ステージも再びピュアスプリンター向きのコースが設定された。
最高気温が33度に達する真夏の暑さの中、ムイユロン=サンジェルマンの町をスタートしてすぐシルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)、ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール)の3人が逃げグループを形成する。
地元ヴァンデ県のディレクトエネルジーを代表して逃げに乗ったシャヴァネルに対し、ゴグルとスミスは完全に4級山岳プゾージュ(28km地点)狙い。この日唯一のカテゴリー山岳を先頭で通過したスミスは、ニュージーランド人選手として初となるマイヨアポワ着用を決めている。目標を達成したスミスとゴグルはメイン集団に戻ることを選択した。
こうして先頭ではシャヴァネルが一人が取り残される形に。出場選手中最多となる18回目のツールに挑戦中のシャヴァネル。2008年と2010年に総合敢闘賞を獲得し、これが通算出場350ステージ目となるベテランが単独で逃げた。なお、シャヴァネルがパリにたどり着けば、ヨープ・ズートメルク(オランダ)がもつ通算出場365ステージの史上最多記録を塗り替えることになる。
大声援を受けながら、43km/h前後の平均スピードを刻んだシャヴァネルのリードは4分台で推移。マイヨジョーヌを守る立場であるのと同時に、ステージ2連勝を狙うクイックステップフロアーズがメイン集団の先頭に立った比率は全体の約2/3にあたる66.7%。ここにディメンションデータやボーラ・ハンスグローエも加わり、さらに総合エースを守りたいBMCレーシングとチームスカイが危険回避のために集団先頭に姿を見せた。
ステージ中盤の補給ポイントで腹痛によりバイクを降りたスガブ・グルマイ(エチオピア、トレック・セガフレード)が今大会最初のリタイア者に。続いて激しくクラッシュしたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)がレースを継続できずに2人目のリタイア者となる。この日はここからフィニッシュまで断続的に落車が発生するナーバスな状態が続いた。
シャヴァネルから3分30秒遅れでスプリントポイント(残り50km地点)に到着したメイン集団の中で、最も多くのポイントを稼いだのはペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)。トップスピード70km/hをマークしたサガンがフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)やアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)を下して17ポイントを獲得する。
コンスタントに吹く風によって緊張感が増した集団内ではアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が2日連続の落車。チームメイトにエスコートされたイェーツは残り25km地点で集団に復帰している。残り23km地点でパンクしたアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)はチームメイトからホイールを受け取ってことなきを得た。
実に170kmに渡って逃げ続けた先頭シャヴァネルはボーナスポイント(残り14km地点)通過後に吸収。2番手通過のフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)は2秒、3番手通過のゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)は1秒のボーナスタイムを獲得している。
残り8km地点でパンクに見舞われたマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がスプリントのチャンスを失い、翌日のチームTTで重要な役割を担うルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が残り5km地点で落車するなど、スプリントに向けてスピードを上げるメイン集団ではトラブルが続出する。スプリンターチームが先頭に陣取ったまま残り2kmを切るとすぐ、直角右コーナーで大落車が発生した。
集団前方で発生した落車にはマイヨジョーヌのガビリアやクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)、ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が巻き込まれ、難を逃れた小集団がそのままスプリントに突入する。
フラムルージュ(残り1kmアーチ)通過後の最終コーナーを抜け、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)、マークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)、デマール、サガン、ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)の並びで勾配2〜3%ほどの最終ストレートへ。
オスやアラフィリップ、ブルグハートが下がると、残り200mでデマールが最初にスプリントを開始。すぐにアルカンシェルのサガンがスリップストリームに飛びつくとともに、一息置いてから加速する。デマールを追い抜いたサガンと、さらにその後ろから追い上げるコルブレッリ。最終的にサガンとコルブレッリの接戦となり、コルブレッリの追撃を振り切ったサガンが先着した。
スプリント中のサガンのトップスピードは56.6km/h。先にハンドルを投げたサガンに対し、追い上げたコルブレッリはトップスピード57.8km/hをマークしている。
サガンはステージ通算9勝目。世界チャンピオンとしてステージ優勝するのは5回目。落車でチャンスを失ったガビリアがスプリントに絡めなかったため、ボーナスタイムを獲得したサガンが総合首位に立った。サガンはマイヨジョーヌとマイヨヴェールを獲得。サガンは2016年大会の第2ステージで勝利し、3日間マイヨジョーヌを着た経験がある。
「残り30kmからずっと集団先頭で走り続けてくれたチームメイトたちに感謝している。もっとイージーなレイアウトを予想していたけど、終盤は細かいアップダウンが続いてタフだった。スプリント開始を出来るだけ遅らせるのが吉だと判断して、先に仕掛けたデマールとデゲンコルプに飛びついたんだ。コルブレッリに追いつかれなくて本当に良かった」と、今大会ステージ1勝目をサガンは振り返る。
第2ステージを終えてサガンはガビリアから6秒、コルブレッリから10秒、シャヴァネルから13秒の総合リードを得ている。「マイヨジョーヌ着用は特別な経験。1日着るだけでもスペシャルだ。明日のチームTTでも総合リードを守りたい。不可能なことなんて無いのだから」と表彰台でアルカンシェルの上にマイヨジョーヌを重ね着したサガンは語っている。
ツール・ド・フランス2018第2ステージ結果
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:06:37 |
2位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
3位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
4位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) | |
5位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ティモシー・デュポン(フランス、ワンティ・グループゴベール) | |
7位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
8位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、ワンティ・グループゴベール) | |
9位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード) | |
10位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | |
DNF | スガブ・グルマイ(エチオピア、トレック・セガフレード) | |
DNF | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 8:29:53 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 0:00:06 |
3位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:10 |
4位 | シルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー) | 0:00:13 |
5位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 0:00:14 |
6位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 0:00:15 |
7位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) | |
8位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 0:00:16 |
9位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード) | |
10位 | ティモシー・デュポン(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 104pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 78pts |
3位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 53pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール) | 1pt |
2位 | ケヴィン・ルダノワ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) | 1pt |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 8:29:59 |
2位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:00:10 |
3位 | ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール) |
チーム総合成績
1位 | クイックステップフロアーズ | 25:30:27 |
2位 | ワンティ・グループゴベール | |
3位 | アスタナ |
text&photo:Kei Tsuji in La Roche-sur-Yon, France
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