2018/06/23(土) - 22:32
4レース6カテゴリーが開催された全日本選手権2日目の選手コメントを紹介。強い展開で念願のU23タイトルを獲得した石上優大(AVC AIX EN PROVENCE)は「ほとんど出場できない国内レース、しかもナショナル選手権で勝てて本当に嬉しい。この先を考えても本当に意味のある勝ち」と語っている。
男子U23優勝:石上優大(AVC AIX EN PROVENCE)
独走でフィニッシュラインを切った石上優大(AVC AIX EN PROVENCE) photo:Kei Tsuji
まさに強い選手だけが残っていくサバイバルレースだったので、集団内よりも前で展開した方がずっと楽でした。途中で5人が逃げた時にブリッジして、後ろの集団に追いつかれた時に松田と一緒に抜け出したんですが、本当はもう少し人数が来るかなと思っていましたね。
ちょっと上から目線になってしまうのですが、彼(松田)はまだ経験が浅いので、例えば登りで踏みすぎず、登りと下りで稼ぐ走り方だったり、最終週はボトルも補給食も全部捨てて1gでもいいから軽くすることなど、自分がフランスで言われてきたことをそのまま彼にアドバイスしました。そのおかげで脚を溜めつつ25秒差を維持できたと思います。
男子U23 表彰台で笑顔を見せる石上優大(AVC AIX EN PROVENCE) photo:Satoru Kato
逃げている最中は70〜80%で踏んでいましたが、最後の登りだけは全開で行くと決めていました。そうしたら単独になったのですが、TTが速い松田に追いつかれるかと不安な気持ちもありました。
日本のレースはほとんど出られないのですが、その中の一つ、しかもナショナル選手権で勝つことができたので本当に嬉しいですし、この先を考えても本当に意味のある勝ちです。
きょうだいでナショナルチャンピオンに輝いた石上優大(AVC AIX EN PROVENCE)と石上夢乃(横浜創学館高校) photo:Kei Tsuji
アンダー17以来の全日本タイトルですし、特にまだあともう一年アンダーで過ごせる中で勝てたのは良かった。胸を張ってフランスに戻ることができます。でも、フランスでは僕よりも強い選手は多いし、それに見劣りしないように走らないといけないので、ナショナルチャンピオンジャージはプレッシャー。今後はまずフランスで1勝することを目標に据えて頑張りたいと思います。
妹ですか?あまり仲が良くないので(笑)話すことも少ないんですが、でもやっぱり嬉しいですね。僕はジュニアの時にナショナルチャンピオンを取れなかったので、そこはいいなと思いますね。
2位:松田祥位(EQADS)
男子U23 フィニッシュ直後インタビューを受ける松田祥位(EQADS) photo:Satoru Kato
強豪相手に積極的にチャレンジした末の結果だな、と思いますね。でも、レース中はちゃんと周りの様子も見えましたし、来年は優勝を狙いたいと思います。TT前には40℃近い熱が出てしまった影響で、調子が良いと言えるレベルにはありませんでした。だから食事面も気にしなければいけませんし、コンスタントにコンディションをキープできることも大切だなと感じましたね。
逃げた時は、この二人なら逃げ切れるなと確信を得ていました。やっぱり石上さんは登りが強かったですし、やっぱり先輩だな、と。U23は距離が長くて強力な選手が多いので、積極的に走らないとこのカテゴリーでは勝てません。だから前へとチャレンジして行くことが大事ですね。
男子U23 先行する石上を追う松田祥位(EQADS) photo:Satoru Kato
今シーズンは浅田監督のもとで、ロードレースの流れを見極めることができるようになったのが一番の収穫。フィジカル面ではまだ伸ばさなければいけない部分もありますが、オリンピックもありますし、海外レースを見据えてレベルアップしたいと感じています。来年はTTとロードで全日本選手権を両方勝って、ナショナルチームとしても大きな結果を目指していきたいです。
3位:大前翔(慶應義塾大)
3位争いのスプリントを制した大前翔(慶應義塾大) photo:Kei Tsuji
石上がアタックした時、そんなに集団のペースが速いわけじゃなかったんですね。でも牽制が入ってしまって、その後はタイム差が開くばかり。集団のペースも速かったのに追いつかなかったのは、単純に前の2人が強かったということ。高校時代はトラック中心で走ってたのでスプリントになれば自分が獲らなければいけませんでした。だから今日は最低限、合格点。来年もまたあるので頑張りたいですね。
男子ジュニア優勝:日野泰静(松山城南高)
男子ジュニア 表彰式 photo:Satoru Kato
(弟の)凌羽とチームプレーをしていました。彼が逃げに乗ったので自分は集団待機していたのですが、結局逃げを吸収したのでまず自分が一度アタック。そこで決まらなかったので集団スプリントに備えました。全日本タイトルを2連覇できたので良かったですね。チェックは厳しかったですが、マークされるというのはキツイことキツイのですが、自分の想い通りに展開が動くという利点もあります。だから展開を動かすためにはやりやすかったですね。次の目標は世界選手権です。今年一年はロードレースに集中して行くつもりです。
女子ジュニア優勝:石上夢乃(横浜創学館高)
女子ジュニア表彰式 photo:Satoru Kato
プランとしては一周めで様子見、2周目に集団を活性化させて、3周目は牧場の登りで仕掛けて独走に持ち込む予定でした。でも2周目で予想以上に活性化して抑えが効かず、思い通りにならなかったのが少し残念です。ただし自分としてもプランBでスプリントという選択肢で勝つ自信はありました。
大学のトップレベルの選手たちに比べれば、登りのインターバルはまだまだ伸ばす必要があります。今後はその辺りを伸ばしていかないといけません。ジュニア最後なので世界選手権に出場して、そこで多くのものを得たいと考えています。
女子ジュニア2位:中冨尚子(京都産業大学)
女子ジュニア+U17 中冨尚子(京都産業大学)を先頭に逃げを追走する photo:Satoru Kato
この大会に合わせてきたので調子は万全でした。スプリント勝負に持ち込めば勝てると確信していましたが、優勝出来なかったのは実力不足。展開の予測が足りなかったですね。合わせられるかなと思っていたのですが、ギアの設定不足というのもあって、だんだんタレてきて最後はけっこうヨイショヨイショな感じで踏んでしまっていました。それも敗因かなと思います。
この大会が日本の最高峰のロードレースで、この大会だけ優勝すれば良いくらいの気持ちで今まで取り組んできたのですが、最後に焦ってしまって残り400mからスプリントしてしまいました。一言で言えば焦りというか精神力不足だった。次はインカレでぶちかまして行きたいです。
男子U17優勝:津田悠義(三好高)
先頭でスタートを待つ津田悠義(三好高校) photo:Kei Tsuji
やっと勝てたのでホッとしています。登りで攻めないと厳しいコースでしたが、しっかりと攻撃できたので良かった。1周目から抜け出すプランを実行できなかったので、ジュニアやU23に上がるにあたってもっと力を付けないといけません。ジュニアになるとレース距離が100kmを越えるので、持久力やスプリント争いになった時の爆発力を付けていく必要があると感じます。来年はジュニアに昇格するので、そこでも勝てるように頑張ります。
女子U17優勝:渡部春雅(駒沢大学高)
女子U17表彰 2位内野艶和(祐誠高校)、1位渡部春雅(駒沢大学高校)、3位石田唯(北桑田高校) photo:Kei Tsuji
集団のスピードが遅くなるのは嫌だったので、自分から積極的にペースを上げていきたかった。2週目の登坂で仕掛けたものの牧場の登りで捕まり、3周目の序盤から逃げも吸収されてしまいましたが、スプリントになっても良いように脚を溜めていました。
text:So.Isobe
男子U23優勝:石上優大(AVC AIX EN PROVENCE)
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まさに強い選手だけが残っていくサバイバルレースだったので、集団内よりも前で展開した方がずっと楽でした。途中で5人が逃げた時にブリッジして、後ろの集団に追いつかれた時に松田と一緒に抜け出したんですが、本当はもう少し人数が来るかなと思っていましたね。
ちょっと上から目線になってしまうのですが、彼(松田)はまだ経験が浅いので、例えば登りで踏みすぎず、登りと下りで稼ぐ走り方だったり、最終週はボトルも補給食も全部捨てて1gでもいいから軽くすることなど、自分がフランスで言われてきたことをそのまま彼にアドバイスしました。そのおかげで脚を溜めつつ25秒差を維持できたと思います。
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逃げている最中は70〜80%で踏んでいましたが、最後の登りだけは全開で行くと決めていました。そうしたら単独になったのですが、TTが速い松田に追いつかれるかと不安な気持ちもありました。
日本のレースはほとんど出られないのですが、その中の一つ、しかもナショナル選手権で勝つことができたので本当に嬉しいですし、この先を考えても本当に意味のある勝ちです。
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アンダー17以来の全日本タイトルですし、特にまだあともう一年アンダーで過ごせる中で勝てたのは良かった。胸を張ってフランスに戻ることができます。でも、フランスでは僕よりも強い選手は多いし、それに見劣りしないように走らないといけないので、ナショナルチャンピオンジャージはプレッシャー。今後はまずフランスで1勝することを目標に据えて頑張りたいと思います。
妹ですか?あまり仲が良くないので(笑)話すことも少ないんですが、でもやっぱり嬉しいですね。僕はジュニアの時にナショナルチャンピオンを取れなかったので、そこはいいなと思いますね。
2位:松田祥位(EQADS)
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強豪相手に積極的にチャレンジした末の結果だな、と思いますね。でも、レース中はちゃんと周りの様子も見えましたし、来年は優勝を狙いたいと思います。TT前には40℃近い熱が出てしまった影響で、調子が良いと言えるレベルにはありませんでした。だから食事面も気にしなければいけませんし、コンスタントにコンディションをキープできることも大切だなと感じましたね。
逃げた時は、この二人なら逃げ切れるなと確信を得ていました。やっぱり石上さんは登りが強かったですし、やっぱり先輩だな、と。U23は距離が長くて強力な選手が多いので、積極的に走らないとこのカテゴリーでは勝てません。だから前へとチャレンジして行くことが大事ですね。
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今シーズンは浅田監督のもとで、ロードレースの流れを見極めることができるようになったのが一番の収穫。フィジカル面ではまだ伸ばさなければいけない部分もありますが、オリンピックもありますし、海外レースを見据えてレベルアップしたいと感じています。来年はTTとロードで全日本選手権を両方勝って、ナショナルチームとしても大きな結果を目指していきたいです。
3位:大前翔(慶應義塾大)
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石上がアタックした時、そんなに集団のペースが速いわけじゃなかったんですね。でも牽制が入ってしまって、その後はタイム差が開くばかり。集団のペースも速かったのに追いつかなかったのは、単純に前の2人が強かったということ。高校時代はトラック中心で走ってたのでスプリントになれば自分が獲らなければいけませんでした。だから今日は最低限、合格点。来年もまたあるので頑張りたいですね。
男子ジュニア優勝:日野泰静(松山城南高)
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(弟の)凌羽とチームプレーをしていました。彼が逃げに乗ったので自分は集団待機していたのですが、結局逃げを吸収したのでまず自分が一度アタック。そこで決まらなかったので集団スプリントに備えました。全日本タイトルを2連覇できたので良かったですね。チェックは厳しかったですが、マークされるというのはキツイことキツイのですが、自分の想い通りに展開が動くという利点もあります。だから展開を動かすためにはやりやすかったですね。次の目標は世界選手権です。今年一年はロードレースに集中して行くつもりです。
女子ジュニア優勝:石上夢乃(横浜創学館高)
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大学のトップレベルの選手たちに比べれば、登りのインターバルはまだまだ伸ばす必要があります。今後はその辺りを伸ばしていかないといけません。ジュニア最後なので世界選手権に出場して、そこで多くのものを得たいと考えています。
女子ジュニア2位:中冨尚子(京都産業大学)
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この大会に合わせてきたので調子は万全でした。スプリント勝負に持ち込めば勝てると確信していましたが、優勝出来なかったのは実力不足。展開の予測が足りなかったですね。合わせられるかなと思っていたのですが、ギアの設定不足というのもあって、だんだんタレてきて最後はけっこうヨイショヨイショな感じで踏んでしまっていました。それも敗因かなと思います。
この大会が日本の最高峰のロードレースで、この大会だけ優勝すれば良いくらいの気持ちで今まで取り組んできたのですが、最後に焦ってしまって残り400mからスプリントしてしまいました。一言で言えば焦りというか精神力不足だった。次はインカレでぶちかまして行きたいです。
男子U17優勝:津田悠義(三好高)
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やっと勝てたのでホッとしています。登りで攻めないと厳しいコースでしたが、しっかりと攻撃できたので良かった。1周目から抜け出すプランを実行できなかったので、ジュニアやU23に上がるにあたってもっと力を付けないといけません。ジュニアになるとレース距離が100kmを越えるので、持久力やスプリント争いになった時の爆発力を付けていく必要があると感じます。来年はジュニアに昇格するので、そこでも勝てるように頑張ります。
女子U17優勝:渡部春雅(駒沢大学高)
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集団のスピードが遅くなるのは嫌だったので、自分から積極的にペースを上げていきたかった。2週目の登坂で仕掛けたものの牧場の登りで捕まり、3周目の序盤から逃げも吸収されてしまいましたが、スプリントになっても良いように脚を溜めていました。
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