2018/06/12(火) - 09:48
悪天候に見舞われたツール・ド・スイス第3ステージは、起伏に富んだコースで縮小した60名弱の集団スプリント勝負に。ロングスプリントに持ち込んだソニー・コルブレッリが、フェルナンド・ガビリアとペテル・サガンの二強を下した。
スタート地点オーバーシュタイムハイムの周回コースを1周半し、そこからフィニッシュ地点ガンジンゲンに移動して周回コースを2周半。後半にかけて5つの3級山岳をこなす182.8kmコースはさながらアルデンヌクラシック。獲得標高差2,000mの丘陵ステージは、雨が降ったり止んだりの思わしくない天候下で開催された。
この日はポイント賞ジャージのカルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート)と山岳賞ジャージのフィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が2日連続のエスケープを敢行する。特別賞ジャージを着る2人はファビアン・グルリエ(フランス、ディレクトエネルジー)という逃げの伴侶を得て、メイン集団に最大で6分差をつけた。
ボーラ・ハンスグローエの集団牽引によってタイム差が3分まで縮まった状態で、起伏に富んだガンジンゲンの周回コースへ。ワトソンは狙い通り1つ目の中間スプリントを先頭通過したものの、山岳のたびに激しいスプリントを繰り広げるグルリエとザッカンティから遅れてしまう。この日はグルリエが4つの3級山岳を先頭通過。登り勝負に敗れながらも2番手通過を繰り返したザッカンティが山岳賞ジャージを守っている。
本降りになった雨の中、残り35km地点の3級山岳ハーゲンフィルスト(全長2.1km/平均6.1%)に差し掛かるとクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット)がメイン集団からアタック。ユールイェンセンは単独で1分20秒差を詰めて先頭2名に合流した。路面状況の悪さとコースの細さ、ペースの速さによって集団は縦に長く伸び、続く3級山岳ブレルステイグ(全長1.9km/平均7.9%)でタイム差は1分を切る。
クイックステップフロアーズとカチューシャ・アルペシン、アスタナの牽引により、残り9km地点、最後の3級山岳ハーゲンフィルスト(全長2.1km/平均6.1%)を前に逃げていた3名は吸収。残り5km地点でピークを迎えるこの3級山岳を平均30.5km/hで突き進む集団からペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がアタックを仕掛けた。
真っ先に反応したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)は千切れ、マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)がサガンに食らいつく。この世界チャンピオンの加速によってリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)といった総合狙いの選手も集団前方に上がる。多くのピュアスプリンターたちがこの3級山岳で脱落し、集団は60名弱に絞られた状態で頂上をクリアした。
コントロールするスプリンターチームがいない状況を利用してソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)やアルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマFDJ)がアタックしたが決まらず、最も人数を残したバーレーン・メリダが集団をまとめて残り1kmアーチ。エンリーコ・ガスパロット(イタリア)とゴルカ・イサギレ(イタリア)が隊列を組んでソニー・コルブレッリ(イタリア)のポジションをキープする。
アタックのようなロングスプリントを仕掛けたヴィショをダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が集団を率いて追撃。ヴィショが吸収されると、コルブレッリが270〜280mからスプリントを開始する。コルブレッリの後輪に飛びついたのはミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)とサガンだった。
別ラインで加速したガビリアにサガンが乗り換え、先頭を走り続けるコルブレッリに並びかける。コルブレッリ、サガン、ガビリアが肩を触れながらの接戦スプリントを繰り広げた結果、先行逃げ切りでコルブレッリが先着した。この日の平均スピードは39.0km/h。終盤のガンジンゲン周回コースの平均スピードは45.9km/hだった。
ステージ優勝したコルブレッリはラスト300mを平均1,130W、最大1,380Wで踏み、平均59.1km/h、最高63.2km/hで駆け抜けている。対してステージ2位のガビリアは平均1,050W、最大1,190W、最高63.0km/hだった。
今大会の二強スプリンターを下したコルブレッリは「ガビリアやサガンといった強敵に勝つには早めに仕掛けて先行するしかないと思っていた。昨年のパリ〜ニースでも同様の作戦でステージ優勝している。かなり長いスプリントだった」と語る。これがドバイツアー第4ステージに続く今シーズン2勝目。UCIワールドツアーでの勝利は2017年パリ〜ニース第2ステージ以来1年ぶりとなる。「昨日は調子が優れずに勝負に残れなかったので今日は何としても勝利してチームメイトの働きに応えたかった。ツールを前にしたこの時期に、個人的にもチームにとっても重要な勝利を飾ることができてファンタスティックだ」。
2日連続ステージ2位のガビリアは「昨日は仕掛けるのが早すぎて、今日は長く待ちすぎた」と作戦失敗を嘆きながらも「雨が降る厳しいコンディションの中、集団内で終盤の山岳をこなせたことは初出場するツール・ド・フランスに向けて自信につながる」とパフォーマンスを前向きにとらえている。
ステージ連勝を逃したサガンは「最後の登りでアタックしたもののすぐに引き戻された。結果には繋がらなかったけど、いつでも何かに挑戦してレースを興味深いものにすべきだし、そうすることで観客も楽しんでもらえると思っている。まだレースは終わっておらず、残る6ステージでチャンスを狙いたい」とコメント。逃げたワトソンが中間スプリントでポイントを稼いだため、サガンは1ポイント差でポイント賞ジャージを逃している。
スタート地点オーバーシュタイムハイムの周回コースを1周半し、そこからフィニッシュ地点ガンジンゲンに移動して周回コースを2周半。後半にかけて5つの3級山岳をこなす182.8kmコースはさながらアルデンヌクラシック。獲得標高差2,000mの丘陵ステージは、雨が降ったり止んだりの思わしくない天候下で開催された。
この日はポイント賞ジャージのカルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート)と山岳賞ジャージのフィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が2日連続のエスケープを敢行する。特別賞ジャージを着る2人はファビアン・グルリエ(フランス、ディレクトエネルジー)という逃げの伴侶を得て、メイン集団に最大で6分差をつけた。
ボーラ・ハンスグローエの集団牽引によってタイム差が3分まで縮まった状態で、起伏に富んだガンジンゲンの周回コースへ。ワトソンは狙い通り1つ目の中間スプリントを先頭通過したものの、山岳のたびに激しいスプリントを繰り広げるグルリエとザッカンティから遅れてしまう。この日はグルリエが4つの3級山岳を先頭通過。登り勝負に敗れながらも2番手通過を繰り返したザッカンティが山岳賞ジャージを守っている。
本降りになった雨の中、残り35km地点の3級山岳ハーゲンフィルスト(全長2.1km/平均6.1%)に差し掛かるとクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット)がメイン集団からアタック。ユールイェンセンは単独で1分20秒差を詰めて先頭2名に合流した。路面状況の悪さとコースの細さ、ペースの速さによって集団は縦に長く伸び、続く3級山岳ブレルステイグ(全長1.9km/平均7.9%)でタイム差は1分を切る。
クイックステップフロアーズとカチューシャ・アルペシン、アスタナの牽引により、残り9km地点、最後の3級山岳ハーゲンフィルスト(全長2.1km/平均6.1%)を前に逃げていた3名は吸収。残り5km地点でピークを迎えるこの3級山岳を平均30.5km/hで突き進む集団からペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がアタックを仕掛けた。
真っ先に反応したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)は千切れ、マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)がサガンに食らいつく。この世界チャンピオンの加速によってリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)といった総合狙いの選手も集団前方に上がる。多くのピュアスプリンターたちがこの3級山岳で脱落し、集団は60名弱に絞られた状態で頂上をクリアした。
コントロールするスプリンターチームがいない状況を利用してソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)やアルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマFDJ)がアタックしたが決まらず、最も人数を残したバーレーン・メリダが集団をまとめて残り1kmアーチ。エンリーコ・ガスパロット(イタリア)とゴルカ・イサギレ(イタリア)が隊列を組んでソニー・コルブレッリ(イタリア)のポジションをキープする。
アタックのようなロングスプリントを仕掛けたヴィショをダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が集団を率いて追撃。ヴィショが吸収されると、コルブレッリが270〜280mからスプリントを開始する。コルブレッリの後輪に飛びついたのはミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)とサガンだった。
別ラインで加速したガビリアにサガンが乗り換え、先頭を走り続けるコルブレッリに並びかける。コルブレッリ、サガン、ガビリアが肩を触れながらの接戦スプリントを繰り広げた結果、先行逃げ切りでコルブレッリが先着した。この日の平均スピードは39.0km/h。終盤のガンジンゲン周回コースの平均スピードは45.9km/hだった。
ステージ優勝したコルブレッリはラスト300mを平均1,130W、最大1,380Wで踏み、平均59.1km/h、最高63.2km/hで駆け抜けている。対してステージ2位のガビリアは平均1,050W、最大1,190W、最高63.0km/hだった。
今大会の二強スプリンターを下したコルブレッリは「ガビリアやサガンといった強敵に勝つには早めに仕掛けて先行するしかないと思っていた。昨年のパリ〜ニースでも同様の作戦でステージ優勝している。かなり長いスプリントだった」と語る。これがドバイツアー第4ステージに続く今シーズン2勝目。UCIワールドツアーでの勝利は2017年パリ〜ニース第2ステージ以来1年ぶりとなる。「昨日は調子が優れずに勝負に残れなかったので今日は何としても勝利してチームメイトの働きに応えたかった。ツールを前にしたこの時期に、個人的にもチームにとっても重要な勝利を飾ることができてファンタスティックだ」。
2日連続ステージ2位のガビリアは「昨日は仕掛けるのが早すぎて、今日は長く待ちすぎた」と作戦失敗を嘆きながらも「雨が降る厳しいコンディションの中、集団内で終盤の山岳をこなせたことは初出場するツール・ド・フランスに向けて自信につながる」とパフォーマンスを前向きにとらえている。
ステージ連勝を逃したサガンは「最後の登りでアタックしたもののすぐに引き戻された。結果には繋がらなかったけど、いつでも何かに挑戦してレースを興味深いものにすべきだし、そうすることで観客も楽しんでもらえると思っている。まだレースは終わっておらず、残る6ステージでチャンスを狙いたい」とコメント。逃げたワトソンが中間スプリントでポイントを稼いだため、サガンは1ポイント差でポイント賞ジャージを逃している。
ツール・ド・スイス2018第3ステージ結果
1位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 4:39:51 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット) | |
5位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | |
6位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
7位 | エンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ) | |
8位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
9位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | セップ・ヴァンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト・ドラパック) |
個人総合成績
1位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 8:50:15 |
2位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:03 |
3位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | |
4位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | |
5位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:16 |
6位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 0:00:23 |
7位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | |
8位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | |
9位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:30 |
10位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) |
ポイント賞
1位 | カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート) | 19pts |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 18pts |
3位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 16pts |
山岳賞
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 17pts |
2位 | ファビアン・グルリエ(フランス、ディレクトエネルジー) | 12pts |
3位 | ペリグ・ケムヌール(フランス、ディレクトエネルジー) | 6pts |
ヤングライダー賞
1位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 8:50:38 |
2位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:07 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 25:50:18 |
2位 | サンウェブ | 0:00:20 |
3位 | クイックステップフロアーズ | 0:00:27 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos