2018/06/05(火) - 09:14
数少ないスプリンターのチャンスと見られたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第1ステージは終盤にかけてアタックが連発するアグレッシブな展開に。小集団スプリントでダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が勝利を飾った。
ヤングライダー賞トップのジャンニ・モスコンとマイヨジョーヌのミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo:CorVos
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2018第1ステージ photo:A.S.O.初日のプロローグの舞台となったバランスの町からクリテリウム・デュ・ドーフィネ第1ステージはスタートした。ぐずついた天候の中、選手たちは7つのカテゴリー山岳が詰め込まれた179kmコースを走る。登場する山岳はフィニッシュに向けて徐々に難易度を下げていくものの、1日の獲得標高差は2,800m。終盤にかけて4級山岳グランジャン(全長1.3km/平均勾配4.5%)を含む周回コースを2周する。今大会の中で最も難易度が低い部類に入るが、決してピュアスプリンター向きの平坦ステージとは言えないレイアウトだ。
体調不良によりリタイアを余儀なくされたサンウェブのクリス・ハミルトン(オーストラリア)とローレンス・テンダム(オランダ)を除く151名がスタートを切るとすぐ、最初の2級山岳レイリス峠に向かう登りで早速ニコラ・エデ(フランス、コフィディス)、ブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)、ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が逃げを開始。3名はメイン集団に3分差をつけた。
チームスカイから集団牽引の役目を引き継いだのはクイックステップフロアーズとヴィタルコンセプト。先頭ではフェイユとエデが競り合いながら山岳ポイントを加算していく。前半3つの山岳を先頭通過したフェイユがエデと1ポイント差で山岳賞ジャージを獲得している。
残り24km地点で一旦サン=ジュスト=サン=ランベールのフィニッシュラインを通過した時点でタイム差は50秒。諦めずに逃げ続けたエデとクラドックの2人も最終周回突入後に吸収され、集団は徐々に人数を減らしながらフィニッシュに向かった。
メイン集団をコントロールする新城幸也(バーレーン・メリダ)ら photo:CorVos
チームスカイを先頭にアップダウンコースを走る photo:CorVos
逃げるローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)ら3名 photo:CorVos
フィニッシュ4km手前の4級山岳グランジャン(全長1.3km/平均勾配4.5%)では総合系選手まで動く展開。口火を切ったイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)に続いてディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)が飛び出し、チームスカイが隊列を組んで追いかける。
続いてジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が加速すると、マイヨジョーヌを着るミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が自力でチェイス。ここにゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)らも加わって、精鋭グループを形成しながら4級山岳グランジャンを越えた。
下り区間で再び一つにまとまった約70名の集団。ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)の単独アタックも決まらず、ポジション争いの末にスプリントが始まる。ロット・スーダルが積極的に集団を率いた一方で、有力スプリンターのブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト)は後方に沈んだ。
残り200mからコースが登り基調になったところで、クウィアトコウスキーの番手につけていたインピーが最初に仕掛けた。アラフィリップやクウィアトコウスキーが追撃したものの、南アフリカチャンピオンジャージのスプリントが伸びる。ライバルたちに大きく差をつけたままフィニッシュラインに達したインピーが喜びを爆発させた。
終盤の周回コースはグランジャンダムを通過 photo:CorVos
登りスプリントに勝利したダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
1月のツアー・ダウンアンダーで総合優勝したインピーが、南アフリカ選手権のロードレースと個人タイムトライアルに続く今シーズン4勝目をマーク。「調子が悪いと思っていただけにこの勝利には驚いている。良いポジションで勝負が始まったので残り200mで迷わずスプリントを開始。長いスプリントだったけど、先頭を走り続ける脚が今日はあった。ツール・ド・フランス前のタイミングで、アラフィリップやクウィアトコウスキーに勝ったことは大きな弾みになるよ」と、チームにシーズン20勝目(クイックステップ36勝、チームスカイ23勝に次いで3番目)をもたらしたインピーは語る。
STRAVAログによると、インピーは4級山岳の下り区間を85km/h前後のスピードで位置取りし、残り200mから始まる勾配5%ほどの登りストレートを平均スピード51.0km/h(最高スピード59.4km/h)でもがききっている。4級山岳(平均勾配4.5%)の登坂スピードは35.9km/hで、最終周回の平均スピードは48.8km/hだった。
ステージ5位に入ったクウィアトコウスキーがマイヨジョーヌをキープ。クウィアトコウスキーはポイント賞トップの座も守っており、チームメイトのジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)はヤングライダー賞ジャージを着続ける。
アシストとして集団牽引やポジション取りに携わった新城幸也(バーレーン・メリダ)は1分19秒遅れのグループでフィニッシュ。チームメイトのニバリは終盤に動くなど調子の良さを見せながらしっかりと先頭集団内でフィニッシュしている。
クウィアトコウスキーに祝福されるダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
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体調不良によりリタイアを余儀なくされたサンウェブのクリス・ハミルトン(オーストラリア)とローレンス・テンダム(オランダ)を除く151名がスタートを切るとすぐ、最初の2級山岳レイリス峠に向かう登りで早速ニコラ・エデ(フランス、コフィディス)、ブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)、ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が逃げを開始。3名はメイン集団に3分差をつけた。
チームスカイから集団牽引の役目を引き継いだのはクイックステップフロアーズとヴィタルコンセプト。先頭ではフェイユとエデが競り合いながら山岳ポイントを加算していく。前半3つの山岳を先頭通過したフェイユがエデと1ポイント差で山岳賞ジャージを獲得している。
残り24km地点で一旦サン=ジュスト=サン=ランベールのフィニッシュラインを通過した時点でタイム差は50秒。諦めずに逃げ続けたエデとクラドックの2人も最終周回突入後に吸収され、集団は徐々に人数を減らしながらフィニッシュに向かった。
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フィニッシュ4km手前の4級山岳グランジャン(全長1.3km/平均勾配4.5%)では総合系選手まで動く展開。口火を切ったイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)に続いてディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)が飛び出し、チームスカイが隊列を組んで追いかける。
続いてジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が加速すると、マイヨジョーヌを着るミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が自力でチェイス。ここにゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)らも加わって、精鋭グループを形成しながら4級山岳グランジャンを越えた。
下り区間で再び一つにまとまった約70名の集団。ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)の単独アタックも決まらず、ポジション争いの末にスプリントが始まる。ロット・スーダルが積極的に集団を率いた一方で、有力スプリンターのブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト)は後方に沈んだ。
残り200mからコースが登り基調になったところで、クウィアトコウスキーの番手につけていたインピーが最初に仕掛けた。アラフィリップやクウィアトコウスキーが追撃したものの、南アフリカチャンピオンジャージのスプリントが伸びる。ライバルたちに大きく差をつけたままフィニッシュラインに達したインピーが喜びを爆発させた。
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1月のツアー・ダウンアンダーで総合優勝したインピーが、南アフリカ選手権のロードレースと個人タイムトライアルに続く今シーズン4勝目をマーク。「調子が悪いと思っていただけにこの勝利には驚いている。良いポジションで勝負が始まったので残り200mで迷わずスプリントを開始。長いスプリントだったけど、先頭を走り続ける脚が今日はあった。ツール・ド・フランス前のタイミングで、アラフィリップやクウィアトコウスキーに勝ったことは大きな弾みになるよ」と、チームにシーズン20勝目(クイックステップ36勝、チームスカイ23勝に次いで3番目)をもたらしたインピーは語る。
STRAVAログによると、インピーは4級山岳の下り区間を85km/h前後のスピードで位置取りし、残り200mから始まる勾配5%ほどの登りストレートを平均スピード51.0km/h(最高スピード59.4km/h)でもがききっている。4級山岳(平均勾配4.5%)の登坂スピードは35.9km/hで、最終周回の平均スピードは48.8km/hだった。
ステージ5位に入ったクウィアトコウスキーがマイヨジョーヌをキープ。クウィアトコウスキーはポイント賞トップの座も守っており、チームメイトのジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)はヤングライダー賞ジャージを着続ける。
アシストとして集団牽引やポジション取りに携わった新城幸也(バーレーン・メリダ)は1分19秒遅れのグループでフィニッシュ。チームメイトのニバリは終盤に動くなど調子の良さを見せながらしっかりと先頭集団内でフィニッシュしている。
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クリテリウム・デュ・ドーフィネ2018第1ステージ結果
1位 | ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) | 4:24:26 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) | |
5位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | |
6位 | ヘスス・エラーダ(スペイン、コフィディス) | |
7位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) | |
8位 | シャンドロ・ムーリセ(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) | |
9位 | マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ) | |
10位 | ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター) | |
73位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) | 0:01:19 |
個人総合成績
1位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 4:31:51 |
2位 | ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:02 |
3位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) | 0:00:03 |
4位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) | 0:00:07 |
5位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 0:00:08 |
6位 | イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:09 |
7位 | ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ) | |
8位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) | 0:00:11 |
9位 | マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:13 |
10位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) | 0:00:15 |
ポイント賞
1位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 31pts |
2位 | ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) | 25pts |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 22pts |
山岳賞
1位 | ブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) | 9pts |
2位 | ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) | 8pts |
3位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 2pts |
ヤングライダー賞
1位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) | 4:31:54 |
2位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 0:00:12 |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:00:17 |
チーム総合成績
1位 | チームスカイ | 13:35:45 |
2位 | ロット・スーダル | 0:00:17 |
3位 | BMCレーシング | 0:00:19 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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