2018/06/03(日) - 02:18
ツール・ド・熊野第2ステージは、入部正太朗(シマノレーシング)が終盤に残った3人でのスプリント勝負を制して優勝。リーダージャージを獲得した。
朝から青空が広がった海岸沿いをパレード ©️Toue de KUMANO
ツール・ド・熊野第2ステージは、熊野市内をパレード走行し、2級山岳の千枚田、1級山岳の札立峠、さらに千枚田をもう1回登り、計3回のKOMを通過する109.3kmの山岳コース。特に観光地としても有名な丸山千枚田はツール・ド・熊野を象徴するシーンであり、毎年総合優勝の行方を決めるステージとなる。
前日に続き、第2ステージも朝から青空が広がる晴れ。気温は26℃近くまで上がる暑さの中でのレースとなった。
序盤に形成された9人の逃げ photo:Satoru Kato
リアルスタート直後から始まったアタック合戦から、入部正太朗(シマノレーシング)が飛び出す。これに山岳賞ジャージの畑中勇介(チーム右京)らが追従し、9人の逃げ集団が形成される。
メンバーは、入部、畑中、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、ダミアン・モニエ(愛三工業レーシングチーム)、ケイデン・グローヴス(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)、フェン・チュンカイ(チャイニーズタイペイナショナルチーム)、マーク・デマール(チーム右京)、中島康晴(キナンサイクリングチーム)、昨年覇者のホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)。メイン集団はキナンサイクリングチームがコントロールし、1分差まで開く。
千枚田を登る集団とサポートカー ©️Toue de KUMANO
雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)が追走集団を先導 photo:Satoru Kato
逃げる9人に追走の4人が追いつく photo:Satoru Kato
1回目の千枚田のKOMはデマールが先頭通過。メイン集団からは追走の動きが起きて集団は40人ほどまで絞られる。下りきったところで、キナンサイクリングチームのマルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバの3人と、ベンジャミ・プラデス(チーム右京)、ベンジャミン・ディボール(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)ら有力選手が揃った11人の追走集団が形成される。
逃げる9人と追走11人との差は40秒、30秒と縮まり、札立峠への登りで逃げ集団が見える範囲に迫る。登りの中腹あたりでガルシア、グアルディオラ、プラデス、ディボールの4人が逃げ集団に追いつき、畑中と中島が遅れて新たに10人の集団になる。
札立峠のKOMはデマールが再び先頭で通過。そこからの下りでプラデスが単独で先行。遅れていた中島が追いついてガルシアらを引き連れて追走し、下りきるまでにプラデスを吸収する。
60km過ぎから幾度となくアタックする中島康晴(キナンサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
2回目の千枚田への登りで中島康晴(キナンサイクリングチーム)を抜いて単独先行するマーク・デマール(チーム右京) photo:Satoru Kato
63km付近からは中島がアタックを繰り返し、単独で先行する。2回目の千枚田への登りへ入ると、後方から追走してきたデマールが中島を抜き、先頭で登っていく。デマールは千枚田2回目のKOMを先頭で通過し、山岳賞を確定させる。さらに単独先行のまま20秒ほどの差をつけて下りきり、残り10kmへ向かう。
後方からはディボールと入部が追走。残り5kmを前にデマールに追いつく。追走するガルシア、グアルディオラ、プラデス、ホセの集団との差は10秒前後まで縮まるが、それ以上は縮まらず。勝負は先行する3人に絞られた。
入部正太朗(シマノレーシング)を先頭に逃げ続ける3人 photo:Satoru Kato
残り2km ベンジャミン・ディボール(セントジョージコンチネンタルサイクリング)がアタック photo:Satoru Kato
マーク・デマール(チーム右京)を下した入部正太朗(シマノレーシング)が第2ステージ優勝 ©️Toue de KUMANO
第2ステージを制した入部正太朗(シマノレーシング) ©️Toue de KUMANO
残り2kmのディボールのアタックは不発に終わり、勝負は残り1kmからフィニッシュへの登りスプリントへ。残り200m、先に仕掛けたデマールの背後から入部が前に出る。残り100mで勝利を確信したと言う入部は、両腕を大きく広げてフィニッシュ。昨年のツール・ド・熊野第1ステージに続くステージ優勝を挙げ、リーダージャージも獲得した。
個人総合首位 入部正太朗(シマノレーシング) ©️Toue de KUMANO
山岳賞 マーク・デマール(チーム右京) ©️Toue de KUMANO
「登りで遅れても15秒くらいだったら下りで追いつける自信があったので、2回目の千枚田まで残れればチャンスがあると考えていました。前でやり合ってたおかげで2回目の千枚田はそれほどペースは早くなく、キツかったけれどギリギリついて行くことが出来ました。
最後はうまく抜け出して3人のスプリントになりましたが、ディボール選手はスプリントは無いのは分かっていましたが、デマール選手がどれだけ足を残しているのか分かりませんでした、でもデマール選手が登りの下から早駆けしてくれたので、自分のリズムで詰めて行って残り100mでパスしました。足に余裕はありませんでしたが頭は冷静でした」と、レースを振り返る入部。
「最終日の太地町は4年連続で1桁順位になっているので得意なコース。よっぽどのことが無い限り総合優勝できると思うが、何があるか分からないので気を引きししめて行きます」と、最終日に向けての意欲を語った。
第2ステージを終えて1位と2位との差が7秒。9位までが1分以内という僅差で迎える最終日。中間スプリントとフィニッシュのボーナスタイムでの逆転もあり得るだけに、最後まで勝負の行方はわからない。
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ツール・ド・熊野第2ステージは、熊野市内をパレード走行し、2級山岳の千枚田、1級山岳の札立峠、さらに千枚田をもう1回登り、計3回のKOMを通過する109.3kmの山岳コース。特に観光地としても有名な丸山千枚田はツール・ド・熊野を象徴するシーンであり、毎年総合優勝の行方を決めるステージとなる。
前日に続き、第2ステージも朝から青空が広がる晴れ。気温は26℃近くまで上がる暑さの中でのレースとなった。
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リアルスタート直後から始まったアタック合戦から、入部正太朗(シマノレーシング)が飛び出す。これに山岳賞ジャージの畑中勇介(チーム右京)らが追従し、9人の逃げ集団が形成される。
メンバーは、入部、畑中、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、ダミアン・モニエ(愛三工業レーシングチーム)、ケイデン・グローヴス(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)、フェン・チュンカイ(チャイニーズタイペイナショナルチーム)、マーク・デマール(チーム右京)、中島康晴(キナンサイクリングチーム)、昨年覇者のホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)。メイン集団はキナンサイクリングチームがコントロールし、1分差まで開く。
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1回目の千枚田のKOMはデマールが先頭通過。メイン集団からは追走の動きが起きて集団は40人ほどまで絞られる。下りきったところで、キナンサイクリングチームのマルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバの3人と、ベンジャミ・プラデス(チーム右京)、ベンジャミン・ディボール(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)ら有力選手が揃った11人の追走集団が形成される。
逃げる9人と追走11人との差は40秒、30秒と縮まり、札立峠への登りで逃げ集団が見える範囲に迫る。登りの中腹あたりでガルシア、グアルディオラ、プラデス、ディボールの4人が逃げ集団に追いつき、畑中と中島が遅れて新たに10人の集団になる。
札立峠のKOMはデマールが再び先頭で通過。そこからの下りでプラデスが単独で先行。遅れていた中島が追いついてガルシアらを引き連れて追走し、下りきるまでにプラデスを吸収する。
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63km付近からは中島がアタックを繰り返し、単独で先行する。2回目の千枚田への登りへ入ると、後方から追走してきたデマールが中島を抜き、先頭で登っていく。デマールは千枚田2回目のKOMを先頭で通過し、山岳賞を確定させる。さらに単独先行のまま20秒ほどの差をつけて下りきり、残り10kmへ向かう。
後方からはディボールと入部が追走。残り5kmを前にデマールに追いつく。追走するガルシア、グアルディオラ、プラデス、ホセの集団との差は10秒前後まで縮まるが、それ以上は縮まらず。勝負は先行する3人に絞られた。
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残り2kmのディボールのアタックは不発に終わり、勝負は残り1kmからフィニッシュへの登りスプリントへ。残り200m、先に仕掛けたデマールの背後から入部が前に出る。残り100mで勝利を確信したと言う入部は、両腕を大きく広げてフィニッシュ。昨年のツール・ド・熊野第1ステージに続くステージ優勝を挙げ、リーダージャージも獲得した。
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「登りで遅れても15秒くらいだったら下りで追いつける自信があったので、2回目の千枚田まで残れればチャンスがあると考えていました。前でやり合ってたおかげで2回目の千枚田はそれほどペースは早くなく、キツかったけれどギリギリついて行くことが出来ました。
最後はうまく抜け出して3人のスプリントになりましたが、ディボール選手はスプリントは無いのは分かっていましたが、デマール選手がどれだけ足を残しているのか分かりませんでした、でもデマール選手が登りの下から早駆けしてくれたので、自分のリズムで詰めて行って残り100mでパスしました。足に余裕はありませんでしたが頭は冷静でした」と、レースを振り返る入部。
「最終日の太地町は4年連続で1桁順位になっているので得意なコース。よっぽどのことが無い限り総合優勝できると思うが、何があるか分からないので気を引きししめて行きます」と、最終日に向けての意欲を語った。
第2ステージを終えて1位と2位との差が7秒。9位までが1分以内という僅差で迎える最終日。中間スプリントとフィニッシュのボーナスタイムでの逆転もあり得るだけに、最後まで勝負の行方はわからない。
ツール・ド・熊野2018 第2ステージ結果(109.3km)
1位 | 入部正太朗(シマノレーシング) | 2時間45分52秒 |
2位 | マルク・デマール(チーム右京) | +1秒 |
3位 | ベンジャミン・ディボール(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) | +15秒 |
4位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、チーム右京) | +33秒 |
5位 | サルバードール・グアルディオラ(キナンサイクリングチーム) | |
6位 | 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) | +35秒 |
7位 | マーカス・カリー(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) | |
8位 | マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) | +44秒 |
9位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックス) | |
10位 | 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) | +1分3秒 |
個人総合時間順位(第2ステージ終了時)
1位 | 入部正太朗(シマノレーシング) | 2時間46分35秒 |
2位 | マルク・デマール(チーム右京) | +7秒 |
3位 | ベンジャミン・ディボール(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) | +25秒 |
4位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、チーム右京) | +44秒 |
5位 | サルバードール・グアルディオラ(キナンサイクリングチーム) | +45秒 |
6位 | 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) |
ポイント賞(第2ステージ終了時)
1位 | 入部正太朗(シマノレーシング) | 25p |
2位 | マルク・デマール(チーム右京) | 20p |
3位 | ベンジャミン・ディボール(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) | 16p |
山岳賞(第2ステージ終了時)
1位 | マルク・デマール(チーム右京) | 24p |
2位 | マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) | 12p |
3位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、チーム右京) | 8p |
チーム総合(第2ステージ終了時)
1位 | セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム | 8時間24分51秒 |
2位 | キナンサイクリングチーム | +37秒 |
3位 | 宇都宮ブリッツェン | +41秒 |
text&photo:Satoru Kato
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