2018/05/27(日) - 18:58
スプリント勝負となった東京ステージを制したのは、マルティン・ラース(エストニア、チーム・イルミネイト)。チームメイトに守られて走ったマルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)は、集団とともにフィニッシュし、初の総合優勝を手にした。
5月27日(日)、最終日を迎えたツアー・オブ・ジャパン。東京ステージは日比谷シティ前をスタート地点とし、14.7kmを走った後、大井埠頭の7.0kmの周回コースを14周してフィニッシュする112.7km。
KOMの設定がないフラットステージのため、山岳賞は鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、個人総合はマルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)、ポイント賞はグレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ)がほぼ手中に収めており、ジャージ争いは収束している状況だ。そのため、レースは逃げ
か最後のスプリント勝負によるステージ優勝を狙う選手達の争いへと絞られた。
午前11時、日比谷シティ前をパレードスタート。リアルスタートの合図が出るとアタック合戦が始まる。何度か吸収を繰り返したのち、草場啓吾(日本ナショナルチーム)が単独で飛び出して先行。さらにチェン・キンロ(香港、HKSIプロサイクリング)、中田拓也(シマノレーシングチーム)の2人が集団から飛び出し、草場に合流。3人の逃げが容認された。
メイン集団はキナンサイクリングチームがコントロールを開始。集団に蓋をする形で周回コースへと突入する。大井埠頭の周回コースへ入る頃には30秒まで差が開き、その後2分まで開く。
4周目、逃げる3人との差が2分30秒を超えると、チームイルミネイト、チーム右京、愛三工業レーシングチーム、チームブリヂストンサイクリングが1人ずつ出し、集団コントロールに加わる。キナンサイクリングチームの中島康晴によれば、「特にお願いしたわけではなく、自主的に加わってきた。キナンは3分までOKだったけれど、イルミネイトなどはもっと差を詰めておきたいようだった」と言う通り、その後は1分30秒前後の差でレースが進行する。
10周目、逃げと集団との差が1分15秒になると、逃げ集団からチェンが2人を切り離して先行する。メイン集団は中田と草場を吸収してチェンを追走。スプリンターで勝負したいチームが前に出てきてペースアップしていく。差は徐々に縮まり、残り2周となる13周目にチェンは吸収される。
最終周回に入る直前、逃げ吸収のカウンターで佐野淳哉(マトリックスパワータグ)がアタック。本人によればアタックではなくペースアップだったそうだが、後続がつききれない強烈な加速を見せる。佐野を吸収すると集団はさらにペースアップ。勝負を決定づける飛び出しもないまま、最後の集団スプリントへ持ち込まれる。
大井埠頭の広い道幅いっぱいに広がってのスプリント勝負を制したのは、マルティン・ラース(エストニア、チームイルミネイト)。後方でチームメイト全員がガッツポーズをして最終ステージの優勝を喜んだ。
リーダージャージを着たマルコス・ガルシアは、最後までエスコートしたチームメイトと共に集団内でフィニッシュ。昨年のツール・ド・北海道に次ぐ日本でのステージレースを制覇した。キナンサイクリングチームは、チーム総合優勝も決めて2冠を達成した。
ガルシアは「最終日はチームがレースをコントロール出来た。ツアー・オブ・ジャパンは3回目の出場だが、総合優勝出来て嬉しい。チームメイトのトマ(・ルバ)もステージ優勝したし、とても良いレースだった」とコメントした。
前日の伊豆ステージで山岳賞を獲った鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)は、トラブルなくフィニッシュして東京の表彰台に立った。
「チームとしてステージ1勝と山岳賞を獲れて、トラブルがあった割には良い結果だったと思うが、もっと出来たことがあったかなとも思います。これを来年に繋げたいです」と、コメントした。
日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の8日間が終了した。新城幸也(バーレーン・メリダ)やダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)の出場が話題になったが、落車のアクシデントで新城や増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が早々にレースを去ることになったのは残念としか言いようがない。怪我からの早い復活を期待したい。
一方で、京都ステージでの雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)の優勝や、昨年に続き日本人選手の山岳賞獲得、日本チームが総合優勝と、日本人選手とチームの活躍が目立った大会でもあった。
惜しむらくは、これは筆者の体感だが、全ステージを通じて昨年より観客が少なく感じたこと。スポーツ・ブルによるライブ中継で見た方も多かったかもしれないが、生で見るロードレースは別物だ。次のレースはぜひ現場に足を運んで欲しい。
5月27日(日)、最終日を迎えたツアー・オブ・ジャパン。東京ステージは日比谷シティ前をスタート地点とし、14.7kmを走った後、大井埠頭の7.0kmの周回コースを14周してフィニッシュする112.7km。
KOMの設定がないフラットステージのため、山岳賞は鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、個人総合はマルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)、ポイント賞はグレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ)がほぼ手中に収めており、ジャージ争いは収束している状況だ。そのため、レースは逃げ
か最後のスプリント勝負によるステージ優勝を狙う選手達の争いへと絞られた。
午前11時、日比谷シティ前をパレードスタート。リアルスタートの合図が出るとアタック合戦が始まる。何度か吸収を繰り返したのち、草場啓吾(日本ナショナルチーム)が単独で飛び出して先行。さらにチェン・キンロ(香港、HKSIプロサイクリング)、中田拓也(シマノレーシングチーム)の2人が集団から飛び出し、草場に合流。3人の逃げが容認された。
メイン集団はキナンサイクリングチームがコントロールを開始。集団に蓋をする形で周回コースへと突入する。大井埠頭の周回コースへ入る頃には30秒まで差が開き、その後2分まで開く。
4周目、逃げる3人との差が2分30秒を超えると、チームイルミネイト、チーム右京、愛三工業レーシングチーム、チームブリヂストンサイクリングが1人ずつ出し、集団コントロールに加わる。キナンサイクリングチームの中島康晴によれば、「特にお願いしたわけではなく、自主的に加わってきた。キナンは3分までOKだったけれど、イルミネイトなどはもっと差を詰めておきたいようだった」と言う通り、その後は1分30秒前後の差でレースが進行する。
10周目、逃げと集団との差が1分15秒になると、逃げ集団からチェンが2人を切り離して先行する。メイン集団は中田と草場を吸収してチェンを追走。スプリンターで勝負したいチームが前に出てきてペースアップしていく。差は徐々に縮まり、残り2周となる13周目にチェンは吸収される。
最終周回に入る直前、逃げ吸収のカウンターで佐野淳哉(マトリックスパワータグ)がアタック。本人によればアタックではなくペースアップだったそうだが、後続がつききれない強烈な加速を見せる。佐野を吸収すると集団はさらにペースアップ。勝負を決定づける飛び出しもないまま、最後の集団スプリントへ持ち込まれる。
大井埠頭の広い道幅いっぱいに広がってのスプリント勝負を制したのは、マルティン・ラース(エストニア、チームイルミネイト)。後方でチームメイト全員がガッツポーズをして最終ステージの優勝を喜んだ。
リーダージャージを着たマルコス・ガルシアは、最後までエスコートしたチームメイトと共に集団内でフィニッシュ。昨年のツール・ド・北海道に次ぐ日本でのステージレースを制覇した。キナンサイクリングチームは、チーム総合優勝も決めて2冠を達成した。
ガルシアは「最終日はチームがレースをコントロール出来た。ツアー・オブ・ジャパンは3回目の出場だが、総合優勝出来て嬉しい。チームメイトのトマ(・ルバ)もステージ優勝したし、とても良いレースだった」とコメントした。
前日の伊豆ステージで山岳賞を獲った鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)は、トラブルなくフィニッシュして東京の表彰台に立った。
「チームとしてステージ1勝と山岳賞を獲れて、トラブルがあった割には良い結果だったと思うが、もっと出来たことがあったかなとも思います。これを来年に繋げたいです」と、コメントした。
日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の8日間が終了した。新城幸也(バーレーン・メリダ)やダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)の出場が話題になったが、落車のアクシデントで新城や増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が早々にレースを去ることになったのは残念としか言いようがない。怪我からの早い復活を期待したい。
一方で、京都ステージでの雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)の優勝や、昨年に続き日本人選手の山岳賞獲得、日本チームが総合優勝と、日本人選手とチームの活躍が目立った大会でもあった。
惜しむらくは、これは筆者の体感だが、全ステージを通じて昨年より観客が少なく感じたこと。スポーツ・ブルによるライブ中継で見た方も多かったかもしれないが、生で見るロードレースは別物だ。次のレースはぜひ現場に足を運んで欲しい。
ツアー・オブ・ジャパン2018 東京ステージ(112.7km) 結果
個人総合時間順位(最終)
ポイント賞(最終)
山岳賞(最終)
新人賞(最終)
1位 | クリス・ハーパー(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) |
2位 | サム・クローム(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) |
3位 | ホセ・マヌエル・ディアス・カジェゴ(スペイン、イスラエルサイクリングアカデミー) |
チーム総合時間賞(最終)
1位 | キナンサイクリングチーム | 59時間58分13秒 |
2位 | ベネロング・スイスウェルネス | +0分45秒 |
3位 | チーム・イルミネイト | +4分09秒 |
text:Satoru Kato, Yuichiro Hosoda
photo:Satoru Kato, Yuichiro Hosoda, So Isobe
photo:Satoru Kato, Yuichiro Hosoda, So Isobe
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