2018/05/25(金) - 19:52
ツアー・オブ・ジャパンの第6ステージとなる富士山ステージが行われ、マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)が優勝し、個人総合首位に立った。
3月に土石流が横断したふじあざみラインの馬返し付近 (C) TOJ2018
イスラエルサイクリングアカデミーと子供達が記念撮影
シマノレーシングチームOBの今中大介氏がスタート前の激励
ツアー・オブ・ジャパン6日目は、静岡県に舞台を移しての富士山ステージ。毎年富士山を制した者が個人総合優勝に大きく近づく。
これまでは、標高差1160m、平均勾配10%、最大勾配22%の「ふじあざみライン」での11.4kmのみでレースが行われていたが、今年は2020年東京オリンピックのロードレースのフィニッシュ地点となる富士スピードウェイからスタート。外周道路を2周したのち、富士山5合目フィニッシュする32.9kmのステージとなった。
この日は朝から雲が多く、麓からは雲間から時々富士山の姿が見える程度だったが、フィニッシュの5合目は晴れていて山頂がはっきりと見える。暑さを感じるほどの5合目に向けてのレースが始まった。
富士スピードウェイ西ゲートをスタート
雲間から見える富士山をバックに集団が行く 富士スピードウェイの西ゲートをスタート。パレード走行ののちリアルスタートが切られると、トーマス・スチュワート(イギリス、JLTコンドール)と、タイラー・ウィリアムズ(アメリカ、イスラエルサイクリングアカデミー)の2人が飛び出す。その後シモン・ペロー(スイス、チームイルミネイト)が合流して3人の逃げ集団が形成される。メイン集団は、リーダージャージのトマ・ルバを擁するキナンサイクリングチームがコントロール。一時は2分まで開いた差を詰め、ふじあざみラインに入る前に逃げを吸収する。
そこからはベネロング・スイスウェルネスやマトリックスパワータグなどが集団前方に出てくる。その中から、クリス・ハーパー(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス)が単独で先行。ホセ・ビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)らが追走する。
集団からアタックして前を追うマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) (C) TOJ2018
ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ)がクリス・ハーパー(ベネロング・スイスウェルネス)を抜いて2位に浮上 (C) TOJ2018
独走で先頭を行くマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) (C) TOJ2018
残り8kmを過ぎたあたりで、ガルシアがハーパーを抜いて先頭に立つ。「自分のペースで登った」とレース後に話したように、ガルシアはその後単独で一定ペースでふじあざみラインを登り、後続とのタイム差は1分以上に開いた。
ふじあざみラインの中間地点を過ぎた残り4km、ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ)が追走し、ガルシアとの差を詰め始める。30秒差まで迫るが追いつくところまではいかない。
単独でフィニッシュ前に現れたマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) ©︎The Syunsuke FUKUMITSU
トップでフィニッシュし、自転車を高々を掲げるマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) (C) TOJ2018
単独で5合目のフィニッシュに現れたガルシアは、フィニッシュラインを超えると自分の自転車を高く掲げて喜びを表した。2位には28秒差まで詰めたペーンシュタイナー、1分48秒遅れの3位にハーパー。日本人選手では、中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)の2分47秒遅れの12位が最高だった。
リーダージャージのトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)は2分13秒遅れの10位。この結果、ガルシアが2位のペーンシュタイナーに39秒差をつけて総合首位に立った。
2分13秒遅れでフィニッシュしたトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) ©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
日本人最高位は中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
富士山ステージ優勝したマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)が個人総合首位に
山岳賞を守った小石祐馬(チーム右京)
ガルシアは「スタート直後にチームがコントロールして良いペースを作ってくれ、登りに入ることができた。(ホセ・ビセンテ)トリビオが前に行ったタイミングに合わせて行き、その後は自分のペースで登って行った」とレースを振り返った。明日の伊豆ステージは昨年ステージ優勝しているが、「伊豆はハードなコースだ。39秒という僅差だけれど、チームメイトを信じでリーダージャージを守りたい」と、個人総合優勝に意欲を見せた。
明日の伊豆ステージは、総合優勝争いをする事実上最後のステージとなる。総合首位と2位との差39秒が、レースにどのように作用するのか。スタートは午前9時だ。
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ツアー・オブ・ジャパン6日目は、静岡県に舞台を移しての富士山ステージ。毎年富士山を制した者が個人総合優勝に大きく近づく。
これまでは、標高差1160m、平均勾配10%、最大勾配22%の「ふじあざみライン」での11.4kmのみでレースが行われていたが、今年は2020年東京オリンピックのロードレースのフィニッシュ地点となる富士スピードウェイからスタート。外周道路を2周したのち、富士山5合目フィニッシュする32.9kmのステージとなった。
この日は朝から雲が多く、麓からは雲間から時々富士山の姿が見える程度だったが、フィニッシュの5合目は晴れていて山頂がはっきりと見える。暑さを感じるほどの5合目に向けてのレースが始まった。
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そこからはベネロング・スイスウェルネスやマトリックスパワータグなどが集団前方に出てくる。その中から、クリス・ハーパー(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス)が単独で先行。ホセ・ビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)らが追走する。
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残り8kmを過ぎたあたりで、ガルシアがハーパーを抜いて先頭に立つ。「自分のペースで登った」とレース後に話したように、ガルシアはその後単独で一定ペースでふじあざみラインを登り、後続とのタイム差は1分以上に開いた。
ふじあざみラインの中間地点を過ぎた残り4km、ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ)が追走し、ガルシアとの差を詰め始める。30秒差まで迫るが追いつくところまではいかない。
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単独で5合目のフィニッシュに現れたガルシアは、フィニッシュラインを超えると自分の自転車を高く掲げて喜びを表した。2位には28秒差まで詰めたペーンシュタイナー、1分48秒遅れの3位にハーパー。日本人選手では、中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)の2分47秒遅れの12位が最高だった。
リーダージャージのトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)は2分13秒遅れの10位。この結果、ガルシアが2位のペーンシュタイナーに39秒差をつけて総合首位に立った。
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ガルシアは「スタート直後にチームがコントロールして良いペースを作ってくれ、登りに入ることができた。(ホセ・ビセンテ)トリビオが前に行ったタイミングに合わせて行き、その後は自分のペースで登って行った」とレースを振り返った。明日の伊豆ステージは昨年ステージ優勝しているが、「伊豆はハードなコースだ。39秒という僅差だけれど、チームメイトを信じでリーダージャージを守りたい」と、個人総合優勝に意欲を見せた。
明日の伊豆ステージは、総合優勝争いをする事実上最後のステージとなる。総合首位と2位との差39秒が、レースにどのように作用するのか。スタートは午前9時だ。
ツアー・オブ・ジャパン2018 富士山ステージ(32.9km) 結果
1位 | マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | 1時間19分19秒 |
2位 | ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ) | +28秒 |
3位 | クリス・ハーパー(オーストラリア、ベネロング、スイスウェルネス) | +1分48秒 |
4位 | マヌエル・ディアス(スペイン、イスラエルサイクリングアカデミー) | +2分0秒 |
5位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、チーム右京) | +2分4秒 |
6位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) | |
7位 | サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) | |
8位 | サム・クローム(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) | |
9位 | キャメロン・バイパー(チーム・イルミネイト) | +2分11秒 |
10位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | +2分13秒 |
個人総合時間順位(富士山ステージ終了時)
1位 | マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | 14時間2分52秒 |
2位 | ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ) | +39秒 |
3位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | +56秒 |
4位 | サム・クローム(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) | +2分5秒 |
5位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、チーム右京) | +2分11秒 |
6位 | サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) | +2分17秒 |
ポイント賞(富士山ステージ終了時)
山岳賞(富士山ステージ終了時)
1位 | 小石祐馬(チーム右京) | 16p |
2位 | マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | 15p |
3位 | 草場啓吾(日本ナショナルチーム) | 15p |
チーム総合時間賞(富士山ステージ終了時)
1位 | キナンサイクリングチーム | 42時間12分4秒 |
2位 | ベネロング・スイスウェルネス | +5分3秒 |
3位 | チーム・イルミネイト | +8分20秒 |
text:Satoru Kato
photo:Nobumiti Komori, Syunsuke Fukumitsu,Satoru Kato
photo:Nobumiti Komori, Syunsuke Fukumitsu,Satoru Kato
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