2018/05/20(日) - 12:38
絶妙なハンドル投げを披露したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が、カリフォルニア最終日にハットトリック達成。エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)が自身初のワールドツアー総合優勝を達成した。
過酷な山岳決戦を終え、ツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)最終日となる第7ステージはスプリンターのためのコースレイアウト。オールフラットの143kmコースに向け、開幕時から5名減らした一団が眩しい太陽の下駆け出していった。
ほぼ100%集団スプリントが見込まれているが、この日もアメリカのプロコンチネンタル勢が積極的に逃げにトライ。U23個人TT世界王者のミッケル・ビョーグ(デンマーク、ハーゲンスベルマン・アクセオン)、アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)、ジョナサン・クラーク(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)が加速し、ここにニールソン・ポーレス(アメリカ、ロットNLユンボ)が合流して逃げが決まった。
総合成績が99%確定しているため、この日は総合リーダーのエガン・ベルナル(コロンビア)率いるチームスカイではなく、3勝目を狙うフェルナンド・ガビリア(コロンビア)のクイックステップフロアーズ、マルセル・キッテル(ドイツ)を勝たせたいカチューシャ・アルペシン、2度ステージ3位に入っているカレブ・ユアン(オーストラリア)のミッチェルトン・スコットなどスプリンターチームがメイン集団のコントロールを担った。
ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が並走するテキサスロングホーンにサムアップしつつ、平穏に距離を消化していく選手たち。ステージ距離が短いことで逃げグループとのタイム差が広がらないまま、合計3周回するサクラメント市街地の周回コースに突入する。
スプリントに向けて準備を整えるメイン集団は、タイミングを調整して残り3.5kmの最終周回前に逃げをキャッチ。一気にボルテージが上がった集団前方ではカチューシャ・アルペシンが主導権を握ったが、残り1kmでクイックステップフロアーズが猛烈な勢いでパス。ケイセ、ホッジ、リケーゼ、ガビリアという最強列車がマックスペースに引き上げた。
その後ろではキッテルの前にいたリック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)が切れたことで間隔が空き、勢いを削がれたキッテルとマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が脱落。後方発進を迫られたカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)を迎撃する形でガビリアが加速した。
ロングスプリントで争う2人に割って入ったのが、ゴール直前に追い上げたマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)だった。身長199cmから繰り出すダイナミックな加速で先行ガビリアを追い抜いたが、絶妙なタイミングでハンドルを投げたガビリアがリム差で逆転先着。トラック競技経験を活かした技ありスプリントで今大会の平坦ステージ全勝となる3勝目、そしてポイント賞ジャージまでもを手に入れてみせた。スプリントに絡んだサガンは4位に終わり、2011年から続いた連続ステージ優勝記録がここで途切れた。
総合上位陣は同タイムの集団内でフィニッシュし、チームメイトに守られたベルナルが総合優勝を達成。ボルタ・ア・カタルーニャでの鎖骨・肩甲骨骨折から1か月でツール・ド・ロマンディ総合2位、そこから2週間後のカリフォルニアで自身初のワールドツアー総合優勝と、チームスカイ加入1年目にしてその活躍ぶりは目を見張るものがある。
個人TTで遅れを最小限に留め、得意の山岳でティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)からリーダージャージを奪い返す冷静なレース運びで、オールラウンダーとしての名声を一気に高めた21歳のベルナル。今後はしばらくの休養期間を経て、フランスで開催される4日間のステージレース、ラ・ルート・ド・オクシタニー(UCI2.1)に出場予定だ、
チームスカイにとってはクリストファー・フルーム(イギリス)のゾンコラン勝利に続く同一日のビッグウィンであり、2018年大会のツアー・オブ・カリフォルニアは全7ステージ中じつに5ステージでコロンビア人選手が勝利(第1、5、7ステージ:ガビリア/第2、6ステージ:ベルナル)を飾ることとなった。
また、最終日となった女子レースも集団スプリントで決着し、アーレニス・シエラ(キューバ、アスタナ)が勝利。総合リーダーのケイティ・ホール(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)は危なげなく同タイムフィニッシュし、昨年大会で1秒差の逆転負けリベンジを果たしている。
過酷な山岳決戦を終え、ツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)最終日となる第7ステージはスプリンターのためのコースレイアウト。オールフラットの143kmコースに向け、開幕時から5名減らした一団が眩しい太陽の下駆け出していった。
ほぼ100%集団スプリントが見込まれているが、この日もアメリカのプロコンチネンタル勢が積極的に逃げにトライ。U23個人TT世界王者のミッケル・ビョーグ(デンマーク、ハーゲンスベルマン・アクセオン)、アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)、ジョナサン・クラーク(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)が加速し、ここにニールソン・ポーレス(アメリカ、ロットNLユンボ)が合流して逃げが決まった。
総合成績が99%確定しているため、この日は総合リーダーのエガン・ベルナル(コロンビア)率いるチームスカイではなく、3勝目を狙うフェルナンド・ガビリア(コロンビア)のクイックステップフロアーズ、マルセル・キッテル(ドイツ)を勝たせたいカチューシャ・アルペシン、2度ステージ3位に入っているカレブ・ユアン(オーストラリア)のミッチェルトン・スコットなどスプリンターチームがメイン集団のコントロールを担った。
ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が並走するテキサスロングホーンにサムアップしつつ、平穏に距離を消化していく選手たち。ステージ距離が短いことで逃げグループとのタイム差が広がらないまま、合計3周回するサクラメント市街地の周回コースに突入する。
スプリントに向けて準備を整えるメイン集団は、タイミングを調整して残り3.5kmの最終周回前に逃げをキャッチ。一気にボルテージが上がった集団前方ではカチューシャ・アルペシンが主導権を握ったが、残り1kmでクイックステップフロアーズが猛烈な勢いでパス。ケイセ、ホッジ、リケーゼ、ガビリアという最強列車がマックスペースに引き上げた。
その後ろではキッテルの前にいたリック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)が切れたことで間隔が空き、勢いを削がれたキッテルとマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が脱落。後方発進を迫られたカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)を迎撃する形でガビリアが加速した。
ロングスプリントで争う2人に割って入ったのが、ゴール直前に追い上げたマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)だった。身長199cmから繰り出すダイナミックな加速で先行ガビリアを追い抜いたが、絶妙なタイミングでハンドルを投げたガビリアがリム差で逆転先着。トラック競技経験を活かした技ありスプリントで今大会の平坦ステージ全勝となる3勝目、そしてポイント賞ジャージまでもを手に入れてみせた。スプリントに絡んだサガンは4位に終わり、2011年から続いた連続ステージ優勝記録がここで途切れた。
総合上位陣は同タイムの集団内でフィニッシュし、チームメイトに守られたベルナルが総合優勝を達成。ボルタ・ア・カタルーニャでの鎖骨・肩甲骨骨折から1か月でツール・ド・ロマンディ総合2位、そこから2週間後のカリフォルニアで自身初のワールドツアー総合優勝と、チームスカイ加入1年目にしてその活躍ぶりは目を見張るものがある。
個人TTで遅れを最小限に留め、得意の山岳でティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)からリーダージャージを奪い返す冷静なレース運びで、オールラウンダーとしての名声を一気に高めた21歳のベルナル。今後はしばらくの休養期間を経て、フランスで開催される4日間のステージレース、ラ・ルート・ド・オクシタニー(UCI2.1)に出場予定だ、
チームスカイにとってはクリストファー・フルーム(イギリス)のゾンコラン勝利に続く同一日のビッグウィンであり、2018年大会のツアー・オブ・カリフォルニアは全7ステージ中じつに5ステージでコロンビア人選手が勝利(第1、5、7ステージ:ガビリア/第2、6ステージ:ベルナル)を飾ることとなった。
また、最終日となった女子レースも集団スプリントで決着し、アーレニス・シエラ(キューバ、アスタナ)が勝利。総合リーダーのケイティ・ホール(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)は危なげなく同タイムフィニッシュし、昨年大会で1秒差の逆転負けリベンジを果たしている。
ステージ結果
1位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 3h07’39” |
2位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | |
3位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
4位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ミゲル・ブライオン(アメリカ、ホロウェスコ・シタデル) | |
6位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | マイケル・ライス(アメリカ、ハーゲンスベルマン・アクセオン) | |
8位 | タイ・マグナー(アメリカ、ラリーサイクリング) | |
9位 | ダニエル・マクレー(イギリス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
10位 | キール・レイネン(アメリカ、トレック・セガフレード) |
個人総合成績
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 25h34’19” |
2位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | +1’25” |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | +2’14” |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | +2’16” |
5位 | タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ) | +2’28” |
6位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | +3’01” |
7位 | ブランドン・マクマルティ(アメリカ、ラリーサイクリング) | +3’28” |
8位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | +3’50” |
9位 | クリスティアン・デュラセク(クロアチア、UAEチームエミレーツ) | +3’59” |
10位 | マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼル) | +4’01” |
ポイント賞
1位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 45pts |
2位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 42pts |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 36pts |
山岳賞
1位 | トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | 34pts |
2位 | エヴァン・ハフマン(アメリカ、ラリーサイクリング) | 33pts |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 26pts |
ヤングライダー賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 25h34’19” |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | +2’14’ |
3位 | タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ) | +2’28” |
チーム総合成績
1位 | チームスカイ | 76h55’41” |
2位 | トレック・セガフレード | +8’18” |
3位 | BMCレーシング | +9’26” |
女子レース第3ステージ結果
1位 | アーレニス・シエラ(キューバ、アスタナ) | 1h37’32” |
2位 | アレクシス・ライアン(キャニオン・スラム) | |
3位 | エマ・ホワイト(アメリカ、ラリーサイクリング) | |
4位 | コリン・リヴェラ(アメリカ、サンウェブ) | |
5位 | アネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ) | |
6位 | スカイラー・シュナイダー(アメリカ、アメリカナショナルチーム) | |
7位 | ジェニファー・ヴァレンテ(アメリカ、ショーエアー2020) | |
8位 | メイシー・スチュワート(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ) | |
9位 | サラ・ベルゲン(カナダ、ラリーサイクリング) | |
10位 | ラウレッタ・ハンソン(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア) | |
50位 | 樫木祥子(チームイルミネイト) |
女子レース個人総合成績
1位 | ケイティ・ホール(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) | 7h51’11” |
2位 | タイラー・ウィレス(アメリカ、トレック・ドロップス) | +29” |
3位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | +1’07” |
4位 | エリカ・マグナルディ(イタリア、ビーピンク) | +1’12” |
5位 | ブロディ・チャップマン(オーストラリア、ティブコSVB) | +1’16” |
6位 | カロリーナ・ロドリゲス(メキシコ、アスタナ) | +1’20” |
7位 | サラ・ポワドゥヴァン(カナダ、ラリーサイクリング) | +1’43” |
8位 | レア・トーマス(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) | +2’24” |
9位 | ジュリエット・ラボウ(フランス、サンウェブ) | +2’28” |
10位 | マルセラ・プリエト(メキシコ、スワピット・アゴリコ) | +2’31” |
text:So.Isobe
photo:CorVos,Amgen Tour of California
photo:CorVos,Amgen Tour of California
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