2010/02/18(木) - 12:50
ヘルメットにデザインという革命をもたらしたイタリアのMETが放つ軽量ヘルメットのインフェルノウルトラライト。価格帯としてはミドルグレードながら、Mサイズ215gという軽量さを達成したレーシングヘルメットをレビュー。
METは、イタリアのヘルメット専業メーカーだ。創業は1987年と、すでに20年以上のノウハウを持つ。90年代前半に、それまでになかったような前衛的なデザインで人気を博し、一躍トップヘルメットブランドとしての地位を確立した。
そんなヒストリーをもつMETは、今日でも優れたデザイン性を誇るヘルメットを製造している。そして、そのデザイン性に、全てのサイクリストが待望する「軽さ」を加えたのが、今回取り上げるインフェルノ・ウルトラライトだ。
”ウルトラライト”の名前が示す通り、カタログ値で215g(Mサイズ)という超軽量ヘルメットのインフェルノウルトラライト。デザインもコンパクトに洗練されており、シンプルながら流れるようなデザインワークは万人に受け入れられそうだ。
注目はフィット感。海外製のヘルメットは欧米人向けに横幅が狭く作られるため、日本人の頭にフィットしにくいという声は多い。METは後頭部からしっかり頭をホールドするロックシステムを誇るため、比較的広くインナー部が作られており、日本人にも高いフィット感をもたらすのがウリだ。
また、大胆ながらスタイリッシュに見えるエアインテークホールはMETのもうひとつのこだわりポイント。暑い季節に快適さと安全さをもたらすベンチレーションの重要さは、リクイガスなど世界のトッププロチームをスポンサードするブランドだからこそのこだわりと言えるだろう。インフェルノウルトラライトでは大小23個のホールがサイクリストの頭をクールに保ってくれる。実際、リクイガスもトップモデルのSINETHESISと、このインフェルノウルトラライトをシチュエーションによって使い分けているようだ。
インプレッション
軽い。被ろうと初めて手に取った時にその軽さに驚かされた。「ウルトラライト」の名称の面目躍如であるが、「インフェルノ」の面目躍如はそのデザイン性にある。灼熱地獄を意味するインフェルノだが、燃え上がる炎を思わせる流れるようなデザインはまさにそのイメージにピッタリ。それでいてコンパクトにまとまっている外観は、被ったときのスマートさを想起させる。
手に持って感じた軽さは、頭に被ればより感じることができる。その軽さは、被っていると言うよりも「乗っかっている」と言った方がしっくりくる感じだ。首への負担も少なく、レース用途だけでなく、ロングライドの時にも大きな味方になってくれるであろうことは容易に想像がつく。
ストラップも凝った作りになっている。2本のストラップを細いプラスチックワイヤーでつなぐことで、ストラップと顔との接触面を少なくするとともに、通気性を確保することに成功している。汗をかいてもベタつき感がなく、爽やかな肌触りだ。
夏場に汗が染み込み、清潔に保つのに難点のあるストラップ部にもこうした細かい配慮がなされるのはヘルメット専業ブランドならでは。リフレクターステッチもあしらわれ、安全性にも大いに寄与するストラップ部だ。
ストラップを締めたら、後頭部のラチェットバンドでヘルメットを頭に固定する。METのお家芸とも言えるこのロックシステムは、一見細く弱そうに見えるが、ラチェットを締めれば納得のホールド感が得られる。包み込むようなホールド感は、激しく顔を左右に振ってもヘルメットがズレることはない。左右後方に絶えず気を配らなくてはならないレースシーンではこのフィット感はアドバンテージになりそうだ。
自転車が進化しているのと同じように、ヘルメットもまた進化している。自転車が軽量さと剛性を両立しているように、インフェルノウルトラライトも、215gという軽量さに、アルティメイトライトという強度のある素材を用いることで高い安全性をも獲得している。
デザイン性と軽量さを兼ね備えたインフェルノウルトラライト。2万円を切る価格帯で手に入るレーシングヘルメットとして充分以上の性能を持つと断言しよう。レーサーでなくても、その軽量さはロングライドに、コンパクトなデザイン性は街乗りに、それぞれおススメできる、マルチユースが可能なヘルメットだ。
METインフェルノ・ウルトラライト
サイズ:M54/57cm、L58/61cm
重量:215g(Mサイズ)
カラー:レッド、ブラック、ホワイト、ブルー
ベンチホール数:23
JCF(財) 日本自転車競技連盟公認
価格:17,000円 (税込)
※掲載した価格(定価:税込18,900円)に誤りがありました。2010年の新価格は定価:17,000(税込)となります。お侘びして訂正いたします(2010年2月28日)
METは、イタリアのヘルメット専業メーカーだ。創業は1987年と、すでに20年以上のノウハウを持つ。90年代前半に、それまでになかったような前衛的なデザインで人気を博し、一躍トップヘルメットブランドとしての地位を確立した。
そんなヒストリーをもつMETは、今日でも優れたデザイン性を誇るヘルメットを製造している。そして、そのデザイン性に、全てのサイクリストが待望する「軽さ」を加えたのが、今回取り上げるインフェルノ・ウルトラライトだ。
”ウルトラライト”の名前が示す通り、カタログ値で215g(Mサイズ)という超軽量ヘルメットのインフェルノウルトラライト。デザインもコンパクトに洗練されており、シンプルながら流れるようなデザインワークは万人に受け入れられそうだ。
注目はフィット感。海外製のヘルメットは欧米人向けに横幅が狭く作られるため、日本人の頭にフィットしにくいという声は多い。METは後頭部からしっかり頭をホールドするロックシステムを誇るため、比較的広くインナー部が作られており、日本人にも高いフィット感をもたらすのがウリだ。
また、大胆ながらスタイリッシュに見えるエアインテークホールはMETのもうひとつのこだわりポイント。暑い季節に快適さと安全さをもたらすベンチレーションの重要さは、リクイガスなど世界のトッププロチームをスポンサードするブランドだからこそのこだわりと言えるだろう。インフェルノウルトラライトでは大小23個のホールがサイクリストの頭をクールに保ってくれる。実際、リクイガスもトップモデルのSINETHESISと、このインフェルノウルトラライトをシチュエーションによって使い分けているようだ。
インプレッション
軽い。被ろうと初めて手に取った時にその軽さに驚かされた。「ウルトラライト」の名称の面目躍如であるが、「インフェルノ」の面目躍如はそのデザイン性にある。灼熱地獄を意味するインフェルノだが、燃え上がる炎を思わせる流れるようなデザインはまさにそのイメージにピッタリ。それでいてコンパクトにまとまっている外観は、被ったときのスマートさを想起させる。
手に持って感じた軽さは、頭に被ればより感じることができる。その軽さは、被っていると言うよりも「乗っかっている」と言った方がしっくりくる感じだ。首への負担も少なく、レース用途だけでなく、ロングライドの時にも大きな味方になってくれるであろうことは容易に想像がつく。
ストラップも凝った作りになっている。2本のストラップを細いプラスチックワイヤーでつなぐことで、ストラップと顔との接触面を少なくするとともに、通気性を確保することに成功している。汗をかいてもベタつき感がなく、爽やかな肌触りだ。
夏場に汗が染み込み、清潔に保つのに難点のあるストラップ部にもこうした細かい配慮がなされるのはヘルメット専業ブランドならでは。リフレクターステッチもあしらわれ、安全性にも大いに寄与するストラップ部だ。
ストラップを締めたら、後頭部のラチェットバンドでヘルメットを頭に固定する。METのお家芸とも言えるこのロックシステムは、一見細く弱そうに見えるが、ラチェットを締めれば納得のホールド感が得られる。包み込むようなホールド感は、激しく顔を左右に振ってもヘルメットがズレることはない。左右後方に絶えず気を配らなくてはならないレースシーンではこのフィット感はアドバンテージになりそうだ。
自転車が進化しているのと同じように、ヘルメットもまた進化している。自転車が軽量さと剛性を両立しているように、インフェルノウルトラライトも、215gという軽量さに、アルティメイトライトという強度のある素材を用いることで高い安全性をも獲得している。
デザイン性と軽量さを兼ね備えたインフェルノウルトラライト。2万円を切る価格帯で手に入るレーシングヘルメットとして充分以上の性能を持つと断言しよう。レーサーでなくても、その軽量さはロングライドに、コンパクトなデザイン性は街乗りに、それぞれおススメできる、マルチユースが可能なヘルメットだ。
METインフェルノ・ウルトラライト
サイズ:M54/57cm、L58/61cm
重量:215g(Mサイズ)
カラー:レッド、ブラック、ホワイト、ブルー
ベンチホール数:23
JCF(財) 日本自転車競技連盟公認
価格:17,000円 (税込)
※掲載した価格(定価:税込18,900円)に誤りがありました。2010年の新価格は定価:17,000(税込)となります。お侘びして訂正いたします(2010年2月28日)