2018/05/15(火) - 13:49
登坂距離12km、平均勾配8%を誇る超級山岳ジブラルタルロードで総合争いが勃発。アタック一発でライバルたちを蹴散らした新鋭エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)がステージ優勝を挙げ、早くも総合リーダーに浮上した。
カリフォルニア州を北上するツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)は、大会2日目にして早くも頂上フィニッシュを迎えた。ヴェンチュラ市街地を出発してからトランスバース山脈の裾野を横移動し、3級山岳を4箇所越えてから最後に超級山岳ジブラルタルロードへと挑む。157km、獲得標高2346mの行程が総合成績を大きくふるいに掛けた。
この日も集団はすぐさま逃げを容認し、自国最大のステージレースでアピールしたいアメリカ籍のプロコンチネンタルチームに所属する3名(国籍は全員アメリカ以外)がエスケープする。ルーベン・コンパニオーニ(キューバ、ホロウェスコ・シタデル)、ジョナサン・クラーク(ニュージーランド、ユナイテッドヘルスケア)、アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)という面々が先を急いだ。
メイン集団ではフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が山岳を得意としないにも関わらず、クイックステップフロアーズはリーダーチームの責務として先頭牽きを続ける。
先頭3名の間では中間ポイントごとに勝負が掛かり、2つのスプリントポイントは両方デヴォスが、4つの山岳ポイントはいずれもコンパニオーニが先着する。合計12点を荒稼ぎしたコンパニオーニはこの日終了時点で山岳ランキング3位に浮上し、ステージ敢闘賞も獲得している。
後半に入るとメイン集団先頭ではクイックステップフロアーズに代わってティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)をエースに据えるBMCレーシングがペースアップを行い、残り12km地点から始まるジブラルタルロードの手前で逃げグループをキャッチ。登りに入るとすぐにガビリアはマイペースに切り替え、メイン集団から遅れていった。
エガン・ベルナル(コロンビア)を従えたチームスカイがハイペースを刻み始めると集団は一気に縮小。ベルナルの最終アシストを担うタオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ)のテンポに、2016年大会総合3位のブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)や、同年のジブラルタルロードフィニッシュで2位に入ったピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)らが相次いで遅れを取ってしまう。すると残り2km地点、ゲオゲガンハートが牽き終わると同時にベルナルがアタックした。
急勾配区間を狙ってパワフルに加速したベルナルにはティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)やアントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ)が追従したが、逆にその差は開いていくばかり。一呼吸置いてから追撃したラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)やアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)も届かず、そのまま失速することなく踏み続けたチームスカイの若き総合エースが20秒以上のリードを保ったまま先着した。
「総合争いの上で今日を重要視していたので、できるだけ厳しいレース展開に持ち込みたかった」とベルナルは言う。「クイックステップフロアーズが集団コントロールを担ってくれたおかげで戦力を温存し、スタナードが麓まで牽引。ルーカサス先頭で登りに入った後はルークが好ポジションまで導き、BMCのハイペースは僕の助けになった。その後はパヴェルとセバスティアン、そしてタオが作戦通りにレースを絞り込み、残り2kmで僕がアタック。今回は100%チームの勝利だ。全ての歯車が噛み合ったよ」。
飛ぶ鳥を落とす勢いのベルナルは、この日の走りで総合成績と共に、ポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞と3つの特別賞を全て独占することに。ラグナセカにフィニッシュするパンチャー向けの第3ステージを挟んで開催される34.7kmの個人TTに対しては「当日になってみないと分からないけれど、多分僕にとっては厳しい一日となる」と語っている。現在ベルナルのリードは2位マイカと25秒、3位イェーツとは31秒差、TTを得意とする8位ヴァンガーデレンとは1分差だ。
カリフォルニア州を北上するツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)は、大会2日目にして早くも頂上フィニッシュを迎えた。ヴェンチュラ市街地を出発してからトランスバース山脈の裾野を横移動し、3級山岳を4箇所越えてから最後に超級山岳ジブラルタルロードへと挑む。157km、獲得標高2346mの行程が総合成績を大きくふるいに掛けた。
この日も集団はすぐさま逃げを容認し、自国最大のステージレースでアピールしたいアメリカ籍のプロコンチネンタルチームに所属する3名(国籍は全員アメリカ以外)がエスケープする。ルーベン・コンパニオーニ(キューバ、ホロウェスコ・シタデル)、ジョナサン・クラーク(ニュージーランド、ユナイテッドヘルスケア)、アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)という面々が先を急いだ。
メイン集団ではフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が山岳を得意としないにも関わらず、クイックステップフロアーズはリーダーチームの責務として先頭牽きを続ける。
先頭3名の間では中間ポイントごとに勝負が掛かり、2つのスプリントポイントは両方デヴォスが、4つの山岳ポイントはいずれもコンパニオーニが先着する。合計12点を荒稼ぎしたコンパニオーニはこの日終了時点で山岳ランキング3位に浮上し、ステージ敢闘賞も獲得している。
後半に入るとメイン集団先頭ではクイックステップフロアーズに代わってティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)をエースに据えるBMCレーシングがペースアップを行い、残り12km地点から始まるジブラルタルロードの手前で逃げグループをキャッチ。登りに入るとすぐにガビリアはマイペースに切り替え、メイン集団から遅れていった。
エガン・ベルナル(コロンビア)を従えたチームスカイがハイペースを刻み始めると集団は一気に縮小。ベルナルの最終アシストを担うタオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ)のテンポに、2016年大会総合3位のブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)や、同年のジブラルタルロードフィニッシュで2位に入ったピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)らが相次いで遅れを取ってしまう。すると残り2km地点、ゲオゲガンハートが牽き終わると同時にベルナルがアタックした。
急勾配区間を狙ってパワフルに加速したベルナルにはティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)やアントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ)が追従したが、逆にその差は開いていくばかり。一呼吸置いてから追撃したラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)やアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)も届かず、そのまま失速することなく踏み続けたチームスカイの若き総合エースが20秒以上のリードを保ったまま先着した。
「総合争いの上で今日を重要視していたので、できるだけ厳しいレース展開に持ち込みたかった」とベルナルは言う。「クイックステップフロアーズが集団コントロールを担ってくれたおかげで戦力を温存し、スタナードが麓まで牽引。ルーカサス先頭で登りに入った後はルークが好ポジションまで導き、BMCのハイペースは僕の助けになった。その後はパヴェルとセバスティアン、そしてタオが作戦通りにレースを絞り込み、残り2kmで僕がアタック。今回は100%チームの勝利だ。全ての歯車が噛み合ったよ」。
飛ぶ鳥を落とす勢いのベルナルは、この日の走りで総合成績と共に、ポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞と3つの特別賞を全て独占することに。ラグナセカにフィニッシュするパンチャー向けの第3ステージを挟んで開催される34.7kmの個人TTに対しては「当日になってみないと分からないけれど、多分僕にとっては厳しい一日となる」と語っている。現在ベルナルのリードは2位マイカと25秒、3位イェーツとは31秒差、TTを得意とする8位ヴァンガーデレンとは1分差だ。
ステージ結果
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 4h14’00” |
2位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | +21” |
3位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | +25” |
4位 | アントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ) | +30” |
5位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
6位 | クリスティアン・デュラセク(クロアチア、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼル) | +40” |
8位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | +50” |
9位 | エドワルド・ラヴァージ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | +59” |
10位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、トレック・セガフレード) | +1’01” |
個人総合成績
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 7h16’13” |
2位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | +25” |
3位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | +31” |
4位 | アントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ) | +40” |
5位 | クリスティアン・デュラセク(クロアチア、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
7位 | マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼル) | +50” |
8位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | +1’00” |
9位 | エドワルド・ラヴァージ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | +1’09” |
10位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、トレック・セガフレード) | +1’11” |
ポイント賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 15pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、チームスカイ) | 15pts |
3位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 12pts |
山岳賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 15pts |
2位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 13pts |
3位 | ルーベン・コンパニオーニ(キューバ、ホロウェスコ・シタデル) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 7h16’13” |
2位 | アントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ) | +40” |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) |
チーム総合成績
1位 | トレック・セガフレード | 21h54’18” |
2位 | BMCレーシング | +1’45” |
3位 | チームスカイ | +2’13” |
Text:So.Isobe
Photo:Amgen Tour of California
Photo:Amgen Tour of California
Amazon.co.jp