2010/02/13(土) - 11:02
ドーハにゴールするツアー・オブ・カタール最終ステージ。激しいスプリントバトルの末、フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)が勝利を掴んだ。最後までリーダージャージを守り抜いたワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ)が第9代目王者に輝いた。
最終日の第6ステージは、ドーハ郊外のアル・ワクラをスタート。80kmかけてドーハに向かい、最後は一周6kmの周回コースを8周する。もちろんコースはド平坦。大会4回目のスプリント勝負に注目が集まった。
序盤から逃げたのはニキ・テルプストラ(オランダ、チームミルラム)、パトリック・グレッチュ(ドイツ、チームHTC・コロンビア)、マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)、ベン・キング(オーストラリア、トレック・リブストロングU23)の4名。
逃げグループは70km地点で3分50秒のリード。しかし最後のスプリント制覇を目指すリクイガス、サーヴェロ・テストチーム、ソール・ソジャサン、サクソバンク、ガーミン・トランジションズが集団のペースアップを図り、タイム差は縮小して行く。
結局逃げグループは最終周回突入後、ゴール4km手前で吸収。ここからエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)擁するチームスカイトレインが発進し、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)も集団牽引に加わった。
ラスト3kmを切るとリクイガスとクイックステップがチームスカイの前へ。ガーミン・トランジションズも対抗して先頭争いに加わったが、ラスト1kmを切るとスプリンターチームの隊列が崩れ、混戦状態の中トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)がラスト200mでスプリントを開始。一気に先頭に立った。
しかしボーネンの勢いは続かず、後方から強烈な加速で追い上げたキッキが先頭へ。ゴールライン寸前でライバルたちを抜き去ったキッキが、片手を挙げてゴールした。
キッキは第4ステージに続くスプリント2勝目。下馬評で最強スプリンターに挙げられていたボーネンと今大会ステージ勝利数で並んだ。ツール・ド・サンルイスでの勝利を合わせると、今シーズン早くも3勝目だ。
「チームメイトたちはこの勝利のために身を捧げてくれた。また彼らの働きに応えることが出来て良かったよ。チームスカイが集団の先頭に立ってペースを上げたとき、後方に下がっていたんだ。でもオス、クインツィアート、ベンナーティのおかげで集団前方に復帰した。オフシーズンのトレーニングが実を結んでいると思う。チームメイトの信頼も、刺激となって良い走りに繋がったよ」。
昨年成績が伸び悩み、チームから事実上の戦力外通告を受けたキッキ。今回の活躍で、ベンナーティと双璧を成すエーススプリンターの座を確実なものにした。リクイガスは同じメンバーで2月14日開幕のツール・ド・オマーンに出場予定だ。
第9代総合優勝者に輝いたのは、第2ステージで逃げ切り勝利を飾り、リーダージャージを最後まで守り抜いたワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ)。ツール・ド・フランス主催者ASOにその存在を大きくアピールした。大会3連覇を狙ったボーネンは総合3位に終わった。
初日のチームタイムトライアルでペナルティーを受け、翌日から果敢な走りを見せていたハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)はポイント賞を獲得。チーム全体に1分のペナルティーが課せられたにもかかわらず、サーヴェロはチーム総合成績トップに輝いている。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはリクイガスの公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2010第6ステージ結果
1位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス) 2h42'49"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
3位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
4位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
5位 ジミー・カスペール(フランス、ソール・ソジャサン)
6位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
8位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
10位 ジョン・マーフィー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
個人総合成績
1位 ワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ) 15h55'17"
2位 ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +35"
3位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +1'45"
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム) +1'59"
5位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +2'05"
6位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ) +2'09"
7位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +2'17"
8位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス) +2'28"
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム) +2'37"
10位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク) +2'40"
ポイント賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
新人賞
ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
チーム総合成績
サーヴェロ・テストチーム
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
最終日の第6ステージは、ドーハ郊外のアル・ワクラをスタート。80kmかけてドーハに向かい、最後は一周6kmの周回コースを8周する。もちろんコースはド平坦。大会4回目のスプリント勝負に注目が集まった。
序盤から逃げたのはニキ・テルプストラ(オランダ、チームミルラム)、パトリック・グレッチュ(ドイツ、チームHTC・コロンビア)、マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)、ベン・キング(オーストラリア、トレック・リブストロングU23)の4名。
逃げグループは70km地点で3分50秒のリード。しかし最後のスプリント制覇を目指すリクイガス、サーヴェロ・テストチーム、ソール・ソジャサン、サクソバンク、ガーミン・トランジションズが集団のペースアップを図り、タイム差は縮小して行く。
結局逃げグループは最終周回突入後、ゴール4km手前で吸収。ここからエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)擁するチームスカイトレインが発進し、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)も集団牽引に加わった。
ラスト3kmを切るとリクイガスとクイックステップがチームスカイの前へ。ガーミン・トランジションズも対抗して先頭争いに加わったが、ラスト1kmを切るとスプリンターチームの隊列が崩れ、混戦状態の中トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)がラスト200mでスプリントを開始。一気に先頭に立った。
しかしボーネンの勢いは続かず、後方から強烈な加速で追い上げたキッキが先頭へ。ゴールライン寸前でライバルたちを抜き去ったキッキが、片手を挙げてゴールした。
キッキは第4ステージに続くスプリント2勝目。下馬評で最強スプリンターに挙げられていたボーネンと今大会ステージ勝利数で並んだ。ツール・ド・サンルイスでの勝利を合わせると、今シーズン早くも3勝目だ。
「チームメイトたちはこの勝利のために身を捧げてくれた。また彼らの働きに応えることが出来て良かったよ。チームスカイが集団の先頭に立ってペースを上げたとき、後方に下がっていたんだ。でもオス、クインツィアート、ベンナーティのおかげで集団前方に復帰した。オフシーズンのトレーニングが実を結んでいると思う。チームメイトの信頼も、刺激となって良い走りに繋がったよ」。
昨年成績が伸び悩み、チームから事実上の戦力外通告を受けたキッキ。今回の活躍で、ベンナーティと双璧を成すエーススプリンターの座を確実なものにした。リクイガスは同じメンバーで2月14日開幕のツール・ド・オマーンに出場予定だ。
第9代総合優勝者に輝いたのは、第2ステージで逃げ切り勝利を飾り、リーダージャージを最後まで守り抜いたワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ)。ツール・ド・フランス主催者ASOにその存在を大きくアピールした。大会3連覇を狙ったボーネンは総合3位に終わった。
初日のチームタイムトライアルでペナルティーを受け、翌日から果敢な走りを見せていたハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)はポイント賞を獲得。チーム全体に1分のペナルティーが課せられたにもかかわらず、サーヴェロはチーム総合成績トップに輝いている。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはリクイガスの公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2010第6ステージ結果
1位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス) 2h42'49"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
3位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
4位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
5位 ジミー・カスペール(フランス、ソール・ソジャサン)
6位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
8位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
10位 ジョン・マーフィー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
個人総合成績
1位 ワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ) 15h55'17"
2位 ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +35"
3位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +1'45"
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム) +1'59"
5位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +2'05"
6位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ) +2'09"
7位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +2'17"
8位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス) +2'28"
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム) +2'37"
10位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク) +2'40"
ポイント賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
新人賞
ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
チーム総合成績
サーヴェロ・テストチーム
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
フォトギャラリー