2018/05/07(月) - 02:28
イスラエル南部のエイラートに向かってネゲヴ砂漠を縦断するジロ・デ・イタリア第3ステージは大集団スプリントに。追い風による超高速走行の末に、マリアチクラミーノを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が2連勝を飾った。
イスラエル3日目の第3ステージは同国南部のベエルシェバをスタート。聖書にも登場する街を発ち、そこからネゲヴ砂漠を貫く一本道をひたすら南下する。登場するカテゴリー山岳は4級山岳だけ。乾いた大地を駆け抜けた選手たちがたどり着くのは、エジプトとヨルダンの国境に近いアカバ湾(紅海)に面したエイラートだ。
ベエルシェバをスタート後すぐ、マリアアッズーラを着るエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)とギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)が2日連続のエスケープを開始。この山岳賞ランキング上位2名に合流したのはマルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)で、メイン集団はすんなりとこの動きを見送った。
最大6分40秒まで広がったタイム差は、前日にマリアローザを手にしたBMCレーシングのコントロール下に置かれた。総合争いにおいて危険な3名とは言えないが、前日に手にしたマリアローザを守るためにタイム差を4〜5分に抑え込む。2つの中間スプリントポイントはいずれもボワヴァンの手に渡っている。この日唯一の4級山岳ファランリバーでは、牽制するバルビンとボワヴァンを振り切ったフラッポルティが先頭通過。ボワヴァンの前で2番手通過したバルビンが山岳賞ランキング首位を守った。
比較的平穏な展開を作ったBMCレーシングに、スプリント狙いのクイックステップフロアーズとウィリエール・トリエスティーナの2チームが手を差し伸べて逃げグループとのタイム差縮小の作業に取り掛かる。起伏に富んだネゲヴ砂漠を抜け、フィニッシュまで50kmを残して早くもタイム差は1分を割り込んだ。
早めの逃げ吸収を嫌ったメイン集団がペースを弱めたため、残り40km地点で再びタイム差は2分20秒まで拡大。フィニッシュ地点エイラートに向かって吹く強い追い風に押されて、先頭3名は60km/hを超えるハイペースで平坦路を逃げ続けた。メイン集団は、スプリンターチームだけでなく総合系チームまで先頭で競り合う展開となり、逃げ3名のさらに上を行く超ハイペースで進行する。
残り20km地点からフィニッシュまでを平均スピード65.2km/hで駆け抜けたプロトン。追い風によるペースアップによってメイン集団からは脱落者が続出し、この日31秒遅れた総合3位ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)はマリアローザ争いから脱落している。
220km以上にわたって逃げたバルビン、ボワヴァン、フラッポルティは残り6km地点で吸収。エイラート市内に入り、連続するラウンドアバウトとコナーを抜け、この日もクイックステップフロアーズを先頭に残り1kmアーチを通過する。ゼネク・スティバル(チェコ)、フロリアン・セネシャル(フランス)、ミケル・モルコフ(デンマーク)がトレインを組んだが、5〜6番手にポジションを下げていたマリアチクラミーノのヴィヴィアーニを完璧な形で発射することはできない。
残り300mの最終コーナーを抜けてモルコフが下がると、まずはサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がスプリントスイッチを点火した。最大出力1594Wで先頭に立ったベネットを追いかける形で、ヴィヴィアーニやサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)が加速していく。
残り100mでスリップストリームを脱し、踏み直したヴィヴィアーニが前を走るベネットをパス。最大出力1443Wで踏み抜いたヴィヴィアーニが、最高スピード64.9km/hのスプリントでモードロとベネットを下した。
スプリント2戦2勝を飾ったヴィヴィアーニ。「昨日のステージ優勝でプレッシャーから解き放たされたものの、最初の2時間はとても調子が悪かった。後半にかけて徐々に調子が戻り、230kmという長いステージで長距離クラシックレースの経験が生きたと思う。パンクでファビオ・サバティーニを欠いた状態だったが、最後はプラン通りに任務を遂行した。笑顔でイタリアに向かうことができるよ」。ウルフパック(狼の群れ)を名乗るクイックステップフロアーズはシーズン勝利数を29まで伸ばしている。
中間スプリントポイントでもしっかりとポイントを稼いだヴィヴィアーニは、ポイント賞2位のモードロに倍以上のポイント差をつけてマリアチクラミーノをキープ。「グランツールの中でジロは一番完走が難しいと言われているけど、今年は最終日がスプリンター向き。走りきって、マリアチクラミーノを獲得するのが目標だ」と語る。イスラエルの平坦ステージを支配したヴィヴィアーニはイタリアへの移動後も主役を担うだろう。
追い風区間で脱落した総合3位カンペナールツを除いて総合成績に変動は起こらず。安全に集団内でフィニッシュしたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がマリアローザを着てイタリアに渡る。選手たちは翌日朝のフライトでシチリア島のカターニア空港に移動する予定だ。
イスラエル3日目の第3ステージは同国南部のベエルシェバをスタート。聖書にも登場する街を発ち、そこからネゲヴ砂漠を貫く一本道をひたすら南下する。登場するカテゴリー山岳は4級山岳だけ。乾いた大地を駆け抜けた選手たちがたどり着くのは、エジプトとヨルダンの国境に近いアカバ湾(紅海)に面したエイラートだ。
ベエルシェバをスタート後すぐ、マリアアッズーラを着るエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)とギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)が2日連続のエスケープを開始。この山岳賞ランキング上位2名に合流したのはマルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)で、メイン集団はすんなりとこの動きを見送った。
最大6分40秒まで広がったタイム差は、前日にマリアローザを手にしたBMCレーシングのコントロール下に置かれた。総合争いにおいて危険な3名とは言えないが、前日に手にしたマリアローザを守るためにタイム差を4〜5分に抑え込む。2つの中間スプリントポイントはいずれもボワヴァンの手に渡っている。この日唯一の4級山岳ファランリバーでは、牽制するバルビンとボワヴァンを振り切ったフラッポルティが先頭通過。ボワヴァンの前で2番手通過したバルビンが山岳賞ランキング首位を守った。
比較的平穏な展開を作ったBMCレーシングに、スプリント狙いのクイックステップフロアーズとウィリエール・トリエスティーナの2チームが手を差し伸べて逃げグループとのタイム差縮小の作業に取り掛かる。起伏に富んだネゲヴ砂漠を抜け、フィニッシュまで50kmを残して早くもタイム差は1分を割り込んだ。
早めの逃げ吸収を嫌ったメイン集団がペースを弱めたため、残り40km地点で再びタイム差は2分20秒まで拡大。フィニッシュ地点エイラートに向かって吹く強い追い風に押されて、先頭3名は60km/hを超えるハイペースで平坦路を逃げ続けた。メイン集団は、スプリンターチームだけでなく総合系チームまで先頭で競り合う展開となり、逃げ3名のさらに上を行く超ハイペースで進行する。
残り20km地点からフィニッシュまでを平均スピード65.2km/hで駆け抜けたプロトン。追い風によるペースアップによってメイン集団からは脱落者が続出し、この日31秒遅れた総合3位ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)はマリアローザ争いから脱落している。
220km以上にわたって逃げたバルビン、ボワヴァン、フラッポルティは残り6km地点で吸収。エイラート市内に入り、連続するラウンドアバウトとコナーを抜け、この日もクイックステップフロアーズを先頭に残り1kmアーチを通過する。ゼネク・スティバル(チェコ)、フロリアン・セネシャル(フランス)、ミケル・モルコフ(デンマーク)がトレインを組んだが、5〜6番手にポジションを下げていたマリアチクラミーノのヴィヴィアーニを完璧な形で発射することはできない。
残り300mの最終コーナーを抜けてモルコフが下がると、まずはサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がスプリントスイッチを点火した。最大出力1594Wで先頭に立ったベネットを追いかける形で、ヴィヴィアーニやサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)が加速していく。
残り100mでスリップストリームを脱し、踏み直したヴィヴィアーニが前を走るベネットをパス。最大出力1443Wで踏み抜いたヴィヴィアーニが、最高スピード64.9km/hのスプリントでモードロとベネットを下した。
スプリント2戦2勝を飾ったヴィヴィアーニ。「昨日のステージ優勝でプレッシャーから解き放たされたものの、最初の2時間はとても調子が悪かった。後半にかけて徐々に調子が戻り、230kmという長いステージで長距離クラシックレースの経験が生きたと思う。パンクでファビオ・サバティーニを欠いた状態だったが、最後はプラン通りに任務を遂行した。笑顔でイタリアに向かうことができるよ」。ウルフパック(狼の群れ)を名乗るクイックステップフロアーズはシーズン勝利数を29まで伸ばしている。
中間スプリントポイントでもしっかりとポイントを稼いだヴィヴィアーニは、ポイント賞2位のモードロに倍以上のポイント差をつけてマリアチクラミーノをキープ。「グランツールの中でジロは一番完走が難しいと言われているけど、今年は最終日がスプリンター向き。走りきって、マリアチクラミーノを獲得するのが目標だ」と語る。イスラエルの平坦ステージを支配したヴィヴィアーニはイタリアへの移動後も主役を担うだろう。
追い風区間で脱落した総合3位カンペナールツを除いて総合成績に変動は起こらず。安全に集団内でフィニッシュしたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がマリアローザを着てイタリアに渡る。選手たちは翌日朝のフライトでシチリア島のカターニア空港に移動する予定だ。
ジロ・デ・イタリア2018第3ステージ結果
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 5:02:09 |
2位 | サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
3位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) | |
5位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ) | |
6位 | イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
7位 | マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
8位 | バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | |
9位 | マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
10位 | ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) | |
116位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:31 |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 9:05:30 |
2位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:01 |
3位 | ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:13 |
4位 | アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:17 |
5位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:00:19 |
6位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:21 |
7位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 0:00:22 |
8位 | トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:28 |
9位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
10位 | カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター) | 0:00:29 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 130pts |
2位 | サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 55pts |
3位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) | 53pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF) | 5pts |
2位 | マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 3pts |
3位 | ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー) | 3pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 9:05:52 |
2位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:08 |
3位 | マッズウルス・シュミット(デンマーク、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:09 |
チーム総合成績
1位 | カチューシャ・アルペシン | 27:17:28 |
2位 | ロット・フィックスオール | 0:00:39 |
3位 | BMCレーシング | 0:00:41 |
text&photo:Kei Tsuji in Eilat, Israel
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