2010/02/12(金) - 10:47
ツアー・オブ・カタール第5ステージは、サクソバンクやリクイガスが集団分裂作戦を実行したが、完全に集団を破壊するには至らず。最後は集団スプリントに持ち込まれ、トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)がステージ2勝目を飾った。
最終日前日の第5ステージは、カタール半島を縦断して半島北端のマディナ・アル・シャマルに至る142km。この日も勝負の鍵を握ったのは風で、コースの進路変更に伴って風向きはコロコロ変わった。
追い風の中、ハイスピードな集団から飛び出したのは、ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)やアダム・ハンセン(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)を含む6名。最初の1時間の平均スピードは49.4km/h。タイム差は76km地点で最大2分30秒をマークした。
やがて、メイン集団ではヴァカンソレイユに代わってサクソバンクなどのビッグチームがスピードアップを開始。ラスト27km地点で逃げを飲み込んだメイン集団は、横風区間のラスト25km地点で分裂してしまう。先頭では強力な14名によるグループが形成された。
先頭グループに入ったのは、総合リーダージャージのワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ)や新人賞ジャージのロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)ら。
積極的に先頭グループを率いたのは世界TTチャンピオンのカンチェラーラ。先頭交代には人数を揃えたリクイガスも加わり、クイックステップやオメガファーマ・ロット、チームスカイがコントロールするメイン集団から30秒のリードを稼ぎ出した。
先頭14名はラスト5km地点で15秒のリード。しかしメイン集団の追撃はかわしきれず、ラスト2kmで吸収されてしまう。諦めないマヌエル・クインツィアート(イタリア、リクイガス)らが最後まで抵抗したが、結局ラスト1kmで集団は一つに戻った。
トレインを組むようなスプリンターチーム不在のまま、カンチェラーラが牽引する形で最終ストレートへ。この日も発射台役のテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)が強烈な加速で飛び出したが、その後ろにハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ)の姿は無く、ボーネンが悠々とボスを抜き去って行く。、ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)の追撃は届かず、ボーネンが片手を挙げてゴールした。
今大会2勝目のボーネンは、ステージ通算勝利数を17まで伸ばした。もちろんこれは歴代最高記録だ。
ボーネンは「また勝ててスーパーハッピーな気分だ。向かい風だったのでタフなゴールスプリントだった。もう総合成績は手遅れだけど、スプリント自体はパワフルで良かったと思う。残りの1ステージも是非穫りたい」とコメント。翌日の最終ステージで3勝目を目指す。
この日リーダージャージのモルは集団内22位でゴールし、総合首位の座を堅守。キャリア最大の成功となる"カタール総合優勝"に王手をかけた。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2010第5ステージ結果
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 3h13'00"
2位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)
5位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
6位 ぺーター・ヴロリヒ(オーストリア、チームミルラム)
7位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)
8位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
9位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、チームHTC・コロンビア)
10位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
個人総合成績
1位 ワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ) 13h12'28"
2位 ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +09"
3位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +1'45"
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム) +1'59"
5位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +2'05"
6位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ) +2'09"
7位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +2'17"
8位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム) +2'37"
9位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス) +2'38"
10位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク) +2'40"
ポイント賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
新人賞
ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
チーム総合成績
トップスポート・フラーンデレン
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
最終日前日の第5ステージは、カタール半島を縦断して半島北端のマディナ・アル・シャマルに至る142km。この日も勝負の鍵を握ったのは風で、コースの進路変更に伴って風向きはコロコロ変わった。
追い風の中、ハイスピードな集団から飛び出したのは、ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)やアダム・ハンセン(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)を含む6名。最初の1時間の平均スピードは49.4km/h。タイム差は76km地点で最大2分30秒をマークした。
やがて、メイン集団ではヴァカンソレイユに代わってサクソバンクなどのビッグチームがスピードアップを開始。ラスト27km地点で逃げを飲み込んだメイン集団は、横風区間のラスト25km地点で分裂してしまう。先頭では強力な14名によるグループが形成された。
先頭グループに入ったのは、総合リーダージャージのワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ)や新人賞ジャージのロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)ら。
積極的に先頭グループを率いたのは世界TTチャンピオンのカンチェラーラ。先頭交代には人数を揃えたリクイガスも加わり、クイックステップやオメガファーマ・ロット、チームスカイがコントロールするメイン集団から30秒のリードを稼ぎ出した。
先頭14名はラスト5km地点で15秒のリード。しかしメイン集団の追撃はかわしきれず、ラスト2kmで吸収されてしまう。諦めないマヌエル・クインツィアート(イタリア、リクイガス)らが最後まで抵抗したが、結局ラスト1kmで集団は一つに戻った。
トレインを組むようなスプリンターチーム不在のまま、カンチェラーラが牽引する形で最終ストレートへ。この日も発射台役のテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)が強烈な加速で飛び出したが、その後ろにハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ)の姿は無く、ボーネンが悠々とボスを抜き去って行く。、ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)の追撃は届かず、ボーネンが片手を挙げてゴールした。
今大会2勝目のボーネンは、ステージ通算勝利数を17まで伸ばした。もちろんこれは歴代最高記録だ。
ボーネンは「また勝ててスーパーハッピーな気分だ。向かい風だったのでタフなゴールスプリントだった。もう総合成績は手遅れだけど、スプリント自体はパワフルで良かったと思う。残りの1ステージも是非穫りたい」とコメント。翌日の最終ステージで3勝目を目指す。
この日リーダージャージのモルは集団内22位でゴールし、総合首位の座を堅守。キャリア最大の成功となる"カタール総合優勝"に王手をかけた。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2010第5ステージ結果
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 3h13'00"
2位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)
5位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
6位 ぺーター・ヴロリヒ(オーストリア、チームミルラム)
7位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)
8位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
9位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、チームHTC・コロンビア)
10位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
個人総合成績
1位 ワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ) 13h12'28"
2位 ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +09"
3位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +1'45"
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム) +1'59"
5位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +2'05"
6位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ) +2'09"
7位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +2'17"
8位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム) +2'37"
9位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス) +2'38"
10位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク) +2'40"
ポイント賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)
新人賞
ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
チーム総合成績
トップスポート・フラーンデレン
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
フォトギャラリー