2018/05/05(土) - 01:40
アルカンシェルからマリアローザに衣替え。イスラエルで開幕したジロ・デ・イタリアの第1ステージ個人TTでトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)がライバルたちを圧倒した。
第101回大会初日はエルサレムの街中を走る9.7kmの個人タイムトライアル。ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地で、「嘆きの壁」「聖墳墓教会」「岩のドーム」などがある旧市街に隣接するイツハクカリフ通りをスタートし、エルサレム西部の新市街地をぐるっと回ってシュロモハメレク通りにフィニッシュする。
主に幹線道路で構成されたコースはコーナーの連続で、さらに高低差40mほどのアップダウンを繰り返す(獲得標高差は約170m)。そのため単純なパワー勝負ではなく、柔軟に勾配に対応する能力、ロードバイクよりもコントロール性の低いTTバイクを上手く捌く能力を選手に問うた。
午前10時半から始まったコース試走で落車したのはクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)やカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)ら。右半身に擦過傷と打撲を負ったフルームはスタートを切ったが、第三頸椎を骨折したシウトソウは開幕前にレースを去っている。
176名の中で前半の42番手スタートを選択したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がまずは揺るぎない暫定トップタイムを叩き出す。平均スピード48.2km/h、最高スピード76.5km/h、平均出力420W(NP440W)で駆け抜けたデニスが2時間以上ホットシートに座り続けることに。
ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)やマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)が中間計測ポイント(5.1km地点)でデニスのタイムを塗り替えるも、向かい風が吹く後半にペースをあげることができずにトップタイム更新ならず。ヨーロッパチャンピオンジャージを着るカンペナールツは1分前にスタートしたマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)をスプリントで抜き去ったが、デニスのタイムには0.04秒届かなかった。
第101回大会初日はエルサレムの街中を走る9.7kmの個人タイムトライアル。ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地で、「嘆きの壁」「聖墳墓教会」「岩のドーム」などがある旧市街に隣接するイツハクカリフ通りをスタートし、エルサレム西部の新市街地をぐるっと回ってシュロモハメレク通りにフィニッシュする。
主に幹線道路で構成されたコースはコーナーの連続で、さらに高低差40mほどのアップダウンを繰り返す(獲得標高差は約170m)。そのため単純なパワー勝負ではなく、柔軟に勾配に対応する能力、ロードバイクよりもコントロール性の低いTTバイクを上手く捌く能力を選手に問うた。
午前10時半から始まったコース試走で落車したのはクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)やカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)ら。右半身に擦過傷と打撲を負ったフルームはスタートを切ったが、第三頸椎を骨折したシウトソウは開幕前にレースを去っている。
176名の中で前半の42番手スタートを選択したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がまずは揺るぎない暫定トップタイムを叩き出す。平均スピード48.2km/h、最高スピード76.5km/h、平均出力420W(NP440W)で駆け抜けたデニスが2時間以上ホットシートに座り続けることに。
ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)やマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)が中間計測ポイント(5.1km地点)でデニスのタイムを塗り替えるも、向かい風が吹く後半にペースをあげることができずにトップタイム更新ならず。ヨーロッパチャンピオンジャージを着るカンペナールツは1分前にスタートしたマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)をスプリントで抜き去ったが、デニスのタイムには0.04秒届かなかった。
第1区間(0〜5.1km地点) | 第2区間(5.1〜9.7km地点) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | トム・デュムラン | 6:17 | 1位 | ローハン・デニス | 5:42 | |
2位 | マキシミリアン・シャフマン | 0:00 | 2位 | ヴィクトール・カンペナールツ | 0:01 | |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ | 0:02 | 3位 | トム・デュムラン | 0:03 | |
4位 | ジョセ・ゴンサルベス | 0:04 | 4位 | ペリョ・ビルバオ | 0:07 | |
5位 | ローハン・デニス | 5位 | ジョセ・ゴンサルベス | 0:09 | ||
6位 | フェリックス・グロスチャートナー | 0:07 | 6位 | トニー・マルティン | 0:10 | |
7位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ | 7位 | アレックス・ドーセット | |||
8位 | サイモン・イェーツ | 8位 | サイモン・イェーツ | 0:14 | ||
9位 | アレックス・ドーセット | 0:08 | 9位 | ヴァレリオ・コンティ | 0:15 | |
10位 | ゲオルク・プライドラー | 0:09 | 10位 | マッズウルス・シュミット | ||
17位 | ペリョ・ビルバオ | 0:13 | 12位 | ティボー・ピノ | 0:16 | |
35位 | クリストファー・フルーム | 0:19 | 16位 | クリストファー・フルーム | 0:21 | |
36位 | ティボー・ピノ | 19位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ | 0:22 | ||
37位 | トニー・マルティン | 21位 | マキシミリアン・シャフマン | 0:23 | ||
38位 | エステバン・チャベス | 42位 | エステバン・チャベス | 0:29 |
最終走者トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)は中間計測ポイント(5.1km地点で)でデニスのタイムを4秒更新。後半に入っても世界チャンピオンのペースは落ちず、フィニッシュに向かう登りを18秒間/平均880Wでもがき切ったデュムランがデニスのトップタイムを2秒更新し、文句なしの走りでステージ優勝に輝いた。
「とてもテクニカルで、コーナリングが得意な自分向きのコースだった。全開でもがいてはリカバリーして、再びもがいてリカバリーの繰り返し。ステージ優勝を飾るとともに、総合で大きなリードを奪うことができてよかったよ」と、ライバルたちから貴重なタイム差を奪ったデュムランは語る。
前年度の優勝者が翌年の開幕ステージで勝利するのは2005年の総合優勝者パオロ・サヴォルデッリ(イタリア)以来の快挙。表彰台でアルカンシェルの上にマリアローザを重ねたデュムランは「調子の良さは感じていたけど、レースは始まってみないと分からない。ジロのためにこの数ヶ月間を捧げてきたので、調整が間違っていなかったことを確認できて良かったよ。でもこのマリアローザを3週間ずっと守ろうとは思っていない。毎日様子を見ながら走りたい」と語っている。
総合ライバルたちの中でタイムロスを最小限に抑えたのはサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)ら。総合でデュムランの最大のライバルになると目されたフルームは、落車の影響かは定かではないが、37秒遅れのステージ21位に沈んでいる。
他にもマリアローザ候補に挙げられるエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)やジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)らは初日からデュムランに50秒前後の遅れを被る結果に。マリアビアンカはステージ8位のシャフマンの手に渡っている。
ジロ・デ・イタリア2018第1ステージ結果
1位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 12:02 |
2位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 00:02 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール) | |
4位 | ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) | 00:12 |
5位 | アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) | 00:16 |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 00:18 |
7位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 00:20 |
8位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 00:21 |
9位 | トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 00:27 |
10位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
11位 | カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター) | 00:28 |
16位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 00:33 |
21位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 00:37 |
40位 | エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) | 00:46 |
43位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 00:49 |
47位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 00:50 |
61位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 00:56 |
76位 | マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 01:02 |
94位 | ルイス・メインチェス(南アフリカ、ディメンションデータ) | 01:08 |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 12:02 |
2位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 00:02 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール) | |
4位 | ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) | 00:12 |
5位 | アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) | 00:16 |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 00:18 |
7位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 00:20 |
8位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 00:21 |
9位 | トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 00:27 |
10位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 15pts |
2位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 12pts |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール) | 9pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 12:23 |
2位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 00:08 |
3位 | マッズウルス・シュミット(デンマーク、カチューシャ・アルペシン) | 00:09 |
チーム総合成績
1位 | カチューシャ・アルペシン | 37:01 |
2位 | サンウェブ | 00:33 |
3位 | ロット・フィックスオール | 00:39 |
text&photo:Kei Tsuji in Jerusalem, Israel
Amazon.co.jp