2018/04/28(土) - 10:13
標高差785mの山岳個人タイムトライアルで、1ヶ月前に鎖骨と肩甲骨を骨折した21歳エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)が最速タイムをマーク。2位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)が首位を守った。
ツール・ド・ロマンディ第3ステージは、UCI(国際自転車競技連盟)の本拠地が置かれているエーグルに近い山岳地帯を走る全長9.9kmの個人タイムトライアル。その標高差は785mで、スタートからフィニッシュまで淡々と8%前後の勾配が続く。登坂力がタイムに直結するコースで、ヤングライダー賞ジャージを着るエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)がベテラン勢を駆逐した。
スピード域が低いため、どの選手もTTバイクではなくノーマルバイクでの出走。総合19位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)がマークした25分58秒のトップタイムを総合10位リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が30秒更新する。しかし総合7位ベルナルはさらにその上を行った。
平均スピード23.6km/hで駆け抜け、ポートを18秒上回る25分10秒のトップタイムをマークしたベルナルがステージ優勝。最終走者のログリッチェも好走したが、ベルナルのタイムには4秒届かなかった。ベルナルのVAM(平均登坂速度)は1,871m。もちろんコース全長や標高、勾配が異なるため単純比較はできないが、VAM1,871mといえば標高差1,260mの乗鞍(長野側)を40分24秒、標高差659mのヤビツ峠を21分8秒で登るスピードだ。
若手の登竜門として知られるツール・ド・ラヴニールで総合優勝し、鳴り物入りで今年チームスカイ入りした21歳のベルナル。コロンビア中部、標高2,650mのシパキラ出身で、身長174cmで体重60kgというクライマーらしいフィジカルをもつ。シーズン開幕戦のサントス・ツアー・ダウンアンダーで総合6位に入ってヤングライダー賞を獲得すると、コロンビア選手権タイムトライアルで優勝。そしてキンタナやウランも出場した2月のコロンビア・オロ・イ・パスで総合優勝を飾った。
ベルナルは3月のボルタ・ア・カタルーニャでも総合争いに絡んでいたが、総合2位で迎えた最終ステージで落車して鎖骨と肩甲骨を骨折してしまう。3月25日の骨折以降、数週間ローラー台で地道にトレーニングを継続し、骨折からわずか1ヶ月でUCIワールドツアーレース初勝利を果たした。
チームカーのハンドルを握ってベルナルに伴走したチームスカイのダリオ・チオーニ監督は「今日、エガンは才能の高さを証明した。残り3kmから少し勾配が増すことがわかっていたのでペース配分に気をつけた。前半に出し切って後半に失速することを避けたかったんだ。実際に多くの選手が前半に追い込みすぎて失速していた。総合リードを奪えなかったことは残念だが、総合優勝には手が届くと確信している。クライスヴァイクを味方につけるログリッチェは強力であり、明日は興味深い戦いになりそうだ」と語る。第3ステージを終えてログリッチェが総合首位を守り、ベルナルが6秒差の総合2位、ポートが27秒差の総合3位で続く。
呼吸器系の疾患から復活し、ステージ3位に入ったポートは「残り2kmまでは快調だったものの、最後は失速してしまった。悪くない結果で走りきったことに満足している。アンディ・リースの死去でチームのモチベーションは高く、良い形でこのロマンディを終えたい」と語っている。
翌日はカテゴリー山岳が5つ(1級、1級、2級、2級、1級)設定された獲得標高差3,584mのクイーンステージ。残り28km地点で最後の1級山岳レ・コロン(全長13.1km/平均6.5%)をクリアし、そこからダイナミックに谷底まで下ってフィニッシュを迎える。最終日はスプリンター向きの平坦ステージのため、この第4ステージで総合成績が事実上決まる。
この日は体調不良のマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)がスタートせず、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)やフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)ら10名がタイムリミット内にフィニッシュできなかったため完走ならず。117名にサイズダウンした集団が残る2ステージを走る。
ツール・ド・ロマンディ第3ステージは、UCI(国際自転車競技連盟)の本拠地が置かれているエーグルに近い山岳地帯を走る全長9.9kmの個人タイムトライアル。その標高差は785mで、スタートからフィニッシュまで淡々と8%前後の勾配が続く。登坂力がタイムに直結するコースで、ヤングライダー賞ジャージを着るエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)がベテラン勢を駆逐した。
スピード域が低いため、どの選手もTTバイクではなくノーマルバイクでの出走。総合19位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)がマークした25分58秒のトップタイムを総合10位リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が30秒更新する。しかし総合7位ベルナルはさらにその上を行った。
平均スピード23.6km/hで駆け抜け、ポートを18秒上回る25分10秒のトップタイムをマークしたベルナルがステージ優勝。最終走者のログリッチェも好走したが、ベルナルのタイムには4秒届かなかった。ベルナルのVAM(平均登坂速度)は1,871m。もちろんコース全長や標高、勾配が異なるため単純比較はできないが、VAM1,871mといえば標高差1,260mの乗鞍(長野側)を40分24秒、標高差659mのヤビツ峠を21分8秒で登るスピードだ。
若手の登竜門として知られるツール・ド・ラヴニールで総合優勝し、鳴り物入りで今年チームスカイ入りした21歳のベルナル。コロンビア中部、標高2,650mのシパキラ出身で、身長174cmで体重60kgというクライマーらしいフィジカルをもつ。シーズン開幕戦のサントス・ツアー・ダウンアンダーで総合6位に入ってヤングライダー賞を獲得すると、コロンビア選手権タイムトライアルで優勝。そしてキンタナやウランも出場した2月のコロンビア・オロ・イ・パスで総合優勝を飾った。
ベルナルは3月のボルタ・ア・カタルーニャでも総合争いに絡んでいたが、総合2位で迎えた最終ステージで落車して鎖骨と肩甲骨を骨折してしまう。3月25日の骨折以降、数週間ローラー台で地道にトレーニングを継続し、骨折からわずか1ヶ月でUCIワールドツアーレース初勝利を果たした。
チームカーのハンドルを握ってベルナルに伴走したチームスカイのダリオ・チオーニ監督は「今日、エガンは才能の高さを証明した。残り3kmから少し勾配が増すことがわかっていたのでペース配分に気をつけた。前半に出し切って後半に失速することを避けたかったんだ。実際に多くの選手が前半に追い込みすぎて失速していた。総合リードを奪えなかったことは残念だが、総合優勝には手が届くと確信している。クライスヴァイクを味方につけるログリッチェは強力であり、明日は興味深い戦いになりそうだ」と語る。第3ステージを終えてログリッチェが総合首位を守り、ベルナルが6秒差の総合2位、ポートが27秒差の総合3位で続く。
呼吸器系の疾患から復活し、ステージ3位に入ったポートは「残り2kmまでは快調だったものの、最後は失速してしまった。悪くない結果で走りきったことに満足している。アンディ・リースの死去でチームのモチベーションは高く、良い形でこのロマンディを終えたい」と語っている。
翌日はカテゴリー山岳が5つ(1級、1級、2級、2級、1級)設定された獲得標高差3,584mのクイーンステージ。残り28km地点で最後の1級山岳レ・コロン(全長13.1km/平均6.5%)をクリアし、そこからダイナミックに谷底まで下ってフィニッシュを迎える。最終日はスプリンター向きの平坦ステージのため、この第4ステージで総合成績が事実上決まる。
この日は体調不良のマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)がスタートせず、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)やフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)ら10名がタイムリミット内にフィニッシュできなかったため完走ならず。117名にサイズダウンした集団が残る2ステージを走る。
ツール・ド・ロマンディ2018第3ステージ
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:25:10 |
2位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 0:00:04 |
3位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:00:18 |
4位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:00:48 |
5位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:01:06 |
6位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:01:21 |
7位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:01:26 |
8位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:01:28 |
9位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01:30 |
10位 | シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:43 |
113位 | 別府史之(日本、トレック・セガフレード) | 0:07:00 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 8:39:39 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:00:06 |
3位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:00:27 |
4位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:01:02 |
5位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:01:17 |
6位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:01:22 |
7位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | |
8位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:01:42 |
9位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:01:55 |
ポイント賞
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 82pts |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 60pts |
3位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 60pts |
山岳賞
1位 | マルコ・ミナールト(オランダ、ワンティ・グループゴベール) | 30pts |
2位 | アントワーヌ・デュシェーヌ(カナダ、グルパマFDJ) | 17pts |
3位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 13pts |
ヤングライダー賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 8:39:45 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 0:01:58 |
3位 | ロブ・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:02:26 |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 26:02:49 |
2位 | チームスカイ | 0:00:34 |
3位 | UAEチームエミレーツ | 0:01:41 |
text:Kei Tsuji
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