2010/02/09(火) - 09:31
関西シクロクロスの2009〜2010年シーズンも遂に最終戦を迎えた。堺みなとグリーン広場で開催された第10戦には過去最高の470名が出場。C1は前日にベルギーから帰国したばかりの辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)が制した。
全10戦で行なわれた関西シクロクロスもいよいよ千秋楽。大阪からのアクセスの良さも手伝い、最終戦には全カテゴリー合わせて470名がエントリーした。会場に駆けつけた観客の数もおそらく今シーズン最多だ。
初登場の堺みなとグリーン広場は、堺泉北臨海工業地帯の広大な埋め立て地の一部を利用したフラットなレイアウト。大きな起伏の無い長方形の広場を最大限駆使し、バラエティー豊かな3.1kmのコースが作られた。
コースの大部分は芝生で、前日にスタッフがスコップで掘り起こした砂セクションが数カ所登場。松林の間を縫うテクニカルなセクションに加え、低い障害物が5m間隔で8本連なる「福田ステップ」、いつもより高めのシケインが設定されている。
最高カテゴリーのC1には、全日本選手権やUCIレースと見間違うほどの豪華なメンバーが出場した。注目はやはり、シクロクロス世界選手権から帰国したばかりの辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)、竹之内悠(チームユーラシア・ムセウバイクス)、小坂光(宇都宮ブリッツェン)の3名だ。
京都出身の辻善光(宇都宮ブリッツェン)は新チームのジャージで初登場。地元堺のシマノレーシングからは野寺秀徳、畑中勇介、村上純平の3名が出場した。
第9戦を終えた時点で、シリーズの総合ポイントリーダーは入江克典(シマノドリンキング)。24ポイント差で前年度のシリーズ覇者竹之内が追っていた。仮にこの日竹之内が優勝(28ポイント)し、入江が10位以下(3ポイント)に沈むと総合リーダーは入れ替わる。最終戦だけにポイント争いにも注目が集まった。
レースはスタートダッシュで竹之内と小坂の「世界選U23コンビ」が飛び出し、入江や辻浦が追う展開。1周回が終了した時点で辻浦が先頭の2名に追いつき、世界選手権帰国組の3名がパックを形成して後続を引き離した。
先頭3名を追ったのは、畑中勇介と野寺秀徳のシマノトレイン。福田ステップとシケインをバイク乗車で乗り越える野寺のパフォーマンスに会場は大盛り上がり。やがて畑中が後退し、代わって入江が野寺に合流した。
その後方では池本真也(和光機器タムラクラブ)が単独で追走。年齢制限の関係で40分でレースが終了する16歳の沢田時(ENDRESS/ProRide)は、8番手の伊澤優大(岩井商会レーシング)と並走した。
竹之内、辻浦、小坂の先頭3名はハイペースを維持したまま終盤に突入。ラスト2周でまず竹之内がペースを上げると、辻浦が追いついて小坂が脱落。竹之内と辻浦は競り合いながら最終周回に突入した。
肩をぶつけ合い、時折コースアウトしながら一進一退の攻防を繰り広げる全日本チャンピオンとU23全日本チャンピオン。付かず離れずのデッドヒートの末、最終ストレートで先行した辻浦が1秒差で勝利を収めた。
「最後は(竹之内と)互いに熱くなりすぎて、表彰式前も反省会を開いたほど。最終周回は2人ともとにかく前で走りたい一心で、普段に無い闘争心むき出しの走りになった」と、辻浦は竹之内とのデッドヒートを振り返る。
辻浦は前日午後2時にベルギーから帰国し、成田空港から10時間かけてクルマで堺に移動。かなりの強行スケジュールで出場した辻浦は「ピンズ販売による寄付(※)をいただき、ファンの皆様に良い走りを見せたくて、帰国直後でも出場したかった」とコメント。長時間の移動による疲れや時差ボケの影響をはねのける走りでレースを沸かせた。
※関西シクロクロスでは世界選応援ピンズを売り出し、売上金の約10万円を代表選手団にカンパした。
入江はシマノレーシングの野寺と畑中の2人を置き去りにして4位でフィニッシュし、総合ポイントリーダーの座を死守。入江が11年ぶりのチャンピオンに輝いた。
CL1にもシクロクロス世界選手権から帰国したばかりの福本千佳(ReadyGoJAPAN大阪履正社)が出場。好調ぶりを発揮し、後続を大きく引き離す走りで圧勝した。同時スタートのC2は松村孝一(チーム泥んこプロレス)が鳥居新也(team speed)との接戦を制して優勝。CM1は前川圭助(White Jack)が勝利を収めた。
これにて関西シクロクロス2009〜2010年シーズンは終了。最後は恒例の集合写真と、MCを務めたDJがらぱさんによる「まったらいね〜ん!!」の掛け声で締められた。
レースの模様はフォトギャラリーで。今シーズンの関西シクロクロスの模様はバックナンバーをご覧下さい。
関西シクロクロス2009-2010第10戦堺みなとグリーン広場結果
C1
1位 辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) 1h00'45"
2位 竹之内悠(チームユーラシア・ムセウバイクス) +01"
3位 小坂光(宇都宮ブリッツェン) +30"
4位 入江克典(シマノドリンキング) +2'10"
5位 野寺秀徳(シマノレーシング) +2'12"
6位 畑中勇介(シマノレーシング) +3'10"
7位 池本真也(和光機器タムラクラブ) +3'22"
8位 伊澤優大(岩井商会レーシング) +3'39"
9位 門田基志(TEAM GIANT) +3'59"
10位 村上純平(シマノレーシング) +4'28"
C2
1位 松村孝一(チーム泥んこプロレス) 41'42"
2位 鳥居新也(team speed) +04"
3位 中川隆司(つうばいつうR) +11"
4位 皿屋豊(masahikomifune.com) +21"
5位 森圭司(つうばいつうR) +27"
CL1
1位 福本千佳(ReadyGoJAPAN大阪履正社) 35'26"
2位 星川恵利奈(コムレイド・ジャイアント) +1'36"
3位 中道のぞみ(Salata bianca kobe) +2'49"
4位 西尾美子(焼鳥・山鳥R) +5'24"
5位 重兼みゆき(焼鳥・山鳥R) +6'22"
6位 三井由香(ベロチスタ・パールイズミ・スギノ) +9'42"
CM1
1位 前川圭助(White Jack) 43'13"
2位 橋本伸之(クラブシルベスト) +01"
3位 巳波一郎(Euro-Works) +13"
4位 佐野光宏(ストラーダR) +18"
5位 ヴィンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com) +19"
C3A
1位 松本祐典(アキジュニアファクトリー) 25'16"
2位 阪田晋司(W.P.KYOTO) +03"
3位 南谷晃律(masahikomifune.com) +14"
C3B
1位 松本真介(まほロバRC) 25'45"
2位 荒金智文(シマノドリンキング) +11"
3位 塩貝哲夫(ナカガワA.S.K'デザイン) +17"
関西シクロクロス2009-2010総合成績
C1
1位 入江克典(シマノドリンキング) 152pts
2位 竹之内悠(チームユーラシア・ムセウバイクス) 136pts
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム) 104pts
4位 伊澤優大(岩井商会レーシング) 74pts
5位 永良大誠(グランデパール播磨) 69pts
CL1
1位 中道のぞみ(Salata bianca kobe) 147pts
2位 福本千佳(ReadyGoJAPAN大阪履正社) 142pts
3位 三井由香(ベロチスタ・パールイズミ・スギノ) 92pts
4位 中村真清 91pts
5位 森田正美(チームブリヂストン・アンカー) 84pts
CM1
1位 岩本雅秀(チーム泥んこプロレス) 186pts
2位 佐野光宏(ストラーダR) 158pts
3位 伊藤美智也(ベルハン・泥んこプロレス) 94pts
4位 前川圭助(White Jack) 72pts
5位 ヴィンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com) 72pts
text:Kei Tsuji
photo:Hideaki Takagi, Kei Tsuji
全10戦で行なわれた関西シクロクロスもいよいよ千秋楽。大阪からのアクセスの良さも手伝い、最終戦には全カテゴリー合わせて470名がエントリーした。会場に駆けつけた観客の数もおそらく今シーズン最多だ。
初登場の堺みなとグリーン広場は、堺泉北臨海工業地帯の広大な埋め立て地の一部を利用したフラットなレイアウト。大きな起伏の無い長方形の広場を最大限駆使し、バラエティー豊かな3.1kmのコースが作られた。
コースの大部分は芝生で、前日にスタッフがスコップで掘り起こした砂セクションが数カ所登場。松林の間を縫うテクニカルなセクションに加え、低い障害物が5m間隔で8本連なる「福田ステップ」、いつもより高めのシケインが設定されている。
最高カテゴリーのC1には、全日本選手権やUCIレースと見間違うほどの豪華なメンバーが出場した。注目はやはり、シクロクロス世界選手権から帰国したばかりの辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)、竹之内悠(チームユーラシア・ムセウバイクス)、小坂光(宇都宮ブリッツェン)の3名だ。
京都出身の辻善光(宇都宮ブリッツェン)は新チームのジャージで初登場。地元堺のシマノレーシングからは野寺秀徳、畑中勇介、村上純平の3名が出場した。
第9戦を終えた時点で、シリーズの総合ポイントリーダーは入江克典(シマノドリンキング)。24ポイント差で前年度のシリーズ覇者竹之内が追っていた。仮にこの日竹之内が優勝(28ポイント)し、入江が10位以下(3ポイント)に沈むと総合リーダーは入れ替わる。最終戦だけにポイント争いにも注目が集まった。
レースはスタートダッシュで竹之内と小坂の「世界選U23コンビ」が飛び出し、入江や辻浦が追う展開。1周回が終了した時点で辻浦が先頭の2名に追いつき、世界選手権帰国組の3名がパックを形成して後続を引き離した。
先頭3名を追ったのは、畑中勇介と野寺秀徳のシマノトレイン。福田ステップとシケインをバイク乗車で乗り越える野寺のパフォーマンスに会場は大盛り上がり。やがて畑中が後退し、代わって入江が野寺に合流した。
その後方では池本真也(和光機器タムラクラブ)が単独で追走。年齢制限の関係で40分でレースが終了する16歳の沢田時(ENDRESS/ProRide)は、8番手の伊澤優大(岩井商会レーシング)と並走した。
竹之内、辻浦、小坂の先頭3名はハイペースを維持したまま終盤に突入。ラスト2周でまず竹之内がペースを上げると、辻浦が追いついて小坂が脱落。竹之内と辻浦は競り合いながら最終周回に突入した。
肩をぶつけ合い、時折コースアウトしながら一進一退の攻防を繰り広げる全日本チャンピオンとU23全日本チャンピオン。付かず離れずのデッドヒートの末、最終ストレートで先行した辻浦が1秒差で勝利を収めた。
「最後は(竹之内と)互いに熱くなりすぎて、表彰式前も反省会を開いたほど。最終周回は2人ともとにかく前で走りたい一心で、普段に無い闘争心むき出しの走りになった」と、辻浦は竹之内とのデッドヒートを振り返る。
辻浦は前日午後2時にベルギーから帰国し、成田空港から10時間かけてクルマで堺に移動。かなりの強行スケジュールで出場した辻浦は「ピンズ販売による寄付(※)をいただき、ファンの皆様に良い走りを見せたくて、帰国直後でも出場したかった」とコメント。長時間の移動による疲れや時差ボケの影響をはねのける走りでレースを沸かせた。
※関西シクロクロスでは世界選応援ピンズを売り出し、売上金の約10万円を代表選手団にカンパした。
入江はシマノレーシングの野寺と畑中の2人を置き去りにして4位でフィニッシュし、総合ポイントリーダーの座を死守。入江が11年ぶりのチャンピオンに輝いた。
CL1にもシクロクロス世界選手権から帰国したばかりの福本千佳(ReadyGoJAPAN大阪履正社)が出場。好調ぶりを発揮し、後続を大きく引き離す走りで圧勝した。同時スタートのC2は松村孝一(チーム泥んこプロレス)が鳥居新也(team speed)との接戦を制して優勝。CM1は前川圭助(White Jack)が勝利を収めた。
これにて関西シクロクロス2009〜2010年シーズンは終了。最後は恒例の集合写真と、MCを務めたDJがらぱさんによる「まったらいね〜ん!!」の掛け声で締められた。
レースの模様はフォトギャラリーで。今シーズンの関西シクロクロスの模様はバックナンバーをご覧下さい。
関西シクロクロス2009-2010第10戦堺みなとグリーン広場結果
C1
1位 辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) 1h00'45"
2位 竹之内悠(チームユーラシア・ムセウバイクス) +01"
3位 小坂光(宇都宮ブリッツェン) +30"
4位 入江克典(シマノドリンキング) +2'10"
5位 野寺秀徳(シマノレーシング) +2'12"
6位 畑中勇介(シマノレーシング) +3'10"
7位 池本真也(和光機器タムラクラブ) +3'22"
8位 伊澤優大(岩井商会レーシング) +3'39"
9位 門田基志(TEAM GIANT) +3'59"
10位 村上純平(シマノレーシング) +4'28"
C2
1位 松村孝一(チーム泥んこプロレス) 41'42"
2位 鳥居新也(team speed) +04"
3位 中川隆司(つうばいつうR) +11"
4位 皿屋豊(masahikomifune.com) +21"
5位 森圭司(つうばいつうR) +27"
CL1
1位 福本千佳(ReadyGoJAPAN大阪履正社) 35'26"
2位 星川恵利奈(コムレイド・ジャイアント) +1'36"
3位 中道のぞみ(Salata bianca kobe) +2'49"
4位 西尾美子(焼鳥・山鳥R) +5'24"
5位 重兼みゆき(焼鳥・山鳥R) +6'22"
6位 三井由香(ベロチスタ・パールイズミ・スギノ) +9'42"
CM1
1位 前川圭助(White Jack) 43'13"
2位 橋本伸之(クラブシルベスト) +01"
3位 巳波一郎(Euro-Works) +13"
4位 佐野光宏(ストラーダR) +18"
5位 ヴィンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com) +19"
C3A
1位 松本祐典(アキジュニアファクトリー) 25'16"
2位 阪田晋司(W.P.KYOTO) +03"
3位 南谷晃律(masahikomifune.com) +14"
C3B
1位 松本真介(まほロバRC) 25'45"
2位 荒金智文(シマノドリンキング) +11"
3位 塩貝哲夫(ナカガワA.S.K'デザイン) +17"
関西シクロクロス2009-2010総合成績
C1
1位 入江克典(シマノドリンキング) 152pts
2位 竹之内悠(チームユーラシア・ムセウバイクス) 136pts
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム) 104pts
4位 伊澤優大(岩井商会レーシング) 74pts
5位 永良大誠(グランデパール播磨) 69pts
CL1
1位 中道のぞみ(Salata bianca kobe) 147pts
2位 福本千佳(ReadyGoJAPAN大阪履正社) 142pts
3位 三井由香(ベロチスタ・パールイズミ・スギノ) 92pts
4位 中村真清 91pts
5位 森田正美(チームブリヂストン・アンカー) 84pts
CM1
1位 岩本雅秀(チーム泥んこプロレス) 186pts
2位 佐野光宏(ストラーダR) 158pts
3位 伊藤美智也(ベルハン・泥んこプロレス) 94pts
4位 前川圭助(White Jack) 72pts
5位 ヴィンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com) 72pts
text:Kei Tsuji
photo:Hideaki Takagi, Kei Tsuji
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