2018/04/23(月) - 15:56
男子レースと同時開催されたリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ女子レースで、今期波に乗るアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)が2年連続のフレーシュ・リエージュ連覇。與那嶺恵理(日本、ウィグル・ハイファイブ)は35位、萩原麻由子(日本、アレ・チポッリーニ)は73位でアルデンヌ最終戦を終えている。
男子レースと同時開催されたリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ女子レースのコースは、4日前のフレーシュ・ワロンヌよりも20km弱長い136km。レース名とは違いバストーニュからスタートする片道レースだが、終盤には「コート・ド・ラ・ルドゥット(平均8.9%)」や「ラ・ロッシュ・オ・フォーコン(平均9.3%)」、「コート・ド・サンニコラ(平均8.6%)」と言った名物登坂が続くのは男子レース同様。ノコギリ歯のようなアップダウンコースでは、この日も激しい勝負が繰り広げられた。
2回目の開催となるリエージュ女子レースには、全日本王者の與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)と萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)が2年連続出場。ロンド・ファン・フラーンデレンやフレーシュ女子レースで勝利し絶好調のアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)ら強豪勢と共にスタートを切った。
メイン集団が動いたのは「PHIL」ペイントでおなじみの「コート・ド・ラ・ルドゥット(全長2.0km/平均8.9%)」だった。チームメイトのペースアップからポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオン・スラム)が独走に持ち込んだが、次なる「コート・ド・ラ・ロッシュ・オ・フォーコン(全長1.3km/平均11%)」で吸収される。
エースのエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)が途中リタイアしたことで自身の成績を狙った與那嶺恵理は、登りに入る前の落車で減速を強いられ、ブールスドルマンスによってペースアップする集団に追いつけず後続集団へ。この瞬間を與那嶺は「私はギリギリでメイン集団へ合流できず、しばらく宙ぶらりんで前を追うのですが、後続集団に吸収。かなり脚を使ってしまったようです」と振り返っている。
登りではアシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)がアタックし、アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)とアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)のみが追従し、4名が先を急いだ。
エースが揃った先頭グループだったが、必死に追走する後続グループが残り18km地点でキャッチ。すると再びスプラットがアタックし、単独逃げに持ち込んだ。
1月のサントス・ウィメンズツアーを制したスプラットは1分差を得て最後の「コート・ド・サンニコラ(全長1.2km/平均8.6%)」を登りきったが、その先で他の追走メンバーを千切ったファンデルブレッヘンの合流を許してしまう。絶好調を維持しているファンデルブレッヘンはフィニッシュ地点アンスに向かう5%前後の上り坂でスプラットを置き去りにし、独走でフィニッシュラインに到達。2年連続となるフレーシュとリエージュ連続勝利を飾った。
リオ五輪ロードレース金メダリストのファンデルブレッヘンにとってはUCIウィメンズワールドツアーレース4勝目。合計ポイントで争われるワールドツアーランキングのリードを更に広げる結果となった。
激しい登坂勝負の末に與那嶺は2分半遅れの35位、萩原は6分半遅れの73位でレースを終えている。以下に今シーズンのレース走行距離で世界5位となっている與那嶺によるレポートを紹介する。なお與那嶺は今週金曜日から地元クラブチームのメンバーとしてUCI1カテゴリーのステージレースに出場し、自由に動ける立場からUCIポイントを狙っていくという。
「アルデンヌクラシックが終わりました。リエージュのコースは登りと下りしか無い、とても厳しいもの。フレーシュが水曜日、そして女性の日が翌日の木曜日。身体のむくみと、ダルさと重さを感じながらのレース。体重が心配で、弱気になることもありましたが、武井コーチが見たコンディションデータはおおむね順調でした。
チームの作戦は最終局面までエリサの隣りにいること。スタート後からプロトンは活発に動き続け、高速での展開。身体の重さを感じ、ちょっとヤバいなあと感じながらレースを進めました。逃げは出来るのですが、プロトンは容認せず1分未満のタイムギャップで、目視が出来る範囲でレースは進みました。
エースのエリサは色々あり、50km付近でリタイアをしたようでかなり心配しました。そこから自分のための走りに切り替え、力をセーブしながらレースを進めます。
100kmを過ぎ、ここから厳しい登りが連続する終盤へ。ラ・ルドゥットではメイン集団前方でレースを進めることが出来ましたがボトルを受け取った後、頂上付近で一度中切れ、そこから下りを利用して先頭へ復帰。路面状況も悪く、落車も多く、プロトン内の位置取りもかなり気を使います。
116km過ぎのロッシュ・オ・フォーコン直前の下りではボーエルが前方を固める中、私も気配を察知して前方20名前後で下りに入ることが出来たのですが、真横で嫌な予感通り、落車があり、一瞬減速してしまいました。
その直後の細い平坦の道でもボーエルが全力で展開し、私はギリギリそれにつけず、しばらく宙ぶらりんで前を追うのですが、追いつけず後続集団に吸収。かなり脚を使ってしまったようです。
ロッシュ・オ・フォーコンを追走集団で耐え、サンニコラを登る頃には脚がもうパンパン。追走集団も基本的には力尽きた選手たちが多く、ペースも上がりきりません。ゴールに向かう、アヌスへの長い上りではもう一歩前に乗れず、第2集団でレースを終え悔しい35位となりました。
あと一歩、もう一歩です。今、私がレースで展開をしているセカンドプロトンの先頭がワールドツアーの着順ですと大体10位から19位ぐらい。今シーズン中には、仕事をしたあとでもコンスタントにここに食い込める武器を早く身に着けないと。チームの状況について色々と感じることはありますが、まずはこの厳しいアルデンヌ週間。落車なく、怪我なく、無事これ名馬で終えられたことに感謝します」
男子レースと同時開催されたリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ女子レースのコースは、4日前のフレーシュ・ワロンヌよりも20km弱長い136km。レース名とは違いバストーニュからスタートする片道レースだが、終盤には「コート・ド・ラ・ルドゥット(平均8.9%)」や「ラ・ロッシュ・オ・フォーコン(平均9.3%)」、「コート・ド・サンニコラ(平均8.6%)」と言った名物登坂が続くのは男子レース同様。ノコギリ歯のようなアップダウンコースでは、この日も激しい勝負が繰り広げられた。
2回目の開催となるリエージュ女子レースには、全日本王者の與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)と萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)が2年連続出場。ロンド・ファン・フラーンデレンやフレーシュ女子レースで勝利し絶好調のアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)ら強豪勢と共にスタートを切った。
メイン集団が動いたのは「PHIL」ペイントでおなじみの「コート・ド・ラ・ルドゥット(全長2.0km/平均8.9%)」だった。チームメイトのペースアップからポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオン・スラム)が独走に持ち込んだが、次なる「コート・ド・ラ・ロッシュ・オ・フォーコン(全長1.3km/平均11%)」で吸収される。
エースのエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)が途中リタイアしたことで自身の成績を狙った與那嶺恵理は、登りに入る前の落車で減速を強いられ、ブールスドルマンスによってペースアップする集団に追いつけず後続集団へ。この瞬間を與那嶺は「私はギリギリでメイン集団へ合流できず、しばらく宙ぶらりんで前を追うのですが、後続集団に吸収。かなり脚を使ってしまったようです」と振り返っている。
登りではアシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)がアタックし、アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)とアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)のみが追従し、4名が先を急いだ。
エースが揃った先頭グループだったが、必死に追走する後続グループが残り18km地点でキャッチ。すると再びスプラットがアタックし、単独逃げに持ち込んだ。
1月のサントス・ウィメンズツアーを制したスプラットは1分差を得て最後の「コート・ド・サンニコラ(全長1.2km/平均8.6%)」を登りきったが、その先で他の追走メンバーを千切ったファンデルブレッヘンの合流を許してしまう。絶好調を維持しているファンデルブレッヘンはフィニッシュ地点アンスに向かう5%前後の上り坂でスプラットを置き去りにし、独走でフィニッシュラインに到達。2年連続となるフレーシュとリエージュ連続勝利を飾った。
リオ五輪ロードレース金メダリストのファンデルブレッヘンにとってはUCIウィメンズワールドツアーレース4勝目。合計ポイントで争われるワールドツアーランキングのリードを更に広げる結果となった。
激しい登坂勝負の末に與那嶺は2分半遅れの35位、萩原は6分半遅れの73位でレースを終えている。以下に今シーズンのレース走行距離で世界5位となっている與那嶺によるレポートを紹介する。なお與那嶺は今週金曜日から地元クラブチームのメンバーとしてUCI1カテゴリーのステージレースに出場し、自由に動ける立場からUCIポイントを狙っていくという。
「アルデンヌクラシックが終わりました。リエージュのコースは登りと下りしか無い、とても厳しいもの。フレーシュが水曜日、そして女性の日が翌日の木曜日。身体のむくみと、ダルさと重さを感じながらのレース。体重が心配で、弱気になることもありましたが、武井コーチが見たコンディションデータはおおむね順調でした。
チームの作戦は最終局面までエリサの隣りにいること。スタート後からプロトンは活発に動き続け、高速での展開。身体の重さを感じ、ちょっとヤバいなあと感じながらレースを進めました。逃げは出来るのですが、プロトンは容認せず1分未満のタイムギャップで、目視が出来る範囲でレースは進みました。
エースのエリサは色々あり、50km付近でリタイアをしたようでかなり心配しました。そこから自分のための走りに切り替え、力をセーブしながらレースを進めます。
100kmを過ぎ、ここから厳しい登りが連続する終盤へ。ラ・ルドゥットではメイン集団前方でレースを進めることが出来ましたがボトルを受け取った後、頂上付近で一度中切れ、そこから下りを利用して先頭へ復帰。路面状況も悪く、落車も多く、プロトン内の位置取りもかなり気を使います。
116km過ぎのロッシュ・オ・フォーコン直前の下りではボーエルが前方を固める中、私も気配を察知して前方20名前後で下りに入ることが出来たのですが、真横で嫌な予感通り、落車があり、一瞬減速してしまいました。
その直後の細い平坦の道でもボーエルが全力で展開し、私はギリギリそれにつけず、しばらく宙ぶらりんで前を追うのですが、追いつけず後続集団に吸収。かなり脚を使ってしまったようです。
ロッシュ・オ・フォーコンを追走集団で耐え、サンニコラを登る頃には脚がもうパンパン。追走集団も基本的には力尽きた選手たちが多く、ペースも上がりきりません。ゴールに向かう、アヌスへの長い上りではもう一歩前に乗れず、第2集団でレースを終え悔しい35位となりました。
あと一歩、もう一歩です。今、私がレースで展開をしているセカンドプロトンの先頭がワールドツアーの着順ですと大体10位から19位ぐらい。今シーズン中には、仕事をしたあとでもコンスタントにここに食い込める武器を早く身に着けないと。チームの状況について色々と感じることはありますが、まずはこの厳しいアルデンヌ週間。落車なく、怪我なく、無事これ名馬で終えられたことに感謝します」
結果
1位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス) | 3h34’23” |
2位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +06” |
3位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | +58” |
4位 | アシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ) | +1’00” |
5位 | エレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ) | +1’13” |
6位 | サブリナ・ストゥルティエンス(オランダ、ワオディールス) | |
7位 | ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオン・スラム) | |
8位 | メーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス) | |
9位 | シャラ・ギロー(オーストラリア、エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ) | |
10位 | ロッセラ・ラット(イタリア、サイランス・プロサイクリング) | |
35位 | 與那嶺恵理(日本、ウィグル・ハイファイブ) | +2’38” |
73位 | 萩原麻由子(日本、アレ・チポッリーニ) | +6’24” |
text:So.Isobe