2018/04/08(日) - 06:38
実に8つのカテゴリー山岳が詰め込まれたイツリア・バスクカントリー最終ステージで、序盤から逃げたエンリク・マス(クイックステップフロアーズ)が総合勢の追い上げを振り切って勝利。モビスター勢の猛攻に耐えたプリモシュ・ログリッチェ(ロットNLユンボ)が第58代総合優勝者に輝いた。
ステージ全長は122.2kmと今大会最も短い(個人TTを除く)が、その中に標高400〜600mのカテゴリー山岳が8つ設定されたイツリア・バスクカントリー最終日の第6ステージ。獲得標高差は3,500mに達し、しかも最後は1級山岳ウサルツァ(全長3.1km/平均12.7%)の急坂を駆け上がる。コンスタントに15%前後の急勾配区間が登場するウサルツァを越えるとフィニッシュまで2km平坦&下り基調。悪天候と低温によってコースプロフィール以上に厳しい戦いが繰り広げられた。
6日間の大会を締めくくるクイーンステージは、総合リーダーのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)の落車で幕開ける。前方で逃げのためのアタックが続いたためログリッチェはしばらく追走に力を使ってしまう。無事にログリッチェが集団に復帰したところで13名の逃げグループが飛び出した。
山岳賞2位のカルロス・ベローナ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)やダビ・ロペス(スペイン、チームスカイ)、エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)、ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)という、すでに総合で順位を落としているオールラウンダーたちで構成された先頭グループが3分差で逃げる。ロットNLユンボに続いてトレック・セガフレードがペースを刻むメイン集団からは、開幕2連勝を飾って総合4位につけていたジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が早々に脱落した。
フィニッシュまで25kmを残した1級山岳イツア(全長4.7km/平均8.8%)に差し掛かると、総合2位ミケル・ランダ(スペイン、モビスター)のアタックをきっかけに総合争いが活発化。ログリッチェは問題なくランダの動きに反応したが、その後は人数を揃えたモビスターに対して単独で戦わざるを得ない状況に。
最後の1級山岳ウサルツァに突入する頃には、それまでのカテゴリー山岳をすべて先頭通過して山岳賞獲得を確定させたベローナとマス、デヘント、グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)の4名が先頭で生き残り、そこから急勾配の登りでマスが独走に持ち込む。後方ではモビスターが攻撃を続行し、フィニッシュまで4kmを残してランダとキンタナがログリッチェを引き離すことに成功。30秒前後のリードで逃げる先頭マスを、ランダとキンタナがハイペースで追い上げた。
ログリッチェとの1分57秒差を逆転すべくランダが猛進したが、先頭マスのペースは最後まで落ちなかった。雨の中、1級山岳ウサルツァを先頭でクリアしたマスがそのままフィニッシュまで独走。ランダを18秒差で振り切って、マスの独走勝利が決まった。
クイックステップフロアーズに今シーズン25勝目をもたらした23歳マスは「何と言えばいいんだろう。いつか勝ちたいと夢見ていたバスクの名物ステージで勝ったんだ。しかも独走で勝つなんて。最後の登りでは大勢の観客に名前を連呼され、まるでコンサートのようだった」とコメント。UCIワールドチーム2年目の若手オールラウンダーがUCIワールドツアー初勝利を飾り、総合でも12位から6位までジャンプアップすることに成功。さらに逆転でヤングライダー賞に輝いている。
ランダはログリッチェに48秒差をつけてステージ2位に入ったものの、総合逆転には1分以上届かなかった。トップから1分06秒遅れでフィニッシュしたログリッチェが自身初のUCIワールドツアーステージレース総合優勝。ステージ2位のランダが総合2位、そしてステージ3位のヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)が自身3度目の総合3位に。
地元バスク出身者2名を抑えての総合優勝に輝いたログリッチェは「正式なスタートが切られてすぐに落車して擦過傷を負ってしまった。幸い怪我は軽かったものの、他のチームが全開でペースを作っていたので集団復帰に時間がかかってしまった。チームメイトたちのサポートは完璧だったよ。最後の登りはそこまで長くないので、総合首位は守れると確信していた。これからもステージレースで勝ち続けたい。そしていずれはグランツールでも結果を残せればと思う」と語っている。
ステージ全長は122.2kmと今大会最も短い(個人TTを除く)が、その中に標高400〜600mのカテゴリー山岳が8つ設定されたイツリア・バスクカントリー最終日の第6ステージ。獲得標高差は3,500mに達し、しかも最後は1級山岳ウサルツァ(全長3.1km/平均12.7%)の急坂を駆け上がる。コンスタントに15%前後の急勾配区間が登場するウサルツァを越えるとフィニッシュまで2km平坦&下り基調。悪天候と低温によってコースプロフィール以上に厳しい戦いが繰り広げられた。
6日間の大会を締めくくるクイーンステージは、総合リーダーのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)の落車で幕開ける。前方で逃げのためのアタックが続いたためログリッチェはしばらく追走に力を使ってしまう。無事にログリッチェが集団に復帰したところで13名の逃げグループが飛び出した。
山岳賞2位のカルロス・ベローナ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)やダビ・ロペス(スペイン、チームスカイ)、エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)、ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)という、すでに総合で順位を落としているオールラウンダーたちで構成された先頭グループが3分差で逃げる。ロットNLユンボに続いてトレック・セガフレードがペースを刻むメイン集団からは、開幕2連勝を飾って総合4位につけていたジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が早々に脱落した。
フィニッシュまで25kmを残した1級山岳イツア(全長4.7km/平均8.8%)に差し掛かると、総合2位ミケル・ランダ(スペイン、モビスター)のアタックをきっかけに総合争いが活発化。ログリッチェは問題なくランダの動きに反応したが、その後は人数を揃えたモビスターに対して単独で戦わざるを得ない状況に。
最後の1級山岳ウサルツァに突入する頃には、それまでのカテゴリー山岳をすべて先頭通過して山岳賞獲得を確定させたベローナとマス、デヘント、グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)の4名が先頭で生き残り、そこから急勾配の登りでマスが独走に持ち込む。後方ではモビスターが攻撃を続行し、フィニッシュまで4kmを残してランダとキンタナがログリッチェを引き離すことに成功。30秒前後のリードで逃げる先頭マスを、ランダとキンタナがハイペースで追い上げた。
ログリッチェとの1分57秒差を逆転すべくランダが猛進したが、先頭マスのペースは最後まで落ちなかった。雨の中、1級山岳ウサルツァを先頭でクリアしたマスがそのままフィニッシュまで独走。ランダを18秒差で振り切って、マスの独走勝利が決まった。
クイックステップフロアーズに今シーズン25勝目をもたらした23歳マスは「何と言えばいいんだろう。いつか勝ちたいと夢見ていたバスクの名物ステージで勝ったんだ。しかも独走で勝つなんて。最後の登りでは大勢の観客に名前を連呼され、まるでコンサートのようだった」とコメント。UCIワールドチーム2年目の若手オールラウンダーがUCIワールドツアー初勝利を飾り、総合でも12位から6位までジャンプアップすることに成功。さらに逆転でヤングライダー賞に輝いている。
ランダはログリッチェに48秒差をつけてステージ2位に入ったものの、総合逆転には1分以上届かなかった。トップから1分06秒遅れでフィニッシュしたログリッチェが自身初のUCIワールドツアーステージレース総合優勝。ステージ2位のランダが総合2位、そしてステージ3位のヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)が自身3度目の総合3位に。
地元バスク出身者2名を抑えての総合優勝に輝いたログリッチェは「正式なスタートが切られてすぐに落車して擦過傷を負ってしまった。幸い怪我は軽かったものの、他のチームが全開でペースを作っていたので集団復帰に時間がかかってしまった。チームメイトたちのサポートは完璧だったよ。最後の登りはそこまで長くないので、総合首位は守れると確信していた。これからもステージレースで勝ち続けたい。そしていずれはグランツールでも結果を残せればと思う」と語っている。
イツリア・バスクカントリー2018第6ステージ
1位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 3:17:22 |
2位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:00:18 |
3位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:35 |
4位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:39 |
5位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:00:42 |
6位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:51 |
7位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:59 |
8位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01:06 |
9位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | |
10位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
93位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) | 0:18:36 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 20:53:47 |
2位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:01:09 |
3位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:01:42 |
4位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03:14 |
5位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:03:17 |
6位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:03:29 |
7位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:03:50 |
8位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:04:14 |
9位 | ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ) | 0:04:15 |
10位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:05:30 |
ポイント賞
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 92pts |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 68pts |
3位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 48pts |
山岳賞
1位 | カルロス・ベローナ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) | 55pts |
2位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ) | 34pts |
3位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 32pts |
ヤングライダー賞
1位 | カルロス・ベローナ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) | 55pts |
2位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ) | 34pts |
3位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 32pts |
バスク出身選手総合成績
1位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 20:54:56 |
2位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:33 |
3位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:03:05 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 62:57:52 |
2位 | バーレーン・メリダ | 0:04:01 |
3位 | ボーラ・ハンスグローエ | 0:10:37 |
text:Kei.Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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