2010/02/02(火) - 22:47
31日、午前中に開催された女子カテゴリーには、全日本チャンピオンの豊岡英子(パナソニックレディース)、全日本選手権2位の森田正美(チームブリヂストン・アンカー)、志村みち子(ラヴニールあづみの)、17才の福本千佳(Ready Go JAPAN)の日本人4選手が出場した。
天候は、明け方から急激に冷え込み、ときおり雪が舞う曇り空。11時のレーススタートに向け、選手たちは8時半頃に会場へ到着し、アップや試走を入念に行なった。
氷点下でのレースということで、コースコンディションが心配されたが、オンロードには融雪剤がまかれ、昨日のレースでできた轍もならされていて、試走を終えた選手からは「思っていたよりも走りやすい」という感想が多く聞かれた。
スタートはUCIポイント順で1列に8人ずつが並ぶ。豊岡英子は4列目、ほかの3選手は6列目からのスタートとなった。シクロクロスのスタートは落車が多く危険なうえ、一度後方に回ってしまうと追い上げることが難しい。いかにスタート後の混乱を避けて、いい位置をキープできるかが、1つの勝負の要といえるだろう。
スタート後、先頭から15番手前後という好位置につけたのは豊岡だった。しかしその後失速し、トップから7分28秒遅れの38位でレースを終えた。
「スタートはすごくよかった。今シーズンで一番いいスタートだったと思う。ただそこですべての力を出し尽くしたような感じ。そのあとは集中できずに順位を落としてしまった。結果は目指していたところには届かなかったけど、いいスタートを切れるようになったのは今シーズンの成果」。
「自分はスタートと序盤の加速が得意だということがわかったシーズンだった。来シーズンに向けて、スタートの加速を維持できるように、パワーをもっと長く持たせるようにしたいな」とレースを振り返った。
日本人女子の最高位となったのは、4年ぶりに世界選手権に出場した森田正美。スタートでは遅れてしまったものの、安定した走りで自分のペースを守って6分36秒遅れの35位でフィニッシュした。
「久しぶりの世界選手権なので、チャレンジするつもりで臨みました。スタートでは前に行くことができなかったし、最初の上りで転んでしまって順位を落としてしまいました。それまでは豊岡選手の背中が見えていたけど、そこで差が開いてしまった。久しぶりの世界選手権ということで、焦りがあったのだと思います。後半になるにつれて、徐々に落ち着きが出てきて、走りが安定してきました。ただそこで守りに入りすぎてしまった気もします。もっと攻めてもよかったのかも」。
「以前よりもスタッフの体制がよくなってきていると感じました。前よりもスタッフがリードしてくれているので、安心してレースに望めました。機材のセレクトや調整も自分では選択できないことを提案してくれるので、いろいろ得たことが多い大会でした」。
「来シーズンもシクロクロスに参戦したいと思っています。まずはロードレースをしっかり走ったうえで、シクロクロスの全日本選手権も狙っていきたいですね」と話す。
世界選手権初出場の17才、福本千佳は8分57秒遅れの39位で完走した。「スタートダッシュで前方の勢いについていけなくって、後ろからついていくだけになってしまった。レース中は試走のときよりもうまく走れていたり、冷静に走れている部分もありました。今回のレースで、自分の力は世界で通用しないことがわかりました。来シーズンに向けて頑張っていきたいと思います!」とコメント。
志村みち子は「とにかく転ばないように慎重に走ろうと思っていました。自分の力は出し切れたと思っています」と話し、9分48秒遅れの40位でフィニッシュした。
日本人4選手が出場した女子カテゴリー。凍った雪上でのレースという特殊なコンディションだったが、結果を見るかぎり世界の壁を感じざるをえないだろう。
ただ日本チームにとって、初めて17才のジュニアカテゴリーの女子選手を世界選手権に派遣したことは大きい。福本の場合、まだ世界との実力差はあるものの、優れたテクニックをもち、何ごとに対しても吸収するスピードが速い。そして、小柄でかわいらしい笑顔をふりまく彼女は、すでに欧州の熱狂的なシクロクロスファンが注目する存在になっている。今後のトップ選手の活躍とともに、彼女がどう成長していくかが楽しみだ。
text&photo:Sonoko Tanaka
天候は、明け方から急激に冷え込み、ときおり雪が舞う曇り空。11時のレーススタートに向け、選手たちは8時半頃に会場へ到着し、アップや試走を入念に行なった。
氷点下でのレースということで、コースコンディションが心配されたが、オンロードには融雪剤がまかれ、昨日のレースでできた轍もならされていて、試走を終えた選手からは「思っていたよりも走りやすい」という感想が多く聞かれた。
スタートはUCIポイント順で1列に8人ずつが並ぶ。豊岡英子は4列目、ほかの3選手は6列目からのスタートとなった。シクロクロスのスタートは落車が多く危険なうえ、一度後方に回ってしまうと追い上げることが難しい。いかにスタート後の混乱を避けて、いい位置をキープできるかが、1つの勝負の要といえるだろう。
スタート後、先頭から15番手前後という好位置につけたのは豊岡だった。しかしその後失速し、トップから7分28秒遅れの38位でレースを終えた。
「スタートはすごくよかった。今シーズンで一番いいスタートだったと思う。ただそこですべての力を出し尽くしたような感じ。そのあとは集中できずに順位を落としてしまった。結果は目指していたところには届かなかったけど、いいスタートを切れるようになったのは今シーズンの成果」。
「自分はスタートと序盤の加速が得意だということがわかったシーズンだった。来シーズンに向けて、スタートの加速を維持できるように、パワーをもっと長く持たせるようにしたいな」とレースを振り返った。
日本人女子の最高位となったのは、4年ぶりに世界選手権に出場した森田正美。スタートでは遅れてしまったものの、安定した走りで自分のペースを守って6分36秒遅れの35位でフィニッシュした。
「久しぶりの世界選手権なので、チャレンジするつもりで臨みました。スタートでは前に行くことができなかったし、最初の上りで転んでしまって順位を落としてしまいました。それまでは豊岡選手の背中が見えていたけど、そこで差が開いてしまった。久しぶりの世界選手権ということで、焦りがあったのだと思います。後半になるにつれて、徐々に落ち着きが出てきて、走りが安定してきました。ただそこで守りに入りすぎてしまった気もします。もっと攻めてもよかったのかも」。
「以前よりもスタッフの体制がよくなってきていると感じました。前よりもスタッフがリードしてくれているので、安心してレースに望めました。機材のセレクトや調整も自分では選択できないことを提案してくれるので、いろいろ得たことが多い大会でした」。
「来シーズンもシクロクロスに参戦したいと思っています。まずはロードレースをしっかり走ったうえで、シクロクロスの全日本選手権も狙っていきたいですね」と話す。
世界選手権初出場の17才、福本千佳は8分57秒遅れの39位で完走した。「スタートダッシュで前方の勢いについていけなくって、後ろからついていくだけになってしまった。レース中は試走のときよりもうまく走れていたり、冷静に走れている部分もありました。今回のレースで、自分の力は世界で通用しないことがわかりました。来シーズンに向けて頑張っていきたいと思います!」とコメント。
志村みち子は「とにかく転ばないように慎重に走ろうと思っていました。自分の力は出し切れたと思っています」と話し、9分48秒遅れの40位でフィニッシュした。
日本人4選手が出場した女子カテゴリー。凍った雪上でのレースという特殊なコンディションだったが、結果を見るかぎり世界の壁を感じざるをえないだろう。
ただ日本チームにとって、初めて17才のジュニアカテゴリーの女子選手を世界選手権に派遣したことは大きい。福本の場合、まだ世界との実力差はあるものの、優れたテクニックをもち、何ごとに対しても吸収するスピードが速い。そして、小柄でかわいらしい笑顔をふりまく彼女は、すでに欧州の熱狂的なシクロクロスファンが注目する存在になっている。今後のトップ選手の活躍とともに、彼女がどう成長していくかが楽しみだ。
text&photo:Sonoko Tanaka
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