2018/03/12(月) - 13:28
南アフリカ、ステレンボッシュで開催されたUCI MTBワールドカップ開幕戦でサミュエル・ゲイズ(ニュージーランド、スペシャライズドレーシング)がニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング)を下して勝利。山本幸平は69位に終わった。
MTBクロスカントリーの最高峰シリーズであるUCIマウンテンバイクワールドカップが、南アフリカは西ケープ州のステレンボッシュで開幕した。4.4kmで獲得標高180mを稼ぎ出すサーキットは、激坂登りや丸太組みのダウンヒル区間などが組み合わされた過酷なレイアウトが特徴だ。多くの選手がウインターシーズンを過ごす名物コースでの開幕戦に、全日本王者の山本幸平(ドリームシーカーレーシングチーム)も顔を揃えた。
99人が出走した男子エリートレースは、猛烈な土煙を蹴立てて動き出す。アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシングXC)やヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル、キャノンデールファクトリーレーシングXC)が好スタートし、後方発進の山本は混乱の中で苦しい戦いを強いられる。
間髪入れずに絶対王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング)が先頭グループへと加わり、サミュエル・ゲイズ(ニュージーランド、スペシャライズドレーシング)とフランス王者のマキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング)、そしてシクロクロス世界選手権3位のマテュー・ヴァンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)も合流。ここからゲイズが猛烈なペースアップを行うと、追従できたのはシューターのみ。2名が先頭グループを作って突き進んだ。
全7周回中の4周目にはヴァンデルポールを千切ったマロットが先頭2名に合流したものの、シューターのペースアップで再び距離を空けられてしまう。シューターとゲイズがマロットに6秒、単独4位のヴァンデルポールに48秒差で最終周回に入った。
最初にアタックを仕掛けたのはシューターだった。しかしゲイズもパワフルなペダリングで追従し、シングルトラックの登りを先行することでアタックを封じ込める。トラックレースのように互いを見合う牽制合戦からゲイズが仕掛けたが決定打を欠き、激しい鍔迫り合いのままゴール前へと到達する。
後方からマロットが迫る中、ゴール前のフライオーバーに向けてスプリントしたのはゲイズ。シューターも追従したが、追い込身の最中にペダルが外れて万事休す。シューターがハンドルを叩いて悔しがるその前で、ゲイズが劇的な開幕戦勝利を達成した。
昨年のシーオッタークラシックでシューターを下している22歳のゲイズだが、ワールドカップエリートカテゴリーでの優勝は初のこと。昨年同シリーズを総ナメにした絶対王者シューターを打ち負かしての勝利に、驚きを持ってニュースが駆け巡った。
「夢が叶ったよ。ロンドンオリンピックではニノとヤロスラフ(クルハヴィー)の戦いを見て、いつか彼らと戦って勝ちたいと思っていたんだ。残り半周の時点で足が攣り始めていたけど、平静を装って有利な状態でスプリントへ。このオフシーズンは厳しい練習を重ねて、たくさんの障壁を乗り越えてきたことが結果に繋がったよ」と、ワールドカップリーダーに輝いたゲイズはコメントする。
一方ワールドカップの連勝記録が途絶えたシューターは、「スプリントではツキが無かったけれど、今日のサムの走りは素晴らしかった。最も力強かったし、彼を打ち負かす手札も無かった」と言う。「最初はヴァンデルポールをライバル視していたけれど、彼は絡んでこれなかった。サムはこの先もっと手強い選手になるだろう」とコメントした。
また、山本は10分24秒遅れの69位で開幕戦をフィニッシュ。「レース前から予想はしていたが99人のライダースタートだったのでスタート直後の混雑は困難でした。なかなか前に行けない中で自分のリズムをキープしていましたが、最終週では身体的にきつく感じ、脚も思うように回らない課題が残るレースとなりました。初戦から厳しいレース展開となりましたが、一度日本に戻り次戦のアメリカUSカップは体調を整えて頑張りたいと思います」と語っている。
54名が出走した女子エリートでは、アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)とポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオンファクトリーレーシングXC)のアルカンシエル経験者同士が激しい一騎打ちを展開した。
中盤に激坂を乗車仕切ったフェランプレヴォが独走態勢に持ち込んだが、メカトラも関係して6周回中の5周目に形勢逆転。タフコースを攻略したラングヴァドが13秒差で逃げ切り開幕戦勝利を飾った。
MTBクロスカントリーの最高峰シリーズであるUCIマウンテンバイクワールドカップが、南アフリカは西ケープ州のステレンボッシュで開幕した。4.4kmで獲得標高180mを稼ぎ出すサーキットは、激坂登りや丸太組みのダウンヒル区間などが組み合わされた過酷なレイアウトが特徴だ。多くの選手がウインターシーズンを過ごす名物コースでの開幕戦に、全日本王者の山本幸平(ドリームシーカーレーシングチーム)も顔を揃えた。
99人が出走した男子エリートレースは、猛烈な土煙を蹴立てて動き出す。アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシングXC)やヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル、キャノンデールファクトリーレーシングXC)が好スタートし、後方発進の山本は混乱の中で苦しい戦いを強いられる。
間髪入れずに絶対王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング)が先頭グループへと加わり、サミュエル・ゲイズ(ニュージーランド、スペシャライズドレーシング)とフランス王者のマキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング)、そしてシクロクロス世界選手権3位のマテュー・ヴァンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)も合流。ここからゲイズが猛烈なペースアップを行うと、追従できたのはシューターのみ。2名が先頭グループを作って突き進んだ。
全7周回中の4周目にはヴァンデルポールを千切ったマロットが先頭2名に合流したものの、シューターのペースアップで再び距離を空けられてしまう。シューターとゲイズがマロットに6秒、単独4位のヴァンデルポールに48秒差で最終周回に入った。
最初にアタックを仕掛けたのはシューターだった。しかしゲイズもパワフルなペダリングで追従し、シングルトラックの登りを先行することでアタックを封じ込める。トラックレースのように互いを見合う牽制合戦からゲイズが仕掛けたが決定打を欠き、激しい鍔迫り合いのままゴール前へと到達する。
後方からマロットが迫る中、ゴール前のフライオーバーに向けてスプリントしたのはゲイズ。シューターも追従したが、追い込身の最中にペダルが外れて万事休す。シューターがハンドルを叩いて悔しがるその前で、ゲイズが劇的な開幕戦勝利を達成した。
昨年のシーオッタークラシックでシューターを下している22歳のゲイズだが、ワールドカップエリートカテゴリーでの優勝は初のこと。昨年同シリーズを総ナメにした絶対王者シューターを打ち負かしての勝利に、驚きを持ってニュースが駆け巡った。
「夢が叶ったよ。ロンドンオリンピックではニノとヤロスラフ(クルハヴィー)の戦いを見て、いつか彼らと戦って勝ちたいと思っていたんだ。残り半周の時点で足が攣り始めていたけど、平静を装って有利な状態でスプリントへ。このオフシーズンは厳しい練習を重ねて、たくさんの障壁を乗り越えてきたことが結果に繋がったよ」と、ワールドカップリーダーに輝いたゲイズはコメントする。
一方ワールドカップの連勝記録が途絶えたシューターは、「スプリントではツキが無かったけれど、今日のサムの走りは素晴らしかった。最も力強かったし、彼を打ち負かす手札も無かった」と言う。「最初はヴァンデルポールをライバル視していたけれど、彼は絡んでこれなかった。サムはこの先もっと手強い選手になるだろう」とコメントした。
また、山本は10分24秒遅れの69位で開幕戦をフィニッシュ。「レース前から予想はしていたが99人のライダースタートだったのでスタート直後の混雑は困難でした。なかなか前に行けない中で自分のリズムをキープしていましたが、最終週では身体的にきつく感じ、脚も思うように回らない課題が残るレースとなりました。初戦から厳しいレース展開となりましたが、一度日本に戻り次戦のアメリカUSカップは体調を整えて頑張りたいと思います」と語っている。
54名が出走した女子エリートでは、アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)とポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオンファクトリーレーシングXC)のアルカンシエル経験者同士が激しい一騎打ちを展開した。
中盤に激坂を乗車仕切ったフェランプレヴォが独走態勢に持ち込んだが、メカトラも関係して6周回中の5周目に形勢逆転。タフコースを攻略したラングヴァドが13秒差で逃げ切り開幕戦勝利を飾った。
男子エリート結果
1位 | サミュエル・ゲイズ(ニュージーランド、スペシャライズドレーシング) | 1h30’14” |
2位 | ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング) | +01” |
3位 | マキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング) | +02” |
4位 | マテュー・ヴァンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | +1’10” |
5位 | ティトゥアン・カロッド(フランス、BMCマウンテンバイクレーシングチーム) | +1’27” |
6位 | アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシングXC) | +2’02” |
7位 | フロリアン・フォーゲル(スイス、フォーカスXCチーム) | +2’14” |
8位 | ヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル、キャノンデールファクトリーレーシングXC) | +2’22” |
9位 | マティアス・フルッキガー(スイス、トムス・RNレーシングチーム) | +2’23” |
10位 | アンドリ・フリッシュクネヒト(スイス、スコット・スラムMTBレーシング) | +2’32” |
69位 | 山本幸平(ドリームシーカーレーシングチーム) | +10’24” |
女子エリート結果
1位 | アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング) | 1h33’14” |
2位 | ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオンファクトリーレーシングXC) | +13” |
3位 | アンヌ・タウバー(オランダ、CSTサンド・アメリカンイーグルMTBレーシングチーム) | +34” |
4位 | ヘレン・グロベルト(ドイツ、キャノンデールファクトリーレーシングXC) | +1’15” |
5位 | マーヤ・ブロジェゾフスカ(ポーランド、クロスレーシングチーム) | +1’16” |
6位 | ヨランダ・ネフ(スイス、クロスレーシングチーム) | |
7位 | キャサリン・ペンドレル(カナダ、クリフプロチーム) | +1’55” |
8位 | サビーヌ・スピッツ(ドイツ、ウィアウィスバイクスプロチーム) | +2’43” |
9位 | リンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム) | + |
10位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・RNレーシングチーム) | +2’47” |
text:So.Isobe
photo:worldcupstellenbosch.com
photo:worldcupstellenbosch.com
Amazon.co.jp
SHIMANO(シマノ) PD-M9000 PD-M9000
シマノ(SHIMANO)