2018/03/06(火) - 05:47
大集団スプリントに持ち込まれたパリ〜ニース第2ステージでライバルたちを置き去りにする加速を見せたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が勝利。現状のシーズン最多勝となる5勝目を飾った。
パリからニースを目指す8日間の旅路の2日目、この日はオルソンヴィルからヴィエルゾンまで187.5kmにわたって南下する。登場するカテゴリー山岳はゼロ。フィニッシュが5%ほどの登り基調ではあるが、ピュアスプリンター向きの平坦ステージだ。
押し戻されるような強い向かい風の中、12時05分に153名がスタートを切った。前日に落車リタイアしたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)に続いて、第1ステージで落車して膝を痛めながら最下位でフィニッシュしたルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)がリタイア。2014年大会で総合2位に入っている元世界チャンピオンが25km地点でバイクを降りた。
向かい風の影響でレースは平均スピードが33〜34km/hまでしか上がらないスローな展開を見せ、アタックが生まれないまま、逃げグループが生まれないまま一塊で集団は進む。やがて第1スプリントポイント(63km地点)に差し掛かると、ここを総合首位アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が先頭通過する。2番手ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)と3番手クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)とともに、それぞれ3秒、2秒、1秒のボーナスタイムを獲得した。
その後ようやくトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)、オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)、アントニー・ドゥラプラス(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)、ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)という逃げグループが形成されたが、この「逃げ屋揃いの」強力な動きをスプリンターチームが警戒したため集団はスピードを落とさない。タイム差が1分を超えなかったため逃げグループはやがて分裂。ボアーロとマシャドの2人が先行を開始したところでようやくタイム差が広がり始めた。
残り45km地点でタイム差はこの日最大の3分をマーク。逃げる2人をクイックステップフロアーズ、グルパマFDJ、ロットNLユンボ、ロット・スーダルが追いかけ、残り30km地点でタイム差を2分とする。2人逃げのため、第2スプリントポイント(173.5km地点)を集団先頭通過すればボーナスタイム1秒獲得。ここをしっかり取ったアラフィリップがボーナスタイムをさらに1秒加算し、この日だけで合計3秒の総合タイムを稼ぐことに成功した。
逃げるボアーロとマシャドが残り4kmで吸収されると、そこからロット・スーダルが先頭でトレインを走らせ、トレック・セガフレードやグルパマFDJ、サンウェブ、クイックステップフロアーズが覇権争いに加わる。最も人数を揃えたクイックステップフロアーズが残り2kmから主導権を握ったものの、残り1kmで隊列が崩れたためヴィヴィアーニを完璧にリードアウト出来ない。最終ストレートに入るとグルパマFDJが先頭に出た。
残り500mから勾配5%の登り斜面が始まると、グルパマFDJのジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)に続いて、ラモン・シンケルダム(オランダ)がマイヨジョーヌを着るデマールのために最後のリードアウト。しかしデマールはポジションを落としてしまい、代わって好位置からディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が加速した。
ヴィヴィアーニが唯一フルーネウェーヘンの加速に反応したが、そのスリップストリームから抜け出すことはできない。下ハンドルを握ってもがき続けたフルーネウェーヘンがヴィヴィアーニを引き連れる形で、その他のスプリンターたちとの距離を広げながら先頭フィニッシュした。
ドバイツアーとヴォルタ・アン・アルガルヴェでステージ優勝し、クールネ〜ブリュッセル〜クールネでも勝利しているフルーネウェーヘンが今シーズン5勝目。ヴィヴィアーニとアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)に並んで現在のシーズン最多勝だ。
「自分の調子も良いし、チームの調子も良い。今日のステージは全体的にイージーだったけど、フィニッシュは登り基調でハードなものだった。他の有力スプリンターを打ち破ったことを嬉しく思う。今大会もっともスプリント向きの1日を勝利で締めくくることができてよかったよ。明日もスプリンターにチャンスがあるものの、今日よりコースはずっと厳しい。何とか登りをこなして勝負に挑みたい」と、連勝を狙うフルーネウェーヘンは語る。2019年からロットNL社に代わってジュンボ社がタイトルスポンサーにつくことが決まっているオランダチームを、波に乗る24歳のダッチスプリンターが率いている。
パリからニースを目指す8日間の旅路の2日目、この日はオルソンヴィルからヴィエルゾンまで187.5kmにわたって南下する。登場するカテゴリー山岳はゼロ。フィニッシュが5%ほどの登り基調ではあるが、ピュアスプリンター向きの平坦ステージだ。
押し戻されるような強い向かい風の中、12時05分に153名がスタートを切った。前日に落車リタイアしたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)に続いて、第1ステージで落車して膝を痛めながら最下位でフィニッシュしたルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)がリタイア。2014年大会で総合2位に入っている元世界チャンピオンが25km地点でバイクを降りた。
向かい風の影響でレースは平均スピードが33〜34km/hまでしか上がらないスローな展開を見せ、アタックが生まれないまま、逃げグループが生まれないまま一塊で集団は進む。やがて第1スプリントポイント(63km地点)に差し掛かると、ここを総合首位アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が先頭通過する。2番手ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)と3番手クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)とともに、それぞれ3秒、2秒、1秒のボーナスタイムを獲得した。
その後ようやくトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)、オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)、アントニー・ドゥラプラス(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)、ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)という逃げグループが形成されたが、この「逃げ屋揃いの」強力な動きをスプリンターチームが警戒したため集団はスピードを落とさない。タイム差が1分を超えなかったため逃げグループはやがて分裂。ボアーロとマシャドの2人が先行を開始したところでようやくタイム差が広がり始めた。
残り45km地点でタイム差はこの日最大の3分をマーク。逃げる2人をクイックステップフロアーズ、グルパマFDJ、ロットNLユンボ、ロット・スーダルが追いかけ、残り30km地点でタイム差を2分とする。2人逃げのため、第2スプリントポイント(173.5km地点)を集団先頭通過すればボーナスタイム1秒獲得。ここをしっかり取ったアラフィリップがボーナスタイムをさらに1秒加算し、この日だけで合計3秒の総合タイムを稼ぐことに成功した。
逃げるボアーロとマシャドが残り4kmで吸収されると、そこからロット・スーダルが先頭でトレインを走らせ、トレック・セガフレードやグルパマFDJ、サンウェブ、クイックステップフロアーズが覇権争いに加わる。最も人数を揃えたクイックステップフロアーズが残り2kmから主導権を握ったものの、残り1kmで隊列が崩れたためヴィヴィアーニを完璧にリードアウト出来ない。最終ストレートに入るとグルパマFDJが先頭に出た。
残り500mから勾配5%の登り斜面が始まると、グルパマFDJのジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)に続いて、ラモン・シンケルダム(オランダ)がマイヨジョーヌを着るデマールのために最後のリードアウト。しかしデマールはポジションを落としてしまい、代わって好位置からディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が加速した。
ヴィヴィアーニが唯一フルーネウェーヘンの加速に反応したが、そのスリップストリームから抜け出すことはできない。下ハンドルを握ってもがき続けたフルーネウェーヘンがヴィヴィアーニを引き連れる形で、その他のスプリンターたちとの距離を広げながら先頭フィニッシュした。
ドバイツアーとヴォルタ・アン・アルガルヴェでステージ優勝し、クールネ〜ブリュッセル〜クールネでも勝利しているフルーネウェーヘンが今シーズン5勝目。ヴィヴィアーニとアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)に並んで現在のシーズン最多勝だ。
「自分の調子も良いし、チームの調子も良い。今日のステージは全体的にイージーだったけど、フィニッシュは登り基調でハードなものだった。他の有力スプリンターを打ち破ったことを嬉しく思う。今大会もっともスプリント向きの1日を勝利で締めくくることができてよかったよ。明日もスプリンターにチャンスがあるものの、今日よりコースはずっと厳しい。何とか登りをこなして勝負に挑みたい」と、連勝を狙うフルーネウェーヘンは語る。2019年からロットNL社に代わってジュンボ社がタイトルスポンサーにつくことが決まっているオランダチームを、波に乗る24歳のダッチスプリンターが率いている。
パリ〜ニース2018第2ステージ結果
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 4:51:31 |
2位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) | |
4位 | フィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ) | |
5位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
6位 | マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ) | |
7位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) | |
9位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード) | |
10位 | イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
DNF | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 7:58:57 |
2位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:07 |
3位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | 0:00:08 |
4位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 0:00:10 |
5位 | マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:13 |
6位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
7位 | トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:15 |
8位 | エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) | |
9位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
10位 | ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、バーレーン・メリダ) |
ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 24pts |
2位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 15pts |
3位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 12pts |
山岳賞
1位 | ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) | 8pts |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 4pts |
3位 | ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 4pts |
ヤングライダー賞
1位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 7:59:12 |
2位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | トマ・ボダ(フランス、ディレクトエネルジー) |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・メリダ | 23:57:34 |
2位 | ミッチェルトン・スコット | 0:00:02 |
3位 | アージェードゥーゼール |
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.