2018/02/26(月) - 09:16
ファストフォワードのホイールラインアップに新たに登場した「F3A-FAC」をインプレッション。チューブレスレディ対応のフルアルミリムを採用し、使用シーンを選ばない30mmハイトのセミエアロに仕上がるオールラウンドホイールだ。
レース向けのハイパフォーマンスホイールを数多くラインアップしているオランダのファストフォワード(FFWD)。独自のリム形状によりエアロダイナミクスを高めたカーボンディープリムホイール「F4R」「F6R」を主力製品とし、かつてのUCIプロチーム、クイックステップやヴァカンソレイユDCMにも使用された実績を持つ。今シーズンはプロコンチネンタルチームのディレクトエネルジーや、ルームポット・ネーデルランセローテライが使用しているホイールブランドだ。
そんなファストフォワードより新モデルとしてリリースされたホイールが、今回インプレッションを行った「F3A-FAC」である。2014年に登場した「F2A」ぶりとなるアルミ完組ホイールであり、30mmハイトのセミエアロリムを採用することで、幅広いシーンで活躍する製品に仕上がっている。
昨今のトレンドを取り入れチューブレスレディに対応させた新開発のフルアルミクリンチャーリムを採用。カーボンモデルの「F3R」に倣ったエアロダイナミクスに優れた外幅23.5mmのワイド形状とし、25C以上のワイドタイヤに最適化させている。またニップルホール付近まで太さを持たせたリム形状はあらゆる角度からの風も受け流し、高いコントロール性を生み出す。
ハブにはDTスイス製のDT350を使用。ミドルクラスながら上位モデルDT240と同様の構造を用いており、優れた回転性能は変わらず。細かいノッチでギアが噛み合う独自のスターラチェットシステムにより、高いパワー伝達効率を実現している。
これらのリム、ハブをエアロストレートプル仕様のDT Aeroliteスポークにて組み上げる。ファストフォワードでは全てのホイールが熟練した職人による手組みによって高い精度で仕上げられており、各製品にはシリアルナンバーが刻まれることで高品質を保証している。ニップルは外出しで振れ取り等のメンテナンス性も高い。重量は前後セットで1,555gだ。今回はパナレーサーのジラー(25C)を履いた状態にてテストした。それでは、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「末永くロードバイク趣味の相棒となる質実剛健なアルミホイール」錦織大祐(フォーチュンバイク)
軽快感が非常に高くバランスが良いホイールです。下手にアレンジが加わらないシンプルな構成だからこそスムーズな走りに繋がっているのだと感じます。ホイールの回転に詰まるところがなく、スーッと伸びていくような走行感が特徴的と言えますね。
スポークの本数を減らすことなく、無難な組み方で安心感もありますし耐久性も高そうです。厳しい激坂でホイールをこじるような踏み方をしても、バンピーな路面を走っても安心してトラクションをかけていける作りになっています。どんなシチュエーションで使用しても、常に安定したパフォーマンスを発揮してくれる汎用性の高さに惹かれますね。
30mmハイトのアルミリムにDT350のハブ、ストレートプルスポークとシンプルながら抜け目のない構成となっていて、バランスの良いパフォーマンスの後ろ盾となっていますね。オールラウンドに使えるミドルハイトリムで、少なからずエアロ効果を発揮してくれますし、空気をかき乱すような感覚や横風に煽られることもありませんでした。
ハブが信頼性の高いDTスイスというのも良いですね。ベアリングは回転性能が高く減速感が少ないですし、ハブボディは剛性がしっかりとあるので、強く踏み込んでも変形によるパワーロスが少なく、どんな状況でも気持ちいい転がりを見せてくれます。ミドルクラスのハブではありますが安心感は高く、ハズレのないチョイスだと思いますね。
空力性能や軽量性を重視するならばスポークを減らす選択もできるでしょう。しかし、それではスポーク1本あたりにかかる力が増えてしまい、パワー伝達にも悪い影響が出てきてしまいます。このF3Aはガチガチとした硬さではありませんが、剛性バランスが整っていて左右のブレを抑えてくれており、扱いやすい堅実な作りを体感できますね。
ロードバイクを趣味にしているとディープリムのカーボンホイールや超軽量ホイールなど、様々な製品に手を伸ばしがちですが、意外とこういった質実剛健なアルミホイールこそ1番使用頻度が高く、長く使えるものなんですよね。そういった安心感、バランスの良さがこのホイールの最大のポイントでしょう。突出した性能やルックスとは言い難いですが、使用するシチュエーションに頭を悩ますこと無く、ロングライドでもヒルクライムでも、ロードレースでもシクロクロスでも何でも使える万能ホイールです。
多様な製品が市場に出回る中、10万円前後の価格帯ホイールとはズバリこういうものとド真ん中と突いてくるベンチマーク的なホイールと言えます。ロードレーサーであれば誰しも高性能、高級、軽量といったホイールに憧れがあると思いますが、本当に安心して使えるホイールとして1セット持っていたくなる、そんな製品です。幅広く使える間違いないアルミホイールを探している人にはオススメですね。
ファストフォワード F3A-FAC
リ ム:アルミ(チューブレスレディ/クリンチャー)
リムサイズ:高さ30.5mm、外幅23.5mm、内幅19mm
ハ ブ:DTスイス DT350
スポーク:ストレートプル
重 量:1,555g
付属品:ホイールバック、QRレバー、バルブエクステンダー、ブレーキパッド、リムテープ
価 格:107,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
錦織大祐(フォーチュンバイク)
幼少のころより自転車屋を志し、都内の大型プロショップで店長として経験を積んだ後、2010年に東京錦糸町にフォーチュンバイクをオープンさせた新進気鋭の若手店主。世界各国の自転車メーカーと繋がりを持ち、実際に海外の製造現場で得た見聞をユーザーに伝えることを信条としている。シマノ鈴鹿ロードへ20年以上に渡り連続出場する一方、普段はロングライドやスローペースでのサイクリングを楽しむ。
CWレコメンドショップページ
フォーチュンバイク HP
ウェア協力:マヴィック(今回着用モデルはこちら)
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
レース向けのハイパフォーマンスホイールを数多くラインアップしているオランダのファストフォワード(FFWD)。独自のリム形状によりエアロダイナミクスを高めたカーボンディープリムホイール「F4R」「F6R」を主力製品とし、かつてのUCIプロチーム、クイックステップやヴァカンソレイユDCMにも使用された実績を持つ。今シーズンはプロコンチネンタルチームのディレクトエネルジーや、ルームポット・ネーデルランセローテライが使用しているホイールブランドだ。
そんなファストフォワードより新モデルとしてリリースされたホイールが、今回インプレッションを行った「F3A-FAC」である。2014年に登場した「F2A」ぶりとなるアルミ完組ホイールであり、30mmハイトのセミエアロリムを採用することで、幅広いシーンで活躍する製品に仕上がっている。
昨今のトレンドを取り入れチューブレスレディに対応させた新開発のフルアルミクリンチャーリムを採用。カーボンモデルの「F3R」に倣ったエアロダイナミクスに優れた外幅23.5mmのワイド形状とし、25C以上のワイドタイヤに最適化させている。またニップルホール付近まで太さを持たせたリム形状はあらゆる角度からの風も受け流し、高いコントロール性を生み出す。
ハブにはDTスイス製のDT350を使用。ミドルクラスながら上位モデルDT240と同様の構造を用いており、優れた回転性能は変わらず。細かいノッチでギアが噛み合う独自のスターラチェットシステムにより、高いパワー伝達効率を実現している。
これらのリム、ハブをエアロストレートプル仕様のDT Aeroliteスポークにて組み上げる。ファストフォワードでは全てのホイールが熟練した職人による手組みによって高い精度で仕上げられており、各製品にはシリアルナンバーが刻まれることで高品質を保証している。ニップルは外出しで振れ取り等のメンテナンス性も高い。重量は前後セットで1,555gだ。今回はパナレーサーのジラー(25C)を履いた状態にてテストした。それでは、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「末永くロードバイク趣味の相棒となる質実剛健なアルミホイール」錦織大祐(フォーチュンバイク)
軽快感が非常に高くバランスが良いホイールです。下手にアレンジが加わらないシンプルな構成だからこそスムーズな走りに繋がっているのだと感じます。ホイールの回転に詰まるところがなく、スーッと伸びていくような走行感が特徴的と言えますね。
スポークの本数を減らすことなく、無難な組み方で安心感もありますし耐久性も高そうです。厳しい激坂でホイールをこじるような踏み方をしても、バンピーな路面を走っても安心してトラクションをかけていける作りになっています。どんなシチュエーションで使用しても、常に安定したパフォーマンスを発揮してくれる汎用性の高さに惹かれますね。
30mmハイトのアルミリムにDT350のハブ、ストレートプルスポークとシンプルながら抜け目のない構成となっていて、バランスの良いパフォーマンスの後ろ盾となっていますね。オールラウンドに使えるミドルハイトリムで、少なからずエアロ効果を発揮してくれますし、空気をかき乱すような感覚や横風に煽られることもありませんでした。
ハブが信頼性の高いDTスイスというのも良いですね。ベアリングは回転性能が高く減速感が少ないですし、ハブボディは剛性がしっかりとあるので、強く踏み込んでも変形によるパワーロスが少なく、どんな状況でも気持ちいい転がりを見せてくれます。ミドルクラスのハブではありますが安心感は高く、ハズレのないチョイスだと思いますね。
空力性能や軽量性を重視するならばスポークを減らす選択もできるでしょう。しかし、それではスポーク1本あたりにかかる力が増えてしまい、パワー伝達にも悪い影響が出てきてしまいます。このF3Aはガチガチとした硬さではありませんが、剛性バランスが整っていて左右のブレを抑えてくれており、扱いやすい堅実な作りを体感できますね。
ロードバイクを趣味にしているとディープリムのカーボンホイールや超軽量ホイールなど、様々な製品に手を伸ばしがちですが、意外とこういった質実剛健なアルミホイールこそ1番使用頻度が高く、長く使えるものなんですよね。そういった安心感、バランスの良さがこのホイールの最大のポイントでしょう。突出した性能やルックスとは言い難いですが、使用するシチュエーションに頭を悩ますこと無く、ロングライドでもヒルクライムでも、ロードレースでもシクロクロスでも何でも使える万能ホイールです。
多様な製品が市場に出回る中、10万円前後の価格帯ホイールとはズバリこういうものとド真ん中と突いてくるベンチマーク的なホイールと言えます。ロードレーサーであれば誰しも高性能、高級、軽量といったホイールに憧れがあると思いますが、本当に安心して使えるホイールとして1セット持っていたくなる、そんな製品です。幅広く使える間違いないアルミホイールを探している人にはオススメですね。
ファストフォワード F3A-FAC
リ ム:アルミ(チューブレスレディ/クリンチャー)
リムサイズ:高さ30.5mm、外幅23.5mm、内幅19mm
ハ ブ:DTスイス DT350
スポーク:ストレートプル
重 量:1,555g
付属品:ホイールバック、QRレバー、バルブエクステンダー、ブレーキパッド、リムテープ
価 格:107,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
錦織大祐(フォーチュンバイク)
幼少のころより自転車屋を志し、都内の大型プロショップで店長として経験を積んだ後、2010年に東京錦糸町にフォーチュンバイクをオープンさせた新進気鋭の若手店主。世界各国の自転車メーカーと繋がりを持ち、実際に海外の製造現場で得た見聞をユーザーに伝えることを信条としている。シマノ鈴鹿ロードへ20年以上に渡り連続出場する一方、普段はロングライドやスローペースでのサイクリングを楽しむ。
CWレコメンドショップページ
フォーチュンバイク HP
ウェア協力:マヴィック(今回着用モデルはこちら)
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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