フランス、ノメイで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第8戦。重たい泥コースでマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が今季25勝目を達成。ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)は2位に終わった。



ノメイで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第8戦ノメイで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第8戦 (c)CorVos
UCIシクロクロスワールドカップ第8戦の舞台は、2014年以来4年ぶりの開催を迎えたフランス東部のノメイ。アップダウンに富むコースは前日までの雨によって深い泥に覆われ、乗車を拒む数カ所の担ぎ区間を生み出した。

ホームストレート直後の階段に向けてホールショットを獲ったのは、世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)。チームメイトのティム・メルリエ(オランダ)や、ここまで最多勝利を刻んでいるマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)、前欧州王者トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)が前方に位置取りレースが動きだす。

スタート直後の階段を駆け上がるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)らスタート直後の階段を駆け上がるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)ら (c)CorVos深い泥の海を突き進むマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)深い泥の海を突き進むマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos


すると混雑を極める最初のピットエリアで、ファンデルポールがピットクルーを見落として一度通過してしまうというミスが起こる。Uターンしたことで先頭集団から遅れ、このタイミングでファンアールトが独走を開始する。

新しいナショナルチャンピオンジャージを披露したスティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)は自国ファンの大声援を受けトップ10以内で好走。2014年のノメイで2位に入った41歳の大ベテラン、フランシス・ムレー(フランス、VCヴァルダホン・ヴァルデヴェンヌ)は最後尾からの猛烈な追い上げ中にラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)と絡んで落車。後輪にムレーの脚が入り込み、再スタートまで1分近くを擁し49位に終わったものの、シェネルと共に世界選手権代表メンバーに選出されている。

ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)に追いついたマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)に追いついたマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos
ファンデルポールを追うワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)ファンデルポールを追うワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) (c)CorVosラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)は途中リタイアラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)は途中リタイア (c)CorVos


ピットトラブルで一度は遅れたファンデルポールだったが、猛烈なプッシュですぐさまファンアールトをキャッチ。あまりのハイペースにファンアールトが遅れ、その後両者の差は開いていくばかりだった。

後方ではアールツが単独3番手となり、追走していたローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)はマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)らの4番手グループに吸収。その後方ではファンデルハールが途中リタイアを選択している。

ファンデルポールは2位ファンアールトとの差をがっちりと固定し、誰もが乗車不可能な泥坂をただ一人乗車でクリア。桁違いのパフォーマンスを披露し、9周回、23.575kmを平均スピード21.1km/hで走りきり今シーズン25勝目を飾った。

今季25勝目を飾ったマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)今季25勝目を飾ったマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos祖父のレイモン・プリドールと抱き合うマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)祖父のレイモン・プリドールと抱き合うマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos

UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第8戦表彰台UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第8戦表彰台 (c)CorVos
「これまで勝てていないコースで独走できたので気分が良いよ。ミスがあったけれど走りでカバーできた」とファンデルポールは語る。2年越しのアルカンシエルが期待される世界選手権については「もちろん勝利を狙っているけれど、ワウトは十分に強いし、彼の心は苦しい場面でも決して折れない。現段階でも余裕だとは決して思っていない」とライバルについてコメントした。

一方のファンアールトは「今日は自分向きのコースで体調も良かったけれど、2位という結果が全て。マテューの加速に対処できなかった」と敗因を語っている。

今週末にはオランダ、ホーヘルハイデにてシクロクロスワールドカップ最終戦が開催される。翌週に控える世界選手権を見据え、一足早く現地入りする日本代表メンバーも参加する予定だ。


UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第8戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) 1h06’56”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +33”
3位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +2’09”
4位 ティム・メルリエ(オランダ、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +2’31”
5位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) +2’47”
6位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) +3’06”
7位 ミカエル・ボロシュ(チェコ、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) +3’11”
8位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) +3’48”
9位 スティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン) +3’50”
10位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) +3’54”
text:So.Isobe
photo:CorVos
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