2010/01/22(金) - 06:38
グライペルのステージ連勝に続いて、オーストラリア勢から勝利を奪ったのはポルトガルチャンピオン。未だにオージーは地元で勝利を挙げれずにいる。この日は容赦なく太陽が照りつけ、気温はグングン上昇。ついに40度の大台に乗った。
アデレード市民の期待を背負うボブリッジ
昨年6ステージ中4ステージで逃げに乗ったジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ガーミン・スリップストリーム)は、アデレード出身アデレード育ち、生粋のアデレードっ子。当然地元メディアから大きな注目を集めており、地元紙には毎日ボブリッジの動向や発言をまとめた連載が掲載されている。
そのボブリッジ連載、1月19日付けのタイトルは「暑さはオージーたちに味方するだろう」。不発に終わっているオーストラリア勢を鼓舞するような内容だ。
この日もスタート前にインタビュー攻めに遭っていたボブリッジ。レース開幕前に行なわれたチームガーミンの記者会見で「もう自分の意思では動けない。チームの指示に従うだけ」と語っていた通り、ここまでのステージで大きな動きは見せていなかった。
しかしこの日はスタート直後からアタックを仕掛け、レース中盤には逃げグループ入りを果たした。一旦スイッチが入ると止まらない勢いのある走りは、同じ逃げに乗ったイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)にどこか通じるものがある。
最終周回でメイン集団に飲み込まれたボブリッジは結果的に10分遅れでゴール。集まった観客に大きな声援を受けていた。
ボブリッジは「今日は序盤からハイスピードな展開だった。逃げグループで力を使ったけど、少しはメイン集団にダメージを与えることが出来たと思う。ケースデパーニュがずっとレースをコントロールしていたことはチームにとって朗報だった。トップスプリンターがいない彼らがこれからどうやって動いてくるのか楽しみだ」と一日の闘いを振り返った。残りの3ステージで再び逃げを打つ姿が見られるはずだ。
強烈な太陽光線と闘うオーストラリア
スタート前に立ち寄ったメディアセンターのホワイトボードには「今日は最高気温40度、高温・乾燥注意。帽子着用、サンクリームは多めに!」と走り書きされていた。
確かに暑い。乾燥しているため汗が流れ出るような暑さではないが、とにかく太陽光線が強烈で暑い。一日中ほぼ欠かさずサングラスを着用していたのに、目の奥が痛い。日焼け止めを塗っていたのに、腕時計の跡がくっきりついている。ゴール後、頭から水をかぶる選手も続出した。
それにしても、毎日沿道には大勢の観客が詰めかけている。警察の発表によると、キャンサー・カウンシル・クラシックは108000人、第1ステージは92000人、第2ステージは94000人、そして第3ステージは102000人の観客が詰めかけた。どうやってカウントしているのかは永遠の謎だが、観客が多いのは確かだ。
オーストラリアの観客はとても日焼けにシビア。みんな顔が真っ白になるぐらい日焼け止めを塗りたくり、よぼよぼのおばあちゃんからベビーカーに乗っている子どもまでサングラスをかけている。沿道で待っている観客たちも、選手たちが到着するまでは徹底的に日陰に身を隠している。
オーストラリア人が日焼けに敏感になるのには理由がある。オーストラリアは日焼けに伴う皮膚ガンの発生率が世界一。毎年オーストラリア国内だけで1000人以上の患者が皮膚ガンで亡くなっているという。
初日のクリテリウムレースを主催したキャンサー・カウンシル(ガン協会)は、積極的に日焼けの危険性を訴え、ガンの啓蒙活動に尽力している。会場で日焼け止めを配布しているのは当然の流れだ。レース観戦が皮膚ガンのリスクを高めてはならない。
天気予報によると、暑さのピークはこの日まで。第4ステージが行なわれる金曜日からは最高気温が30度台前半まで下がるらしい。メディアセンターで出会った地元新聞記者と天候について話していると「こんなのは暑い(hot)なんて言わない。暖かい(warm)だ」と自信満々の顔で言われた。すごく彼が逞しく見えた。
text&photo:Kei Tsuji
アデレード市民の期待を背負うボブリッジ
昨年6ステージ中4ステージで逃げに乗ったジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ガーミン・スリップストリーム)は、アデレード出身アデレード育ち、生粋のアデレードっ子。当然地元メディアから大きな注目を集めており、地元紙には毎日ボブリッジの動向や発言をまとめた連載が掲載されている。
そのボブリッジ連載、1月19日付けのタイトルは「暑さはオージーたちに味方するだろう」。不発に終わっているオーストラリア勢を鼓舞するような内容だ。
この日もスタート前にインタビュー攻めに遭っていたボブリッジ。レース開幕前に行なわれたチームガーミンの記者会見で「もう自分の意思では動けない。チームの指示に従うだけ」と語っていた通り、ここまでのステージで大きな動きは見せていなかった。
しかしこの日はスタート直後からアタックを仕掛け、レース中盤には逃げグループ入りを果たした。一旦スイッチが入ると止まらない勢いのある走りは、同じ逃げに乗ったイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)にどこか通じるものがある。
最終周回でメイン集団に飲み込まれたボブリッジは結果的に10分遅れでゴール。集まった観客に大きな声援を受けていた。
ボブリッジは「今日は序盤からハイスピードな展開だった。逃げグループで力を使ったけど、少しはメイン集団にダメージを与えることが出来たと思う。ケースデパーニュがずっとレースをコントロールしていたことはチームにとって朗報だった。トップスプリンターがいない彼らがこれからどうやって動いてくるのか楽しみだ」と一日の闘いを振り返った。残りの3ステージで再び逃げを打つ姿が見られるはずだ。
強烈な太陽光線と闘うオーストラリア
スタート前に立ち寄ったメディアセンターのホワイトボードには「今日は最高気温40度、高温・乾燥注意。帽子着用、サンクリームは多めに!」と走り書きされていた。
確かに暑い。乾燥しているため汗が流れ出るような暑さではないが、とにかく太陽光線が強烈で暑い。一日中ほぼ欠かさずサングラスを着用していたのに、目の奥が痛い。日焼け止めを塗っていたのに、腕時計の跡がくっきりついている。ゴール後、頭から水をかぶる選手も続出した。
それにしても、毎日沿道には大勢の観客が詰めかけている。警察の発表によると、キャンサー・カウンシル・クラシックは108000人、第1ステージは92000人、第2ステージは94000人、そして第3ステージは102000人の観客が詰めかけた。どうやってカウントしているのかは永遠の謎だが、観客が多いのは確かだ。
オーストラリアの観客はとても日焼けにシビア。みんな顔が真っ白になるぐらい日焼け止めを塗りたくり、よぼよぼのおばあちゃんからベビーカーに乗っている子どもまでサングラスをかけている。沿道で待っている観客たちも、選手たちが到着するまでは徹底的に日陰に身を隠している。
オーストラリア人が日焼けに敏感になるのには理由がある。オーストラリアは日焼けに伴う皮膚ガンの発生率が世界一。毎年オーストラリア国内だけで1000人以上の患者が皮膚ガンで亡くなっているという。
初日のクリテリウムレースを主催したキャンサー・カウンシル(ガン協会)は、積極的に日焼けの危険性を訴え、ガンの啓蒙活動に尽力している。会場で日焼け止めを配布しているのは当然の流れだ。レース観戦が皮膚ガンのリスクを高めてはならない。
天気予報によると、暑さのピークはこの日まで。第4ステージが行なわれる金曜日からは最高気温が30度台前半まで下がるらしい。メディアセンターで出会った地元新聞記者と天候について話していると「こんなのは暑い(hot)なんて言わない。暖かい(warm)だ」と自信満々の顔で言われた。すごく彼が逞しく見えた。
text&photo:Kei Tsuji
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