2009/03/11(水) - 09:59
2009年3月10日に開催された雨のパリ〜ニース第3ステージ。ラボバンクの奇襲攻撃が集団を破壊し、小集団によるスプリント勝負でフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)を下したシルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)が優勝。シャヴァネルは総合トップに躍り出た。
オルヴァルからヴィシーまでの178kmで行なわれたパリ〜ニース第3ステージ。中盤に3つの3級山岳が登場するものの、今大会最後のスプリンター向きのステージだ。一日中、冷たい雨がライダーを濡らした。
レース序盤に集団から飛び出したのは、マチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス)、ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)、クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)、ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)、トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)の5名。この逃げは66km地点で7分15秒のリードを得た。
3級山岳すべてを先頭で通過したオジェは、12ポイント獲得で山岳賞トップに。メイン集団は前半からアスタナがコントロールを続け、レース後半に入るとサヴェーロとチームコロンビアが協力開始。スプリンターチームの追い上げにより、先頭5名のリードが削り取られた。
そして運命のラスト43km、横風区間に差し掛かるメイン集団ではフルメンバーを集団先頭に送り込んだラボバンクが奇襲攻撃を開始する。オンループ・ヘットニュースブラッドでも奇襲をかけたラボバンクの猛烈なペースアップは、大集団を粉砕。ラボバンクが先導する集団は10名ほどに絞られ、追走グループとしてラスト31kmで先頭を捉えた。
先頭ではラボバンク3名(フレチャ、ラングヴェルト、ガラーテ)やクイックステップ2名(シャヴァネル、シールドライヤース)を含む10名ほどのグループが形成される。
その一方でリーダージャージのアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)は20秒遅れの後続集団内に取り残された。孤立無援状態に陥ったコンタドールは自ら後続集団を牽くなど、アスタナはチームとしての脆弱さを露呈した。
ラボバンクとクイックステップは協力して後続集団を引き離し、ラスト10kmでそのタイム差は1分に。シャヴァネルとともに先頭グループに合流したマークス・ブルグハート(ドイツ、チームコロンビア)は、ラスト5km地点での痛恨のパンクでステージ優勝のチャンスを失った。
ラスト4kmを切るとラボバンクとクイックステップのステージ優勝争いが本格化。数の上で有利なラボバンクが攻撃で揺さぶったが、シールドライヤースにアシストされたシャヴァネルがこれを封じていく。
最後は7名によるスプリント勝負に持ち込まれ、フレチャとの一騎打ちを制したシャヴァネルが優勝。ラボバンクの厚い壁を、シャヴァネルがシールドライヤースとともに打ち破った。
多くの総合上位陣が遅れたため、シャヴァネルが一躍総合トップに。ラボバンクはステージ優勝を逃したが、ガラーテとフレチャが総合2位と3位につける。ラボバンクはチーム総合成績でトップ。シャヴァネルの優勝に大きく貢献したシールドライヤースは、新人賞ジャージを獲得している。
昨年大会でもリーダージャージを着用しながら、山岳ステージで遅れて1日でジャージを手放したシャヴァネル。レース後のインタビューでは「昨年すでにイエロージャージを着用したから、レース終盤はステージ優勝を考えて走った。レース前半は寒くて調子が上がらなかったけど、ラボバンクが攻撃を開始したとき、自分にも利益があったから協力した。そのハードワークのおかげで、コンタドールから1分09秒のタイムを奪うことができたよ」と語っている。
気になる総合争いについては「総合を狙うには、今日のような動きに乗る必要があるんだ。(第6ステージのゴール地点)1級山岳ラ・モンターニュ・ド・リュールでは、できるだけタイムロスを最小限に抑えたい。今年のパリ〜ニースの目標はほぼ達成したようなもの。ここからの結果はボーナスだ。とにかくラ・モンターニュ・ド・リュールがカギを握る」とコメント。1997年のローラン・ジャラベール(フランス)以来となるフランス人選手の大会制覇に期待がかかる。
1分09秒遅れでゴールしたコンタドールやフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)らがタイムロスを最小限に抑える一方で、カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)は10分08秒遅れでゴール。エヴァンスは2年連続序盤ステージで総合争いから姿を消した。
パリ〜ニースは翌第4ステージから山岳地帯に踏み入る。
選手コメントはレース公式サイトより。
パリ〜ニース2009第3ステージ結果
1位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、コフィディス)4h33'12"
2位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)
3位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、ラボバンク)
4位 ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)
5位 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)
6位 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)
7位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)
8位 マークス・ブルグハート(ドイツ、チームコロンビア)+40"
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)+1'09"
10位 セバスティアン・テュルゴー(フランス、Bboxブイグテレコム)
個人総合成績
1位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)9h29'24"
2位 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)+33"
3位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)+36"
4位 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)+37"
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)+40"
6位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)+1'03"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+1'12"
8位 ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)+1'14"
9位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン)+1'17"
10位 アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)+1'22"
ポイント賞
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)
山岳賞
ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)
新人賞
ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)
チーム総合成績
ラボバンク
オルヴァルからヴィシーまでの178kmで行なわれたパリ〜ニース第3ステージ。中盤に3つの3級山岳が登場するものの、今大会最後のスプリンター向きのステージだ。一日中、冷たい雨がライダーを濡らした。
レース序盤に集団から飛び出したのは、マチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス)、ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)、クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)、ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)、トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)の5名。この逃げは66km地点で7分15秒のリードを得た。
3級山岳すべてを先頭で通過したオジェは、12ポイント獲得で山岳賞トップに。メイン集団は前半からアスタナがコントロールを続け、レース後半に入るとサヴェーロとチームコロンビアが協力開始。スプリンターチームの追い上げにより、先頭5名のリードが削り取られた。
そして運命のラスト43km、横風区間に差し掛かるメイン集団ではフルメンバーを集団先頭に送り込んだラボバンクが奇襲攻撃を開始する。オンループ・ヘットニュースブラッドでも奇襲をかけたラボバンクの猛烈なペースアップは、大集団を粉砕。ラボバンクが先導する集団は10名ほどに絞られ、追走グループとしてラスト31kmで先頭を捉えた。
先頭ではラボバンク3名(フレチャ、ラングヴェルト、ガラーテ)やクイックステップ2名(シャヴァネル、シールドライヤース)を含む10名ほどのグループが形成される。
その一方でリーダージャージのアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)は20秒遅れの後続集団内に取り残された。孤立無援状態に陥ったコンタドールは自ら後続集団を牽くなど、アスタナはチームとしての脆弱さを露呈した。
ラボバンクとクイックステップは協力して後続集団を引き離し、ラスト10kmでそのタイム差は1分に。シャヴァネルとともに先頭グループに合流したマークス・ブルグハート(ドイツ、チームコロンビア)は、ラスト5km地点での痛恨のパンクでステージ優勝のチャンスを失った。
ラスト4kmを切るとラボバンクとクイックステップのステージ優勝争いが本格化。数の上で有利なラボバンクが攻撃で揺さぶったが、シールドライヤースにアシストされたシャヴァネルがこれを封じていく。
最後は7名によるスプリント勝負に持ち込まれ、フレチャとの一騎打ちを制したシャヴァネルが優勝。ラボバンクの厚い壁を、シャヴァネルがシールドライヤースとともに打ち破った。
多くの総合上位陣が遅れたため、シャヴァネルが一躍総合トップに。ラボバンクはステージ優勝を逃したが、ガラーテとフレチャが総合2位と3位につける。ラボバンクはチーム総合成績でトップ。シャヴァネルの優勝に大きく貢献したシールドライヤースは、新人賞ジャージを獲得している。
昨年大会でもリーダージャージを着用しながら、山岳ステージで遅れて1日でジャージを手放したシャヴァネル。レース後のインタビューでは「昨年すでにイエロージャージを着用したから、レース終盤はステージ優勝を考えて走った。レース前半は寒くて調子が上がらなかったけど、ラボバンクが攻撃を開始したとき、自分にも利益があったから協力した。そのハードワークのおかげで、コンタドールから1分09秒のタイムを奪うことができたよ」と語っている。
気になる総合争いについては「総合を狙うには、今日のような動きに乗る必要があるんだ。(第6ステージのゴール地点)1級山岳ラ・モンターニュ・ド・リュールでは、できるだけタイムロスを最小限に抑えたい。今年のパリ〜ニースの目標はほぼ達成したようなもの。ここからの結果はボーナスだ。とにかくラ・モンターニュ・ド・リュールがカギを握る」とコメント。1997年のローラン・ジャラベール(フランス)以来となるフランス人選手の大会制覇に期待がかかる。
1分09秒遅れでゴールしたコンタドールやフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)らがタイムロスを最小限に抑える一方で、カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)は10分08秒遅れでゴール。エヴァンスは2年連続序盤ステージで総合争いから姿を消した。
パリ〜ニースは翌第4ステージから山岳地帯に踏み入る。
選手コメントはレース公式サイトより。
パリ〜ニース2009第3ステージ結果
1位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、コフィディス)4h33'12"
2位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)
3位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、ラボバンク)
4位 ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)
5位 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)
6位 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)
7位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)
8位 マークス・ブルグハート(ドイツ、チームコロンビア)+40"
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)+1'09"
10位 セバスティアン・テュルゴー(フランス、Bboxブイグテレコム)
個人総合成績
1位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)9h29'24"
2位 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)+33"
3位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)+36"
4位 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)+37"
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)+40"
6位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)+1'03"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+1'12"
8位 ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)+1'14"
9位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン)+1'17"
10位 アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)+1'22"
ポイント賞
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)
山岳賞
ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)
新人賞
ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)
チーム総合成績
ラボバンク
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