2017/12/10(日) - 11:46
雪と氷に包まれた滝沢牧場でシクロクロス全日本選手権が開催され、U23で織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が、ジュニアで村上功太郎(松山工業高校)がそれぞれチャンピオンジャージを射止めた。
U23:鮮やかな走りを披露した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が圧勝
いよいよ各カテゴリーの全日本王者を決める大一番が開幕。長野県南牧村、標高1300mに位置する滝沢牧場は、一昨日降り積もった雪によって銀世界に包まれた。気温こそ低いものの、暖かな日差しによって時間が経つほどにライン上の圧雪は溶けていく。ジュニアは氷と雪、U23は泥と氷の上で熱き戦いが繰り広げられた。
次代を担う強豪選手が集ったU23カテゴリーでは、竹内遼(drawer THE RACING)がホールショットを決める。しかし滑りやすい路面に苦戦し、昨年大会で横山航太(シマノレーシング)の後塵を拝した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が先頭を奪った。
「やはり竹内選手と、ヨーロッパ遠征帰りの梶(鉄輝)選手は意識していました。だからその分、序盤は全力で攻めた」という織田の走りはこの日冴え渡っていた。コーナーを抜けるたびにスプリントし、滑りやすい区間も流れるように駆け抜け、レース中盤には1分以上ものタイム差を稼ぎ出す。
江越海玖也(弱虫ペダルサイクリングチーム)が一時単独2番手につけたものの、転倒して後退。複数名がパックを組む中から抜け出したのは藤田拓海(SNEL CYCROCLOSSTEAM)だった。次いでリズムを取り戻した竹内が追走し、後続は江越や梶鉄輝(伊丹高校)、加藤健悟(臼杵レーシング)が鍔迫り合いを続けた。
登りでのパワーを活かした竹内が最終周回の舗装路で遂に藤田を捉え、単独2番手に。しかし圧倒的なリードを稼いでいた織田は、フライオーバーやシケインでジャンプを披露する余裕の走りでギャラリーを沸かせながら、独走勝利。フィニッシュラインではカメラマンとして活動する父・達さんとのハイファイブが決まった。
ジュニアに続く2枚目のチャンピオンジャージを射止めた織田。「去年は(横山選手に対して)7秒差で優勝を逃してしまったので、一安心。勝てたし、ぶっちぎったし、フライオーバーを飛んだし、とても満足の走りです。ジャージを取らなければ世界選手権に行く価値もないと考えていました」と振り返る。BMXをルーツに持ち、鮮やかな走りを武器にする織田の目標は、シクロクロスのプロ選手としてヨーロッパで活動することだ。世界選手権前にもベルギー遠征も予定しており、「チャンピオンジャージに恥じない走りをしたい」と意気込んだ。
2位は「悔しいのですが、それでも楽しくレースできました。聖には心からおめでとうと言いたいし、互角に渡りあえるように僕自身進歩していかないといけない」と振り返る竹内が滑り込み、3位は藤田。「最低限表彰台を狙っていたので満足はしていますが、もっと上の成績を狙っていきたい」と語った。
ジュニア:2周半を逃げた村上功太郎(松山工業高校)が勝利
雪と氷に包まれたコンディションでレースが行われたジュニアカテゴリーは、トラック選手としても活躍する日野泰静(松山城南高校)が序盤から猛チャージ。ここに食らいついた積田連(Team CHAINRING)、そして村上功太郎(松山工業高校)による三つ巴の戦いが繰り広げられた。
会津若松出身で雪に強い積田、パワーのある日野、そしてルクセンブルクの世界選手権を走った村上による争い。「こんなに雪のレースは初めてだった」という日野は落車やミスが響いて後退し、中盤までに積田と村上の二人に勝負が委ねられる。
すると「中盤まで焦ってしまったものの、たくさんの応援のおかげでリラックスできた。どこかで仕掛けなければいけなかった」という村上が、フィニッシュまで2周半を残してアタック。登りでの鋭いアタックに積田が遅れ、一気に15秒のリードが生まれた。
独走態勢に持ち込んだ村上は途中落車してリードを削ったものの、追いすがる積田を振り切ってフィニッシュへ。「積田選手は上手かったのですが、これまでのレースで後半にタレる場面を見てきたので、プッシュし続ければチャンスはあると信じていました」というレース巧者ぶりでチャンピオンジャージを獲得した。
全日本選手権を見据えて、愛媛からはるばる信州クロスに遠征を重ねていた村上。来週からは竹之内悠(東洋フレーム)と共にベルギー遠征に向かうという。「出発まで1週間しかないのですが、サプライヤーさんにお願いしてチャンピオンジャージで走りたい。10日で4レースという過密スケジュールですが、しっかり走りたいと思います」。
U23:鮮やかな走りを披露した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が圧勝
いよいよ各カテゴリーの全日本王者を決める大一番が開幕。長野県南牧村、標高1300mに位置する滝沢牧場は、一昨日降り積もった雪によって銀世界に包まれた。気温こそ低いものの、暖かな日差しによって時間が経つほどにライン上の圧雪は溶けていく。ジュニアは氷と雪、U23は泥と氷の上で熱き戦いが繰り広げられた。
次代を担う強豪選手が集ったU23カテゴリーでは、竹内遼(drawer THE RACING)がホールショットを決める。しかし滑りやすい路面に苦戦し、昨年大会で横山航太(シマノレーシング)の後塵を拝した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が先頭を奪った。
「やはり竹内選手と、ヨーロッパ遠征帰りの梶(鉄輝)選手は意識していました。だからその分、序盤は全力で攻めた」という織田の走りはこの日冴え渡っていた。コーナーを抜けるたびにスプリントし、滑りやすい区間も流れるように駆け抜け、レース中盤には1分以上ものタイム差を稼ぎ出す。
江越海玖也(弱虫ペダルサイクリングチーム)が一時単独2番手につけたものの、転倒して後退。複数名がパックを組む中から抜け出したのは藤田拓海(SNEL CYCROCLOSSTEAM)だった。次いでリズムを取り戻した竹内が追走し、後続は江越や梶鉄輝(伊丹高校)、加藤健悟(臼杵レーシング)が鍔迫り合いを続けた。
登りでのパワーを活かした竹内が最終周回の舗装路で遂に藤田を捉え、単独2番手に。しかし圧倒的なリードを稼いでいた織田は、フライオーバーやシケインでジャンプを披露する余裕の走りでギャラリーを沸かせながら、独走勝利。フィニッシュラインではカメラマンとして活動する父・達さんとのハイファイブが決まった。
ジュニアに続く2枚目のチャンピオンジャージを射止めた織田。「去年は(横山選手に対して)7秒差で優勝を逃してしまったので、一安心。勝てたし、ぶっちぎったし、フライオーバーを飛んだし、とても満足の走りです。ジャージを取らなければ世界選手権に行く価値もないと考えていました」と振り返る。BMXをルーツに持ち、鮮やかな走りを武器にする織田の目標は、シクロクロスのプロ選手としてヨーロッパで活動することだ。世界選手権前にもベルギー遠征も予定しており、「チャンピオンジャージに恥じない走りをしたい」と意気込んだ。
2位は「悔しいのですが、それでも楽しくレースできました。聖には心からおめでとうと言いたいし、互角に渡りあえるように僕自身進歩していかないといけない」と振り返る竹内が滑り込み、3位は藤田。「最低限表彰台を狙っていたので満足はしていますが、もっと上の成績を狙っていきたい」と語った。
ジュニア:2周半を逃げた村上功太郎(松山工業高校)が勝利
雪と氷に包まれたコンディションでレースが行われたジュニアカテゴリーは、トラック選手としても活躍する日野泰静(松山城南高校)が序盤から猛チャージ。ここに食らいついた積田連(Team CHAINRING)、そして村上功太郎(松山工業高校)による三つ巴の戦いが繰り広げられた。
会津若松出身で雪に強い積田、パワーのある日野、そしてルクセンブルクの世界選手権を走った村上による争い。「こんなに雪のレースは初めてだった」という日野は落車やミスが響いて後退し、中盤までに積田と村上の二人に勝負が委ねられる。
すると「中盤まで焦ってしまったものの、たくさんの応援のおかげでリラックスできた。どこかで仕掛けなければいけなかった」という村上が、フィニッシュまで2周半を残してアタック。登りでの鋭いアタックに積田が遅れ、一気に15秒のリードが生まれた。
独走態勢に持ち込んだ村上は途中落車してリードを削ったものの、追いすがる積田を振り切ってフィニッシュへ。「積田選手は上手かったのですが、これまでのレースで後半にタレる場面を見てきたので、プッシュし続ければチャンスはあると信じていました」というレース巧者ぶりでチャンピオンジャージを獲得した。
全日本選手権を見据えて、愛媛からはるばる信州クロスに遠征を重ねていた村上。来週からは竹之内悠(東洋フレーム)と共にベルギー遠征に向かうという。「出発まで1週間しかないのですが、サプライヤーさんにお願いしてチャンピオンジャージで走りたい。10日で4レースという過密スケジュールですが、しっかり走りたいと思います」。
男子U23結果
1位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | |
2位 | 竹内遼(drawer THE RACING) | |
3位 | 藤田拓海(SNEL CYCROCLOSSTEAM) | |
4位 | 江越海玖也(弱虫ペダルサイクリングチーム) | |
5位 | 加藤健悟(臼杵レーシング) | |
6位 | 梶鉄輝(伊丹高校) |
男子ジュニア結果
1位 | 村上功太郎(松山工業高校) | |
2位 | 積田連(Team CHAINRING) | |
3位 | 日野泰静(松山城南高校) | |
4位 | 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | |
5位 | 山内渓太(可児高校) | |
6位 | 高木英行(PRT KOSEKI) |
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji
photo:Kei.Tsuji