2017/10/24(火) - 12:22
過酷な砂コースを舞台にしたUCIワールドカップ第3戦で、「レースを心待ちにしていた」と言うマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が前日の負傷をものともしない圧倒的勝利。連戦の疲労を溜め込んだ竹之内悠(東洋フレーム)は途中でレースから降ろされている。
欧州シクロクロスシーズンがフルスロットルで進行する中、ジャパンカップと同じ10月22日にはUCIシクロクロスワールドカップの第3戦が開催された。アメリカで開催された2連戦から1ヶ月を空けたその舞台は、昨年度大会が暴風雨でキャンセルされた、ベルギーはコクサイデ。数々のドラマを生んできた名物コースに竹之内悠(東洋フレーム)を含む49名が挑んだ。
シクロクロス東京を制したスティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)に「東京よりもコクサイデの砂の方がタフ」と言わせた、1周2890mのサンドコース。第1コーナーに向けてホールショットを奪ったのはマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)だった。
前日のスーパープレスティージュで傷めた肩にテーピングを施したファンデルポールだが、怪我の心配は全くもって不要だった。砂区間をスムーズにクリアし、轍のトレースに苦しむワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)を2周目までに引き離した。
「砂コースで大事なのは自分のラインで走ること。人の後ろについているとペースを上手く掴めない。序盤から先頭に出たのはそういうメッセージ」と言うファンデルポールの走りはまさに圧倒的。ワールドカップリーダージャージに合わせたクラシックペイントのバイクを用意したオランダ王者は、結局スタートからフィニッシュまで一度も先頭を譲ることがなかった。
「昨日マテューは落車しているものの、あまり影響はないだろうと考えていた。今日は彼とあまり差は出ないかと思っていたけれど、自分の脚の調子が良くなかった」と言うファンアールトは、ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート・サーカス)とラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)の合流を許した。
中盤には砂区間で仕掛けたファンデルハールがリードを築いたものの、ファンアールトは地脚でカバーする。世界王者は2人を引き離して2位を確実なものにしていくが、8周目にはメカトラによってストップ。更にバイク交換の際にピット入り口を通過してUターンしたことで、2人の先行を許してしまう。15秒先の2人を追撃した状態で最終周回に入った。
「残り3周回では表彰台に乗れるかどうかも分からなかったけど、ワウトのトラブルで2位争いがオープンになったんだ。スウィークを追い抜きざまに”自分たち有利だから行くぞ!”と叫んだよ」と振り返るファンデルハールはスウィークを引き離し、2位に向けて驀進。その後ろからは世界王者が猛然と迫ってくる。
余裕のポール・トゥー・ウィンでファンデルポールがワールドカップ3連勝を飾ったその39秒後、ストレート1本分のリードを守りきったファンデルハールが2位フィニッシュ。スウィークを交わしたものの、ファンデルハールには届かなかったファンアールトが11秒後にレースを終えている。
「こういうテクニカルコースが大好き。昨年大会がキャンセルされて以降、ずっとコクサイデを楽しみにしていた」と語るファンデルポール。兄のデーヴィッドもスウィークに続く5位に入った。
「5日間で3レースをこなした疲れでうまく身体が動かなかった」と悔やむファンアールト。「マテューとの差は徐々に縮まっているけれど、今日は惨敗だった。砂区間では限界に達していたのでミスを連発。残念ながらまだ彼との一騎打ちができる状態ではないけれど、徐々に調子は上がってると思う。焦ってはいないし、早く彼と勝負できる状態に持っていきたい」。
またこの日、竹之内は連戦の疲労がたたってラップアウトという結果に。「今年初参加のワールドカップ、例年より1カ月ほど早い時期に行われたコクサイデでした。過密スケジュールにより、オーバーワークでレースにならず、少し休養が必要な状態です。単発のレースならまだしも、このスケジュールをこなす欧州のプロ選手達に改めて力の差を見せつけられました」と過酷なヨーロッパスケジュールに対して語っている。
欧州シクロクロスシーズンがフルスロットルで進行する中、ジャパンカップと同じ10月22日にはUCIシクロクロスワールドカップの第3戦が開催された。アメリカで開催された2連戦から1ヶ月を空けたその舞台は、昨年度大会が暴風雨でキャンセルされた、ベルギーはコクサイデ。数々のドラマを生んできた名物コースに竹之内悠(東洋フレーム)を含む49名が挑んだ。
シクロクロス東京を制したスティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)に「東京よりもコクサイデの砂の方がタフ」と言わせた、1周2890mのサンドコース。第1コーナーに向けてホールショットを奪ったのはマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)だった。
前日のスーパープレスティージュで傷めた肩にテーピングを施したファンデルポールだが、怪我の心配は全くもって不要だった。砂区間をスムーズにクリアし、轍のトレースに苦しむワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)を2周目までに引き離した。
「砂コースで大事なのは自分のラインで走ること。人の後ろについているとペースを上手く掴めない。序盤から先頭に出たのはそういうメッセージ」と言うファンデルポールの走りはまさに圧倒的。ワールドカップリーダージャージに合わせたクラシックペイントのバイクを用意したオランダ王者は、結局スタートからフィニッシュまで一度も先頭を譲ることがなかった。
「昨日マテューは落車しているものの、あまり影響はないだろうと考えていた。今日は彼とあまり差は出ないかと思っていたけれど、自分の脚の調子が良くなかった」と言うファンアールトは、ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート・サーカス)とラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)の合流を許した。
中盤には砂区間で仕掛けたファンデルハールがリードを築いたものの、ファンアールトは地脚でカバーする。世界王者は2人を引き離して2位を確実なものにしていくが、8周目にはメカトラによってストップ。更にバイク交換の際にピット入り口を通過してUターンしたことで、2人の先行を許してしまう。15秒先の2人を追撃した状態で最終周回に入った。
「残り3周回では表彰台に乗れるかどうかも分からなかったけど、ワウトのトラブルで2位争いがオープンになったんだ。スウィークを追い抜きざまに”自分たち有利だから行くぞ!”と叫んだよ」と振り返るファンデルハールはスウィークを引き離し、2位に向けて驀進。その後ろからは世界王者が猛然と迫ってくる。
余裕のポール・トゥー・ウィンでファンデルポールがワールドカップ3連勝を飾ったその39秒後、ストレート1本分のリードを守りきったファンデルハールが2位フィニッシュ。スウィークを交わしたものの、ファンデルハールには届かなかったファンアールトが11秒後にレースを終えている。
「こういうテクニカルコースが大好き。昨年大会がキャンセルされて以降、ずっとコクサイデを楽しみにしていた」と語るファンデルポール。兄のデーヴィッドもスウィークに続く5位に入った。
「5日間で3レースをこなした疲れでうまく身体が動かなかった」と悔やむファンアールト。「マテューとの差は徐々に縮まっているけれど、今日は惨敗だった。砂区間では限界に達していたのでミスを連発。残念ながらまだ彼との一騎打ちができる状態ではないけれど、徐々に調子は上がってると思う。焦ってはいないし、早く彼と勝負できる状態に持っていきたい」。
またこの日、竹之内は連戦の疲労がたたってラップアウトという結果に。「今年初参加のワールドカップ、例年より1カ月ほど早い時期に行われたコクサイデでした。過密スケジュールにより、オーバーワークでレースにならず、少し休養が必要な状態です。単発のレースならまだしも、このスケジュールをこなす欧州のプロ選手達に改めて力の差を見せつけられました」と過酷なヨーロッパスケジュールに対して語っている。
UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第3戦
1位 | マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) | 1h02’41” |
2位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) | +39” |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | +50” |
4位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート・サーカス) | +1’15” |
5位 | デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) | +1’29” |
6位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、テレネット・フィデア) | +1’30” |
7位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア) | +1’47” |
8位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) | +2’00” |
9位 | ヴィンセント・バエスタンス(ベルギー) | +2’12” |
10位 | イェンス・アダムス(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) | +2’18” |
Lap | 竹之内悠(東洋フレーム) |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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