2017/09/09(土) - 06:37
雨に濡れたツアー・オブ・ブリテン第6ステージは大集団によるスプリントに。下り基調の危険な最終コーナーを抜け、発射台を失いながらもロングスプリントに持ち込んだカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)が今大会3勝目を飾った。
ツアー・オブ・ブリテン第6ステージのスタート地点はイギリス有数の競馬場があることで有名なニューマーケット。郊外に広大な競馬場や飼育場、厩舎、牧場が広がる「競走馬の聖地」にUCIワールドチームをはじめとする大型チームバスがやってきた。
フラットな186.9kmコースは再びスプリンター向き。スタート直前に降り始めた雨は本降りに変わり、途中、洗車機の中を走るような大雨が選手を襲う。雨降りに慣れている路面は比較的滑りにくいが、選手たちはずっと水に濡れた状態での走りを強いられた。
スタート直後に形成された7名の逃げグループのリードは、グリーンジャージを擁するロットNLユンボの集団コントロールによって2分30秒に押さえ込まれる。レース中盤からオリカ・スコットやディメンションデータ、チームスカイも集団コントロールに参加。3つあるスプリントポイントで激しく競り合いながら、先頭7名は集団とのタイム差とペースを調整しながら逃げ続けた。
中盤まで体力を温存し、終盤にかけて加速するペースメイクで粘った逃げグループだったが、残り13kmでタイム差は1分を切る。逃げグループからアタックしたジェームス・ショー(イギリス、ロット・ソウダル)の独走も長続きせず、ウェットな路面をハイスピードで突き進んだメイン集団は残り3kmで逃げをすべて飲み込んだ。
クイックステップフロアーズが人数を揃え、フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)を先頭に残り1kmアーチを通過。そのままマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)、ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)、ルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット)、カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)の並びで残り400mの最終コーナーに突入する。
しかしこの最終コーナーが下り&鋭角という曲者で、濡れた路面にハンドルを取られた2番手スティバルがバランスを崩してペダルを外す。こうしてクイックステップフロアーズとオリカ・スコットのトレインが同時に崩れてしまう。ガビリアを見失って先頭で彷徨うリケーゼの後ろから、フィニッシュラインまで300mを残してユアンがスプリントに入った。
後続の選手の頭が完全に見えるほど低いエアロポジションで突き進んだユアンが、後方から追い上げるガビリアやディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)を振り切る。最終コーナーで後方に沈んだ選手にはなす術がなく、長時間先頭でもがき切ったユアンが先着した。
「レース中に、最終コーナーがタイトでオフキャンバーになっているという情報が無線を通して入ってきた。雨は上がっていたけど路面は濡れていたし、勝負に絡むためには必ず集団前方で最終コーナーを抜けないといけなかった。そして理想通りのポジションで最終コーナーに入ったんだ」。スプリント3勝目を飾ったユアンはテクニカルなコースレイアウトについて説明する。
「でもライン取りを間違えたクイックステップの選手(スティバル)がバランスを崩してしまい、そのおかげで最終発射台役のルカ(メズゲッツ)がフェンス際に追いやられてしまった。そこで発射台を失ってしまったので、早すぎると思ったけどスプリントを開始するしかなかった。(残り300mからの)長いスプリント。誰にも追い抜かれずに踏み切ることができてよかった」と、今シーズン10勝目を飾った23歳の弾丸スプリンター。
ユアンは第5ステージの個人タイムトライアルでタイムリミットである2分17秒遅れ(トップタイム19分03秒の12%)に届かなかった35名の中の一人。中盤のメカトラによってノーマルバイクで走ったことが原因だが、ユアンは15ポイントの減点を受けて救済されている。そのためステージ3勝を飾りながらポイント賞は4位。スプリントで4位、5位、3位、3位、4位という安定した成績を残すアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)がポイント賞のトップに立っている。
翌日の第7ステージについてユアンは「(終盤に2級山岳が設定されているため)明日はピュアスプリンターには厳しすぎるかもしれない。展開によってはチャンスがあるけど、スプリンターを連れてきていないチームが攻撃を仕掛けるはず」と予想する。グリーンジャージはラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)がキープ。総合タイム差30秒以内に11名がひしめく接戦のまま8日間のステージレースは終盤戦に入る。
ツアー・オブ・ブリテン第6ステージのスタート地点はイギリス有数の競馬場があることで有名なニューマーケット。郊外に広大な競馬場や飼育場、厩舎、牧場が広がる「競走馬の聖地」にUCIワールドチームをはじめとする大型チームバスがやってきた。
フラットな186.9kmコースは再びスプリンター向き。スタート直前に降り始めた雨は本降りに変わり、途中、洗車機の中を走るような大雨が選手を襲う。雨降りに慣れている路面は比較的滑りにくいが、選手たちはずっと水に濡れた状態での走りを強いられた。
スタート直後に形成された7名の逃げグループのリードは、グリーンジャージを擁するロットNLユンボの集団コントロールによって2分30秒に押さえ込まれる。レース中盤からオリカ・スコットやディメンションデータ、チームスカイも集団コントロールに参加。3つあるスプリントポイントで激しく競り合いながら、先頭7名は集団とのタイム差とペースを調整しながら逃げ続けた。
中盤まで体力を温存し、終盤にかけて加速するペースメイクで粘った逃げグループだったが、残り13kmでタイム差は1分を切る。逃げグループからアタックしたジェームス・ショー(イギリス、ロット・ソウダル)の独走も長続きせず、ウェットな路面をハイスピードで突き進んだメイン集団は残り3kmで逃げをすべて飲み込んだ。
クイックステップフロアーズが人数を揃え、フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)を先頭に残り1kmアーチを通過。そのままマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)、ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)、ルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット)、カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)の並びで残り400mの最終コーナーに突入する。
しかしこの最終コーナーが下り&鋭角という曲者で、濡れた路面にハンドルを取られた2番手スティバルがバランスを崩してペダルを外す。こうしてクイックステップフロアーズとオリカ・スコットのトレインが同時に崩れてしまう。ガビリアを見失って先頭で彷徨うリケーゼの後ろから、フィニッシュラインまで300mを残してユアンがスプリントに入った。
後続の選手の頭が完全に見えるほど低いエアロポジションで突き進んだユアンが、後方から追い上げるガビリアやディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)を振り切る。最終コーナーで後方に沈んだ選手にはなす術がなく、長時間先頭でもがき切ったユアンが先着した。
「レース中に、最終コーナーがタイトでオフキャンバーになっているという情報が無線を通して入ってきた。雨は上がっていたけど路面は濡れていたし、勝負に絡むためには必ず集団前方で最終コーナーを抜けないといけなかった。そして理想通りのポジションで最終コーナーに入ったんだ」。スプリント3勝目を飾ったユアンはテクニカルなコースレイアウトについて説明する。
「でもライン取りを間違えたクイックステップの選手(スティバル)がバランスを崩してしまい、そのおかげで最終発射台役のルカ(メズゲッツ)がフェンス際に追いやられてしまった。そこで発射台を失ってしまったので、早すぎると思ったけどスプリントを開始するしかなかった。(残り300mからの)長いスプリント。誰にも追い抜かれずに踏み切ることができてよかった」と、今シーズン10勝目を飾った23歳の弾丸スプリンター。
ユアンは第5ステージの個人タイムトライアルでタイムリミットである2分17秒遅れ(トップタイム19分03秒の12%)に届かなかった35名の中の一人。中盤のメカトラによってノーマルバイクで走ったことが原因だが、ユアンは15ポイントの減点を受けて救済されている。そのためステージ3勝を飾りながらポイント賞は4位。スプリントで4位、5位、3位、3位、4位という安定した成績を残すアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)がポイント賞のトップに立っている。
翌日の第7ステージについてユアンは「(終盤に2級山岳が設定されているため)明日はピュアスプリンターには厳しすぎるかもしれない。展開によってはチャンスがあるけど、スプリンターを連れてきていないチームが攻撃を仕掛けるはず」と予想する。グリーンジャージはラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)がキープ。総合タイム差30秒以内に11名がひしめく接戦のまま8日間のステージレースは終盤戦に入る。
ステージ成績
1位 | カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) | 4:13:06 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | |
4位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) | |
5位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、ワンティ・グループゴベール) | |
6位 | ブレントン・ジョーンズ(オーストラリア、JLTコンドル) | |
7位 | エンゾ・ワウテルス(ベルギー、ロット・ソウダル) | |
8位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
9位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック) | |
10位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) |
個人総合成績
ポイント賞
1位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) | 61pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 53pts |
3位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) | 51pts |
山岳賞
1位 | ジェイコブ・スコット(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション) | 26pts |
2位 | グラハム・ブリッグス(イギリス、JLTコンドル) | 25pts |
3位 | ルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 21pts |
スプリント賞
1位 | グラハム・ブリッグス(イギリス、JLTコンドル) | 15pts |
2位 | マーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループゴベール) | 14pts |
3位 | ハリー・タンフィールド(イギリス、バイクチャンネル・キャニオン) | 7pts |
チーム総合成績
1位 | ロットNLユンボ | 66:31:56 |
2位 | チームスカイ | 0:24 |
3位 | カチューシャ・アルペシン | 1:27 |
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